35.「The Kiss of an Invisible Man〜透明人間の蒸気〜」

主なキャスト:筧利夫・小西真奈美・松澤一之・村上信五
作:野田秀樹 演出:岡村俊一 舞台監督:瀬崎将孝
公演記録:2002.12.13〜18@厚生年金会館芸術ホール(大阪)
あらすじ>>「二十世紀を千代に八千代に後世へ伝えよ」―。そんな勅命を「朕」から受けて早や50年。華岡軍医は、愛染かつら看護兵、のらくろ軍曹、ロボット三等兵と共に、いまだその難事業に没頭していた。レコード針、井戸、カンテラ、ミソカツ、白いギター、風呂屋のバンダイ、親孝行……。20世紀で消えたモノばかりを集めるその中に、まだ足りないモノがある。それは「二十世紀の肉体」。そして華岡軍医が選んだ「二十世紀の肉体」の持ち主は―?

一方、所は鳥取砂丘。そこに、サリババ先生の教えを受ける少女がいる。三重苦の少女、ヘレン・ケラ。耳も目も不自由だが、足の裏で世界を感じている。

ケラのもとに、ひとりの男が現れた。男、いきなりケラに長いくちづけをする。初めて感じる熱い吐息を、ケラは「神様の蒸気(ゆけ)」だと思う。そして男を、神様だと信じた。

その男、名を透アキラ。実は口先だけで生きる希代の結婚詐欺師。彼のせいで娘を亡くした父刑事は、地の果てまでもと彼を追う。アキラに魅せられた女たち、有閑マダム・ナナと住友花子も後を追う。逃げるアキラの前に立ちはだかったのは…あの、華岡軍医。華岡軍医が選んだ「二十世紀の肉体」の持ち主とは、この透アキラだったのだ。

軍医は彼に「二十一世紀」という名の果実を食べさせて眠らせ、人体実験のカプセルに入れた。これで「二十世紀の肉体」を腐らせることなく後世に伝えられる……。軍医がそう思った時―カプセルが大爆発。事故が起こったのだ。そしてその後遺症で、アキラは「皮膚」を失ってしまう。誰にも見えなくなったアキラの姿。しかしただ一人、ケラだけが、彼の姿を見ることができる……。

そして透明人間と盲目の少女との、恋の冒険が始まった―。

いやー今回急に時間変更とかなんとかあってー。e +のプレオーダーで申し込んでたんだけどさー。「キャンセルされる方はこちら。日程変更を希望される方はこちら」とかリンクはっためいるが来てて。なんか焦っちゃって今申し込んでるのが全部一旦クリアになるのかなー?もう1回申し込み直さないといけないのかなー?(おぶおぶ)なんて思っちゃって。しかも「変更手続きは18時締め切りとさせていただきます」って書いてて。そのめいる見たの5時40分過ぎでさー。(黙)もう「わっきゃーっ!」ってなってたわけよ。結局は別に何もしなくてもよかったんだけど。(黙)あまりに焦り過ぎててせっかくのチケットがキャンセルになってなくてよかったよー。(ほっ)でもでも取れた席は2階 E列 41番。(どよん)もう絶対遠いもーん。観えないもーん。(おい)ちょっと最近すっかりテレビ人と化してしまったかのやうな筧(利夫)さん。(苦笑)かめのも筧さんが第三舞台出身だなんて知らなかったけどー。(笑)こないだの「ファントム・ペイン」(観劇日記No.19参照)の第三舞台愛蔵版DVD集で初めて知ったりなんかして。(おい)確かにまぁ勢いが空回りしてるとも言えなくもないような…。でもエンターテインメントっぷりはたっぷりですよねー。フライングとか。(おい)ジャニさんに対する対抗意識?(笑)小西(真奈美)さんは線細いのに頑張ってるーって感じしましたねー。でも声がちょっと変わるぐらい大変そうだったけど。野田演劇って台詞がんがん言わないといけないしーもう最初から最後まで走り抜けるように動き回らないといけないし。ひとつの言葉に二重も三重も仕掛けがしてあるのに立ち止まって考えることは許されないって感じで。「バンダイ」が結局どういう意味なのかー?ってのがかめのにはいまいちよく分からないんだけど。(黙)どこかのサイトで「バンダイ=万代」っていう解釈してはる人がいて「あっそうかー」って妙に納得したねー。「みんなが目を閉じているうちにちょっとずつ動かさないといけないもの」なんでしょー?それって時間とか時計の針って気もしないでもないし。今なんだっけ?国会でも「愛国心を養う」なーんて項目を学校教育に盛り込むの盛り込まないのとかでもめてるじゃない?でもそういうのって教えてどうにかなるものだったりするのかなー?なんか自衛隊の海外派遣だとかそういうのだとかちょっとずつ戦争国家日本に向ってるんじゃないかなー?(おぶおぶ)なんて気にもなるんですよねー。(とは)そう言えば戦争やってた頃の日本なんてその典型的な状態だったじゃないですか。知らない間に真っ只中に放り込まれててしかも愛国心の名の元にちょっと人と違うことやってる人を「非国民」とか呼んで国に売り渡したり。みんなが右向いたらずーっと嫌でも右向いてないといけないなんだかとっても住みにくーい世の中だったりしたんでしょう?(おぶおぶ)もういい年したおじいさんがさー「あの頃はよかったなー」なーんて遠い目して戦争に行った体験談しながら思い出したりしちゃってるのはなんだか怖いんだなー。華岡軍医の台詞で「心配するな。死亡届は出しておいた」とかいうのがあるけど。あれもあの頃の特攻隊部隊なんかは天皇の名の元に死ぬことを余儀なくされてて。召集礼状はいわゆるひとつの国家から送られてくる死亡届なんだよねー。そう思うとすごーく切ない台詞だよねー。君が代に日本国旗(日章旗)は戦争に繋がるから変えた方がいいって論議もあるけど。それよりも忘れないってことの方が大切だと思うなー。天皇もあの時は現人神なーんて呼ばれちゃって。今でこそ「日本国の象徴」なんてのほほーんと暮らしておられますが。(爆!)でも神様でいることも大変だったのかなー?(遠い目)ケラにしか見えない神様。愛は盲目。信仰心も盲目。信じるものは救われた?果たしてそうなのか?二十一世紀はとんでもない宿題を課せられたんじゃないのかなー?

とこんなことをゆっくり考えるようになったのは観た後からだけどねー。(苦笑)観てる時はただもう振り回されて「え?もう終わったの?」って感じだったけど。松澤(一之)さんの怪我が2回ほどネタにされてたけど。(笑)「村上くん誘ってキャバクラ行こうとして断られたのにこっそりホテル抜け出して行った」だの。(凄。笑)でももう松葉杖がすっかり小道具のひとつになってるみたいに使いこなされててー。(笑)また怪我が悪化してないといいですが。(祈)夢の遊眠社を体感したひとりですもんねー。彼こそ遊眠社の抜け殻と言えなくもない。(失礼)や、でもさすが切れがあって素敵ー。「青木さん家の奥さん」(観劇日記No.22参照)でも頑張っておられましたもんねー。「村上くんにジャニさんへの手紙を読ませるくだりはジャニファンに対して媚びを売ってるとしか思えない」なーんていうシビアな意見も見たりなんかしましたけどー。でもあんまり難しいこと言ったって始まらないじゃないですかー。お芝居はお芝居ファンだけのものじゃぁないんだしー。そういう面白場面もありつつー「お芝居って面白いんだー」って初めて観た人がまた次来たいと思えるようなとこもあった方がー。こんだけ芝居離れが進んでる今現在。(黙)次がないとやっぱりいけないと思うんですよぉー。(切実)ま、かめのの場合なんちゃってお芝居ファンと思われても仕方ないとこありますけどね。(苦笑)それに青木(隆敏)さん。普段耽美派ーでならしてはると思うんですが。(笑)どうしても野田さんのちっちゃい体でかちゃかちゃかちゃーって感じの動きを重ねてしまうんですが。もっと全ての謎を抱えるキーパーソンって感じなのかなー?とも思ったんですが。「マクベス」でいうなら三人の魔女みたいな。でもあれはあれでアリかな?(おい)そうそうー。今回アンコールっていうかなんつーかびっくりしたんですけど。ま、千秋楽じゃぁないし2回で終わって仕方ないなって感じで帰る準備し始めたんですよ。(苦笑)でもそれでも諦めずに拍手続けてる人とかいてて。なんか「ジャニコンと間違ってんじゃないのー?」なんてちょっと冷めた感じで観てたんですよ。(失礼)「出てくるわけないよー」とか思いながらなんとなく帰れない。(苦笑)したらなんとっ!出て来ちゃったんですよー。(驚)で3回目にも言霊の蒸気を分けてくれました。(笑)もうびっくりー。諦めちゃいかんねー。(おい)来年は攻めの姿勢で頑張るぞ、と。(笑)