1234.「ジョン王」

主なキャスト:小栗旬・吉田鋼太郎・中村京蔵・玉置玲央・白石準也・高橋努・植本純米・櫻井章喜
作:W.シェイクスピア 翻訳:松岡和子 上演台本・演出:吉田鋼太郎 舞台監督:倉科史典
公演記録:2023.2.3~12@シアター・ドラマシティ(大阪)
あらすじ>>イギリス王ジョンのもとへ、ジョンの兄で獅子心王の異名を持つ先王リチャード一世の私生児だと名乗る口の達者な男が現れる。ジョンの母、皇太后のエリナーはこの男を気に入り、親族と認めて従えることを決める。
ジョンは正当な王位継承者である幼いアーサーに代わってイギリス王となっていた。アーサーは獅子心王に次ぐジョンの兄ジェフリーの子で、ジョンの甥にあたる。ジェフリーの未亡人コンスタンスはアーサーの権利を主張し、フランス王フィリップ二世に訴えていた。フランス王はジョンに使者を送り、「王位をアーサーに譲り、領地を引き渡すよう」要求するが、ジョン王はこれを拒否。私生児を従え、フランスと戦うために直ちに武装を整える。イギリス軍にはエリナーとその孫娘でスペイン王の血を引くブランシュも同行し、フランス・アンジェの町に乗り込んだ。だが思いがけずアンジェ市民の強硬な抵抗に遭い、若きフランス皇太子ルイを擁するフランス軍ともども、城門の中に入ることもままならない。膠着状態を打ち破ったのは、市民の提案による皇太子ルイとブランシュの結婚という和睦案だった。
まんまと王族の仲間入りを果たした私生児は、権力者たちの愚かな振る舞いを目の当たりにしながら、戦争へと巻き込まれていく。
ローマ法王から破門を迫られたフランス王は、ジョン王との和睦をあっさり反故にする。再び英仏両王は亀裂を深め、アーサーはイギリス側に奪われた。アーサーの存在が疎ましいジョン王は、腹心のヒューバートに恐ろしく非情な命を下す。この決断が、ジョン王と私生児の運命を大きく狂わせるのだった。
権力者たちの思惑に振り回され、世界は混迷を深めていく……

前回は公演けていー!ってなってからチケット取るまでにすでに緊急事態宣言やら何やらで中止が決まったんだったっけか??もうどの公演が払い戻しになってどの公演が行く前に中止になったのかすらも覚えてないぐらいにぐちゃまらだった気がすwww(苦笑)とにかくまぁそんな感じでもってフライヤーのビジュアルなんかは目にしておったと思うんだけれどもまさかの復活公演とか…!(きらーん)もうすでに蜷川(幸雄)シェイクスピア・シリーズは最終作品をとぉーっくのむかーしに公演して幕となっておるのでコロナ禍で公演自体が頓挫してしまったこの「ジョン王」と途中で公演中止になった「ヘンリー八世」(観劇日記No.1207参照)の2作品はなーんとなく番外公演っつかあたしの中では「おまけ」みたいなもんだと思ってるところがある。(え)それにしても前回公演は小栗(旬)くんの大河出演前だったのだけれども今回は大河終えた後になっておるのでチケット難が予想されるやも??(おぶおぶ)と思っておったらば横やんさん(横田栄司氏)の体調不良で降板、キャスト変更があったりしてまだじゃあチケット取れる…かな??(おい)劇場抽選先行で臨んだので席は8列 32番となかなかによさげな席。開演間近になって赤いパーカーを目深に被ってラフな恰好をした男の人??がつかつかとステージの方へと歩みを進めて行っておったので「あぁ…困ったちゃん乱入か??(おぶおぶ)」と思ったらばそれが小栗くんだった件。(爆)ほんっとにふわっとシェイクスピア世界に迷い込んでしまった…ってな感じでもって城門やら何やらをしげしげと物珍しそうに見回したり触ったり…な小栗くんwwwそうこうしながら段々と作品世界に馴染んで行く小栗くんの存在感っつか違和感のなさよ…!(え)いちお小栗くんが主演とはなっておるけれどもどっちかっつーとこうたろさん(吉田鋼太郎氏)演じるジョン王メインで話が進んで行ってる気がしたので「主演…??」と思ってしまったことだよ。(苦笑)俄然こうたろさんの方が前へ前へがっついてる感じだったし(おい)いい意味でも悪い意味でも悪目立ちし過ぎっつか何っつーか…「俺を中心に世の中は回っている…!」みたいなのを本気で悪びれずに口にしそうな感じの…ってかたーぶーんそういうニュアンスのことはしれっと口にしておったんじゃなかろうか??(え)それぐらい「俺様」感半端なかった…!(おい)でもそもそもフィリップ(小栗旬さんの役どころ)は何故ジョンを頼ろうと思ったのか??…や、まぁその時点での「王」だったわけだからしていっちばん頼りになるっつかまぁなーんの後ろ盾も保障もない見の上にとってみたらば「虎の威を借る狐」ぢゃないけれどもそれぐらいの算段??はあったはずで他にもリチャード一世の親戚連中??はもっとたっくさんいただろうと思うのにそれをジョンを選んだわけだからして将来性だとか何だとかまぁあったんだろうとおも。その反対に…ってことはないにしてもアーサー(酒井禅功くんの役どころ←Wキャストだったので正直どっちだった??つて言われると迷うところなんだけれども。苦笑)の母親のコンスタンス(玉置玲央さんの役どころ)はかんっぜんに修羅である。コンスタンスも頼りになるはずだった旦那が死んで女1人でアーサーを護って行かなくちゃいけないってなったところでこうなったらもう自分の息子を「王」にしてその身の安泰を願うしかなくて必死さ全開で突っかかって来るわけだけれどももう「女」とか何とかかなぐり捨ててほぼほぼ「鬼」の形相でもって気が狂わんばかりに「ジョン王、赦すまじー!!!」つて呪詛の言葉を吐くところなんかぜってぇお近づきになりたくないわー…ではあるわけだけれどもでもそれが「母」としてこの愛する息子にしてやれる最後のギフトっつか息子にはほんっとのところは「王」になんてなって欲しくないし「王」になったらなったで周りは敵ばかりでいつ何時その身を狙われて寝首を掻かれても仕方がなくてましてやまだまだ小さな子供でしかない息子にしてみたらばいい顔して近寄って来るおっとなーwwwたちの思惑??っつかオモテの顔とウラの顔の区別なんて何ひとつ分からないだろうしそれだからっていつまーでも母親であるところの自分がそばにいて見守ってやれればいいけれどもそういうわけにもいかないだろうし速攻で引き離されて後はもう顔も知らない側近??たちに囲まれて訳も分からず指示出しに努めなければならない息子のことを思ったらば「王」になんかならなくたってずーっと自分の息子でさえいてくれればそれでいいと思うところだけれども自分自身の身の振り方っつか女手一つでこの小さな息子と生きて行かなくちゃいけないその境遇を思ったらばここで「王」にしておいたらば後は何とかなる…!みたいな??(え)そうでなくても自分の息子には権利があるわけなのにそれをジョンが横槍を入れて順番抜かしっつか何っつーかアーサーのことを軽んじてるだけじゃなくて自分の旦那であるところのジェフリーが亡くなったせいで「女のくせに…」っつーので自分までもが軽んじられてるっつーのが何かと許せない…!みたいなことなんだろうね。それでフランスにまで攻め入ったっつーのに状況が好転したわけでも何でもなくて。(滅)そうして邪魔者排除とばかりにアーサーを消せ!つてヒューバート(高橋努さんの役どころ)に命じるわけだけども。あーんな風に「僕を殺さないで…!」つて縋られたら「無理ー…!」ってなるわなー…。(黙)そうでなくてもヒューバートの根っこのところはものっそいいい人そうだし。あとあの母親に呪われるのもそうっとうに怖いwww(爆)そやって子供が政治の道具??として使われて殺したり殺されたり…みたいな状況??みたいなのを表現するためになのかステージ上にいきなりどさ…っ!!!と人形の形をした肉塊みたいなのが急に上から落っこちて来たりしてその重み??みたいなのが結構怖かったりするわけだけれども。でもこの肉塊が落っこちて来る演出ってむかーし蜷川さんがどっかの舞台で使っておったやうなー…??(え)焼き直し…??(おい)こう国同士の勝手な都合っつか駆け引き??の末にまぁーったくもって関係ないそこに住んでる人たちが戦争に巻き込まれて命を落とさないといけない現実??みたいなのを表現したかったんだろうとは思うんだけれども若干唐突過ぎて違和感でしかなかったところもある…かなぁ??(えー)確かに歴史は繰り返すっつか何っつーか…いまだにそこらかしこで戦争は続いてるしやってる方には何かと主張やら何やらがあるんだろうけれども外から視てる側からしたらば無意味でしかない。それなのに延々と戦争、戦争、また戦争…でもって言葉があるんだからして一度きっちり話し合いやら何やらをする機会を持てばいいだけのことだと思うんだけれどもそれはしない。勝った方が偉いとばかりに攻め入って踏み付けて全てを奪おうとして結局手に入れたとしてすぐ飽きて手放してしまうのに。(滅)その虚しさみたいなのを表現したかったのかなぁ??

あとちょいちょい歌が差し挟まれるわけだけれどもそれが童謡??だったりなんかしておってまぁ台本の余白の部分なのだからして何をやってもいいんだろうけれどもかなーりの違和感っつか何っつーか。今回はふっつーに日本公演だけだったから日本人に分かりやすく…っつか伝わりやすくするためには…??みたいなことだったのかもしれないけれども海外公演とかあった場合はもそっと何か変わったりしたのかなぁ??あー…でもむかーし「時計じかけのオレンジ」(観劇日記No.360参照)やら「ヤング・フランケンシュタイン」(観劇日記No.851参照)で観た時は何かちょっとー…歌声がべみょう??(え)って感じだったんだけれども今回はふっつーに上手かった…とおも。(おい)…や、まぁ音階も取りやすい比較的かんったんなお歌だったからってのもあるのかもしれないけども。(だから)あとはー…「赤い花 白い花」の植本(純米)さんのお歌とかは好き…かな??(え)どういう目的があってジョン王がフランスへの進軍にスペイン王女のブランシュ(植本純米さんの役どころ)を連れて行ったのかはわっかんないんだけども。(え)でも血気盛ん(え)でほぼほぼヤンキーみたいなノリ(えー)でもって「喧嘩上等www」なバリバリだったブランシュがいきなりとルイ(白石準也さんの役どころ)とのけこんを打診されてしかもルイが結構なイケメソだっつーことが分かってかーらーの手の平返しをしたかのやうなぶりっこっぷりっつか何っつーかもう前面に「女…!」を押し出して来ての甘々っぷりとか何なんだよ??(苦笑)たまーに植本さんの名前は目にする機会はあってもなかなか「観たい…!」と思えるキャストじゃなかったり(死)触手が動く作品じゃなかったり…ってので観れてなかったので超超超ひっさびさな植本さんな気がするんですけども。(苦笑)前ーは結構な頻度で植本さんを観ておったやうなー…??(え)…アレ??何っつーかでもアンジェの市民たちは自治がしっかりしておるっつーのかどっちの国の言い分にもすぐには靡かないっつか自分たちで判断して自分たちが主導して事を進めて行くっつかそこんところがいろいろと偉いなとおも。ふっつーそこまで出来ないよね??(おぶおぶ)大体は力に屈服して…っつか脅されたらすぐに城門でも何でも解放しちゃうし。(死)どっちがより賢いか??ってことではどうなんだろ??(え)解放しなかったとして籠城したとて外からの攻撃である程度の人数は死者が出るかもしれなくて解放したらしたでもっとたっくさんの人たちが死ぬかもしれなくて…ってどっちの方が犠牲が少なくて済むんだろ??でもよっぽど体制がしっかりしてないと一部??の人たちが「このまま籠城作戦で行く!」つてけていしてそれに従わそうとしたところで力づくってことでは誰も従わないだろうし上の人たちの言うことを聞いてたら間違いはない!ってことを今までの歴史の中で証明??出来てなかったらば素直に「付いて行こう!」とはならないわけじゃないですか??そこんところのちゃんと信用出来る人たちがしっかり中心にいるっつーのかな??まぁ人数が限られてるから出来ることなのかもしれないけれどもそれでも凄いことだとおも。まぁでも他はもうグダグダっつか旗色覗ってあっちにフラフラ、こっちにフラフラ…な日和見主義な人たちばっかり。(黙)最終的にジョンも自分の心の拠り所としておった母親(中村京蔵さんの役どころ)が死んですーっかりと後ろ盾も何もかもを失って周りを固めておった貴族たちにも見放されてほうほうの体でもって逃げ込んだ教会で修道士に毒を盛られて死んでしまう。(黙)結局死ぬ時は誰しも1人なんだよなー…みたいなことでちょっと可哀想でもあり。(黙)そやって目の上のたんこぶ??っつかまぁジョンがいなくなったんだからしてフィリップものうのうと自分が王に収まるのかと思ったらばジョンの息子のヘンリー(山本直寛さんの役どころ)を立てて仕えるようになる。んー…ま、王様になったところであれやこれやと次から次へ自分が判断して動かなくちゃいけないしそれでまた文句言われて直さなくちゃいけなかったりそれを貫き通す勇気??みたいなのも持ってなくちゃいけないし…っていろいろと面倒ごとだらけで誰かの下に付いて働いてる方がラクっちゃぁラクってのはあるよねー…。(え)それに「ハイハイ」つて従ってればいいわけだしさ。それが正しかろうが間違ってようが…ってか間違ってたら「違いますよ??」つて教えてあげればいいわけだしそれで「あ、そうか」つて素直に間違いを正せる人だったらば指導者としても間違ってないっつかまぁ信用に値するっつかそれで「何を言うか!」つて怒られて速攻でクビ切られるとかだったらそれはもうしょうがないっつか遅かれ早かれその王様は失脚するだろうしさ。(黙)そうなったらそうなったでまた自分の身の振り方も考えなくちゃなんだけども。…とちょいちょい気が殺がれるっつかなーんとなくストン、と胸に刺さらない演出だったりで蜷川さんへのオマージュ??みたいなのは分かるし「蜷川さんだったらこうするかな??」みたいなのが往々にしてあってこうたろさんのかんっぜんなるオリジナル版みたいなのはなかなか前面には出して行けないのかもしれないけれどももっとやっちゃってもいいんぢゃね??(え)ってのもあったりしつつ。最後カテコも終わってそれでも小栗くんもといフィリップだけが1人ポツン、と劇世界の中に残されたまんま佇んでおったらばどこからか兵士??っつかフィリップの時代のー…ぢゃなくてふっつーに現代世界の中での兵士(高橋努さんの役どころ)が出て来てフィリップを敵として照準を合わせて狙い撃ちの構図になり。したらばフィリップは自分の衣装を脱いで行ってそうして最初の赤パーカのわっかいお兄ちゃん(!)に戻って…ってぇことはそれまでずーっと小栗くんは衣装の下にその衣装を仕込んでたってことなのかー…!(驚)着痩せするタイプ…ぢゃなくてそれが外から見て目立たないってんだからすげぇなwwwそやってその困ったちゃん(だから)はステージを降りて「今」へと戻って行く…。残された兵士は今度は客席の人たちに照準を合わせて今にも銃の引き金を引こうと構えたまんまフェードアウト…ってのは今の日本は特にどこからか外から攻められることもなく攻め入ることもなく済んでおるし戻ろうと思ったらかんったんに??自分の今いる場所に戻って行けるわけだけれどもそうはならない人たちもこの世界ぢうのそこらかしこにはいて戻りたくても戻れないっつか戻る場所すらも奪われて呆然と立ち尽くすしかないままの人たちだって少なからずいるわけじゃないですか??そゆことに思いを馳せろ!ってことなのかもしれないけれども舞台の余韻??としてこのまぁーったくもって意味ありげなシーンを連続技で観せられてそれでどうしろっつーのか??その意図は分からないでもないけれどもどうにも重た過ぎてちょっとゲップが…。(おい)必要最低限のカテコで済ませるにはそゆ終わり方もアリっちゃぁアリなのかもしれないけれども何かもそっと宴感で終わって貰った方が有り難いやも??(え)…むう。