243.「悪夢のエレベーター」

主なキャスト:吹越満・片桐仁・中村倫也・高橋真唯
作:木下半太 演出:ダンカン 舞台監督:松坂哲生
公演記録:2008.9.25〜28@シアター・ドラマシティ(大阪)
あらすじ>>小川が後頭部の強烈な痛みを感じながら目を覚ますと、そこは急停止したエレベーターの中!一緒に乗り合わせていたのは、見るからに怪しいヤクザ風の男、富永。緑色の服を着た、バッタのような、おたくのような男、牧原。そして、いかにも訳あり風な女子高生のカオル。エレベーターのボタンはどこを押しても全くの無反応。しかも誰も携帯を持っておらず外部に助けを求められない状態であることが判明。小川は妊娠中の妻から“産まれそう!”のSOSを受け、急いで帰宅せねばならない状況なのに……。絶対関りたくないメンバー同士がエレベーターに閉じ込められ、携帯も時計もない中で、停電まで……。

原作の小説の方もその小説を書かれた木下(半太)さんが主催しておられる劇団ニコルソンズも全然知らなくて。(無知)とりあえずキャストに吹越(満)さんと片桐(仁)さんの名前があったのと演出がダンカンさんってのが気になって。でもまぁ映像をやってる人が演出とかされる場合どっちかっつーと「あー…失敗しちゃったねぇ…」って感じになりがちなので(おい)過度な期待はしない方がいいかな?とは思ったんですけどダンカンさんの場合はお笑い?っつかコントとかもやっておられるしそういう人だったら演出もそんなに失敗感はないんじゃなかろうか??と思ったのもある。それより何より吹越さんがソロアクト以外で舞台に出るのはそうそうないので貴重なんじゃね??って感じで。あたしはソロアクト(しかも1回だけだし。黙)しか観たことなくて映像でだったらむかーしドラマとかでかなりファンだったもんで芝居中継で「ともだちが来た」ってのをやってたのをたまたま録画しててしかもそのことをずーっと忘れてて(爆)最近になってビデオ→DVD移行整理をしてた時に「あれ?こんなの録ってたんだっけ?」と思って観始めたらば吹越さんとなきゃやまさん(中山祐一朗氏)の2人芝居だったりで思わず「いやっほぉーっ!」って叫び出したくなるぐらいに嬉しかったりしたんですけどその頃先見の明があった(?)あたしに感謝。(おい)そんなわけでキャストの方に過度な期待をしつつ。(え?)席はぴあの先行で取ったから11列 7番とまぁまぁかな?(え?)どうやら4人がエレベーターに閉じ込められるっつー話だってのはちらしで見ちゃったりしてたんですけどまさかこんなことになろうとは!最初の滑り出しとしてはこのマンションの住人だと言い張るヤクザ風味な男(吹越満さんの役どころ)とニートでひきこもり気味?な男(中村倫也さんの役どころ)と自分が働いてる店の送別会で酔っ払った女の子をこのマンションまで送り届けた帰りだっつー男(片桐仁さんの役どころ)と自殺しようとしてたまたまこのマンションの屋上に上がろうとしてる女子高生(高橋真唯さんの役どころ)が偶然一緒にエレベーターに乗り合わせてしかもそのエレベーターが故障で動かなくなってて外部とも連絡が取れないってのに信憑性があるなーとか思っててそういうこともあり得るよなって感じだったんだけど。携帯を持ってない理由ってのもヤクザ風味な男はぢつは空き巣狙いでこの日もマンションの一室に忍び込もうとして物色しにやって来たとこでそれだから携帯なんか持ち歩いてるわけもなく…ってのとニートな男はぷらっとコンビニに買い物に行く途中だか帰って来たとこだかでそんな短時間の外出のことだから部屋に置いて来てるって話だったし女子高生は元々持ってないって話だし。何だっけ?アルバイトの女の子を送って来た男もエレベーターが突然止まった時に壁に頭をぶち当てたかで昏倒してて自分が携帯(そんでもって時計も)を持ってたはずなのにどこに入れたか分からないとかなってたしまぁアリっちゃぁアリかな?と。でも他の3人に急ぎの用事がなくてもその店長??だかは奥さんが陣痛が始まったとかで今にも産まれそう!ってのですぐに家に帰って病院まで送り届けなくちゃいけなくて超パニック!それだから必死で外部に助けを求めようとしててまぁ男2人は手伝ってあげることにするんだけどそれも何だか時間は分からねどどうやら夜中??なようだし「助けてくれー!」とか「殺されるー!」とか果ては赤ちゃんの鳴き声の真似までやってみたりするんだけど(苦笑)みんな寝静まっててどうやら気が付かない様子…。それにこのマンションには2機エレベーターがあるってので1機ぐらい止まってても片一方が動いてれば問題ないしそのエレベーターが止まってることに気付いてもらえるのはいつになることやら…って展開。それだから慌ててもしょうがないし偶然こうやって乗り合わせたのも何かの縁ですからってので自己紹介をしたりなんかして。(え?)でまぁ各々の事情みたいなのがちょっとずつ分かって来るわけだけど。そうやってお互いの名前とどういう職業かだとか好きな食べ物と嫌いな食べ物(これは富永さんのこだわり。笑)と特技?なんかを教え合うわけだけどそのぉー…ニートらしき牧原がぢつは超能力者(!)で人の心が読めるだとか言い始めて…。でもいきなりそんなこと言ったって誰も他の人は信じるわけがない!それだから「僕、スプーン曲げれます!」とかってポケットからスプーン取り出して(そして何故かいつもこういう場合の時に証明するためにスプーンを持ち歩いてるのだとか…。苦笑)曲げ出すし!(爆)で小川の奥さんが作るカレーライスにはちくわが入ってることを当てて見せたり(そして「可もなく不可もなく(まぁ普通に美味しい)」のだとか。つかカフカ君だおっ!←バカ)カオルが持ってるクマのぬいぐるみはたまたま公園で落ちてたのを拾って来たものだって言い当てたりこっちもなくはない話のやうなー…。

そこへ追い討ちをかけるかのやうに停電までしてその真っ暗な中で今度はお互いの秘密を教え合うことにしようってことに。まずは言い出しっぺのカオルから。カオルがそもそも自殺しようとしてるのは学校でいじめにあってるからみたいなんだけどその前にもずーっとひきこもりだったりで見かねた親がそういう支援団体っつかNPOみたいなとこから派遣されてくる半強制的な友達の男の人がそれまで何かにつけて話し相手になってくれたり面倒を見てくれてた自分のお姉さんと先に仲良くなってしまってそれで段々お姉さんが自分に関心を持たなくなって来たのに腹を立ててその支援団体のセンターに夜中に放火しに行ったって話をし始める。夜中のことだったから怪我人とか亡くなった人はいなかったみたいなんだけど犯人は結局分からずじまいになってるけどやったのはあたしなんだって言う随分と重大な秘密の告白ぢゃないですかっ!で次は富永。富永がたまたま泥棒に入った家で完全に留守だと思ったのに何か人の気配がすると思ったらその家の娘が寝たきり状態で意識もどうやらないみたいな感じで寝かされてたのを見つけちゃって。それでそのまま何もせずに出て行けばいいものを魔が差したっつかその娘を犯してしまったっつー告白を始めたり。それこそ犯罪じゃーんっ!続く牧原も何もすることがなくてパチンコに行ったら駐車場で親はパチンコに行ってるであろう5歳ぐらいの女の子を誘拐してその親が乗ってた車に乗せて連れ回してまぁそのまま何事もなかったかのやうに数時間後にはそこに戻したっつー話をするんだけどこれまた犯罪じゃーんっ!(爆)3人ともバレてはないから犯罪者じゃないんだけど一歩間違ったら立派に犯罪が成立してるしそこまで大それた秘密のない小川なんだけどそれじゃもちろんみんなは許してはくれない。等価価値の秘密を話せ!ってのでしぶしぶ自分の奥さんは妊娠してて今にも産まれそうな状態ではあるんだけどぢつは今日このマンションまで送り届けたアルバイトの女の子と不倫してるっつー話をし始める。でも不倫してるっつってもそれはあくまでも遊びなのであって本当に本当に愛してるのは奥さんだけなのだと言い張る小川。「じゃそのことをちゃんと証明するために何か残しておいた方がいいんじゃない?(浮気がバレた時のために)」ってカオルが言い出してたまたまカオルが自殺するのにいじめた子たちの名前だとかやり口だとかをMDに録音してたのを貸して上げてそこに「本当に愛してるのは…!」まで言った時に突然牧原のポケットの中で時計のアラームが鳴り出してしかもその時計の音は小川の時計の音で「何でそんなもの持ってる?!」みたいになってふと「そう言えば何で自分はマンションから出て行くために下りるエレベーターに乗ったはずなのにみんな部屋に帰る途中だとか屋上に上がろうとしたりだとか上がるための目的でエレベーターに乗ってる人たちと乗り合わせてるんだっ?!」ってことに気付いてしまう!そう言えばそうだよねぇ?(おぶおぶ)言われてみればホントにそうだよっ!でもう1つの話が始まる…。そう、集まった小川以外の3人はぢつは知り合い。富永は奥さんから小川の浮気調査を頼まれた探偵でカオルはその助手。で牧原は富永行きつけのバーのママ(オカマなのだっ!)で小川を騙すために手伝わされてるのだった…。(苦笑)つか意外過ぎる展開なんですけどぉーっ!!!で小川は頭を壁にぶち当てて倒れてたんじゃなくて富永が用意した一瞬で眠りに落ちる薬を嗅がされて倒れてただけ…。持ってた携帯も時計もこの3人に取られてただけ。エレベーターが止まってたのだって富永に買収されたこのマンションの借金まみれの管理人(片桐仁さん2役!)が裏で手回ししてるだけのこと。手動運転に切り換えてるだけで全然動くのだ!…なんだけどどうやらこの3人が怪しい!って気付いてしまった小川にもう一度薬を使って眠らせようとするんだけど何かの手違いか薬の副作用か小川が死んでしまう…。さてこの死体をどうする?!ってのでどたばたが起きることに…。ここからはミステリー調ってよりはコメディ??って感じで。(苦笑)管理人に見つからないように小川の死体を運び出して不倫が奥さんにバレたことを苦にしてマンションの非常階段の踊り場から飛び降りて自殺したやうに見せかけることにしたんだけど途中管理人さんに借りてたエレベーターの鍵をこっそり返しに行くのに見つかっちゃって咄嗟に小川も借金まみれでエレベーターに監禁して書類にはんこを押させるのに迫ってたんだってウソついちゃってそれで「朱肉を貸してくれないか?」って言うんだけど探してる途中に「あのエレベーター停電させるタイミングはあれでよかったですか?」とかって管理人が言い出して。そんなの富永は頼んじゃいないし監視カメラは付いてないとか言いながらぢつは全部バレてるんじゃないか?!とかまで疑心暗鬼になっちゃって管理人まで殺しちゃうんだよね…。(苦笑)それで小川の死体を落とそうと屋上まで上がったら今度は管理人が死んだはずなのに「しゅ…朱肉ぅぅぅぅぅ…」って這い上がって来るしゾンビ?!(爆)小川の不倫相手は小川からのメール(その時間まで生きてると見せかけるために不倫相手から来た携帯メールに勝手に「もう別れよう」とか返信してるのだった)にショックを受けて屋上から飛び降りようと上がって来るしもうどうなってるんですかー?!それは富永が何とか説得して自殺を思い留まらせるんだけどその後なかなか帰って来ない旦那さんのことを心配して小川の奥さんが富永にかけて来た電話の話の流れで奥さんの旧姓がカオルの苗字と同じアイキヨってことが分かる…。もしかしてこれは全部カオルに踊らされてただけなのかっ!それにカオルは放火で怪我人は出なかったって言ってたけど奥さんの話だと妹は放火してそのセンターの人を2人殺してしまっていて少年院送りになったんだけど出所して来た後行方不明になってるのだとか…。そう、カオルは元々小川も不倫相手も殺すつもりで近づいたのだった。小川は停電の時に富永の持ってた薬を摩り替えて無事殺せたけれど不倫相手は富永の邪魔が入って死なずに済んだ…。それじゃぁ自分が手を下さなくては…ってので不倫相手の住む部屋に向かうカオルがエレベーターに乗り込むとこで終演。うおー、超こえーっ!!!

やはし吹越さんと仁さんは安定感があってよかったかな、と。中村くんも今まで観たことがなかったと思ってたんですけどダンカンさん初監督映画「七人の弔」に出てたんですねい。(苦笑)つかこのお芝居も何となく「七人の弔」と似てどこかダークでそれなのにどことなくコミカルで最終的に大どんでん返しが起こるんですけどダンカンさんってそういう系の話が好きなのかなぁ?舞台セットとかもシンプルで場の繋ぎ方とかも違和感なかったんじゃないかなぁ??(偉そう)高橋さんはどこかで観たことあるんだけどー??とちらしを観た時に思ってでもそれがどこか全然思い出せないままで終わっちゃったんですけど(おい)結局何で観たんだったのやら…。(え?)あぁでもエレベーターに閉じ込められるってそれだけでパニックだなー。そんな経験はないし閉所恐怖症ってわけでもないけれど何かものすごく胸苦しくなりそうな気がする…。それだけでも充分重たいのにこんな展開になるなんて!結局カオルはお姉さんのために何かしたいっていう気持ちだけで突っ走ったのか?それともあの時自分を裏切ったっつか置いてきぼりにしたのが許せなくてお姉さんを孤独に追い詰めようとしてるのか?センターの所員が死んで旦那さんが死んでその不倫相手も死んで。みんなみんなお姉さんに関係ある人たち。自分のせいで死んだわけではないし直接手を下したわけでもないけれど妹が関わって妹が殺してるわけだから痛みを感じないわけにはいかない。そうやって直接顔を合わせなくても「わたしはここにいる」っていうめっせいじを発してるのか?それにしても邪魔者は容赦なく消すっていうカオルの短絡的と言うか直情的な悪意にぞっとする。不倫ってそんなに悪いことなのかなぁ?いや、まぁ倫理的に悪いってのは分かるよ?あたしは結婚してはいないけど結婚してもミーハー街道は突っ走り続けると思うし旦那さんは好きだけどおったんもといはいのんも好きとかいやいや、なきゃやまさんも好き、それだけじゃなくてまちゃぴこりん(河原雅彦氏)も好き、三宅マン(三宅弘城氏)も好き…言い出したらキリがないYOっ!ってのもそれって妄想的に不倫なんじゃね??ま、二次元か三次元かの違いってだけで。(え?)それでこんな風に殺されちゃうなんてねぇ…。(黙)ま、そんな感じで思った以上に面白くてよかったでつ。この日は大楽だったもんで最後ダンカンさんも登場ー。「今日で終わりなんですけど今回どうでしたか?」みたいにみんなに聞いて行って吹越さんは「何か変な関西弁でごめんなさい。どうでした?その辺の人(最前の人たち)おかしかったでしょう?でも僕、青森出身なんで…」とかって言い訳しておられましたねい。でダンカンさんが「津軽弁だったらよかった?そんなヤクザいないよー!」とかって言ってますた。(苦笑)でもこの4人の集まりはダンカンさん曰く「大間のマグロ(吹越さん)、三重の松坂牛(中村くん)、兵庫の丹波栗(高橋さん)、中国の冷凍ギョーザ(仁さん)」だそうで。(苦笑)これ、出身地かと思ったら全然関係なかったし!つか冷凍ギョーザって…。でも仁さんも負けずに「あるいは事故米??」とかって自虐的すぐるー!でもお芝居の中でも「ロシアの力士も使ってる…(一瞬で眠れる薬のこと)」とか言ったりしてていろいろ時事ネタもふんだんで。(苦笑)ダンカンさんは「大阪楽しかったー!」だそうでつ。どうやら阪神きてぃがいみたいで。(笑)「甲子園もあるしね。昨日は阪神も勝ってくれたし大阪ミラクルですわ。演出だから音楽とかも決めれるじゃないですか?最後あんな宗教曲みたいなのやってましたけど大阪だけ六甲おろしにしてやろうかと思いましたもん」とかまで…。(苦笑)で「大阪のお客さんにこれ、プレゼントしようと思って…」とかって仁さんのTシャツを持って来てるダンカンさん。仁さんが「いやいやいやいや!何持って来てるんですかっ!あーもうびっくりしたー。これ、俺のじゃないですかー!着て帰るものなくなりますよ!裸ですか?!」つって速攻回収しておられますた。で中村くんは「終わっちゃうと思ったら寂しいですねー。またこの4人でやりたいですね」とかって言っててダンカンさんが「まだまだやっちゃう?じゃ次黒部のエレベーターとかね?」つってて仁さんが「すごそうですねー。黒部のエレベーターとか…。どぉーっ!!!ってなっちゃうんですかね??」とか突っ込んでてダンカンさんが「あと崖の上のエレベーターとかね?(ポニョ?苦笑)ま、乗っかれるもんは何でも乗っかっとけば…」つってますた。高橋さんは「最初女の子1人だけだし役が難しくて早く終わればいいなー、やりたくないなー…と思ってたんですけど…」とか言い出してダンカンさんが「この1週間?10日ぐらい?ずっとやだったの??」って聞いて仁さんが「や、もっとあったでしょ?1ヶ月ぐらいやってたでしょ?(稽古とか入れたらね)大変だったんだよねぇ??」ってフォローに回ったり。(笑)でも「本番始まったら楽しくてこんないっぱいのお客さんが来てくれてもっとやりたかったなーって寂しくなっちゃいました。ホント楽しかったです。ありがとうございました」って締めてはりますた。あと今後の予定とか言ってたのかな?吹越さんはソロアクトライヴ、仁さんはラジオの案内(つか関西聞けないYOっ!他「冬の絵空」とかあるでそ!)、中村くんは映画??で高橋さんは「や、いろいろあるんですけど…」って言葉濁してたからダンカンさんが「言えばいいじゃん??」つっててでも「や、なんか情報解禁とかいろいろあるんで…。(大人の事情だー!)またよかったら観に来てください」って…調べろってことですか。(苦笑)ま、そうやっていろいろ喋ってくれて最後捌ける時に仁さんってばTシャツ投げ入れてたしね!それ見てダンカンさんもかぶってたキャスケット投げてつるっと剃った頭で帰って行かれますた。トークショーはなかったけどそれなりに贅沢だったんじゃなかろうか、と。VAMPS三昧でなーんかれびうもぐだぐだですけど許してくだせぇ。(ぺこり)