168.「フールフォアラブ」
| 主なキャスト:寺島しのぶ・香川照之・甲本雅裕・大谷亮介 作:サム・シェパード 演出:行定勲 舞台監督:小林清隆 公演記録:2007.2.27〜3.1@シアター・ドラマシティ(大阪) |
| あらすじ>>モハーヴェ砂漠のはずれ、さびれた安モーテルの一室。男と女が対峙している。男の名はエディ。カウボーイくずれの風貌、表情から苛立ちを隠すことなく、性急な言葉を女に投げつける。「連れて帰るぞ。越すんだ。ワイオミングに土地もある。今度は離さないからな」対するメイは、男をかたくなに拒んだ。「ワイオミング?何があんの?何度こんな目にあわせる気?」むき出しの暴力的な会話は、時に、体を張った激しい駆け引きに昂じ、二人の救いようのない閉塞感が露わになってゆく。 もうひとり、静なる存在がいる。年配の男―かつて、どっちつかずのまま二人の女を長らく愛し、息子と娘をもうけていた。今、諦めと達観の入り混じった口調でつぶやいている。「どっちも俺に似たところが見当たらない。母親達の面影は判で押したように、はっきり見えるのに」。 エディとメイは高校時代にお互いの体を知った。異母きょうだいであると知った時にはもうとっぷりと相手の体になじんでいた。15年。母を見て、定着しない男を求め続ける女の哀しさを知っていたはずだった。なのに、エディは放浪を止められない。今も黒ベンツの女が後を追ってきている。そしてメイは……出逢ったばかりの純朴なマーティンとの今後にすがりつこうとして。激しい闘いの時間が流れる。二人は共に部屋から出てゆくのか、それとも……。
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| 速報のちらしで行定監督が舞台演出を手掛けるってのを見て気になってはいたんですけれど。つかキャスト的にも失敗はしないだろうし観に行ってもよさげかな、と。(偉そう)最近映画監督の舞台演出への進出みたいなのは流行ってるっつかよくあることになって来ましたよね。でもキャストがよくても演出があんまり…だった場合「もったいなかったねぇ…」な感じになってしまうこともあるのでどうかな?と。すごいよかったのはよかったと思うんですけどいかんせんサム・シェパードの作品ってのがよくなかったのではないかなー?と。や、好き嫌いがあると思うので全否定はしませんけど。経歴みたいなのをパンフで見たら「マグノリアの花たち」も書いてらっさるんですねい。あー…あたし、「マグノリアの花たち」は映画で観たんですけどあれダメだったんですよねぇ。(苦笑)あ、じゃなかった。(爆)「マグノリア」を観たんだった。(おい)なのでなんとなくダメだった印象を思い出してしまって…。(黙)「マグノリアの花たち」の方はもしかしたらよかったのかもしれません。「マグノリア」は高校生の時に友達と観に行ったんですけどその一緒に観に行った友達にこないだ言ったら映画は観たのは観たけどあたしと観たことを忘れてて…。(苦笑)2人してものすっごい面白くないっていう印象だけが残っちゃってて誰と一緒に行ったとかそういうことじゃなくてただもう映画が最悪だったことしか覚えてないって言う…。(苦笑)同じく高校生の時の友達の結婚式でそれこそ何年振りかで会ったんですけど「そう言えばさー「マグノリア」観に行ったけど面白くなかったよねぇー」みたいな話に何でかなって「あれ?一緒に観に行ったんだっけ?」って言われた時はどうしようかと思いましたよ。(滅)他の友達が「あんた、かめの(仮名)と行ったって言ってたやーん。で散々「面白くなかった」とか「訳分からんかった」とか言ってたやーん?」って取り成してくれても「え?そう?そうやっけ?」と思い出す気配なし…。あたしが「行こうー」って言ったのは悪かったよ。だけど忘れないでー。(おい)ま、あたしもあの空からヒキガエルが大量に降って来るシーンとあとマンションの一室で飛び降り自殺をして窓の外を通過して行った男の人がたまたま部屋の中で夫婦喧嘩ちうで旦那が撃ったピストルの弾に当たって死んじゃったっつー何とも悲惨っつか「ま、別に自殺するつもりだったんだからいいんだろうけどそれはそれで違う意味で運が悪いヤツだな…」みたいな偶然も起こり得るっつーシーンぐらいしか覚えてなかったりするんですけれど。(苦笑)って…「マグノリア」はもういいですよね。(黙)や。でもぐだぐだな感じとかは別になかったしただこの手の話に乗り切れない自分がいたってだけなのかもしれないですけど。(苦笑)こう最初はもうホント澱んでてメイ(寺島しのぶさんの役どころ)はこれ以上ないぐらいに落ち込みまくってるしそれでいて「もう出て行ってよっ!」って怒りながらもホントにエディ(香川照之さんの役どころ)が出て行ったら出て行ったで心細いっつか置いて行かれるのが怖いっつか連れて行ってほしくてたまらないくせにそう言えない悶々がとぐろを巻いてて痛々しい。エディも売り言葉に買い言葉でメイに酷い言葉を投げ付けながらそれでも気になって引き返して来ちゃうみたいな「やっぱり好きなんじゃーん。何言っててもさー」みたいな感じで。でも何となく2人の関係は終わりに向かってそうでどうしようもない場所まで来ちゃった感じは否めない。もうこれ以上進展することもないし停滞してどんよりと行き止まりに向かってる。それは2人ともよぉーく分かっててどうにもならないって分かってるんだけどどうにかしようとして足掻いてる。あの「がつーんっ!」って牢獄の鉄の扉が閉められるやうな大きな音ってあれは元々決まってる演出の仕方なのかなー?エディが出て行ったりメイが化粧室に閉じ籠もったりするたびにあの「がつーんっ!」って目の前で硬く閉じられた扉みたいな音が鳴り響いてそれが少し気になったんですけれど。で1人になるとその自分と対話してこようとする老人?(大谷亮介さんの役どころ)が出て来てまたそれが誰なのか分からなくてこんがらがっちゃう。でもメイが新しい恋人が今夜会いにくるからって言い始めてそれを聞いたエディが逆上して「俺がいるのに浮気してるのか?!」ってなって「あんたなんか恋人じゃないじゃない?いてもいなくても同じじゃない?」みたいにしらっと言われてますます怒り狂って部屋の中で投げ縄の練習をし出したりライフルの手入れをし出したりもうマジでその新しい恋人のこととっ捕まえて殺すつもりなんじゃねぇの?ぐらいの勢いだったところにエディの浮気相手らしい伯爵夫人が黒ベンツで乗り込んで来てしかもライフルをばんばんぶっ放してドアに4、5発ぶち込んで来るんだけどその辺りからちょっと臨場感が出て来る感じがして来たかなー?と。(遅いよっ!)エディがライフル持って入って来た時点で「これはライフル撃つな」ってので身構えまくってたんだけどいきなり違う方向からがんがん撃ち込まれてそっちの方がびびったYOっ!しかもあたし、4列 19番っつーど真ん前なんですもの。ぎょえぇぇぇぇぇっ!って感じよ。(は?)あたし、こういう鉄砲の音とかそういう爆発音にものすんごく弱いのでつ。(黙)きょどっちゃう。恥ずかしいんだけどびくぅっ!って体とかちょっと飛び上がっちゃう。録音されてる音とかだけだったら平気なんだけど…。にしてもあの撃ち込みはちょっとすごかったんですけども。 で後半マーティン(甲本雅裕さんの役どころ)が出て来てからかなり流れが変わったっつかすごいお芝居が変わった感じがしましたでつ。マーティンはちょっとのーたりんちゃんっつか不思議ちゃんテイストで何言っても「そっか」って返事しかしなくてまたそれが奇妙な感じで分かってるんだか分かってないんだかいまいちよく分かんないんですけど…みたいな。でもとりあえず分かってようが分かってなかろうが全部「そっか」で一旦全部飲み込んじゃう人なんだよね。それがメイのことが好きだからそうしてあげてるのかそれとも別に何とも思ってないからそこまで普通に言えるのかどっちか分からないとこが何とも…。(黙)でもマーティンの佇まい自体はすごくいい感じ。しかもマーティンに2人の関係性を説明しなくちゃいけなくなってやっと2人は異母兄弟なんだってことが分かって納得したーみたいなさ。どうしようもないお父さんのせいでどうしようもなく出会っちゃってそれでもどうしようもなく好きになっちゃってなどうしようもないループにぐるんぐるんに囚われてる2人なんだな、と。父親を憎んでるのか?って言ったら2人ともビミョーなんだと思う。たまらなく憎いってほどではないんだと思う。たまたまお父さんには帰らなくちゃいけない家が2つありましたみたいなさ。どっちでもいい顔したくて取り繕ってそれで破綻しちゃったこれまたどうしようもないお父さん。なんとなーくぷらっとたたずんでる感じからすると2人とも忘れたくても忘れられなくてもう1人の自分みたいな感じで居つかれちゃってるんじゃないかなー?なんて。だってお父さんはマーティンにも絡もうとするんだけどマーティンには全然見えてないみたいだし。かと言って2人は目の前にちゃんと存在してるわけでもなく一方的な対話っつか声は聞こえてくるんだけど姿まで実際見てるのか?って言われれば分からない気がする。「どっちも俺に似てない」ってお父さんは言うけれどどっちもそれとなく似てるからどうしようもない2人になっちゃってるのかな?なんて。上手く説明出来ないけど…。メイだって本気でマーティンにどこかに連れ出してもらいたいなんて思ってもないんだろうし。利用してるって言えば利用してるんだろうなー。エディに本気になってもらうために。「自分はこんなに本気なんだ」なんてただ分からせるだけじゃ物足りない。そんなの初めから負けてるみたいで嫌だってのがメイなんだろう。2人だけのループはもうどうやったって抜け出せない永遠のループ。ちょっと切れ目を入れてやりさえすればいい。それがマーティンなんだろう。打開策だよね。最後またしても伯爵夫人が戻って来てエディが乗って来た車にぶち当たって炎上するんだけどそれを見てエディが飛び出して行くのを即効追い掛けるメイ。この時だけは目の前で扉は「がつーんっ!」と閉まらなかった。出て行こうと思ったらいつでも出て行けたのだ。そうしなかったのは自分で自分の扉を閉めてただけだったのかもしれない。可能性を閉じてたのは自分の方だったのかもしれない。とまぁそんな感じなんですかねい?(おぶおぶ)にしても今回大阪楽日っつか全公演通しての大楽だったのでカテコの時はもうそりゃぁ銀吹雪がこれ以上ないぐらいにばんばん降って来ててすごかったでつ。回数追うごとに「これでもかっ!」みたいなことになっててもう役者さんが隠れて見えなくなるんじゃなかろうか?!ぐらいの勢いでしたねい。で最後だったので行定監督も客席から登場で。真横通って行かれましたよー。(喜)つってもまだあたしの方はお顔の調子が今ひとつで眼鏡ちゃんだったのであんまりよく見れてなかったりしたんですけれど。(おい)つか細っ!ホント監督、華奢いです。背もひょろんと高いし。かっちょよかったでつ。なーんかでも観に来てるお客さんの層としてはおばさまな方たちが多くてたぶん寺島しのぶさんとか香川照之さん目当てっぽい人が多かったんだと思うんですけれど。演出が誰とかあんまり頓着してなさげな。(爆)なんとなく「あれでしょ?「春の雪」ってほら、映画あったじゃない?竹内結子が出てた…」みたいな会話はちらりほらりと聞いたりしましたが。つか「春の雪」から入るんだなー。「北の零年」の(吉永)小百合んとか渡辺謙さんから入ったりしないのだなー。(え?)と変なとこに感心してみたり。(苦笑)あ。でもパンフには(長塚)圭史くんだとかスズカツさん(鈴木勝秀)とかが作品に対するコメントとか寄せておられたりして買い応えがありました。(あたし的に。笑)うーん…でもやっぱりあたしはサム・シェパードにトラウマなのかも。とほ。(だからそれは作品が違うだろうがよっ!) |