270.「容疑者Xの献身」
主なキャスト:西川浩幸・岡田達也・西牟田恵・斎藤歩・川原和久・筒井俊作・實川貴美子・三浦剛・石原善暢 原作:東野圭吾 脚本・演出:成井豊 舞台監督:矢島健 公演記録:2009.4.18〜26@新神戸オリエンタル劇場(兵庫) |
あらすじ>>高校の数学教師・石神哲哉は、ある夜、不審な物音を聞く。アパートの隣室に住む花岡靖子の部屋で何か起きたらしい。石神は靖子の部屋のドアをノックする……。旧江戸川の河川敷で男の死体が発見される。捜査に乗り出す警視庁捜査一課刑事・草薙俊平。現場に残されていた指紋などから、男の身元はすぐに判明。やがて、捜査線上に、被害者の元妻・花岡靖子が浮かび上がる。しかし、靖子にはアリバイがあった。草薙は大学時代の友人で、帝都大学理学部物理学科の准教授・湯川学に協力を求める。湯川は靖子の隣室に住む男の名前を聞いて、顔色を変える。石神哲哉。それは湯川の大学時代の友人、そして、湯川が出会った中で最高の頭脳を持つ男だった……。 散りばめられた不可解なパーツ。解けそうで解けない運命の数式。石神と湯川、二人の天才が再会し、事態は静かに動き出す。 |
原作は読んではないですがー…。(黙)ドラマも全部観たし映画版も観たんで舞台版ってどんな感じ??!!だったんですけれど他でもないキャラメルボックスが舞台化するぐらいだから中途半端なものにはならないだろう、と。商業演劇枠でやられるとキャストだけ豪華なんだけどちょっとなぁー…ってのがあったりなんかして残念なことになることも多くて。(爆)それにテレビ系の役者さんばっかりだと映画版と比べてどうとかが如実に出ちゃうこともあるし。どうしてもいめいじ先行で先映画版公開しちゃってるしそれを下敷きにして観ちゃうじゃないですか??でもキャラメルボックスの役者さんたちだとそこまでテレビ系って感じでもないので(おい)結構素直に観れたりは…しないか。(苦笑)何にせよキャラメルボックスのDMって届いてもずーっと先行権を使わなかったら会員番号を抹殺される(え?)らすぃーっつーのでここらで行っとかないとな、と。でも。なにげにラーメンズ@大阪公演があったり他にも「淫乱斎英泉」も先にチケット取っちゃってたので行ける日程となると初日の次の日の日曜日昼公演のみ。他はちょっときついー。(滅)平日夜公演だと神戸からってのは結構時間掛かっちゃうからねぇ…。(黙)帰れなくなっちゃう。(えー…)とりあえず先行だったら大丈夫であろってので電話先行に掛けてみたんですがー…。10分ぐらいで普通に繋がったのかな??いちおブロック指定(階とセンターかサイドかが選べるやうになってる)が出来るんだけど1階はものの見事にセンターもサイドも「予定枚数終了」って…えー??!!まだ全然じゃーんっ!2階もセンターはすでに予定枚数終了になっててテンパっちゃってもうA席でいいや!ってので3階席を入れてみるもこれまたセンター席は予定枚数終了…。(どーん!)もうどうすんねーんっ??!!と思ってたらば何とか3階席サイド席でやっとこ1枚げとー。…パソコンからネット繋いだ方がよかったか??(おぶおぶ)でもそれだと手数料とか別にかかったりしてもったいないんだも。(おい)引き換えてみたらば3階 B列 34番ってことでかなりの端っこ…。(黙)ま、観れればいいやぐらいだったのでいいもんねー。(強がり)それにどうしっても観たいお目当てさんがいるわけでもなし。(爆)とりあえず3階席からなのでかなりの俯瞰っぷり…。遠いー。遠いわー…。(当たり前)セットは石神(西川浩幸さんの役どころ)と花岡靖子(西牟田恵さんの役どころ)の住むアパート前の川に掛かる橋が真ん中に据えられてて下は部屋と湯川(岡田達也さんの役どころ)の研究室だの取調室??だのが廻り舞台になってる感じ??いつものやうに開場時間が1時間前になってたのでロビーでキャラメルラジオ(会場内だけのDJブースが備えられてる)とか前説(携帯の電源を客席と一緒になって切ってみせるお歌を歌ったりする…)とかがあったりするのかと思ったら今回そういうのは全部なし。お芝居の内容がかなりなシリアスだからなのかそういう雰囲気を最初から壊さないやうにする配慮なのやも??前説代わりにグッズ紹介とかDVD発売告知なんかがスクリーン使って宣伝はされてますた。BRAVA!とかいつもそんな感じだよねぇ??じゃ何のために1時間も余裕持たせる必要が??(おい)そんだけあってもあたしは30分前以降にしか行ってないんだけれども。(苦笑)映画版はドラマ版のファンのために柴崎コウちゃん演じる新米刑事??が湯川の周りをうろちょろする(爆)シーンがちょこちょこあったんだけど確か原作では柴崎コウちゃんの役はないとかで元々湯川とその同級生の草薙(ドラマ・映画共に北村一輝さんの役どころだっけか。舞台版では斎藤歩さんの役どころ)しか出て来ないらすぃーのでどっちかっつーと舞台版の方は原作に忠実ってことになるのかな??どうしてもドラマ・映画と湯川を演じた福山雅治さんのちょっと斜に構えたいめいじのあった湯川なんですがー…岡田さん演じる湯川は皮肉屋なんだけどもちょっと人当たりはソフトな感じはしたかな。あらすじも展開も映画版を観てしまってるのであらかじめどうなるかが分かってるわけだし犯人にたどり着くまでの種明かしも分かってるし富樫(石原善暢さんの役どころ)の死体がぢつは入れ替わってるっつートリックも分かってる。ほぼ全部のパーツが出揃ってる(あたしにとってはね)中でちゃんと話に集中出来るのか??ってのはあったんですけど意外と入り込めましたねい。やはし目の前で演じられてるのと映画として観るのとでは全然違う!(や、映画が悪いとかお芝居がいいとかそういう意味での比較って言うわけではなく。だってあたしは映画は映画としても好きだしお芝居もお芝居としてそれはそれで好きだし)確かにお芝居だと全部の展開を見せるわけにはいかないわけで死体が見つかった下りだとかは死体役の人が出てくるわけでもなく警察の捜査状況の中で語られるのを想像するしかない。あたしは映画で観ちゃってるのでところどころそういうのが出て来ると映画の映像で「こういうことになってるんだな」ってのを補完してたわけですが観てない人はどう思ってたのかな??まぁでも無理があるわけじゃない。むしろスムーズに物語が進んでたとおも。それに石神の通勤途中の河川敷でホームレスたちがテントを構えてるシーンがあるわけだけどあれを視覚的に入れておかないと話としては無理があるのにどうするのかなー??と思ったらそこはちゃんと最初は4人いたホームレスが次出て来る時には3人に減ってて映像でさらっと間違い探しのやうに「…あれ??もしかしてあの時1人減ってたのが最後こういう風になるわけ??」な映画に比べれば結構な印象に残ったんじゃないのかなー、と。あたしは映画版で富樫役を演じてたのが(長塚)圭史くんだったこともあってちょっとばかし「富樫、殺されちゃって可哀想ー」(は?)な役以外の思い入れがあったりなんかしてまともに評価出来ないんですがお芝居はまぁね、関係ない人だから。(おい)さらっと出て来てさらっと勢いで殺されちゃったよー、な。(苦笑)殺されちゃう富樫には悪いけどこの人自体にそこまでの重要性はないからね。(えー…)しょうがないよね。(爆) 周りから攻めて行っててアレなんですけど富樫が殺されてから花岡靖子をそれとなく狙ってる工藤(三浦剛さんの役どころ)が出て来るわけですがー。これは映画版より舞台版の方が爽やか路線でいいかな。(え?)映画版はダンカンさんが演じられてたと思うんですけど花岡靖子が松雪(泰子)さんってのもあって美女と野獣(爆)っつかおっさんが未亡人を狙って付け回してる風ないめいじだったりで(あたしのあくまでも勝手ないめいじでつ。苦笑)ちょっと下心みえみえー!な感じがしてたんですけれど舞台版はほんつやり手などこぞの会社の社長さん??が奥さんが亡くなったのをいいことにお互い1人身なわけだし不倫って揶揄されることもなくこれで普通にお付き合い出来ますね!な感じだったりでまあまあだったんじゃないかと。そうやって工藤さんも悪くないなと思いつつも石神の電話から逃れられない靖子がこうどんどんイライラして来て「これじゃ相手が変わっただけで富樫の次は石神じゃないか。富樫は簡単にいなくなったけど石神はそうはいかないし何だって自分はこんなにも男運が悪いのか…」みたくなって来てとうとう石神の電話に「いい加減にしてください!」とかって叫ぶ(その前に工藤から「こんな手紙が来てたんだよー」とかって「花岡靖子に近付くな」みたいな脅迫文めいた手紙を見せられて冷水を浴びせられたかのやうにショックを受ける下りがあってのことだったと思うんだけど…)シーンが映画版にはあったと思うんだけど舞台の方はそれはなかったかな。あくまでも事務的な連絡って姿勢を最後まで崩さない石神が急に「この電話が最後になります」って靖子に告げてそのことが余計に靖子をパニックに陥らせるシーンだけで(ホントにこれで石神からの指示は終わりなのか??他に何か思うところがあるんじゃないか??みたく勘ぐろうと思えばいくらでも勘ぐれるわけで…)次はもう石神自首→逮捕な感じになってたんじゃないかと。湯川が石神が逮捕されてから靖子に直接会いに行くシーンも映画版ではその後石神から来た最後の手紙を石神は「読んだら全部捨てて下さい」って言ってたのに靖子が捨てられなくてずーっと持ってて警察(湯川にだっけ??)に「ぢつは…」って渡すシーンとかがあったと思うんだけどあくまでも舞台版は湯川が靖子を説得(説得…ってのとはまた違う気がするんだけど…)してそれでも動じなかったのに娘が自殺未遂を起こしたことで「こんなことじゃいけない!」みたいな揺らぎが出て自首して来るとこに繋がってたかと。…って結局映画版と舞台版を比較しながらってことになっちゃうよねー…。(苦笑)でもキャラメルでやるだけあってところどころに笑える和み要素とかもちょこっと入れてあったりして全部が全部シリアスー!ってのでもなかったかな。弁当屋の店長のさむーいギャグ(爆)とか草薙と間宮(川原和久さんの役どころ)の掛け合いとかちょっとずつ崩して来る。(苦笑)あたしはなければないでも構わない方なんだけどファンにとったらそういうのが嬉しかったりするのかな。(おい)メインの石神・湯川・靖子の3人はさすがですた!もう何も言うことはございませんっ!みたいな。(は?)映画でもお芝居でもそうだけど靖子が偶然にも石神が自殺しようとした瞬間にお引越しの挨拶に娘と2人でやって来てそれが余りにも爽やかで何がってわけでもないんだけどそのことで死ぬことを止めてしまってこの2人の笑顔を守るためならどんなことでもしてみせる!なとこなんかは最後のシーンと対比しててやっぱりいいなー、と。別にこの2人が石神に対してそーんなに大したことをしたわけでもなくたまたま石神が深刻な状況だったところに訪れた救いの神みたいな存在に偶然なっただけなんだけど人と人ってなにげに自分が思う思わないに関わらず影響を及ぼし合って生きてるんだなーっつー当たり前のことなんだけど。出来ることなら悪い影響よりもいい影響を与えられてればいいですよねー。(しみじみ)石神は別に靖子さえ幸せになってくれれば自分なんかどうなっても構わない、一度死に掛けた人間なんだから、それを靖子に救って貰ったんだから次は自分が靖子を救ってやらなくちゃいけないんだ、そのために自分が死んだとしても靖子にそれを忘れられてしまったとしても構わないって心境だったんだろうけど人の気持ちなんてそんな簡単なことなんかじゃない。石神は靖子がそれをどういう風に思うのか??なんてことまで計算にはなかったんだろう。そもそも人が自分のことをどう思うか??なんて考えたこともなかったんだろうし自分が誰かに影響を及ぼしてるなんてことも考えたこともなかったんだろう。でも石神が靖子に影響を受けたやうに靖子だって石神に影響されて何かが変わった。石神のことをこれからずーっとなかったことにしてやり過ごして行くなんてことは靖子には出来なかった。それが当たり前なんだと思う。靖子が石神に罪を押し付けて自分だけ工藤と幸せになって娘と暮らして行くやうな無神経な人間だったなら石神はここまでのことをしてやろうと思えるやうな人間じゃなかっただろうと思う。石神はいろんな展開を考えて先々のことを読んで頭の中で緻密に計算して実際その通りになったわけだけど人間の気持ちってことだけは計算外だった。だって今までちゃんと人と向き合って来たことなんてなかったから。「数学と結婚しちゃったってわけだね」って靖子の娘(實川貴美子さんの役どころ)に言われるシーンがあるけどそのことを不幸だと思ったこともなかっただろうしそれまでは全然それで満足だったんだと思う。湯川以外にちゃんと向き合えた人間って靖子だけだったんだろなー、と。人の心は分からない。分からなくて当たり前。だから自分の思い通りになんかならないってそんな簡単なことに気付かなかったんだから。いつもそうやって自分の考えてることなんて相手に分かるはずもないって思って来た方の人間だったはずなのに。自分のことになると難しいね…。(黙)しかもあんなに結末まで分かってたはずなのに靖子が警察に飛び込んでくるって分かってるのに2人が対峙して靖子が石神に向かって「ごめんなさい!」って謝るシーンはやっぱり泣けたしねー…。ま、号泣するほどでもなく周りが泣けば泣くほど自分の中で結構な冷め具合(爆)になって行く傾向のあるあたしとしてはめずらしくちょっとアンケート書きながらも思い出して泣きそうになったりなんかして。(苦笑)でもカテコまで観て思ったけどやっぱりキャラメルって優等生って感じがするなー、と。(は?)何かものすごーくしゅっとしてていい人たちなんだけどあたしはもっと毒のある人たちが好きなんだなーとか…。(おい)ま、絶対にないだろうけどナイロン(100℃)とか大人計画で「容疑者X〜」とかやったらもっととんでもないもんが出来そうではない??と。(えー…)や、まぁやったらやったで「…ビミョー…」(爆)とか言ってそうだけど。(苦笑)次回作キャラメルさんはちょっと日程の都合が合わなさそうなのでスルーする気配濃厚ですが…音楽ZABADAKなんだよなー…。あう。ま、再演だけど。(おい)まぁ再演も多い劇団さんなので次回もしあればーってことで。(え?)むう。 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