110.「LAST SHOW」

主なキャスト:風間杜夫・永作博美・古田新太・北村有起哉・中山祐一朗・市川しんぺー
作・演出:長塚圭史 舞台監督:菅野將機 
公演記録:2005.7.28〜31@シアター・ドラマシティ(大阪)
なんかキャストも超豪華だしきっとチケット争奪戦が厳しいよねーなんて思いつつ。たまたまドラマシティに行った時に貰った先行郵便振替予約のちらしで申し込んだんですが。1人1公演のみエントリーだったし「もうそろそろ残念ながら…なんつー通知が届いたりするかもなー」なんてちょっぴり諦めたりしてたんですが。な、なんとっ!1列 34番っつーチケットが届きましたよっ!しかも希望通り大楽だしっ!(驚)ラルクライヴですら1列目なんか取れたことないのにー。(それはFC会員じゃないから)え?え?!7列目じゃないよねぇ?(おぶおぶ)見間違いじゃないっすよねぇ?(焦)これぞ衝撃です。どーん、どーん、どーんっ!!!!!(は?)期待と不安に胸震わせながら(は?)当日が待ち遠しかったですよ。(いろんな意味で)しかも思った以上にかなりの衝撃だったでつ。いつもの長塚作品と同じくダークでヘビィなんですけどもまたまた動物の死体モノだし。(黙)や、「ウィー・トーマス」(観劇日記No.53参照)でも言った通り血みどろ系はこれが意外と平気なんですけどね。別に観た後食欲なくなって「…肉なんてもう一生食えねぇ」とかなるわけでもないし。(おい)そもそも犬って韓国だとごちそうだったりするわけじゃないですか?特に赤犬(茶色い色の毛色の犬)が美味しいらしいとかも聞いたりするし。それが問題でワールドカップの開催国になった時だったか「倫理的に問題が…」うんぬんかんぬん言われたりしてたこともあったようなー?でもそもそも牛とか鶏とか豚とか羊とか馬とかそれなりにいろいろ食べて来てるわけだし犬が可哀想で子羊(しかもラムなんかだと産まれて6ヶ月以内とかだったか?そのちょっと大きくなったやつも産まれて24ヶ月以内が一番美味しいとかも言うしー)はいいとかそんなでたらめな基準でいいんですかねい?(おぶおぶ)飼ってる犬はダメだって言うならその昔日本だって食べるために庭で鶏飼ってたりしたんじゃないですか?うちのおばあちゃんなんて子供の頃その手の話題には事欠かなかったらしくて「おばあちゃんのおばあちゃんが鶏の首絞めてたよ」なーんて話してくれたりしたこともあったし。(苦笑)肉を喰らうってことはそういうことなんじゃないですかねい?ま、それを普通だと思ってるのはちょっと異様なのかもしれないですけれど。でも人間が人間を食べるってことだって結構様々な形態で事件として起こったりしてるし。なーんか印象に残ってるのはむかーしフランスだかどこだったかで男の人が彼女を殺しちゃってバラバラにして冷蔵庫に入れてその肉をちょっとずつ食べてたっていう事件なんですけれど。しかもその言い分が「とてもとても愛していたから自分だけの物にしたかった」みたいな感じだったかと思うんですけど。でも人間が人間を食うってのはどうか?って言うんだったらとりあえず法律とか倫理的な問題からはアウトなのかもしれませんがハムスターとかメダカとかって自分が産んだ子供でも外敵から守るために頭から食べちゃったりするって言いますもんね。それも気持ちは分かんないですけど「守りたい」とか「愛してる」とかいうことなんですかねい?ま、そう思いたいってのが人間なのかもしれませんが。結局はパニックになって自分の子供だとかそういうのもう分かんなくなっちゃっててとりあえず目の前にあるものを食料として食っちゃったってことなのかもしれませんが。(え?)どうせ死ぬんだったらこうしてやるー!みたいな。(は?)食べる食べないで言えばあたしはたまたま食べない側だったに過ぎないみたいな。でも吉本ばななさんの「つぐみ」でも飼ってる犬でも非常事態に陥ってどうしようもなくなったら「うまいうまい」って食ってやれるような人間になりたいって言うつぐみの独白があるぐらいだしもうお腹が空いて空いて緊急事態になったら目の前に差し出された肉体を食べる側になるのかもしれないですしねー。こればっかりは分かんないっつか。(え?)「愛している」から喰うってのもビミョーな論理だよね。それはあんたの個人的な想いにしか過ぎないんじゃなかろうか?と。「愛している」からこれをやってもいいってのは物凄く個人的なことだし「愛している」からここまでされてもいいってのも物凄く個人的なことだし。とにかく相手がいないとどうしようもない事柄ではあるわけでさ。そう考えると「愛している」ってのは欺瞞だよね。ある意味大義名分でもあるし。「愛している」ことを振り翳してなんとかしようとするわけだ。でも「愛」は押し売りでしかないのかもね。相手の気持ちもそりゃぁ考えて当たり前なんだけど一種自己満足じゃない?自分の考えてる「愛」と相手が考えてる「愛」はどうやったって違うものだし。100あったら100相手に注げるのが「愛」だって思ってる人もいるし100中30しか割り当てられないけどそれでも「愛」だって思ってる人もいるだろうし。憎しみってのも愛にすごく似てるのかもしれませんねい。にしても風間(杜夫)さんがもっすっごい気迫なんですよ。もう自分が怒られたりどつかれたりしてるわけじゃないのにもう出て来た瞬間から半分涙目。(え?)普段「DVだなんて言うけど最初に叩かれた時に反発しなかったからダメなんじゃん?」なーんて簡単に考えてたりしたんですけどこれ無理ですねい。あの目で射竦められたらもう動けない。反応しようがない。ただじっとして殴られて嵐が過ぎて行くのを待つだけしか出来ない。「今この瞬間に逃げろよなー」とかやきもきはするけど「逃げたらもっと酷いことされるかもしれない」って考えるしかなくなっちゃうってのもやっと分かった気がする。逃げれば逃げるほど状況は悪化していくしかないのだな、これは。うちのパパリンもちょびっとばかしこういうところあるですよ。(苦笑)普段は全然なんだけど酔っ払ったら自分のせいでお茶ひっくり返したりドアにぶつかって行ったりしてるくせに「お母さん(うちのママリン)のせいだ」とか「思いやりがない」とかなんでそこで問題を摩り替えるかなー?って感じで。あの瞬間だけはいつも「離婚しちゃってもいいよ」なんて思うんですよ。離婚したのは息子(北村有起哉さんの役どころ)のせいじゃないじゃない?猫が死んじゃったのも息子のせいじゃないじゃない?でも悪かったことも人のせいにしてしまえばラクだしそれがどんどん積み重なっていけば憎しみにも変わるのかもしれない。嫌われたら…突き放されたら…そっちの方がずっと寂しくて悲しくて辛いことかもしれないのに。ま、真っ当な人間っていうのはそれだけでムカつく存在なんですけどね。(爆)「そんなこと分かってるよっ!」って思ってるのにそこを突いて来るっつかね。あたしは子供が嫌いだし将来的に子供を産んで育てるってことは今のとこない方に賭けてもいいんですけど(は?)でもいくら「憎い憎い」と思っててもとりあえずは自分の子供なんだし「可愛いな」とか「嬉しいな」とか思った瞬間が全然なかったってことはないんじゃないですかねい?ってのは甘いかなー?(苦笑)

にしても市川(しんぺー)さんだよ。あの登場の仕方?つか産まれ方?からしてもうシュール過ぎるー。しかも羊水(だよねぇ?)でぬらぬらしちゃってるし子供なのにおっさんだしおまけになんで服着てるの?(おぶおぶ)え?育ってるの?なんかいろんなことがすごいよなー。(感心)でもおじいちゃんが産まれて来なければよかったんだっていうのは正論だけど違うよね。おじいちゃんがこの世にいないってことはその息子が産まれて来ないわけでそうしたら今の自分も水子として存在する以前に全然なかったことになっちゃうわけでさ。「産まれて来て本当によかった」なんて自分で実感することなんてほとんどないし「産まれて来てくれて本当によかった」なんて言われることも滅多にないし。それこそ究極の非常事態だかに陥らないことには。(え?)重病とか事故で死に掛けるとかはいのんと街中でばったり会うとか。(それ、非常事態なの?)「いなくなっちゃうなんてそんなのダメだよっ!」って必死に永作(博美)さんが止めるとこあたりから結構ぐっと来ちゃってさ。子供は嫌いだけど(何回も言うな)こんな素敵なめっせいじを届けてくれるんだったら産み甲斐もあるかも。(は?)最後渡部(古田新太さんの役どころ)に「食ってみる?」って言われてナイフとフォークを構えるとこで終わっちゃってるけど案外「喰う」こともアリかな?とか思っちゃうかも。(え?)食ったって相手の考えてたことなんかこれっぽっちも分かりゃしないだろうしただ単に身について栄養として処理されちゃうだけなんだと思うんだけどさ。「喰う」っていう形の弔いの仕方があってもいいんじゃないか?なんて思っちゃう。綺麗に腑分けして骨だけになるまで食い続ける。結構しんどいと思うよ。でも「喰う」のはダメで臓器移植とかだといいってのはどうなんだろ?とか思っちゃってさ。確かに臓器移植をしないと生きられないってのも分かる。きっとあたしもそうなったら待っちゃうと思う。「今日こそあたしの番」だって思っちゃうだろうし「脳死患者が出ました」って報じられたら期待してしまうだろう。不謹慎か?これは。同じ人間をその身体に取り込むっていう点では紙一重だと思う。生きるための可能性だとか綺麗に聞えるから。(爆)でも着床前診断はしたらダメだとかクローン人間だけは作り出したらいけないだとか法的には禁じられてることだけどでも現にそれをやってる人とかやろうとしてる人だっているわけだし。着床前診断で障害の有無を調べるのはダメだけど流産するかもしれないのを助けるのはいいだとか必要としてる人からは切実でのっぴきならない問題なんだけど傍から見たら「そこまでして…」って思う人もいるんだろうし「法的に認められてないからダメ」だとか言う人もいるだろうし。自分の問題にならなかったらよく分からないことってたくさんある。高速増殖炉もそうなんだろうなー、と。今すっごい問題になってるアスベストのことだって使われ始めた頃から危ないって分かってたのにその利点ばっかり挙げて「これは便利」とか「これは素晴らしい」とかそうやってずっとずっと使って来たんでしょう?原発だっていまだに「これは便利」とか「これは素晴らしい」って言って使ってるじゃないですか?一回でも失敗したら取り返しのつかないことになるって分かってるのに。でも本当のことって誰もなかなか教えてくれようとはしないじゃないですか?ニュースだって話題になればいっぱいそれこそ重箱の隅でもつつくかのやうに今までだって散々起こってたかもしれないのに今気が付きましたみたいにどんどん同じような関連ニュースを流してくれるけど一旦その波が落ち着いたら「こそっ」とも言わなくなっちゃうし。真実って言うけどその核心に触れてるニュースは一体どれぐらいあるんだろう?言いたいけど言っちゃいけないことなんかたくさんあるし知らされてないことだって山ほどあるんだろうなーと思う。都合の悪いことはそれこそ隠されるんだろうし。政治的にとかさそういうことで。中島(中山祐一朗さんの役どころ)はその核心に迫ろうとするんだけどそれが放映されるかどうかは謎だし。真実なんて綺麗に見えるけど実際は汚れててぐちゃぐちゃでどうしようもなくて思わず蓋して隠したくなっちゃうようなもんなのかもしれないなーとか。「さぁ、目こじ開けて見ろ!」って言われたら実際ショックかも。最終的にはこの世界自体がなくなっちゃうのかもしれないけどそれでも撮りたい、記憶に留めて置きたい、記録したいってのもかなり暴力的な衝動なのかもしれない。「食っちゃう」こととどれほど変わりがあるのかって感じで。あーでもトリュフ超可愛かったんですけどー。(何)うちのお隣さんも同じくキャバリエうんたらかんたら(おい)の犬種飼っておられるんですよー。まだまだお子ちゃまで室内飼いのわんちゃんだから人見たら嬉しくなっちゃってあたしなんかでも全然しっぽ千切れんぐらいに振りまくりでべろんべろん手とか舐めちゃったりするぐらいなんですけど。(苦笑)トリュフめちゃくちゃ賢いっすよね。「わんっ!」とか絶対言わないし。しつけがいいのな。「くわっ」ってあくび2回もしてたしある意味大物かも。(え?)あんなにいっぱいの人から見られてるのに緊張感の欠片もないしさー。すごいよー。(笑)でも一番の持ってきどころはやっぱり(長塚)圭史くんでしたねい。可愛いのーん。(は?)ぼそぼそっと挨拶してるとことかもう撫で繰り回したいぐらいだ。(は?)はいのんとはまた全然違って可愛い。(語彙がねぇな)次「エドモンド」観れないのがすっごい残念ー。あと1ヶ月遅らせてくれればー。(は?)むうーん。