325.「授業」
主なキャスト:金替康博・筒井加寿子・永野宗典 作:ウージェーヌ・イヨネスコ 翻訳:安堂信也・木村光一 演出:水沼健 舞台監督:清水忠文・西田聖 公演記録:2010.6.10〜13@京都芸術センター フリースペース(京都) |
確かMONOの「赤い薬」(観劇日記No.308参照)の時に仮ちらしで貰った中にルドルフ「授業」とだけ銘打ってあって金替(康博)さんと水沼(健)さんが絡んでるらすぃーっつーことしか分からずキャストも未定ったら未定だったんだけど気になってはおったのだった。でも。申し訳ないんだけどルドルフっつー劇団…ぢゃないな、ユニット??があるっつーことも知らなかったもんだからまずこのちらしを観て思ったのがルドルフって人が書いた「授業」っつー作品をお芝居にするんだろう、と。(無知すぐるっ!爆)海外作品はほっとんど手を付けてないので後で聞いてもイヨネスコの名前は全く以って知らなかったわけだけれども。(黙)そうして「いつやるんだっけー??もう先行とか始まってるんだっけー??」と思っておったらば「ミッション女 プロジェクト男」(観劇日記No.320参照)の時に本ちらしを貰ってしかもヨロ企(ヨーロッパ企画)の永野(宗典)さんが女中役ですとっ?!っつーので思わず「行くっ!!!」となったのだけれど(は?)ぴあだの検索しても上がって来ないしこりはどういうわけかっ?!と思っておったらばチケット会社には出回ってなくてユニットのHP限定フォームから申し込んで当日清算・引換になるとおっさる。とりま一般発売日とやらからはだーいぶ出遅れ気味だったのだけれど楽公演がさくっと申し込めたのでよしとする。…が。当日清算・引換はいいんだけど全席自由席(整理番号は発行されてたけどその順番になるとかではなく当日並んだ順っつか引き換えた順??になるのだそうな)っつーのでその引換開始時間が15時開演のところ45分前からになるらすぃー、と。でも。45分前から引換はしてくれたとしてもそれよりも先に行って並んどかなくちゃぢゃないのかい??(おぶおぶ)…っつーことはー…1時間前にはきっと会場に着いておかなくちゃっ!しかも初めて行くとこだから迷うことも加味して(え?)おかないとー。っつーので仕事終わりで向かうからゆっくりご飯食べてるヒマもないかしら??(おぶおぶ)何なら並びながら食べるとかした方がいいのかしらん??とかいらぬ心配までし出して結局電車の中でもさもさパン食べながら向かったり…。(爆←普段そういうことはしません!きっぱり)ちょっぴり迷ったけれども(やっぱりかー!)無事着いたし大体1時間以上前から並んでる人がいませんっ!(ぐはっ!)これだったらこのキレイなロビースペースでゆっくりパンも食べれたぢゃないかっ!しかも喫茶店が併設してるからここで食べたらよかったぢゃないかっ!(がっくし)手持ち無沙汰まくりで待ってたらちらりほらりと会場内??に出入りする人があるから覗き込んでみれば全然まだ準備ちうでしかも当日お手伝いさんたち(チケットの引換受付とかする子たち)が出入りしてただけですいません、あたし、関係ないですぅー。(バカ)やっとこ引換時間が近付いて来たらちょっとは人は増えて来たけどそれでも10人に満たなかったし…。(黙)気合い入り過ぎだっつのー。つか楽日なのにそんなことでいいのかーいっ??!!(おぶおぶ)うん、まぁ無事引き換えれたし席…も1列目はこっちが緊張するので(は?)2列目の真ん中にしてみますたっ!(しゅたっ!)だって1列目だときったない剥き出しの洋式トイレのど真ん前だったし…。(だからセットだしっ!)…え??何、ここ??監禁系??(おぶおぶ←結局このトイレを使って用を足すシーンなぞはなく(当たり前)そこまでの作用はなかったけどとにかくまぁ悪目立ちはしていた)何だかんだで人も増えて来たし開演前にはほぼ全席埋まってたんじゃなかろうか??(後ろはあんまりよく見てないから分かんないけど…)ま、入場(は?)の時に永野さんが白い風船を持って出て来ててそれをトイレにクリップで止めててそれがふわふわと最後まで浮かんでいたけれど。小劇団系の人が多かったのか関係者っぽい人が多かったのかとにかく最後にふらりと水沼(健)さんが入って来られてホールの端っこで立って鑑賞しておられますた。 不条理劇とはなってたけどそのぉー…いまいち「不条理」の定義が分かってないあたしにはどうでもいい情報なのであり(えー)結局のところは面白いか面白くないかで判断せざるを得ないんだけど面白いっちゃぁ面白かったかなー、と。(は?)つか笑うタイミングが全然よく分からなかったのだ。(え?)「ここ、笑うとこ!」なシーンはそんなにはない。けどまぁあるっちゃぁある。だけどげらげらあけっぴろげに笑うべきシーンではない気がするしそういう雰囲気のお芝居でもないしそれぞれが「くすっ」ぐらいには笑ったとしても会場全体としては息を詰めて見守ってる感じは消えない。開演と同時に黒いカーテンがすーっと上がって右から永野さん、金替さん、筒井(加寿子)さんの並びで歩いて来るんだけどこれがまたペンギン歩きみたくのろのろとしか進んでなくて途中で立ち止まったかと思ったら筒井さんが無声音で「ぱっぱっぱ!」とかって口をぱくぱくさせてるだけで取り立てて台詞はない。いやまぁまだ始まってもないのかもしれないけれど。そんな静止??がちょっとばかしあった後部屋を取り囲む壁をひらっ!と飛び越えて永野さんと金替さんが中に入って行って四隅??に置かれてある黒い鞄の中から紙くずをこれでもかこれでもかとそこらぢうに散らかし回ってすっかり惨憺たる光景が広がる。いつの間にやら筒井さんはいなくなっていて散らかった部屋の中には永野さん…もとい腰の曲がった老婆と思われる女中が1人。掃除をして片付けているのかそれともとりあえず歩き回ってるだけなのか判断は付かない。とそこに「ぶー!」だか「びー!」だか壊れかけたベルの音が鳴り響く。「はいはいはいはい、今出ますよ」みたく永野さんが言って壁にくるりと丸めた紙を差し込んでインターフォンに見立てて喋り始める。どうやらこの家は「先生」と呼ばれる人の家らしくてそこに通い??でやって来た女生徒が1人。…っつっても噂を聞いて訪ねて来たっつー感じでどうやら初対面っぽい。「先生はもうお待ちかねですよ」っつーことで中に通されることになるんだけどそれが上から煙突を降りて来るみたく入って来るもんだからもしかしてここって…地下室??(おぶおぶ)そうして「授業」は幕を開けることになる。女生徒は頭がいいのか1週間??で全教科の博士号を取るために先生に教えを請いに来たと言う。そうは言われても初対面なわけだしどれだけ頭がいいのかも分からないしその程度具合??を見るためにまずは算数の計算から始めてみよう、と。…なんだけどここで女中からダメ出し??が入って「算数からなんか始めたらまた混乱してしまうことになる!」みたく言われるんだけど先生は「関係ない!お前の口出しすることじゃない!」みたくあしらって部屋から追い出そうとする。ま、女中は「知りませんよ!でもあたしはちゃーんと注意しましたからね??」とかってとりま出て行くんだけどここまでの流れで先生におかしな点は何ら見当たらず。女生徒も聞き分けがよくて足し算は超得意!すらすらと答えて行くんだけど「今度は引き算をしてみよう」っつったら俄然テンポダウン…。(黙)「2−1は?」っつっても「えーっと…3かしら??それとも4っ!」とかってそれ、増えてるしっ!(爆)そもそものところ彼女に数の理念ってモノが分かってるのかどうかも謎…。先生は必死で説明しようとして紙を丸めて棒を作って「5本」「4本」「3本」「2本」「1本」と並べてビジュアル的に訴えて数を理解させようとするんだけど見た目紙だしぜぇーんぶ混ざっちゃって何だかとってもよく分からないことになってる気がするんですけど…。(苦笑)そこで今度は「想像してごらん?目を閉じてー…君には耳が3つあるとする」とかって言うんだけど「2つですわっ!」ってそりゃご名答。(黙)「だからあると仮定してだよっ!3つある耳をわたしが1つ取ったとする。では残りは??」って聞いても「1…つ??」って取られ過ぎぢゃーいっ!(爆)物の単位…っつかそれと数を結び付けて考えることが出来ないっつか…。(滅)それでいて3桁と2桁の掛け算みたいなのにはすぱっ!と答えを出したりしてしかも先生の方が間違ってるし…。(苦笑)それが掛け算に関しては全部の答えを丸暗記してるとかで根本的に九九を理解してるとかそういうのではないやうで…。(黙)ま、あたしも引き算は苦手だったりするし就職の一般試験なんかでも延々と計算式が並んでるテストとかで足し算はよくても引き算になると途端にスピードが落ちたりとかだったから分からないでもないんだけど…。(苦笑)つか丸暗記出来るぐらいの手間隙が掛けれるんだったら根本的に理解した方が早いと思うんだけど…。(黙)そんな人に1ヶ月やそこらで全教科の博士号を取らせるとかそういうのは無理っ!って言うんだけど「それじゃ困りますっ!」な彼女の事情もあったりで。 そうして女中がお茶??を運んで来たりもするんだけどそこからもくもく煙が出てたりで(ドライアイス??)熱過ぎるのかそれとも冷た過ぎるのか…??女中も部屋の中をうろうろする分には申し分のない老婆なんだけど台所??に引っ込んだら全然しゃんっ!としてるしだらだらもしてないしむしろ煙草とかすっぱーっ!とかさせてやってらんねぇ感ありありだったり。そうして数学は全く理解が出来ていないようだからっつーので文学??を教えようとするんだけど女中は「それだけはいけませんっ!」なーんて何とかして止めようとするんだけどまたしても先生は女中の言葉には耳を貸さず…。そうして女中はまた奥に引っ込まされるんだけど…。女生徒はと言えば従順と言えば従順と言えなくもない。はきはきと返事もするし「ノートに書いておきなさい」と言われれば熱心にノートも取るし聞き分けもよくなくもない。(は?)…なんだけど先生の説明でちょっとでも自分が知ってるだとか喰い付くところがあれば乗っかって来るっつか別に知識をひけらかすとか自慢するとかそういう態度でもなく「それはこういうことでしょう?」みたいな「あたし、知ってます!」的なアピールにも見えなくもないんだけど先生はそれが気に入らない。「口答えするな!」とかって急に厳しい態度で「ちゃんと人の話を聞きなさい!」なーんて怒ったり。そうして先生が熱心に説明してくれてるにも関わらず彼女にはこの部屋の寒さが堪えて仕方がない。「ねぇ、先生?寒くないですか?」って訴えるんだけどそれすらも聞き入れては貰えない。「そんな他のことを考えてるから話が分からなくなるんだっ!」とかって強引に話を前に進めようとしてくるし…。その間ぢうも「寒い寒い」を繰り返す彼女なんだけどそれもそのはず。女中が台所からその部屋に向かって段ボール砲でドライアイスの煙を撒き散らかしています、先生っ!(おい)そうしてもう本当に「寒い」ことしか考えられなくなった女生徒は必死で紙くずを拾い集めて服の中に入れて暖を取ろうと必死で小刻みに震えてもいる。それなのに先生は「寒いばっかり言ってないで!君は僕の話を真剣に聞いているのかねっ?!」とかって椅子に押さえ込んででも話の続きを聞かせようと必死で…。そんな先生から逃れようとますます彼女は机の下を這いずり回りどうにかして寒くない場所、隠れられる場所を探し回るんだけど先生はますますそんな彼女の態度が気に入らない!「ちゃんと話を聞きたまえ!」とかって机はひっくり返すわ、椅子は薙ぎ倒すわでもう授業どころじゃないですぅー。(涙目)直接の暴力を彼女に振るってるわけじゃない。先生にとって必要なのはただ「はいはい」と頷いて話を遮られることもなく自論を聞いて貰えてなーんとなく自分が尊敬され崇められてるかのやうな態度でもって接して来る生徒だけ。「寒い」ぐらいで我慢も出来ず勉強もまともに出来ない話の分からない落ちこぼれには用はない。こっちの熱意に必死で応えて来る、それこそが生徒のあるべき姿なのではないか、と。そうして寒さに耐え切れなくなった彼女はこの部屋を出て行こうとする。もう授業はいいから家に帰りたい、と。そっちが頼み込んで来たからこっちは自分の時間を割いて君のために授業をしてやってるというのに何だね、君のその態度はっ?!とブチ切れる先生。でも可哀想な彼女にはもう目の前の人が先生には見えない。訳の分からない話を滔々と語り「寒い」と訴えても聞き入れもせず自分が帰ろうとするのを邪魔しようとする。どっちにもお互いがモンスター。相容れるわけがない。そうしてる間にすっかり逆上した先生は台所から包丁を持って来て女生徒に突き立てる。そうしてくず折れる彼女の身体…。先生自身何を自分がしたのかも分からない。聞き分けのない生徒に実体を持って分からせようとしただけなのだ。それなのに…。彼女は死んでしまった!不可抗力??そうなのか??元はと言えば彼女が悪いのだ。全然話を聞こうとしなかったのだから。「それだから最初に言いましたよねぇ、私は。文学の話はお止めなさい、と」。すっかり力関係の入れ替わった女中は先生に向かって攻撃を仕掛けてくる。おろおろと女中にすがる先生。「だって仕方がなかったんだ、仕方がなかったんだよぉー!」そうやって泣き付く姿は「赤い薬」の時のウザさすれすれのお医者の先生のやう。(え?)すっかり金替さんってばこの手の弱っちい役に目覚めたか?!(違)水沼さんにとっても「赤い薬」での金替さんは新しい発見だったのか??そうして永野さんの女中は…普段のあっけらかーんっつかあんぽんたーん(おい)な役の多いヨロ企での永野さんとはぜんっぜんっ!違う。そう言えば永野さんを全くの外部公演なぞで観たことはまだない…んだったか?(え?)女中である彼女は目撃者であり共犯者。死体をどう処理したのか、どこに隠したのか…。家族…もいただろうに「うちの娘がお宅に訪ねて行ったまま帰って来ない!」なーんて言われたりしなかったのか??(おぶおぶ)それなのに先生の噂はちーっとも悪くなるどころかますますあの家に行けば成績優秀になれると言う噂の方が絶えないのかまた違う生徒が訪ねて来ることとなる。今度の彼女も呼び鈴をばんばん押して待ち切れさげな態度からすると…また先生の餌食にされてしまうのかー?!…で暗転。 そう言えばー。開演するまでずーっとラジオの放送のやうな台詞のやり取りが入ってるテープが流れていてでもその喋ってる内容はぼそぼそとして聞き取れなくて途中からは真剣に聞き入るっつーよりは雑音ぐらいにしか聴こえてなくて。それが突然「きゃーっ!!!」っつー女の人の叫び声で途切れて舞台が始まるんだけど。これって…今回のお芝居の流れをダイジェストでなのかまんま流してたんだね…。女生徒が先生に刺されて自分がどういうことになってるのかが分からなくてやっと気付いたところで「きゃーっ!!!」と叫ぶ。そうして次のシーンでは女中が先生よりも上から目線で喋り始めて…って流れに繋がって行くんだけどそこから以降が観てのお楽しみvvってとこなのかな。(え?)1時間45分だったかで2時間なかったしこうだぁーっ!!!と集中して観れたし全くへんてこりんな話だったわけじゃなくなーんとなく分かるやうな分からないやうなべみょうなところで展開されてて難しく考え出せばいくらでも難しく出来る話なんだろうしつらっと他のれびうに目を通してみれば原作にはナチスの収容所うんぬんな下りがあったとかなかったとか??でそういうところをすっ飛ばして分かりやすく噛み砕いて作ってあるのだとすれば随分と親切なお話とも見えなくもなかったんだけどすんなりと受け取っちゃダメなお話だったりするんですか??やっぱり??(おぶおぶ)カテコも特別挨拶もなく極々シンプルに終わってしまい余韻も何もあったもんじゃなかったんだけど(苦笑)外に出てみればすっかり晴れておるのであり(中が暗かった分余計に。笑)中庭??みたいなところでは水沼さんとヨロ企の上田(誠)さんが談笑していたりなんかしてなにげに接点があるのかっ??!!と思わなくもなかったりなんかして意外や意外。(え?)…や、まぁ上田さんは永野さんがどういう感じに仕上がっておるのかだとかそういうのもあって観に来てらっさるのもあるんだろうからそこんところを「演出はどういう感じで??」とか水沼さんにレクチャー受けてたりとかしてたのかもしれないんだけどちょっと前通りすがりにわきわきしてしまったことだよvv(痛)同じ京都出身の劇団さん同士だしなにげに親交もあったりするのかもだけどさー。…って結局ミーハー視点で申し訳ないっ!でも劇場…っつーわけでもないのかもしれないけど古い小学校だか図書館だかの作りを改装して多目的スペースっぽくなってるみたいで結構居心地のいい空間だったりでふらりとあーいう場所で演劇を観るっつーのもまたよし。アンケートも何もなかったから今後DMなんかが届く可能性があるのか分かんないけど(あ!でもフォームで住所諸々連絡先とか入れてるわけだし届く…か??…と。郵送じゃないから電話番号ぐらいしか入れてないっけ??…忘れた。←爆)キャストと演目によっちゃぁ観たい…やも。(それじゃ他の劇団さんとかと一緒ぢゃんっ!爆)でもまぁ行く方に間に合ってよかった。(ほっ) 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