204.「欲望という名の電車」
主なキャスト:篠井英介・北村有起哉・小島聖・伊達暁・明星真由美・菅原永二・押田健史・Takuya・永島克・鈴木慶一 作:テネシー・ウィリアムズ 翻訳:小田島恒志 演出:鈴木勝秀 舞台監督:小林清隆 公演記録:2007.12.5@シアター・ドラマシティ(大阪) |
あらすじ>>「欲望」という電車に乗り、「墓地」という電車に乗り換え、「天国」という名の通りへ一人の女が下り立った。疲れ切った様子の、その女の名はブランチ。妹のステラが暮らす、ここニューオリンズのフレンチクォーターへようやく辿り着いたのだ。 姉妹はアメリカ南部の大農園ベル・レーヴで育った、古き良き時代の上流階級の出身。ステラの夫でポーランド系のスタンリーは、上流の出自を誇示するように振る舞うブランチの態度に苛立ちを募らせ、二人は事あるごとに対立するようになる。 一方スタンリーの友人で仲間内で唯一紳士的なミッチは、ブランチの、界隈には見られぬ清楚な魅力に心惹かれて行く。ブランチもまた、ミッチの愛情に人生を取り戻す望みをかけるようになる。 余りに多くの傷を負い、ボロボロだったブランチに射した僅かな光明。だが、スタンリーが自身の存亡をかけて探り出したある「事件」が、人々の運命をさらに狂わせて行く。 |
今まで「欲望という名の電車」を観る機会がなくもなかったんだけどどうにも日程が合わなかったり東京公演だけだったりで恵まれず…。(黙)堤真一×大竹しのぶ(蜷川幸雄演出)とか古田新太×篠井英介とか観たかったのになー。(遠い目)そんなわけで初「欲望」っすよ。上演時間が長そうだっつので調べてみたらば3時間ちょっとあるらすぃー…ってので行くの見送っちゃおうっかなぁー?(爆。だって19時開演だから22時前とかになるんだも。それにこの日ラルクはんのやっふぅーライヴトークとかあるってなってたし←おい)と思ったりもしたんですけどキャストはほんつすごい豪華だし(あたし的に)まちゃ(河原雅彦氏)もブログで「よかった」って言ってたりしたのでこれは行かなきゃなるめぇ、と。(は?)あとで見たら(長塚)圭史くんもブログで「いい」って言ってたっけ。(それはだてちん(伊達暁くん)が出てるから観に行ったってのもあるだろうけど)ダンカン先行を狙ってたんだけど大阪公演はスルーされてたし他の先行もあんまりチェックしないまま終わってしまってたりで(おい)やっとこe+先行で申し込んで「どうせいい席じゃないんでしょうー?」とか思ってたらば14列 3番って…スーパーライヴ(観劇日記No.203参照)と全く同じ席だったよ。(苦笑)会場に行ってみたらば22時5分終了予定って…長っ!やっべぇー…。や、この日だけだったら問題なかったんだけど5日間連続観劇週間の幕開け(は?)だったもんでこれからのこと考えるとちょっとでも早く帰りたいんですけどー…。(個人的問題)ま、仕方あるめぇ。(誰?)ファン層はどんな感じなんですかねい?やはし篠井(英介)さんメインだしそっち関係なのかなぁ?でもすっごい若い子(苦笑)とかもいてたりしてよく聞けばTakuyaくんファンも結構多かったみたいで。なにげに「こないだ東京行った時はさー」なんつー話が展開されてたので遠征しまくってる人とかもTakuyaくんファンの中には多いみたいな感じ?つかごめんなさい。テニミュ(テニスの王子様)あんまり詳しくないもんでこの辺の盛り上がりが分かんないんですよねぇ…。(黙)それよりもムーンライダーズの鈴木慶一さんが出ておられたことに気付いてなかったもんでびつくり。(おい)むかーし「ドント・トラスト・オーバー30」(観劇日記No.49参照)で音楽監督で演奏シーンとかには出られてたことがあるけど…役者さんとしては映画の「Picnic」の牧師さん以来見てないかもしんない…。うはー楽しみだー。(今頃かーいっ!)のっけから永島(克)さんがフランス語?で掻き回して行かれた(おい)ので「…え?何が始まるんだー?!」って感じでしたけどホントにあらすじとかも何も前知識ないし映画ですら観たことなかったのでまっさら。唯一知ってるシーンがミッチとブランチが言い争いっつかブランチの過去が明らかになってしまうシーンのブランチの長台詞だけでそれも恩田陸さんの「チョコレートコスモス」のオーディションで使われる台本でちらっと知ってるだけっつー。(苦笑)だからもうあのシーンもブランチ1人だけのシーンだと思ってたとこあったし。(え?)とそれはさておき。パンフには篠井さんが「若いカンパニーだから小島さんと姉妹に見えないとかそういうことのないようにしたい」っておっさってましたが全然そういう違和感みたいなのはなかったでつ。篠井さんのブランチは何度も演じられてるだけあって安定感っつか安心感みたいなのがあったし年が多少離れてたとしても姉妹だってうんと年の離れてる人だっているしむしろそういう年が離れてるっていう見た目?みたいなのが姉なんだけど母親みたいなとこも感じられるっつかうざさに磨きがかかってる感じがしてしっくり来てたんじゃないのかなー、と。あたしは兄弟とか姉妹とかがいないからそういうのは自分ではよく分からないけどこう年が離れてるからこそ妹が可愛いっつかあたしが面倒見てあげなくちゃっ!みたいな気持ちが他の人より強いのかなー?ってのは思うしそういうブランチとして見てたので特に問題なかったやうに思うんですけど。ブランチは今は確かに落ちぶれてしまってるかもしれないけどずーっとお嬢様育ちで来たしそういう暮らしに何の違和感も感じずに生きて来たしプライドも高いしスタンリー(北村有起哉さんの役どころ)みたいな人たちってのは自分たちの召使ぐらいにしか思ったことがなくてそういう扱い方しか出来なかったんじゃないのかなー、と。普通に暮らしてれば妹が結婚したからって会いに行ったりはしてもずーっと世話になり続けることなんてなかったわけだし何年かに1回ぐらいのペースだったらここまで酷い関係にはならなかったと思うし。お互いに相手のことは好きだしそりゃだから結婚したわけだけどその家族だから愛せるか?って言ったらそれは全然違うと思う。嫁姑の問題だってそうだけど好きな人の母親だからって上手く行くわけじゃない。元々は他人なわけだしいい関係を持てる人もいればそうでない人だっているわけで。それは性格が合う合わないの問題で親戚付き合いだって会わずに済めばここまで深刻な問題にはならなかったはず。一緒に住むからにはどっちかの歩み寄りみたいなのも必要だけどそういうのはどっちも許せなさそうな性格だもんね…。(苦笑) 対する(北村)有起哉さんのこういう暴力的な役って「ウィー・トーマス」(観劇日記No.53参照)でもそうだったし最近だったら「SP」の犯人役もどことなくそんな感じだったし特別「何でこんな役やっちゃうかなー?」みたいなのはなかったけどでもいつもよりかは声色とかも全然違ったしスタンリーの狂気みたいなのはすっごいあったと思う。こう終始イライラした感じとか。でもそれでいて弱いんだよね。勢い余って奥さんのこと殴っちゃったりブランチのことをこれでもかっ!ってぐらいに罵倒したりするんだけどそれでもステラ(小島聖さんの役どころ)にだけは嫌われたくないっつの?そういう弱さみたいなのはあったんじゃないのかなー?殴って喧嘩した後でぼろっぼろに泣きながらステラに取り縋るとことかそんな感じしたし。暴力振るう人ってそういうとこあるって言うじゃないですか?結局は自分が弱いからもっと弱いとこに当たって行っちゃうみたいな。気候的に暑いってのもますますイライラを増長させるんじゃないのかなー?なんて。あたし、夏とかほんつダメなんですよねー…。冬はまぁとりあえず服着込んでこたつか布団に包まってればそれなりに暖かいけど夏は裸でいたって暑いもんは暑いじゃないですか?(は?)脱いでもダメ。そうなったら冷房の部屋にこもりっきりになるわけでそうしたら他のとこ行けないしそれに汗かいたらアレルギーで痒い時なんかもう絶対ダメ。汗でますます痒くなっちゃう。乾燥もダメだけどそっちの方がずーっとやだ。髪の毛とかびっちゃぁーって張り付いて来たりするしうぉーうっとぉーしぃーっ!(怒)とやり場のない怒りみたいなのでますます怒りっぽくなっちゃう。(おい)「何でこんなに寒いんだよっ!」ってので人は殺さないと思うけど「何でこんなに暑いんだよっ!」ってのは人殺す勢いがあると思う。(爆)でそんなに暑いってのにブランチときたら「心を落ち着かせるため」だとか何とか言って昼間っから長風呂だったりでもうどうなってんだっ!こいつはよー?!みたいな気が狂いそうなぐらいにイラっとしそうなこと平気でやってくれちゃってるし。もうたぶん第一印象からしてダメで付き合ってみてもやっぱりダメでそうしたら一挙手一投足がそれこそ全部1つ1つがピンポイントでイライラのツボにヒットするんじゃないのかなぁ?もう何されてもダメ。目の前から早く消えて欲しいと思うんじゃないのかな?それぐらい合わない人とは合わないんだも。仕事関係とかだったらまだいい。だって友達なわけじゃないんだしその場さえ我慢してれば別にずーっと付き合って行かなくちゃいけないわけじゃないんだしやり過ごすことが出来る。だけど家族として受け入れるとなったら話は別だ。それまで一緒に住むことは条件でも何でもなかったしこんなことになるなんて思ってもみなかったしそれにステラには財産があるんだと思ってそういう下心もちょっとばかしあって結婚したとこもひょっとしたらあるのかもしれない。それが財産はすっからかんになくなったって聞かされてそれでやーな感じのおねいさんにうろちょろされてしかも「住むところがなくなったからここにいさせて?」みたく居候されてで持ってる物は結構お金持ちちっくだし言ってることとやってることが違いやしないか?みたいな疑心暗鬼にはなるしその上に悪口こそこそ言われたりちくっと嫌味言われたり「じゃどうしろって言うんだよっ?!」みたいなさ。「そんなに嫌ならお前がこの家からとっとと出て行けよっ!」って。何様のつもりだよ?!って感じですよね…。スタンリーにしてみればさ。だから最後スタンリーがブランチのことを絞め殺すか何かしてしまうのだと思ってた。(爆)そうはしなかったけど半分その気はあったんじゃないのかな?分かんないけど。 ステラはホントいい人ーって感じですよね。どっちの言い分も聞く。ま、それをどうすることも出来ないわけだけど。(苦笑)あたしだったらこんな2人の我侭には付き合ってられないと思うし出て行っちゃうかも。(おい)殴られてもスタンのことが好き、お姉さんのことも無下に出来ない。たぶんお姉さんのことは「昔はこんなじゃなかったのに…」みたいな悲しい気持ちの方が強いのかなー、と。こう品格があって堂々としてて自分のことも心底可愛がってくれて愛してくれて幸せな家庭に育った姉妹って感じと今は全く違ってしまった自分たち。そうさせてしまった一端に自分も関わってるかと思うと後悔っつか申し訳ない気持ちになってしまうんじゃないのかなー、と。ミッチ(伊達暁さんの役どころ)はブランチに憧れてたのかなぁ?きれいなお姉さんは好きですか?って感じか。(おい)でもブランチの全てを受け止めて受け入れてあげられるほどの度量はなかった、と。愛していたってのとは違う気がする。だてちんもそんなに身長とか低い感じじゃないと思うんだけどブランチを抱き止めようとするシーンなんかマジで篠井さんに押し潰されてるーって感じがしたんですけど。(爆)その辺の力関係とかもミッチとブランチを暗示してるやうで切ない…かなぁ?(おい)受け止められないんですよね、ミッチじゃ。ブランチにしてみれば生活して行くっつか生きて行くためには仕方がなくて娼婦みたいな生活もしなくちゃならなくて自分の生徒と関係を持ったってのはそこに愛情があったかどうかってのは本人同士にしか分からないけどでもそうするしかなかったんだろうし。だけどそれは好きな人には言ったら嫌われるって分かってるし隠しておきたいってのも分かる。自分は思った以上に年を取ってしまってるしミッチには吊り合ってないだろうことも分かってる。だけど好きだからもし全部バレてしまったとしてもそれを何でもないことだって言ってくれるのならそれを期待してしまう自分もいたんだろう。だけどそうはならなかった。昔少女の頃に愛した人も「あなた、ゲイなんでしょ?」って言ったら自分の目の前から永遠にいなくなってしまった。男が男を好きだとか女が女を好きだとかそういう前にきっとその人はブランチのことも人として好きだったんだと思う。それを軽蔑したかのやうに言われたからそんな自分が嫌になってしまったのかもしれない。どっちつかずの自分に愛想を尽かして自殺してしまったのかも。ブランチにしてみれば過去を忘れて生きるなんて出来ないしそれをミッチにも分かって欲しかったんだと思う。でもそれを全部分かろうとするにはちょっと背負うものが相手にしてみれば重過ぎると思うけど。ユーニス(明星真由美さんの役どころ)とスティーヴ(菅原永二さんの役どころ)ぐらいの夫婦がちょうどいいのかもねー。喧嘩ばっかりしてるけど仲よさげだし。ま、「いつも奥さんに殴られてる」みたいだけど。(苦笑)であの冒頭の永島(克)さんはちょこちょこ出ておられましたけどみんなには見えてない設定なんですねい。死神…って言うよりブランチの影みたいな存在だったのかなー?こう暗くて日の当たらない過去の影っつか亡霊?ブランチはずーっとそれに取り憑かれてたんだね。最終的にブランチは精神病院送りになってしまうしスタンリーはどう思ってるかは分からないけどステラはとてもそのことを後悔していてまたしても自分のせいだって思う種が増えてしまってる。ブランチにとってそれがよかったかどうかはまだ分からない。誰も知り合いのいないところで心穏やかに過ごした方がいいのかもしれない。もうステラにも二度と会わない方がいいのかもしれない。その方がきっと幸せ。お互いにとって。カテコはお芝居が重たい分ほのぼのーってしててよかったでつ。ゆっき(北村有起哉氏)笑ってるー。可愛い可愛い。小島さんと肩組んでほんつ仲よさげに出て来たりTakuyaくんと絡んだり。最後篠井さんとゆっきと小島さんの3人がにこにこ笑っててこういう最後になればこのお芝居もずーっと救われたのになーって思ったり。にしても篠井さんはこれでブランチを封印されるそうでとにもかくにも間に合ってよかったでつ。あぁでも明日の「カリギュラ」も重そうなのだった…。はう。(爆) 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