164.「コリオレイナス」

主なキャスト:唐沢寿明・白石加代子・勝村政信・香寿たつき・吉田鋼太郎・瑳川哲朗
原作:W・シェークスピア 翻訳:松岡和子 演出:蜷川幸雄 舞台監督:白石英輔
公演記録:2007.2.13〜18@シアター・ドラマシティ(大阪)
あらすじ>>紀元前五世紀。ローマは王政から共和政と移行し、王の代わりに執政官が国の最高責任者となった。平民からは護民官が選出され、平民も国政に参加できた。そのため、従来、権力を誇示していた貴族と新興勢力である平民たちの間には、それぞれの思惑が渦巻き、争いが絶えなかった。ローマの貴族、ケイアス・マーシアスは腕の立つ武将で、16歳での初陣の勝利から17たびの激戦をくぐり抜け、ヴォルサイ人との闘いでも見事な功績を残した。その目覚ましい活躍を、現執政官コミニアスに誉めたたえられ、ヴォルサイ人の都市コリオライから取って<コリオレイナス>という名を与えられた。
コリオレイナスは執政官の候補となった。彼は、母ヴォラムニアに国のために闘い、高い名誉を得ることだけを期待されて育った。しかし、執政官は市民集会で選ばれる。そのため候補者は平民の構成員である平民たちにも好感をもってもらうように振舞わなくてはいけなかった。コリオレイナスは母の影響もあり、平民はすぐ気が変わって当てにならないと常々、批判的に思っていたし、元来真っ直ぐで追従の言えない性分だったため、逆に平民から反感を買ってしまう。護民官シシニアスとブルータスに煽動された平民によって、ついにはローマから追放となる。平民が平和に暮らせるのは、自分が闘ってきたからだと考えるコリオレイナスは平民の態度に怒り、ヴォルサイで闘った宿敵オーフィディアスを訪ねる。彼の猛攻に大きな損害を受けたにも関わらずオーフィディアスは彼を迎え入れた。コリオレイナスはオーフィディアスとヴォルサイ人を伴い今度は故郷ローマに攻め入った。まず、コリオレイナスを息子のように大事に思ってくれたメニーニアスが彼の説得に現れたが、聞き入れない。次に、母ヴォラムニアがコリオレイナスの貞淑な妻ヴァージリアと幼い息子を伴い彼の前に立ちはだかった。はたして、コリオレイナスの怒りの反撃を止めることはできるのだろうか……。

蜷川シェークスピアシリーズも今回で16本目ですかー。早いっすねい。「恋の骨折り損」と続けて東京公演だけかと思ってたんですけど大阪でも観れて嬉しい限りですー。と。チケット先行(キョードー大阪分)はラルクラニバライヴとかぶってたのでドラマシティのちらし先行がその前日にあったのでそれで申込完了ー。無事東京遠征も済ませて帰り際にホテル近くでチケット引き換えてみたらば…19列 23番って後ろの方だよよよん。(黙)もしかしてキョードー先行の方がよかったかなぁ?(おぶおぶ)全然電話出来ないわけじゃなかったしー…。まぁでも楽日取っちゃったからなぁ…と諦める。もうこの週は「スウィーニー・トッド」(観劇日記No.163参照)から始まって「朧の森に棲む鬼」まで3連荘。(苦笑)日替わり観劇で御座いますー。(爆)でもなんつーかこのお話ってシェークスピアっぽくなかったやうなー?伝記モノって言われても「そうなんだ」と普通に納得したかも。(バカ)あぁでも「タイタス・アンドロニカス」(観劇日記No.65参照)とか「ペリクリーズ」(観劇日記No.42参照)とかと似たテイストって言ったらそんな感じかなー、と。まず幕が上がってそこに全面ガラス張りで客席がどばばーんっ!と映し出される演出にお約束ながらも(よく蜷川演出でやっておられますよね)「ほぉーっ」と感嘆が漏れてましたことよ。なんつーか今回はアジアっぽいテイストっつか京劇っぽい感じがしたりなんかして。白石加代子さんと香寿たつきさんの衣装なんかはかなり京劇っぽい気がしたんですけれど。(つか京劇をちゃんと観たことがないのであくまでもいめいじですが。苦笑)こう場面の転換で襖を開け閉めしていくやうに扉が現れたり洋間っつかそんな感じで仏の姿が描かれた壁紙っぽいのが現れたりでそういうのも中華っぽい。唐沢(寿明)さん演じるコリオレイナスはかなりきっぱりした性格(え?)みたいでこう自分が自分がって自慢したりそういうこともなく貴族としてのプライドも高くてそんな平民に媚び諂ったりなんか出来るかっ!ってなとこがちょっと偉そうで嫌なんだけどだからって心底嫌ーなヤツって感じでもなくきっとちゃんとトップの座についてれば言われただけの、いや、それ以上の仕事はちゃんとやってくれそうなきっちりした性格の人なんだと思うんですけれど。平民だからって見下してるわけでもないんだと思うんだけどなんとなくその毅然とした態度とかが大仰に見えなくもない損な人なんだと思う。ま、政治をするってことは親しみやす過ぎてもどうなの?!って感じだしホントはこういうクリアな人がやれば問題も起きなくていいんじゃないのかなー?と思うんですけれど。でも人の上に立つってことは難しいことだしある程度人気取りみたいなのもないといけないんだろうしそのバランスがビミョーですよね。(苦笑)でもコリオレイナスは政治家としてその椅子にじっと座ってることよりも戦場で自分はどこまで出来るのか?ってことを実地で確めてたいタイプの人だと思うのでそうやってちやほやされて周りとの付き合い方も考えてって言われても「そんなの分かんねぇよっ!」ってぶっちゃけちゃうタイプなんだと思うんですけれど。(苦笑)だからまぁ執政官なんてのに選ばれなくても別にどっちでもよかったんじゃないのかなー?なんて。でも選挙して選ぶって決めたんだったらそのためには市民の側もそれなりには賢くないといけないわけで。数で得られる力とかそういうのも確かに大切だとは思うけどちゃんと物を見極める力も持たないと。ただ流されるがままに権力のいいように扱われてたらいけないと思う。ま、自己主張ばっかりでもいけないわけだけど。「こうしてほしい」って思うことは大切だし「そのためにはどうすればいいのか?」って考えることもまた大事だと思うししてもらうばっかりでもいけなくてちゃんと自分たちでその権利をつかみ取らなくちゃと思うんですけどそれがなかなかねぇ…。「なんか違うっ!」って思ってても周りのみんなが自分とは違う側に流れて行ったら心細いっつか「自分の方がやっぱり間違ってるのかなぁ?」とかって不安にもなってこう大勢に付いちゃったりしないでもないんでしょうけれど。であとでやっぱり都合が悪くなったりしたら「俺は最初からそう思ってたよっ!」とかっていきなり主張し出したりなんかしてそれってずるくね?みたいなさ。最初からそう思ってたんだったらそれを貫けばいいわけだしどんなに周りが向こう側に流されて行ってもたとえ1人になってもちゃんと自分の考えを持っていられるなーんてことはなかなか出来なかったりするんですけどねぇ…。(苦笑)なんかこう今の日本もなんとなーくそんな感じがしないでもないし。そうやって遠くの方から「こんなの満足出来ないっ!」って叫んでるだけじゃ世の中何も変わらないんですよね。ちゃんと選挙にも行って筋は通さないと。ま、選挙に行ったからって劇的に何かが変わるなーんてことはないのかもしれないけどでも責任持って自分の信じる人に投票するってことも大事なんじゃないのかなー?と。棄権してばっかりじゃもったいないじゃないですか。自分は投票してないんだからこんな風になってもらったら困るっ!ってあとから言ったって遅いんですって。その場はなんとか無理くり治まっても結局コリオレイナスに反撃されてどうしようもなくなっちゃってるじゃないですかー。なんかそういうのホントみっともないですよ?追放すればどこかで行き倒れてくれるだろなーんて考えが甘いったらない。なんかだんだん執政官の2人(瑳川哲朗さん&手塚秀彰さんの役どころ)が嫌ーなやつに見えて来ちゃったり。(苦笑)自分たちには何1つ政治的手腕なんかないくせにただ気に入らないから、目障りだからってコリオレイナスを追い出すだけ追い出して後のことは何にも出来てないじゃないですか。平民から選ばれた代表だからっていう立場にどっかりと腰を下ろしてじゃぁその国のために何が出来るのか?って言ったら何も出来ないわけじゃないですか。なんか今も昔も政治家っつか政治屋さんってのかそういうのって何にも変わってないんですねい。とほ。

と。白石加代子さん演じるお母さんはおっかさん(え?)って感じでどーんと構えてて息子が戦場に行っても泣きごと1つ言わないしもしも勝って帰って来れなかったとしてもそれは名誉な死なんだって言い切っててものすごーく強い人って感じ。迫力がありますよね。うーん…でもぢつの息子にあそこまで徹底出来る人ってなかなかいないと思うんですけど。戦争に送り出すことに全然後悔してなさげでちょっと共感するってとこまではいかないやも。お嫁さん(香寿たつきさんの役どころ)に「いつまでもめそめそ泣かないっ!」みたいに叱咤したかと思えばちゃんとフォローするとこはフォローしてるみたいだったけど。どっちかっつーと奥さんの方が分かりやすいっちゃぁ分かりやすいかもしれません。でもまぁあのお母さんに出張って来られて土下座までされたら普通に「我侭言ってどうもすいませんでしたっ!」って平謝りしてしまいそうな。(苦笑)なんならあのお母さんが執政官になったらよかったんじゃないの?ってぐらいな。(は?)オーフィディアス(勝村政信さんの役どころ)はコリオレイナスの永遠のライバルって感じかなー。いつもいつも負けてばっかりで全然付け入る隙もなくてこいつにだけは敵わないと思ってたのにそれが飛んで火に入る夏の?コリオレイナス。(は?)なんかコリオレイナスってずーっと強くて人に頼ったりすることもなくて敵として面前と立ちはだかってて目の上のたんこぶっつか「負けないっ!」って意気込んでてもどこかで「勝てるわけない」ともこっそり思ってて。それなのに急に弱気になって国を追われたから受け入れてもらえないか?なんて頼まれたらなんかそんな弱いとこ見たくなかったみたいに思ったんじゃないのかなー?って。こう弱いとこ見せられてイラっと来ちゃったっつかさ。どこかで憧れてたのかもしれない。好き…って言ったら変だけど。(苦笑)一目も二目も置いてたのに何でそんななっちゃうんだよっ?!みたいなさ。そんな簡単に闘いもせずにコリオレイナスが自分の手に入っちゃっていいのか?って。コリオレイナスと次に対峙する時は自分が死ぬかコリオレイナスが死ぬかぐらいの勢いだったはずなのにそんなおめおめと尻尾振っちゃっていいのかよ?って。あぁもう情けないっ!って誰よりも歯痒く思ったのはオーフィディアスだったかもしれない。誰よりも近くにいて誰よりも遠かったコリオレイナスだったはずなのに。(恋人かよっ?!苦笑)そんな手中に丸め込んだみたいにしてしかも母親に説得されてまた簡単に転んでしまったコリオレイナスのあの状況だったら誰にだって手を下せたと思うよ?だって付け入る隙がありまくりなんですもの。(苦笑)ホントはもっとちゃんとしたお膳立てがあってコリオレイナスと対決したかっただろうな、と。なんかそれはちょっと残念な気がしないでもないですが。でも3時間以上の長丁場、ついついふっと意識が遠のく瞬間が。(爆)ダメなんですにい。「ペリクリーズ」も「タイタス・アンドロニカス」もふっとどっかに入っちゃってた時があったやうな。(おい)シェークスピア劇の中でもこの手の歴史モノっぽいのってダメなんですよねぇ。話の筋についていくのが精一杯なのが一番ダメな原因なのかもしれませんけど。ある程度予習しとけよって話で。(苦笑)つかうとうとしたりとかはしてないですけどもー。(焦)後ろに座ってた方はお隣通しで「ちょっとうとうとしてたよ」っておっさってましたが。(苦笑)あ。今花粉症の薬っつかアレルギーの薬飲んでるから眠たくなりやすいのねん。(おい)しかも顔が崩壊しかかってるので(え?)眼鏡を久々にかけてたら視力の矯正が合ってないし(普段コンタクトなので夜寝る前とかしか眼鏡をかけないので度数をちゃんと合わせてなかったりとか。苦笑)それで席が遠かったのでオペラグラスを観ようと思ったら眼鏡の上からだとすこぶる不便なものなんだってことが分かったよ。(苦笑)いつも直接オペラグラス観れるからそれにすっかり慣れちゃってたYOっ!(コンタクトだからねー)なんかその辺でも満足のいく状態(自分がね)じゃなかったのがなんとも…もったいないっ!カテコは大阪楽日だったのでそれなりに盛り上がってましたよ。(人事?)なーんか最前列が痛そうなファンがいそうだなーと思ってたら最後に飛び出しで握手を求めておられる方がいたりなんかして。(唐沢さん目当ての人だったのかなぁー?)で係員のおねいさんがすかさず「止めて下さいっ!」って割り込みに行っておられましたねい。ぐっじょぶっ!(おい)分かるんだけどね。最前だったら「あわよくばー」って思っちゃう気もなんとなく、ね。でもそれってやっぱり迷惑じゃないですか。よぉく考えてみてくださいね?主演だからいいですか?そういう目立ちたがり屋さんがいると相手の人にとっても困っちゃうことだと思うんですけども。ちょっと手振ってそれに応えてもらっちゃったーぐらいじゃダメですか?(おぶおぶ)ま、あたしもまちゃで最前ーとかサダヲで最前ーとかくどちゃんで最前ーとか三宅さんで最前ーとか(お気に入り多すぎですからっ!)なったことないんでそうなったらどうなっちゃうか分からないですけども。(おい)でも気をつけなくちゃなーと思いますですよ、ハイ。いつかはいじられたいですけどね。(え?)次「恋の骨折り損」もばっちり押さえれたので北村王子をじっくり拝んできますですよー。と最前じゃないけどな。(爆)