241.「ガラスの仮面」

主なキャスト:大和田美帆・奥村佳恵・川久保拓司・横田栄司・立石涼子・月影瞳・原康義・月川悠貴・岡田正・夏木マリ
原作:美内すずえ 脚本:青木豪 演出:蜷川幸雄 舞台監督:白石英輔
公演記録:2008.8.29〜31@シアターBRAVA!(大阪)
あらすじ>>小さな中華料理屋の住み込み店員を母に持つ北島マヤは、映画、舞台、テレビドラマが大好きな一見平凡な少女。しかし、一度見ただけでそのシーンの台詞や俳優の仕草をすべて記憶してしまうほど、演技における鋭い感性を秘めていた。
そんなマヤの隠された才能に気付いたのが、演劇界の幻の名作と呼ばれる『紅天女』でかつて主役を演じた不世出の大女優・月影千草だった。舞台の本番中に起きた不慮の事故で大怪我を負って以来、世間から姿を消していた月影だったが、自分の後継者を育て上げ、『紅天女』を現代に甦らせるために「劇団つきかげ」を立ち上げようとしていた。学校演劇の舞台に立ち、舞台上で<自分とは違う人生>を生きることの魅力に目覚めたマヤは、女優を目指すという情熱に燃え、家出覚悟で「劇団つきかげ」に入団する。
一方、マヤと同い年で「劇団オンディーヌ」に所属する姫川亜弓は、大女優・姫川歌子を母に、世間的な映画監督を父に持つ演劇界のサラブレッドで、その美貌と天才的な演技力で幼いころから世間の注目を集めていた。マヤと亜弓――全く異なる境遇に生まれ育ちながら、<舞台への情熱>という共通の想いを抱いた二人の少女は、やがて互いに切磋琢磨し合うライバルとして、不思議な縁で結ばれていく。亜弓と同じオンディーヌに所属する若手俳優・桜小路優は、マヤのひたむきな姿に惹かれ、彼女にほのかな恋心を寄せる。
業界最大手である大都芸能の社長令息で、冷血漢と名高い速水真澄は、月影が保持している『紅天女』の上演権を手に入れようと、大都傘下の劇団オンディーヌの演出家・小野寺とともに、劇団つきかげへのさまざまな妨害工作を画策する。だが、どんな嫌がらせにも屈することなく、まっすぐな心で舞台に打ち込むマヤの生きざまに知らず知らずのうち魅了されていった真澄は、正体を隠して彼女に紫のバラを贈り、いつしか影ながらマヤを支えるようになる。
『紅天女』を通じて繋がっていく、マヤ、亜弓、月影たち。演劇界を舞台にした情熱のドラマが、今、幕を開ける――!

あたしが「ガラスの仮面」と出会ったのは小学生の頃。病院の待合室だったか母親か友達の誰かが入院してるののお見舞いに行ったのに検査ちうだかで部屋にいなかったのを待たされてたのだったか忘れたけれどそこで初めて読んだのが出会い。でもそれは1巻とかじゃなくて誰かの忘れ物だったか何かしたのか(北島)マヤが「真夏の夜の夢」でパックを演じるために猛特訓してるシーンだったと思うのでかなり進んでたと思うんだけどとにかく引き込まれるように読んでそれでも全部読み切れなくて「続きはどうなるんだろ?!」と思いながらすっかり忘れてしまっていて…。(苦笑)それから何年も経ってからいろいろお芝居のこととか興味が出て来て大学生になってからやっとこ大人買い?で単行本化されたのを全巻片っ端から買い揃えて行ったのが本格的にハマったきっかけかもしれない。もうそれこそことあるごとに読み返してるので(っつか先に一向に進んでくれないってのもあるけど…。爆)あらすじはがっつり頭の中に入ってるし「ガラスの仮面」の中での劇ですっかり観た気になってるお芝居もあるぐらいだ。(おい)それをどういうわけか蜷川(幸雄)さんが演出するってのとマヤと亜弓の役はオーディションで決めるってのが気になって気になってこれは観なくちゃでしょっ!と。BRAVA!先行で千秋楽も取れて席もR列 35番と悪くはない感じ。(どうせ蜷川演出だったら前方席を何列か潰すだろうと踏んだ←え?)が。当日。開演時間を12時半と思い込んでて(え?)朝から起きて録り溜めてるHDDの編集とからりらり〜♪なんてやってて出掛ける頃に見直したら12時開演じゃんっ!(バカ)間に合わねぇよーっ!とか思いながら駅着いてから激走してたらなにげに一緒になって走ってる女の子がいたのでたぶんその人も思い違いをしてたんでしょう…。(黙)つか人のこと笑えねぇからっ!何とか走って走って走ってしてたら5分前ぐらいには着きますた…。(ほっ)でも全然舞台裏見学ツアー(開演30分前までに入った人で希望者20人ぐらいか?には当日普通に入れるらすぃー…)には間に合わなくて(当たり前)そろそろ客席に戻って来る時間に会場に着いたっつー…。(爆)ファミリー音楽劇だけあって客席には子供ちゃんもちらりほらりと。ステージ上は前にも何回か蜷川演出で使った手法の楽屋?客入れ前ステージ?でストレッチとか発声とかやる役者さんたちの姿が。そのままの流れでこれからオンディーヌ側に立つ人たちもつきかげ側に立つ人たちもみんな入り混じってウエストサイドストーリーみたいなダンスが始まったりなんかして。タンクトップシャツにステテコ姿なおじさんダンサーズも飛び跳ねたりなんかしててそういう要素も入れてくるのかな?なんて思ったり。脚本はグリング(グリング自体は未見なのでいまいちどういういめいじなのか分かってないとこもありますが…)の青木(豪)さんってことで「IZO」(観劇日記No.214参照)でも観たことはあるし全然知らない感じではないのでちょっとは分かりやすい??かな??でも結構話の進み具合は原作通りじゃなかったかと。大体単行本ですでに20巻以上出てるのでどこを抜粋してくるのか?ってのが一番心配だったんですけどそこはまぁ一番導入部分っつかマヤが演劇に目覚めるまでの覚醒過程がメインになってましたねい。ま、ドラマ化された時もそこから始まってたんで読んでない人にとっても分かりやすいっちゃぁ分かりやすいですよね。つかこのお芝居の客層って「ガラスの仮面」愛読者と全然読んだこともない人たちの比率とかってどんな感じだったんだろ?それに確か以前にも一度舞台化されてるんですよね?(おぶおぶ)北島マヤ役が大竹しのぶさんで姫川亜弓役が藤真利子で速水真澄が川崎麻世で桜小路優が別所哲也っつー東宝ミュージカルみたいなノリは何?!(おい)なキャスティングで。や、そっちはさすがに観たことないですししかも今調べてみたら坂東玉三郎さんが演出だったんですねい。豪華すぐるー!!…一体どんな劇だったんだか…??そしてそして何年か前には能舞台で「紅天女」も上演されてるし。そっちもすんげぇ観たかったんですけど東京公演だけだったんですよねぇ…。(黙)能はまだちょっと観たことない世界だしそれだけのために遠征するのももったいなくて(おい)見送っちゃったんですけどどうだったんだろ??それはともかくとしてこれはこれで「ガラスの仮面」なんですよね。どうしっても月影先生なんかはドラマの印象で野際陽子さんの印象が強くてホント漫画のまんまだよっ!黒夫人だよっ!って感じだったんですけど夏木マリさんは夏木マリさんでやっぱり黒夫人でしたねい。(は?)歌うシーンとかは夏木マリさんも歌ってらっさったことがあるので本人そのままが出ちゃってるっつかちょっとジャージーな歌い方でけだるい月影先生風だったりもしたんですけど印象は悪くなかったでつ。(偉そう)速水さんは…こっちもドラマの田辺誠一さんの印象が残ってて舞台での横田(栄司)さんには申し訳ないですけど「…おっさんすぐる…!(爆)」とか思っちゃって…。(黙)まだ速水とマヤが絡んでくシーンとかは特別なかったしマヤの情熱に打たれて紫のバラを贈る人っていうスタンスでマヤに入れ込んでくとことかそこまで詳しく描かれてなかったのでこれだけ観ててしかも原作読んでない人とかはいいと思うんですけど今後のマヤと速水さんの展開を知ってる人たちにとったら「それ、ちがーうっ!!!」とか思って観た人も少なくないんではなかろうか?(おぶおぶ)とかいらぬ心配をしてしまったりなんかして。(苦笑)田辺さんもあたしにとっては速水さんじゃない(おい)んですけどちょっとすっとぼけた感じは確かに速水さんらしいと言えばそんな感じもしたりしてたのであれはあれでアリだったんですけど今回はちょっと…。(滅)今観たい速水さんで言えばたにしょー(谷原章介さん)とか似合うんじゃね??とか思うんですけどあそこまでおバカだったらさすがにダメかしらん?(爆)

でもマヤ(大和田美帆さんの役どころ)と亜弓(奥村佳恵さんの役どころ)は総体してかなりよかったと思う。(だから上から目線かよっ?!)大和田さんはちょっと前に「恐竜と隣人のポルカ」(観劇日記No.230参照)で観てたんで何だろ?大王(後藤ひろひと氏)演出でこんだけはっちゃけれるんだったらマヤも大丈夫かなー、なんて。(は?)どっちかっつーと芸能人夫妻の娘ちゃんでしょ?亜弓役により近い位置にあるじゃないですか?生まれも育ちもそれっぽいしいめいじから言えばそこで押し出して行けば宣伝効果とかもありそうだし。それを敢えてマヤ役でってのは無理あるかなー?と思ってたんですけど全然庶民な感じでよかったでつ。(おい)亜弓さんも亜弓さんでどこかセレブな雰囲気だったし。(は?)でも1つだけどうしっても気になったのはマヤが携帯持ってるってとこかな?(は?)そりゃまぁ現代に置き換えて演じてるんだから仕方がない。そんな「ガラスの仮面」の1巻〜5巻が出た頃の70年代〜80年代の設定のままじゃ分かりにくいって人も中にはいるだろうしとやかく言う方が間違ってるんだろうと思う。さすがに今連載されてる「ガラスの仮面」には何を思ったかマヤが携帯もパソコンもばんばん操る現代少女として描かれてるそうなので(今本誌の方は全然ノータッチなので単行本化されてから確認になるのでまだまだもっとずっと先になってからじゃないと読まないと思うんですけど…)当たり前っちゃぁ当たり前なのかもしれないけど今描かれてるマヤはとりあえずのところ一度は芸能界にデビューして儲かった後っつー設定じゃないですか?でもこの時のマヤってまだまだ一介の高校生だったわけでしょう?しかも母親は住み込みでラーメン屋で働いててマヤも時々?どころか週に何回かは手伝って出前だの何だのしなくちゃいけなかったわけでしょう?携帯持つお金なんか絶対ないはずなんですよねー…。月影先生が気遣って持たせてあげたってのもあるにはあるかもしれないけど月影先生と携帯ってのも繋がらないツールなんですよねぇ…。何かそういう世間的なこととは根本的に懸け離れてる世界で生きてる人って感じじゃないですか?マヤは寄宿生なんだし特別扱いはされてたけど特待生ってわけじゃないし月謝とかの支払いはマヤがバイトして稼いで来て渡してるっつー設定だったはずでそんなにギリギリでやってるのに携帯って…??ってのがあるんですよねぇ…。出て来るのは1シーンだけ(桜小路くん(川久保拓司くんの役どころ)と一緒に歩いてて急に「あ。掃除当番だったの忘れてた!」「…メール?」「そう!」ってだけ)なのでその後そのことに特別触れるシーンはないんですけど何となく。あとは劇中劇なんですけど猩紅熱で浮かされるベスを演じるために肺炎で高熱を出しながらも舞台に立ち続けるマヤっつーエピソードのシーンはマヤの状況は説明台詞でしか語られないわけですよねぇ?漫画だと舞台裏でふらふらになって倒れそうになりながら月影先生に「大丈夫なの?マヤ…。最後までやれますかっ?!」って聞かれて「大丈夫です…あたし、やれます…」って必死になって訴えるシーンとかが差し挟まれててマヤの切羽詰った状況みたいなのがあったと思うんですけどそこがまるっとカットされてるのであの野ばらを歌って息も絶え絶えに仰向けに倒れるってのだけでマヤがそれだけ大変!ってのを表さなくちゃいけなかったりでちょっとそこは押しが弱かったかなぁ?とか。演劇祭でどちらも「たけくらべ」でしかもマヤも亜弓さんも美登利を演じなくちゃいけないってとこも演出の違い?っつかマヤはマヤの美登利、亜弓さんは亜弓さんの美登利を演じてるんだっていう演じ分けみたいなのがちょっと分かりにくかったりしたとことか。「ジーナと青い壷」だっけ?もいいとこ取りだったしなー。つか月影先生が手だけで誰かが部屋に忍び込んで来ようとするとこを演じて見せたあのぞっとするようなシーンもなかったし(そりゃ無理だろ…。舞台裏からマヤを映してて客席は鏡張りでこっちの客席が映り込むようにして見せてさもあたしたちが演劇祭を鑑賞してるみたいな演出だったんだから…)原作を読み込み過ぎていらないとこが目に付いちゃったり。(苦笑)あと同じくジーナでつきかげの団員たちの中でマヤばっかり主役を演じることに対して文句がちょこちょこ上がって来出して男の子たち3人がオンディーヌの小野寺(原康義さんの役どころ)に声掛けられて抜けようとするシーンも「そういうことがありましたよ」的にちょっと触れてるだけであの子たちがぢつは中心になってセットとか壊したりそれで替えのセットを取りに行った後もトラックを使い物にならなくしたりしてどうにか上演出来ないように裏工作してたみたいなとこもはしょられてるしちょっと残念かなぁ…。って…そんなこと全部詰め込んだら2時間、3時間で終わらないんですけども。(苦笑)あと劇団一角獣もあんなパンク風劇団なんでしたっけ??(おぶおぶ)曲芸師っぽくはあったけどあんなパンクロック風じゃなかったと思うんですけど…。や、新しいいめいじですよね…。(え?)や、分かるんですけどねー。いめいじと違う!とか言われてもそれはあたしが考えるいめいじなだけで演出する側のいめいじとは全然違って当たり前なんだし…。観てる間は全然そんなこと考えながら観たわけじゃないしのめり込むように観てたわけだから楽しくなかったわけじゃないし。あらためてつらつらと思い返したらなんとなーくそういう風に思っちゃったってのが正直なところなので…。(苦笑)それにしてもまさか(青木)麗役が月川(悠貴)くんだったとはねー。すっげぇ合ってる!…気がする…。(贔屓目)マヤに対する絶妙な突っ込みとかさー。(「…それ、4回言ったよ?」とかもうー麗じゃーんっ!←何)あれは全然知らないまま観に行ってたんで嬉しい誤算。(は?)それにしても思えばガラスの仮面って雨が降って来るシーンが多かったんだなー、と。脚本と演出の都合上ってこともあるけどもっそい効果的な雨のシーンになっててあれはすごく好きだったな。後の始末が大変そうではあったけど。(苦笑)源造(岡田正さんの役どころ)も原作にはない速水さんに対する溜まり溜まった鬱憤を爆発させるシーンがあったりしてすごく意外なんだけど源造さんもちゃんと言いたいこと言えてよかったな、と。(は?)最後は紅天女までフライングしちゃうし(月影先生ではなかったけど。苦笑)美内さんの原画?がセットとして使われてたりこれはこれで幸せな出会いなんだなと思ったし。全体的にマヤを追ってはいるんだけど「夢を見せて」の歌にあるように演じることの喜びみたいな原作がどういう終わりを迎えるのかは分からないけれどマヤはすごく幸せだったんだなーって思ったらうるっと来ちゃいましたねい。(苦笑)いまだに「夢を見せて」のメロディ思い出したら泣けて来るし…。(え?)これをきっかけにお芝居に出会った子供ってのもちょっと羨ましいなー。あたしは随分と経ってから自分で見つけたからね。(苦笑)たまたまあたしの周りの子供ちゃんは静かに観ててくれてイラっと来なかったってのもあるんだけど。(爆)

そう言えば全部観終わってから遅いお昼を食べに行った帰りに「もしかしてもうそろそろ役者さんとか帰る時間なんじゃね?」と思ってぷらっとBRAVA!通用口のとこ行ったらぼちぼちと人が集まっててタクシーも来たりしててラッキーって感じで。あたしが観てたのは10分か15分程度だったと思うんですけど最初の2台は普通に脇役な人たちが乗り合わせて出て行ってたのかな?でその後タクシーじゃない普通車が横付けされて「えー?誰出てくんだろ??」と思ってたら夏木マリさんがー!ひぃーっ!すっかり月影先生じゃなくていつもの夏木マリさんでしたが(当たり前)かっけぇかったっすっ!スタッフさんたちに「ありがとう」みたいに言って手振ってて出待ちしてる人たちにも手振ってくれたりしていい人ー。で次のタクシーで月川くんも乗っててー。あぁ何かもう人間じゃないかのやうな美しさっすよね…。(は?)や、あたしの中ではいのんを超えることはなかったですけど(おい)お人形さんみたいな美形さんでしたことよ。(うっとり)にっこりはしてくれなかったけどお人形さんが手振ってくれてるーって感じで。(おい)さすがに握手だとかサインだとか求められないやうにしっかりしたガードだったので沿道に立って見送るマラソンファンみたくなってましたけど(は?)遭遇出来てよかったれすvv…でも前日なきゃやまさん(中山祐一朗氏)に遭遇出来てないけどな。(爆)どこの劇場もBRAVAみたく分かりやすいとこに通用口があったらいいのになー。(え?)あんまり入り待ちとか出待ちとか必死にならないんでアレですけどちょっと嬉しかったり。うふ。(おい)