1239.「蜘蛛巣城」
主なキャスト:早乙女太一・倉科カナ・長塚圭史・中島歩・佐藤直子・山本浩司・水澤紳吾・久保酎吉・赤堀雅秋・銀粉蝶 原脚本:黒澤明 脚本:齋藤雅文 上演台本:齋藤雅文・赤堀雅秋 演出:赤堀雅秋 舞台監督:足立充章 公演記録:2023.3.18~19@兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール(兵庫) |
あらすじ>>応仁の乱の暫く後、織田信長が登場する直前。 天下統一の野望を抱いた者たちが、群雄割拠の様相を呈していた。 いにしえの木々が人を惑わす蜘蛛手の森に守られた蜘蛛巣城の城主・都築国春は、隣国を治める官領・細川家から突然の進攻を受け、味方の謀反によって苦戦を強いられていた。 その戦況を反転させたのは、幼い頃からの盟友である一の砦の大将・鷲津武時と二の砦の大将・三木義明。 二人の獅子奮迅の働きによって、都築家は反撃に成功し、勝利を収めるのだった。 二人は、戦いの帰途で蜘蛛手の森に棲む謎の老婆と出会い、予言めいたことを告げられる。 武時には「今宵からは、北の館のお殿様。そしてやがては蜘蛛巣城のご城主様」、義明には「今宵からは、一の砦の大将様。あなた様のお子はやがて蜘蛛巣城のご城主様」。 その場では戯言と笑う二人だったが、その夜、予言通りに北の館の主と一の砦の主に任ぜられる。 百姓の生まれでありながら武芸を磨き、主・国春に目を掛けられ、ここまで出世したことを分相応の誉れと喜ぶ武時。しかしその妻・浅茅は、異なる思いを抱いていた。 浅茅は、親の反対を押し切って武時に嫁いできた、名族・山名の娘。妹は親同士の取り決めに従って軍師・小田倉則保へ嫁ぎ、男児をもうけていたが、浅茅は未だ子宝に恵まれていなかった。 武時から謎の老婆の予言を聞いた浅茅は、「三木殿は予言を大殿様にお話しになったのでは」と、不安を抱く。 かつて先君を討って城主となった苛烈な主は、己を脅かさんとする家来を生かしておくであろうか、妻の疑念を否定しながらも、武時は動揺を押し殺せずにいた。 さらに次の戦に向けて、武時は危険な先陣の大将を、義明は安全な蜘蛛巣城の留守居を命じられたことで、疑心暗鬼へと陥る武時と浅茅。 そして夫婦は、引き返せない道へと踏み込んでいく。 |
何げに黒澤映画での「蜘蛛巣城」はとー………んと観たことがなく。(黙)…っつかその存在すらも知らなかったんですけども。(えー)チケット取ってからだと思うんだけれどもリバイバル上映??みたいなので「蜘蛛巣城」期間限定上映とかで映画館で掛かっておったっけか。…や、まぁそれも結局観に行かなかったけど。(おい)キャスト的にこれだけのメンツが集っておったらばチケット取れる気しないわー…な気になっておったんだけれども無事劇場先行で1階 Q列 9番ってな席が取れたのでよしとする。職場の人に予定聞かれた時に「誰出るん??」つて聞かれたので「早乙女太一くんとかー…」つて答えたらば「ひっさしぶりに名前聞いたわー」つて言われたけどあたしの中では割とコンスタントに早乙女(太一)くんって舞台出てるしそうでなくてもつい最近だったらば「六本木クラス」やらちょっと前には「封刃師」で中島かずきさん脚本のドラマにも出ておったし…ってかまぁその職場の人はドラマとか興味ない人だったりするので例外的なんだけども。(苦笑)いまいち黒澤映画の良さってヤツがあーんまり理解出来なくて(えー)まぁその時は娯楽っつっても映画ぐらいしかなかったんだろうしみんな飛び付くやうにして観ておっただけなんぢゃね??(爆)と思ったりもするんだけれどもでも今みたくCGでガッツリ作り込んだり出来るよりも前に手作り感??でもってここまでのことが出来るってことではものすんげぇことだったんだろうなー…とは思うけども。(偉そう←)基本が「マクベス」が下敷きになってるっつーことだったので途中で話の道筋を見失うことはなくてよかった。(ほっ)大体が「マクベス」ってことになると殊更にマクベス夫人が「悪女」的に描かれておったりするわけだけれどもさ。(え)こう…どこか煮え切らない旦那の尻を引っ叩いてでも無理くり??城主を手に掛けさせてそうしてその罪を門番たちになすり付けて何食わぬ顔して「城主様が殺された…!!!」つて第一発見者を装いつつふれて回ってそうして自分たちのやったことをなかったことにしてしまうっつかさ。なーんとなくいめいじ的には姐さん女房的な感じがするわけなんだけれども今回の早乙女くん×倉科カナ嬢かぷるは同い年…っつかほぼほぼ年齢もさほど変わらないぐらいの??仲良し友達夫婦的なノリ??(え)浅茅(倉科カナさんの役どころ)としては武時(早乙女太一さんの役どころ)とは恋愛けこんっつか親同士が決めたわけでも何でもなくてこう…その才能に惚れ込んでっつか「あたし、あの人のことが好きなんです…!」つて親の反対も何もかもを押し切って半ば強引に押しかけ女房的に乗り込んで来た(え)からこその「妹(新井郁さんの役どころ)みたく親に決められた許婚とそのまんまなーんの疑いもなくけこんしてそれでよく子供とかバンバン産めるわね??」ぐらいに心の中でちょっと見下しておる感じっつかまぁマウント取ってる感??(え)妹は妹で親に決められた許婚だけれどもそーんな武時みたく叩き上げのどこの馬の骨とも知らない農民からのし上がって来たやうな武家衆に比べたらば元からちゃんとした家の出っつか横槍を入れられてもびくともしないぐらいにガッツリお武家様な則保(長塚圭史さんの役どころ)に嫁いで将来安泰っつか奥様然として今や息子も生まれて押しも押されもしない妻の座にふんぞり返って何が悪い??みたいな??(え)「お姉さまこそ何なんですか??」ってところじゃないですか??…や、まぁ口に出してはハッキリとは言わないけども。そんなことしたらばかんっぜんに姉妹の間に亀裂が走るってことは自分たちも分かっておるしわざわざ口に出して言わなくても分かるでしょ??ぐらいの??(えー)どっちもがどっちもを見下しつつでも仲良く和気藹々と「あたしって幸せ~♪」な空気感を前面に押し出しながらやってくしかないわけじゃないですか??大体が武士の妻ってそんなところでしょ??(え)正妻っつっても息子を産んでなかったら側室として他からそゆ女をあてがわれても文句も言えないわけだしそれに名前だったってハッキリと歴史的にも伝わってるちゃんとした人(え)は稀でとりあえずの下の名前っつかそんなてけとうな呼び名…みたいなのしかなかったりするわけじゃないですか??大河ドラマとか観ておったって奥方の扱いが低いっつか何っつーか…。(黙)それでももうかんっぜんに正妻だけを娶って他には目移りもせず…みたいな??(え)ちゃんとした人もいるにはいただろうけれどもステイタス的に他に女がいてはべらかしてそれでこその男たるや…!ってのを笠に着て遣りたい放題の人だったっていたわけでそ??(えー)そこんところじゃないかなぁ??(何が??)拠り所とする相手に寄って立場がべみょうに変わって行くっつかいつ足元にストン、と落とし穴が大口を開けて待っておるかも分からずに手探りで進んで行く感じ??それが余計にマクベスもとい武時を焚き付けて「何とかしなさいよ…!!!」つて城主を殺す算段を付けさせるっつかその他親友??の義明(中島歩さんの役どころ)ですらも手に掛けてしまうっつかその息子の義照(小林諒音さんの役どころ)が次の城主…ってか武時の次だとは明言してないけれどもまぁまぁでも自分たちの息子世代ってことでは武時の次ってことにはなると思っても仕方がないよね??それで武時は自分から手を下して城主を亡き者にしたわけだからしてそのぉー…義明の息子が「城主」になるつて言われておるぐらいだからして生かしておけば次また自分が狙われてそうしてすぐに義照に取って代わられてもおかしくないっつかそれだけのことを自分がやってるから余計に心配で心配で夜もおちおち寝てられない…!みたいなことになるわけじゃないですか??じっくりと相手の寿命が尽きるのを待ってからでも遅くはなかったはず。「いつか」は城主になるってのだったらば今の城主だったってそーんなにものっそい100も200も生きるってのだったらばまた別だけれども年齢的にも少なくとも10年、20年…ってかこれだけ戦、戦…の世の中だったんだったらば次また戦いがあったとしてそこで殺されてもおかしくないわけじゃないですか??待ってりゃいつかは死ぬわけだし。そこんところを待てなかったっつかすぐ次…!つてなって過度に期待しちゃって待ってるだけじゃ物足りない、自分から攻めて行かなくちゃ…!ってなったところがマクベスもとい武時の敗因だと思うんですよねー…。そうしてればもし次義照が「城主」になるんだとして自分だったっていつかは死ぬわけだからしていつ死ぬかはもちろんわっかんないけれども義照に寝首を掻かれるまでもなく戦で命を落とすのかもしれないしそうなった時には義照が…って素直に受け入れられたかもしれないしさ。まぁ本人が詠んだ句ではないけれども「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」つてじっくり待ちの状態ですらも楽しめる徳川家康的心境っつの??(え)それさえあったならマクベスもとい武時は…ってか武時の奥さんだったってここまで追い詰められることもなかったし狂い死にすることだったってなかったとおも。上からの景色が見てみたい…!って高望み??してしまったからいけない。今ある状態で満足しつついつか来るかもしれない「その時」に備えて準備を怠らずに刃を研ぎ澄ましておったなら…武時の最期も違うモノになっておったんじゃないのかなぁ??と。 武時自身が押しも押されもしない武士の出だったら…??立場が違えばまたぜんっぜんっ!考え方も何もかもが違ったんだろうけれども百姓の出だっつー出生のコンプレックス??みたいなのがあって国春(久保酎吉さんの役どころ)に取り立てて貰えてるのに心は休まらないっつかさ。さすがに殺陣回りはしゅっ!としておって見目麗しく。(長塚)圭史くん演じる則保はほんっつズルいぐらいに「いい人」っぷりが感じられていいとこ持ってってるなー…って感じの。(え)きっと則保もまさかの武時を討つ側には回りたくなかっただろうし義理の姉の旦那なわけじゃないですか??気心の知れた…っつかまあまあ近しい親戚みたいなところがあるわけでそ??それって気持ち分からないでもないし手心を出来るモノなら加えてやりたいっつか逃がせるモノなら逃がしてやりたいとも思うわけじゃないですか??そこんところの葛藤っつか何っつーか…ひっさしぶりにいい役を演じておる圭史くんを観た気がすwww(え)赤堀(雅秋)さんも演出とは言いながらもまいっかい自分から出ておられたりなんかしておってしかも今回ちょっといい奴。(え)何っつーかひとたび村が戦場になった場合にそこに元から住んでる人たちは武時みたく戦闘員っつか足軽として取り上げられて無理くりしたくもない戦争に加担してそれで下手したら…っつかまぁ鍬しか持ったことないってのにいきなり「これで人を殺せ!」つて言われて刀だけ与えられてそれで生き残れば食い扶持分稼げるわけだけれども大概死んじゃうわけですよねぇ??(え)それで何だっけ??(え)「羅生門」…ぢゃなかったっけか??んー…アレはどっかから女を攫って来てどうこう…って話だったからまた別か。(え)こう…戦場になった村の後始末っつか落ち武者??で瀕死寸前の人たちから金品財宝を…ってわけにはいかないので(苦笑)持ってる刀やら何やら着ぐるみぜぇーんぶ剥いで持ってって…みたいなことをするわけだけれどもそれだったって百姓たちとしては生きてかなくちゃいけないからってかあんたたちの方が勝手にやって来て無茶苦茶やってそれでそのゴミ回収っつか取るもの盗ったところで文句を言われる筋合いはないはず??ってところでそ??でも五兵衛(赤堀雅秋さんの役どころ)はそれには加わらないっつか「ひええーーーーー」つて悲鳴を上げて逃げ回るだけで盗る側には回ってないっつかいつもの赤堀さんだったらば率先して盗る方を嬉々として演じそうなもんだけども。(えー)上昇志向ってことではついこないだの「鎌倉殿の13人」の小栗(旬)くん…っつか北条義時に通じるモノもあるっつか。なーんとなく「自分、最強www」っつか「自分…ヤレるwww」みたいな気になって大いに勘違いしてしまうってことじゃないですかねい??(え)…ってかこれだけどシリアスでもって息も尽かせないぐらいに張り詰めた空気感の中にあって都築の殿様の息子君(新名基浩さんの役どころ)の面白っぷりっつか何っつーか…それって狙ってやってます??(違)どっから声出してんだよ??(苦笑)つて思うぐらいに素っ頓狂なたっかい声張り上げて「むきぃーっ!!!武時、許さーーーん!!!」つて地団駄踏むところなんかもいちいち笑いが起きてしまってまっぢで「この人、誰??(おぶおぶ)」つてめっちゃ気になったわwww(おい)一瞬バカ殿が蘇ったかと思ったぐらいに。(えー)父親が殺されたっつーことでいち早く城を抜け出して言うなれば敵方??の細川家のところに逃げ込んで匿われて…みたいなことで足元を掬われた感じっつか心許なさ??とか父親を殺されて心底悔しいーーーーー!!!!!ってなってるとことかシリアスになればなるほど研ぎ澄まされてく役だと思うんだけれども何だろう…??そのぉー…ころっとした体型(え)だとか声質だとかぜんっぜんっ!シリアスにならないところが返ってほっこりするっつか何っつーか。(苦笑)(大窪)人衛くんまで行ったら一周回って「うぜぇwww」ってなるとこなんだけども。(おい)これだけ時代劇なのに音楽は割と現代音楽っぽかったりなんかしてちょっと意味分かんない感じとか素敵。(え)一度迷い込んだら出られないってな蜘蛛出の森をどうやってわさわさと動かすんだろう??(おぶおぶ)と思っておったんだけれども(「バーナムの森が動く時がマクベスの最期だ」みたく予言の魔女たちに言われておったので)目視では動いてなくてもそう来るかーーーって感じで。マクベスもマクベス夫人も…ってかこの場合武時も浅茅もってことなんだけれども城主を殺した時は「やってやった…!」みたいな感じでもって自分の中の達成感??みたいなのが大きくて無敵wwwってなっておったのが段々と覆水盆に返らずっつか「やらなきゃよかった…」ってなって後悔先に立たずでもって精神の安定を保てなくなって来るところとかまぁだからいつか自分も追い落とされるかもしれない恐怖??っつか自分がやっちゃったから余計にそうなるわけなんだけれどもあの時は歯止めが効かなかったんだからしてしょうがない。誰が止めてもその時は聞かなかったんだろうしさ。(黙)結局最終的に浅茅も狂って城のてっぺんから飛び降りて死んでしまって1人取り残された武時も諦めの境地っつかどんどんと降り積もる雪空を見上げながら「綺麗な空だ」つて果てるわけだけども。冒頭桜が舞い落ちる季節のすっぱりと晴れ渡った青空を見上げながら「何て綺麗な空…」つてうっとり呟く浅茅の姿を観てる人たちに取ってみたらば同じやうにはらはらと空から降って来るモノには違いないけれどもすっぱり晴れ渡った空とは言い難い冬の重苦しい空との違いっつかあの時のまんま無邪気に上なんか目指さずに好き勝手やっておった2人からしたらば随分と遠いところまで来てしまったっつか取り返しのつかないことをしてしまったってところできっと時間経過としては半年も経たないだろう1ヵ月か2ヵ月かそこらの急展開だと思うんだけれどもそのちょっとの間に10歳も20歳も年を取ってしまったかのやうに身も心も疲れ切ってしまった2人の行く先を思ったら可哀想…としか思えず。でもきっと映画版を観たら「古臭いwww」ってなるかもしれないし。(死)そこんところはわっかんないけども。(黙)次また新感線舞台に兄弟揃って早乙女くんとこが出るみたいでチケット争奪戦が怖いwww(え)何っとかスルッとチケット取れませんかねい??(え)…むう。 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