253.「冬の絵空」
主なキャスト:藤木直人・橋本じゅん・中越典子・中村まこと・片桐仁・伊達暁・粟根まこと・加藤貴子・生瀬勝久 作:小松純也 演出:鈴木勝秀 舞台監督:瀧原寿子 公演記録:2008.12.6〜16@サンケイホールブリーゼ(大阪) |
あらすじ>>時は元禄。人気役者・沢村宗十郎は豪商・天野屋利兵衛に、娘のおかるを嫁にしたいと懇願するが、全く相手にされない。大石内蔵助は、主君・浅野内匠頭が吉良上野介との刀傷沙汰により切腹、領地召し上げとなった後も、なんとか浅野家の再興を図ろうとする。討ち入りにはやる赤穂浪士たちを抑え、まだ機は熟していないことを説くとともに、各々の身の振り方を考えるよう勧める。一方、天野屋利兵衛は大石と赤穂浪士たちが主君の無念を晴らすべく討ち入りすることを期待していたが、大石にその意志が薄く赤穂浪士の評判も落ちていることを知り、一計を案じる。天野屋は宗十郎におかるを嫁にやることを告げ、その条件として宗十郎にある芝居を演じさせるのであった。 |
「冬の絵空」は残念ながらそとばこまちでの初演も再演も全然観たことがなくてむしろ知らなかったんだけど大学の時に学生劇団で観たことがあってその印象がなんとなーく残ってるかなー、と。が。あたしは展覧劇場の方で観たと思ってたんだけど学園座の方が演ったらしくしかも冬公演2本立て(同じ期間だったか2週続けてだったか忘れたけどとにかく別キャストで2本芝居をやる企画になってたらすぃー…)の内の1本だったってのをパンフ(学生劇団のね)を観て思い出しますた。(バカ)元々忠臣蔵の話そのものがあんまり好きくなくて(え?)いつも毎年この冬の時期になるとテレビドラマでやるじゃないですかー??主役は大石内蔵助なわけだからその大石役をそれこそいろんな俳優さんが演じられてるわけだけど話の筋が変わるわけじゃない。(当たり前)毎年浅野が吉良に斬りかかって行って負けて(は?)その仇討ちのために残された47人が討ち入りするって話が変わるわけじゃない。ま、歴史的美談として語られる話の1つなわけだけどだから何なの??ってのはある。(おい)もう紅白歌合戦ばりに毎年「今年は浅野が吉良に勝ちました!」的な??ゲーム感覚でやればいいんじゃね??とすら思う時があって(爆)討ち入りだって特別どうしてもやらなくちゃいけないことか??と思っちゃったり。そもそものさー浅野が吉良に斬りかかって行った理由みたいなのがあんまりよく分かってないわけでしょう??影で悪口言われたとか今で言うパワハラみたいなの??があったのかもしれないけどさー。でもだったら喧嘩両成敗ってのがあったはずだしお互いお家取り潰しっつかそういうのにはならなかったのかなー??吉良の方が勢力が断然上だったってことか…。ま、周知の事実として忠臣蔵の話は有名だし何で今更…ってのもあるんだけどキャスティングが好きな感じなので超超超だだ詰めまくりなすけじうるの中観に行くことにする。(え?)チケットはキューブ先行で取った(ほとんどがキューブ所属役者さんで構成されてるしね。苦笑)割にはN列 31番って…あんまりよさげではないやうなー??ま、プレミアムシートだっけ??とかもあったし藤木(直人)くんのFCとかで回ってるチケもあったみたいだから真ん中はさすがに無理っすよなぁ…。(黙)初めての劇場(そりゃそうだ。演劇の柿落し公演になるわけだし)なもんだから雰囲気も全然分かんないままだったんですけど行ってみたらば会場内(座席の方ね)は黒で統一されてて通路とか椅子とかぜぇーんぶ真っ黒。そんな中でN列は前ブロックと通路隔てた2列目??だったわけだけど30番までは見つかったけど31番が…ない。(は?)一番端っこになってたからいちおせまーい通路が付いてたんだけどそこに電気は付いてなくて見え難いししかも椅子はぱたんって2つ折になってるとこまで黒なもんだから席があるかどうかも分かんなくて…。(黙)完全に見切れてる??つか補助席??と思いながら恐る恐る手探りで椅子探したら…あったよ。(ほっ)だけどマジでちょっと無理なんじゃね??(おぶおぶ)全体の雰囲気はBunkamuraシアターコクーンと似たやうなつくり??横並びになってるコクーンシートみたいなのはなかったけどキャパとかもそれぐらいになるんじゃないのかなぁ??だとしたら今後野田地図とかも来る機会があるかも??!!(期待)と。そう言えば最初生瀬(勝久)さんが主演って聞いてた気がしたんだけどいつの間にやら藤木くんが主演ってことになっちゃってて。ま、集客考えたら藤木くんが主演ってことになってた方がいいのかもしれないけど全部通して観たらばやっぱり生瀬さんが主演だったやうなー??(爆)つかすでに10年以上前にこのお芝居を観たもんでのっけから尼僧と犬たちのシーンなんかあったこと自体忘れてて(でも学園座の公演パンフには「尼僧」って役が書いてたぐらいだからあのシーンもあったんだろう…)完全にまっさらな気持ちで観てしまったことだよ。(苦笑)でもさー中越(典子)さんでしょう??声の印象とかも全然違ってて迫力??みたいなのがあって「えーっと…これ、誰??」ぐらいに思ってしまうぐらい凄かったでつ。琵琶もちゃんと練習したのかなぁ??なんつーか彼岸っつか三途の川の入り口??みたいなとこなんですかねい??(おぶおぶ)でその尼僧がまだ現世でおかるとして存在してた頃のお話に戻ってくわけだけど。藤木くんは…役者の役だからそういう役作りになってたのかもしれないけど何つーか…軽いのね、お芝居そのものが。(え?)テレビで観てる時はもっと出来る人だと思ってたのに舞台となると初舞台になるわけだし勝手が違うのかどうにも薄っぺらい印象だったり。全体的に棒読みな感じがしたんだよねぇ…。(黙)周りが芸達者さんばっかりだから余計浮いた感じがしたのかなぁ?(ますます…)天野屋演じる生瀬さんは完全に策師な印象でしたねい。そんな役者みたいな浮き草稼業な仕事をしてる人間に娘はやれないって言いながら「大石内蔵助を演じてみせて見事討ち入りを果たしてくれたら娘をやる」ってのもある意味凄い。芝居のプロデューサーみたいなことを生業にしてたみたいだけどそれだけじゃ物足りなくて歴史そのものをプロデュースしようっていう魂胆か??でも後世に名を残して行くのは大石内蔵助その人だけでいくらお金を出資して手助けしたとしても天野屋の名前が語り継がれて行くわけでもないのにそこまで肩入れしてたのはどういうわけなのか…。だって浅野の殿様(中村まことさんの役どころ)も本人、超ちゃらんぽらんなんだもー。何で吉良をやったのか??って聞けば「…嫌いだったから??」って…今時のギャル男かっ!「えー…何かしょうがないじゃん??成り行きでそうなっちゃったんだからさー??」みたいな感じが何ともちゃらい。(苦笑)でもそういうちょっとダメーな感じのわるーい感じがまことさんにぴったりでむしろ好き。(は?)あれ、他の人がやってたら絶対「…もう死んでくれる??」とか思ってたとおも。(爆)しかも死ぬのがやだからって影武者に切腹までさせちゃってる殿様だしね…。普通本人が死んで影武者がその隙間を埋めるために生き残るわけでしょう??あれ、違った??身代わりになって死ぬんだったらそれでいいのか…ってよくないYOっ!何でこんなどうでもいい人のために討ち入りまでしなくちゃいけないのか…。(どよん) 大石本人は(橋本)じゅんさんだったんだけどもうそれこそ苦悩の人っつか真面目ーな堅物って感じで今回お遊びは一切封印。(苦笑)その分生瀬さんの遊びまくりな感じが際立ってましたが…。つか歌舞伎で「じゃ次三匹の子豚やるから。ブーフーウーのウーの役だから。…ってあれ??ブーの方がよかった??でもダメだよーん。もうウーで決まっちゃってるから。ウーやってもらわなくちゃ困るからっ!」って…三匹の子豚って日本の物語じゃないじゃん…。絶対この時代に日本に入って来てるわけないよ…。しかもウーだったら何か主役じゃないっぽい扱いだしさー。むしろ狼役の方がいいんじゃね??こないだまっちゃー(河原雅彦氏)も幼稚園だかのお遊戯会で狼役やったぐらいだけどさっ!(関係ないから)それに大石に最後切られる時も「言い残すことはないか?」って聞かれて即答で「甘いものが好き」って…そりゃばっさり遣られるわ…。(黙)もう何か全体的に遊び過ぎじゃーいっ!や、でもそんな天野屋さんがいてくれたからげらげら笑って見れたんだけれども。それにしても大石の立場としてはもう討ち入りとかしたくなかったんじゃないのかな??こっちが本当の大石だったんじゃないのかな??浅野家が再興して殿様に仕えてた人たちの行く末もちゃんと用意してあげて何とか全うに生きてってくれたら…ってのが望みだったんじゃないのかなー?でも世の中がそうさせてくれなかった。そんな風な生き方を許してくれなかった。討ち入りして潔く死ぬことこそ武士としての勤めなんじゃないか??みたく乗せられて仕方なく討ち入りせざるを得なくなっちゃったんじゃないのかな??むしろ追い詰められての結果があれだったんじゃないのかな??あたしは芥川龍之介の書いた「或る日の大石内蔵助」っていう短編があるんだけどそのお話がすっごい好きでああいう何でもない普通の大石内蔵助だったらアリだなーと思ってて。だって歴史上の人物なんて所詮ホントにいたかどうかなんて分からないでしょう??(おい)だって会ったことないし。(爆)そういう記録だとかが残ってるって言うだけでそれが真実そうだったかどうかなんか分からない。日記とか手紙とかは別にして他の人が記録として残して来たものなんて本人の計り知らないウソみたいなのも混ざってるんじゃないのかな?「何かこっちの方がよくね??」みたいな感じで本人がやってもないことだとか言ってもないことだとかをさもやったり言ったりしたみたいに残されて来たものもあるんじゃないのかな??でも大石本人には全然その気がなくても片や宗十郎(藤木直人さんの役どころ)が世直しと称して大活躍してその行くとこ行くとこで「大石くら〜のすけでっすっ!」って触れ回るもんだから困ったことはぜぇーんぶ大石内蔵助が引き受けてくれる!みたいな雰囲気が出来上がっちゃってにっちもさっちもいかなくなってさ…。宗十郎にしてみればおかる(中越典子さんの役どころ)と一緒になれるってのがあるもんだから張り切っちゃって何でもかんでも引き受けちゃうわけだけどそんな宗十郎自身は見向きもされず作りモノの大石内蔵助にすっかり惚れ込んじゃうおかる…。声で分かりそうなものなのに…。宗十郎はすっぴん(役の衣装とかじゃなくてホントの自分の格好を曝して)でおかるに向き合おうとして「声とか…どうですか?変…じゃないですか?」って聞くとこがあるんだけど「あー…ま、いいんじゃないですか?それで」みたく普通にスルーされちゃってるし。(黙)結局おかるは役を演じてる宗十郎が好きなだけで本人がどうだとかそういうことはどうでもよかったのかもしれない。初めて会ったのも舞台の上と下だったわけだし。役のいめいじって怖いもんねー。悪役ばっかりやってたらついつい私生活でもそういういめいじの人なんじゃないかと思っちゃうしいい人ーの役やってたのに道でばったり出会って「サインくださいっ!」って言ったら「ごめん。ちょっと無理」とかって冷たく断られちゃった日にゃぁ「こんなの全然違う!」とか言われちゃったりいろいろ本人にだって事情はあるはずなのにテレビだとかで観てる人が本人そのものみたく思われちゃうことも多いんだろうしさー。おかるはその典型だよね。「宗十郎と結婚したい!」って言っててもそれって本人のことだとは限らなくて…。だっていくら「大石くら〜のすけでっすっ!」っつってても声で分かるでしょうよー。ホントに好きな人の声だったら間違えるはずなかろうもん!それと演じてる大石と大石本人と完全に取り違えて結婚までしちゃったりしてさー。こっちだって声で分かるでしょうー。おっさんかどうかぐらいさー。(爆。じゅんさん…ごめん…)で。今回吉良がWキャストで粟根(まこと)さんと松尾(貴史)さんだったわけであたしが観たのは粟根さんバージョンだったんだけどじゅんさんとの絡みもだけどだてちん(伊達暁氏)とあんなことになってるなんてー!(驚)えーっと…あんなシーンありましたっけ?(おぶおぶ)「一学…!」「吉良様…!」って…昼ドラかっつの。身分も性別も越えて一緒になろうぞって…そういうことかー。しかも濃厚ちゅぅまで…。(どよん)毎日毎日とっかえひっかえでだてちんもご愁傷様でつ。(おい)しかもそこまでして愛を誓い合っておきながら大石が来たらさっさと「来世ではお前と結ばれたいと思っておるのじゃ。吉良と呼んで、吉良とっ!(はぁと)」ってがんがん積極的に攻撃してくるしそれ見ただてちんががっつりやきもちやきまくりだし(すかさずくりって向いて「あなたっ!」とかって怒ったりしてるし…)どんだけ吉良、節操ないんだよ…。(黙)しかも大石に迫る時三角倒立とかしてるしね。粟根さんならではだー。(笑)ま、そこまでされても「や、それはないですから。むしろ今もこれからもずーっとないですから」ってきっぱり大石に断られる吉良様なんだけど…。(苦笑)ま、吉良もさードラマでだったか何かで読んだんだったかどうやら男色らすぃーっつー説があるとかで浅野にもそんな感じでちょっかいかけててそっち系じゃなかった浅野が頭に来て斬りかかったっつーホントかどうか分かんない話もあるみたいだしこれもアリなのかもしれないけど…。(苦笑)そんななよなよな感じの一学かと思いきや吉良邸に討ち入られた時には殿を逃して大立ち回りを演じて見せたり超かっけぇーvvしかも長刀っすお??日本男児だー!(は?)討ち入りに積極的な赤穂浪士な人たち(一括りかよっ!)で新谷(真弓)さんが出てらしたんだけど…女の人がわざわざ剣士役やる意味って…何??それともそとばこまちの劇団員さんたちがやってた時割り当てで誰か女の人が演じてたのがそのまま残ってるのかなぁ??(おぶおぶ)で堀部安兵衛(内田滋くんの役どころ)って確か…討ち入りには参加しなくて(つか参加させて貰えなくて)最終的に切腹した赤穂浪士たちの墓守として最後見届けた人じゃなかったでしたっけ??(意外と嫌々ながらもドラマは観てたらすぃー。苦笑)加藤(貴子)さんと夫婦役だったけど加藤さんも「半神」(Play6参照)以来久々って感じで。やけに堀部にスポットが当たってたけど…あれ、必要だったんですかねい??(爆) と。そんな諸々を打ち砕くかのやうなシロー。(ぶりぶり)(片桐)仁さんはいつ出るんだ??で何の役だ??と思ってたらば犬って…。犬ぅー??!!が。ホントにホントの犬じゃなくて隠れ切支丹ってのを隠すために犬のフリしてる人間なのだそう。つるっと見せてくれたお背なの十字架のタトゥーがもうー。(何?)しかもなにげにほとんどのシーンで犬出てるしな。しれっと廊下で寝転んでたりお外でわふっと待機してたりそうかと思えば場転で黒子さんたち手伝ってモノとか移動させてたしな。しかも犬兜デザインが片桐仁さんでクレジットされてるじゃないのすかー。すげ。もうダメだ…。何かっつーとシロに釘づけで最終的にはシロ、お家で飼いたかったしな!(おい)…ま、あんなでかい室内犬はさすがに飼えないけどさ…。(黙)つか食費だけで破産寸前だわっ!(爆)あーでもかわゆすーvvぐるんぐるんなでくり回してぇー!(痛)おかるちゃんがうまやらしすっ!嫁ぐその日に「ねぇ?あたし、可愛い??」ってシロに聞いた時ぼそっと「…かわいい…」って言ってたりとかー!あぁもう抱き締めたいっ!(バカ)あたしが落ち込んだ時はそばにいて歌って〜♪(病)シロはそうやって最後大石本人が天野屋に火を放つ時もおかるの側にいて身を挺して守ろうとしてて健気ったらない。おかるは気付いただろうか??心を閉ざして見える目を閉ざして今まで自分は何を見て来たのかってことにちゃんと気付いただろうか??最期現世にも留まれず彼岸にも渡れず人間の姿としては生きられず犬として彷徨うしかない赤穂浪士たちとは反対にちゃんと迎えに来て欲しい人(宗十郎)にお迎えに来て貰って彼岸へ渡って行くおかるの姿とそして降りし切る桜花…。あぁまぁそういうのはイケメンさんがやって貰わなくちゃなのでやはし藤木くんなんですかねい。でもカテコの時も結局場を仕切ってたのは生瀬さんっぽかったし影の主役はやはし天野屋…。(だから)今回パンフが思ったよりお値段が張り込んでてびっくりでしたが。(黙)でもまぁ内田(滋)くんのとこに松尾(スズキ)ちゃんがコメント寄せてたりなんかしててゆるーく嬉しかったわ。(え?)今後ブリーゼのおかげでこれまで来てくれなかった劇団さんが来てくれた!なーんてことになるやうにお祈りしておきまつ。(は?) |