514.「木の上の軍隊」
主なキャスト:藤原竜也・山西惇・片平なぎさ 原案:井上ひさし 作:蓬莱竜太 演出:栗山民也 舞台監督:加藤高 公演記録:2013.5.16〜19@シアター・ドラマシティ(大阪) |
あらすじ>>その島では戦争が行われていた。激しくて酷い戦闘。敵、味方の区別もつかぬような夥しい死体。 その島には巨大な木があった。追い詰められた二人の兵士が、その木へと上る。鬱蒼と茂る枝葉は、二人を敵から上手く隠してくれた。と同時に、敗戦を二人から遠ざけた。 長い長い、木の上での二人きりの「戦争」が始まる。 |
戦争モノは苦手なんだけれども蓬莱(竜太)くん脚本だったらちょっとはいいかなー??と思って。(え?)井上(ひさし)さんが書き上げるつもりで病床で最後の最後まで頑張ってたみたいなんだけれども結局叶わないままだったそうでそれを蓬莱くんが引き継いで書き上げたとか何とか…。でも井上さんと蓬莱くんじゃぁ何だろ??世代が違うのは当たり前なんだけれどもその作風??みたいなのもぜんっぜんっ!違うし何でまた蓬莱くんなんだ??(おぶおぶ)と思わないでもない。(えー)そりゃ蜷川(幸雄)さんだの栗山(民也)さんだの井上作品をいぱーい演出しておられる方だったら次にどう出て来るか??までがっつり把握してるだろうしそういう人たちが脚本っつか戯曲を書ければいっちばんいいんだろうけれどもいかんせん演出専門でそれしかやって来なかった(言い方悪いってばっ!←)人たちにいきなり「引き継いで書け!」っつっても無理な話でそうなって来ると誰かちゃんとした戯曲が書ける人ってことになるんだらう。んー…だったらばこないだ初めてではあったけれども「十一ぴきのネコ」を演出したこともある(長塚)圭史くんに書いて貰えばー??と思ったんだけれどもたーぶーんもうすぐ阿佐スパ(阿佐ヶ谷スパイダース)本公演を控えてるってことはその新作を書くのに四苦八苦しておったはずであってとてもじゃないけれども外部に書き下ろすとかそういうすけじうるの都合みたいなのが合わなかったんだらう。…って書いちゃうと蓬莱くんが手が空いてた(爆)ってな感じになっちゃうんだけれどもくどちゃん(宮藤官九郎氏)だの松尾(スズキ)ちゃんだのみたく何本も同時進行で戯曲を書いてる人だっているわけだしかんっぜんにっ!お手隙ってなことはまぁないんだろうしな…。(苦笑)…ま、演じる人たちだって戦争を知らない世代なのであってだったらば戯曲を書く人も戦争を知らなくても仕方のない話なんだろうけどそれにしたって蓬莱くんってのはちょっと若手過ぎるやうな気がするんだよねー…。とまぁ普段だったらば蓬莱くんの書く戯曲は好きだったりするんだけどさ。(苦笑)じゃぁ蓬莱くんの戯曲ってどういうのなのか??って聞かれると説明に困るんだけど…。(えー)んー…何だろ??内容はどろどろしててどっちかっつーと圭史くんの戯曲に近くて人間の内面の奥底の暗い暗い崖っぷちを思わずうっかりと覗き込んじゃった…!ってな具合ではあるんだけれどもそれが圭史くんの場合はちょっとファンタジーに近いっつか現実からべみょうにずれたまた別の世界にいるってことで話が進められてくのに対して蓬莱くんの場合はかんっぜんに現実世界とリンクしてるかのやうな話の内容になってるってことが違う…かな??(おぶおぶ)それに圭史くんのは観終わった後ちょっとどんよりしちゃうっつか自分にも間違いなく「ソレ」があることに気が付いて落ち込んじゃったりするけれども蓬莱くんのは「アレはあの人の事情だから…」っつーので自分とは引き離して観れるところかな。(え)だから見た目さらっとした手触り感があるんだけどやぱーり中身はどろどろのぬちゃぬちゃ(苦笑)っていめいじだったりするんだけれども井上さんの作品はそういうのんよりもずっとずっと社会派っつか。(え?)声高に「悪いことしちゃいけない!」「差別しちゃいけない!」「戦争しちゃいけない!」っつってストレートに主張して来る作品じゃないんだけれども内容が内容だけにやぱーり考えちゃうっつか…。それを音楽劇に乗せていかにも泥臭くてドンくさい感じ(爆)で畳み掛けて来るんだけど世代ってことで言うんだったらば橋本(治)さんとか似た感じなんじゃないのかなぁ??(おぶおぶ)あー…でも橋本さんは愛憎劇みたいなので売って来た人だからこれまた傾向が違い過ぎるか…。(苦笑)結局のところは井上さんが考えてることは井上さんにしか分からないってことなんだろうけれども。(おい)それに無駄に長い(無駄じゃない!←)ことで有名な(違)井上作品が2時間以内で収まってるっつーんだからそこんところは蓬莱くんの力技ってところなんでしょうvvv…っつかケラちー(ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏)だったらばいろーんな横道に逸れまくって(おい)3時間、4時間の超大作!に仕上げてくれるだろうけど蓬莱くんのって結構シンプルっつか大概が1時間半とか2時間以内で収まる作品が主流だもんねvvv他の井上作品も他の人が手掛けて刈り込んだらば結構2時間以内で収まるのもあったりするんじゃねいのぉ??(おい) チケットは今回キューブ先行で取ったんだけれどもまさかの1列 35番とか…!(驚)もしかしてなにげに人気ない感じ??(爆)と思っておったんだけれども当日行ったらばふっつーに激混みだった件。(苦笑)でもぎりっぎりで「20列目以降席限定」とかで割引チケットも出たりしておったから売れ行き絶好調!!!ってのではなかったんだろね…。(黙)しかもこれまた1週間ほど前になって映画「中学生円山」の舞台挨拶アリvvvってので案内来ておったので見てみれば同じ日ぢゃんっ!!!丸被りぢゃんっ!!!(どーんっ!)どうにかしてくどちゃん観てから舞台観に行くとか出来ないものかっ?!(そもそもチケットが取れるかどうかもあやしいってのに…←)ってので散々調べた結果梅田ブルク7で朝一上映観てから走れば間に合う(えー)っつー我ながら何てチャレンジャーなっ!!!…っつか1列目だし不意にするのももったいなかったし。(さもしい…←)それに加えて2本目観るお友達とすれ違いで渡さなくちゃいけないものがあって喋っておったりしたもんだから走って走って走って走って…って汗だっくだくぢゃんかよぉぉぉぉぉっ!!!!!(ずもーん)1列目でどろっどろの顔って…恥ずかしいわっ!!!(…と気取るほどのべっぴんさんでは決してっ!!!ない…。黙)おまけに激走したあとにパン食べるとか…もさもさして訳分かんねぇよっ!!!(休憩入らないのでここで食べとかないと後がない)ようやっと開演5分前ぐらいに席に着いたんだけどまぁ「ちょっと…すいません…」っつって狭い通路を通らなくてもすとんと席に着けるので有り難いwww(え)舞台はいっちばん過酷だったと言われる沖縄戦を描いており。…でも舞台の上には(藤原)竜也くんと山西(惇)さんしか出てないし(木の精??で片平なぎささんも出るには出ておるけれども。苦笑)それ以外の死体がばっこばっこ空から降って来るやうな演出もなければ(蜷川演出で使われたことアリ。苦笑)そういう死体が舞台の上に何十体も転がっておったりする(これまた蜷川演出で使われておったっけか??←おい)こともなくたまーに最前線??から聞こえて来る銃撃戦の音(今回ピストルだのライフルだのも小道具として出ては来るんだけど2人は威嚇だけで使ってはないし他の人たちが使っておるんだろうソレも音だけだったのできょどらなくて済んだおっ!!!←)がかろうじて戦争が続いてるんだろうことを示しておったり。若い兵士(藤原竜也くんの役どころ)の方は自分の島を守るために自ら志願して兵隊になったやうな青年で元は牛飼いをして生計を立てておったのだとか。他にもこの若い兵士の友達も一緒になって志願して兵隊になっておったりするやうで本土の人たちみたくある日突然赤紙が送られて来て召集されて無理くり戦場に駆り出されるとかそういうのんではないだけでもまだマシ…なのか??(おぶおぶ)でも昔から自分の住んでる場所だったり家族だったり友達だったり好きな人だったりそういう守るべきモノがあると強いっつかそういうモノたちのために戦うことを決めたわけだから少なくとも戦うことに対するモチベーションのあり方なんかが違って来るはずだ。…や、まぁ召集された人たちに戦う意思がなかったって言ってるわけじゃなくて…。あたしのおじいちゃんだって召集されて戦争に行った口だしその時にはもうけこんして子供がおったりしてたわけだからそういう家族を守るためにこの国を守る!と思ってたんだろうし他の人たちだって多かれ少なかれそういう気持ちは持ってたはず。…だけれどもそれは上手いこと国の思惑に踊らされて諸外国を「敵なのだ!」と思い込まされていただけの話であってホントは戦争なんてしなくてもよかったのだと思うしそれがなければ日本は引き続き鎖国からちょっと外に開かれた状態のひきこもらー一歩前へ!(おい)な感じでのーんびりとやって行けてたはずなのだ。…ってまぁ「もし〜だったら…」は言ってもせんのない話なんだけどさ。(苦笑)でも上官(山西惇さんの役どころ)の立場は違う。位が上だと言うことはそれだけ国家の立場に近いってことだ。若い兵士は「こったら辺鄙なところに戦争のために来てくれただなんてすんばらすぃくよく出来た人だvvv」と思ってるけれどもそれだって上官にとっては国の命令でたまったまここに来ることになったってだけでべっつにこの島を守るためだとかそんなことを考えて赴任して来たわけじゃない。(黙)…ま、それも若い兵士は薄々は感じておるっつか上官と会話するシーンではないんだけれども独り言??っつか頭の中だけで考えてることっつーのか「ほんっとにこいつはこの島を守るためにやって来たのか??」みたく疑心暗鬼だったりで…。それでも表面的には上官のことを崇め奉っておるっつか「島の救世主だvvv」みたく褒め称えたりしておってそれがまたますます上官の居心地を悪くさせておるっつか何っつーか…。(黙)上官だって人の子で「戦争で死ぬことは名誉なことだ!」っつーのは頭では理解しておるけれどもでも最終的にぎりっぎりのところまで追い込まれればそのまま死ぬか??って言われれば「死ぬ…っ!」ことを選ぶよりもどうなってでも「生きる…っ!」ことを選んでしまうやうな人間なのであり。それだからこのガジュマルの木に陣取っておるのだって敵地が丸見えで場所がいいからってのは大義名分でふっつーに戦闘から逃げ込んだ結果がコレなわけで…。(滅)それだから最前線でのことには出来るだけ加担したくない(見つかりたくない)ってのが本音なのだってそれを振り切って友達が死に掛けてるのを助けてやりたい!っつーので若い兵士がそいつに「おーい!!!ここだー!!!」っつって呼び掛けようとしたり木から降りてその体を引っ張り上げようとしに行ったりだとかするのをピストルで「俺の命令が聞けないんだったら殺すぞっ!」っつって脅してでも自分だけは助かりたかったっつかもう自分が可愛くて仕方がないのが見え見えだったりなんかして…。(黙)それだからってこの上司がいやーなヤツかっつったらばぜんっぜんっ!そういうわけでもなくて…。んー…ま、出兵が決まってから父親が「お前の言う誰とでも結婚させてやるっ!」って言われてダメ元で隣町のものすんげぇお金持ちの家の娘がこれまたものすんげぇ可愛らしくて「美人だ、美人だwww」っつって持て囃されてるのを噂でだけ聞きかじっておって「その子が欲しい…!」っつったらばすぐに手配してくれたんだけれども何の手違いかどうにもその「美人」なのは妹の方で連れて来られたのは行き遅れて年食っちゃったふっつーに地味〜な顔のおねいさんだったっつー…。(黙)さすがにいくら明日死ぬかもしれないやうな愛情も何も沸かないただのけこん相手だっつっても妹の方は引く手数多なんだろうしそういう相手ももしかしたらいたのかもしれないしどうやったって無理なモノは無理だったんだろね…。(苦笑)そのおねいさんって人も譲歩に譲歩してけこんしたからにはそういう関係を持たなくちゃいけない…!と思ったのか「新婚初夜」について力説(!)しておったみたいなんだけどその勢いにすーっかり上官の方はドン引きしちゃって結局そういう関係にはならなかったのだとか…。(黙)それだから「生きて奥さんに会いたい…!」とかも特にはない(爆)んだけれども生きて家に帰れるのならそれに越したことはない、と。そうして最初のうちは敵が、っつか自分の国の人間を殺して生き長らえてるっつーのにそいつらが食べてるやうなモノは例え自分が生きるためだとしても口には出来ない!っつって頑なに拒んでた上官だったのにいつの間にか若い兵士に懇願されて(?←「僕はいいですから上官はちょっとでも食べて体力を付けて奇襲攻撃のために備えて下さい!」とか言われて譲って貰った。苦笑)口にしてからはすーっかり箍が外れて自分から積極的にゴミ出しで出てる残飯を漁りに行ってどんどんと肥え太って行く始末…。(滅) そやって上官が弱み??を曝け出して行ったのとは逆に若い兵士はそれでも敵を倒すことだけを考え続けておって。それはこの島が自分がずーっと生まれた時から育って来たところだってのがおっきかったんだらう。思い入れってヤツだ。上官の中ではとぉーっくの昔に戦争が終わったってことは分かっておったんだけれどもそれだからって木から降りて投降してしまったら負けた国の兵士として捕虜に捕られて強制労働をさせられたりして最終的に殺されでもしたら大変…!っつーのでとりま若い兵士にも「戦争はまだ終わってない!」っつーのを信じ込ませて木から降りないやうに徹底させてたりなんかして。でも若い兵士の方も残飯の入ってた袋に地元の人からの手紙が入っておって「もう戦争は終わったんだから安心して木から降りて出て来て下さい」って書かれておった…!っつって早々と出て行こうとして…。そこんところの身代わりの早さだとか飲み込みの早さだとかそういうのが上官には最後まで理解出来なかったっつか何度も上官をイラつかせる元だった、と。「お前とはこんなに長くいたのにぜんっぜんっ!お前のことが何1つ分からなかったよ…」と上官は最後に若い兵士に言う。なーんかこれを聞いた時それってどんな関係だったとしても相手のことを全部分かるなんて無理なんぢゃね??って思っちゃったっつか。上官と兵士の関係が夫婦関係とかそういうのんとも通じるものがあるなー…なんっつって。(えー)「半分こにしよう、っつった時から終わってた」みたく兵士は言う。上官なんだから自分の好きなやうにすればよかったし「お前のモノは俺のモノだ!」っつって兵士が盗って来たのを横取りしようが何しようが自由だったわけでそれに対して兵士が文句を言うことは出来ないはずで…。それを譲歩してしまったことで対等の立場になってしまった、と。…ま、それでも上官の方が煙草の吸いカスを探すのが上手くて数見つけて来るってのにそれも半分こにするってことは見つけられない兵士に対しての施しになるからこれに関しては見つけたモノが全部盗っていいことにしようvvvっつって言っちゃったりするんだけどさ。(苦笑)でもそういうことを言い出すこと自体威厳も何もあったもんじゃないよね…。(黙)上官は今更木を降りるなんて「恥だ」と言う。戦闘に備えてと言いながら欲望の赴くままに喰って喰って喰いまくってぶくぶくと惨めにも肥え太ってもう以前の自分じゃない、と。兵士はだとしても「生きて終戦を迎えたわけだから褒められはしてもバカにされることなんてもうないですよwww」っつーんだけれどもそれだってここが地元かそうでないかでぜんっぜんっ!違って来る問題だと思うし…。地元の人間は兵士が生きて帰って来れば喜んでくれるだろうけれども上官は謂わばよそ者だし自分の地元に帰ったら帰ったでそれは国を背負った人間としては恥でしかなくて奥さんにも愛情が沸かないしいまいち家族っつー感覚じゃないし喜んで迎え入れてくれる人が思い描けないとかそういうことなんだろうとおも。んー…それにしても片平(なぎさ)さん演じる木の精だっけか??アレって…いる??(爆)ナレーションっつか状況説明台詞がほとんどで木の周りをふらふらしてるだけ(おい)で大した役割が感じられないんだけど…??(おぶおぶ)語り部なら語り部としてずっと定位置で座って朗読するかのやうな体でいてくれてればその方がいいと思うのにどういう演出の意図が…??…ま、定位置から動かないで座ってばっかりだと演奏する人もずーっと動かないで座ってばっかりだしこう…地味ーに動きのないお芝居に感じられちゃうからかもしれないけども。でもなーんかあってもなくてもどっちでもよかったやうなー…??(爆)さすがにガジュマルの木のセットは壮観で舞台奥っつか袖のとこにも同じやうな足場が組まれておってロープが何重にも渡してあったりしたからどこかで入れ替わるか何かするのかな??と思って期待しておったんだけれどもそういうのはなく。(苦笑)でも天空を突き上げるかのやうに立ち上がって来るとことか重厚感出てたなー…と。(感心)それにしても実話を元にして作られた話だっつーのでまず思い出すのは横井庄一さんだよね。(え)横井さんは日本国内じゃなかったから見つかるまでの間余計に怯えて暮らし続けなくちゃいけなかっただろうけどまだこの2人は勝手知ったる…ではないにしても片一方は地元民なわけだしそれに1人じゃなくて2人だったってのがやぱーり心強かったってとこはあるよね。兵士の方はそこまで考えてたかどうか分かんないけれども上官の方は危なくなればこの兵士を盾にしてでも自分は生き延びようと思ったこともあっただろうし。(おい)戦場じゃないところで出会ってたらまたぜんっぜんっ!変わってただろうしそしたらもうちょっと上手く行ってたかもしれないけれどもこれはこれでまぁ仕方なかったよね…。(黙)カテコは3人とも和気藹々っつか屈託のない笑顔で重苦しいお芝居とは打って変わっておってよかったでつvvv大阪千秋楽だったので回数は多かったけれども特にコメントとかもなくまぁさらっと。(え)次「ブンとフン」もキャストはいいんだけれどもいまいち触手が動かない感じなのでこのままスルーすることになりそうでつ。とほー。 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