188.「お気に召すまま」

主なキャスト:成宮寛貴・小栗旬・吉田鋼太郎・田山涼成・高橋洋・月川悠貴・大石継太
作:W・シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:蜷川幸雄 舞台監督:白石英輔
公演記録:2007.8.3〜12@シアター・ドラマシティ(大阪)
あらすじ>>舞台はフランス。不幸な身の上の青年と娘がいた。青年オーランドーは、前公爵の忠実な部下だった父亡き後、兄オリヴァーに不当な扱いを受け続けていた。娘ロザリンドは、公爵だった父が弟との政権争いに破れ追放されてしまい、今では従姉妹のシーリアだけが心の支え。オーランドーとロザリンドは宮廷のレスリング大会で出会い、恋に落ちる。しかし運命はふたりを引き離す。ロザリンドは、現公爵フレデリックに疎まれ、宮殿を追われてしまう。行き場のない彼女は、シーリアと道化のタッチストーンと共にアーデンの森に逃げ込んだ。
森で暮らすことにしたロザリンドとシーリア。ロザリンドは身を守るために男の姿に変装しギャニミードと名乗る。シーリアはギャニミードの妹エイリーナになった。オーランドーは、オリヴァーが自分を殺そうと企てていることを知り、老僕アダムと共に逃亡、アーデンの森を彷徨う。そこで亡き父が信頼を寄せていた前公爵と出会い、手厚いもてなしを受ける。前公爵は、宮廷生活を離れ、数人の仲間達と自然との共生を楽しんでいた。しかし、ただひとりジェイクイズだけは、前公爵たちが行う鹿狩りを簒奪を繰り返す宮廷生活と変わらないと皮肉っていた。
フレデリック公爵は、愛娘シーリアが行方不明になったことにオリヴァーが関係していると思い込み、彼の財産を没収、追放に処す。その頃、アーデンの森では、ロザリンドとオーランドーが再会。オーランドーはロザリンドへの想いの丈を詩にして、森中の木にぶらさげていた。その気持ちは嬉しいが、ロザリンドは目下ギャニミードという男の身。正体を明かさないまま、オーランドーの恋愛シュミレーションの相手をすることに。
ギャニミードに羊飼いの娘フィービーが恋をした。羊飼いシルヴィアズはフィービーに恋している。ロザリンドはオーランドーに本当のことを言えない。皆、思うようにならない恋にもどかしさを覚える。唯一、タッチストーンだけが村娘オードリーとの恋を順調に育んでいた。ある日、ギャニミードのもとに森に追放されたオリヴァーが現れる。ライオンに襲われたオリヴァーを助けたオーランドーがひどい傷を負ったと聞いたロザリンドは、ショックで気を失う。
オーランドーに助けられたオリヴァーは改心し、全財産をオーランドーに譲ると言う。その上、突然シーリアと恋に落ち、あっという間に結婚することになった。恋を成就させた兄をうらやましく思い、ますますロザリンドへの想いを募らせるオーランドー。ギャニミードはオーランドーに、オリヴァーとシーリアの結婚式で、本物のロザリンドと必ず結婚させてあげると宣言する。そして、結婚式当日。結婚の神ハイメンの立合のもと、たくさんの喜びが森を彩る。

今回もまたシェークスピア・オールメールシリーズ。前回の「お気に召すまま」も観たいっ!と思ったんだけどいかんせん東京公演のみ。(黙)遠征してまで観に行きたいキャスト…ってほどでもなく(爆)泣く泣く諦めたんですが。(苦笑)今年?の1月に遠征した時にBunkamuraシアターコクーンの速報か何かのちらしで「お気に召すまま」再演決定!ってのを貰ったんだけど(ちらしは当然コクーンのなので東京公演のことしか書いてなかった…)どうせまた東京公演だけなんでしょうー?なんて思ってたらば地方公演てんこ盛りらすぃー。ちゃんと大阪もあるってー。(喜)そんなこんなでドラマシティのちらし先行だったかな?で申し込んでみたらばすんなり電話が掛かってしまったい。(え?)引き換えてみたらば席も14列 20番だしそんなに悪くないー。と。あたしは結構簡単に(?)取れてしまったんだけどかんなり激戦チケットだったとか。(おぶおぶ)ま、そうだよねー。なるっち(成宮寛貴くん)に小栗(旬)くんだもんねー。最強過ぎるー。でも小栗くんのシェークスピアシリーズ(は?)は前回の「間違いの喜劇」(観劇日記No,130参照)も苦労っつー苦労もせず取れてしまってたりで(しかもそんなに後ろの方の席でもなく)たまたまとは言え完全に舐めきってる模様。(爆)えーっと…14列っつーと間に混んでればパイプ椅子補助席が並ぶ通路を挟んだとこの最後尾。かろうじてオペラグラスなしで観れる…かなぁ?(苦笑)今回も最初に全キャストが客席から登場して勢揃い。この時はなるっちも普通に男の子ーな格好だったかと。話の内容なんかは「恋の骨折り損」(観劇日記No,174参照)に似てなくもないやうなー?恋に落ちる過程にそんなに時間がかかり過ぎてたらお話にならないのは分かるんだけどみんな簡単に恋し過ぎ!(え?)一目惚れ率高し。そして相変わらず月川(悠貴)さんは優雅で可愛らしくてらっさる。可愛らしい…ってのとは違うなー。なんつーかあたしよりも全然女だ。(は?)しれっと言う一言は結構きつかったりするんだけど嫌味じゃないのでぐさっ!と手負い傷を負わなさそうな。にしても最初のロザリンド(成宮寛貴くんの役どころ)とシーリア(月川悠貴さんの役どころ)のやり取りなんかはそんなにロザリンドのことが好きなのかい?もしかして…レズビアンとか?(おぶおぶ)ぐらいに好き好き過ぎてびっくりするぐらいに。実の姉妹でもこんなに大好きなのよーな感じにはならないと思うんだけど。ってまぁあたしには兄弟とかそういうのがいないしその感覚はよく分からないんだけど。(苦笑)従姉妹ぐらいの距離感だからちょうどいいのかなぁ?や、でも現にあたしの場合従姉妹でもそんなにものすんげぇ仲がいいわけでもないし…。(爆)その人となりっつか性格にもよるんだろうけどシーリアって素直過ぎるぐらいに素直だからそうなるのかもしれない。別にロザリンドが民衆たち?に持ち上げられてちやほやされて人気を集めてることに対して嫉妬するわけでもなし。むしろ一歩引いた立場で甘んじてるっつかそれで満足だと思ってる感じだし。自分の役目を知りすぎるぐらいに知ってる人だと思う。前に出て人望を集めるより裏でその人気を集めてる人を立ててあげる立場の方が自分には合ってると思ってるし実際そうなんだと思う。でも父親(外山誠二さんの役どころ)としてはロザリンドが気に入らないってのは当たり前だよね。今は自分が公爵なんだしいつまでも弟の前公爵(吉田鋼太郎さんの役どころ)のことばっかり大衆から支持を得てたんじゃ自分が何のために今の権利を手に入れたのかが分かんないし。それに自分が公爵なわけだからその娘も人気を集めて当然なのにこれまたいつまでも前公爵の娘ばっかりがちやほやされてホント納得いかねぇって気持ちはよく分かる。ま、それだけ前公爵が出来た人だったってことなんだろうけどさー。追放したのだって出来るだけ目の届かないところに行って欲しいからでしょう?じゃないとすぐ帰って来れるようなとこだったら困るもんねぇ?大衆に持ち上げられてご帰還なんてことになったらたまんないし。目の上のたんこぶだよね。だから前公爵から認められてたらしいサー・ローランドの息子ってのも気に入らない。(苦笑)お兄ちゃん(鈴木豊さんの役どころ)だってそうだったんだろね。弟のオーランドーばっかりが使用人から愛されて父親からも認められて。父親が死んだらみんなもちょっとは自分の方を見てくれるかと思ったらやっぱり変わらず弟の方ばっかりで。先に生まれた方の権限で自分だけが財産を引き継いで弟には何にもやらないし使用人のやうな扱いで放ったらかし。こちらもまた嫉妬の固まりで。よく出来た兄弟を持っちゃうと辛いもんだ。(苦笑)嫉妬は醜くてつまらないもんだって分かっててもこっちの方がなんとなく人間味があるやうなー。シーリアみたくよく出来た人なんてのはなかなかいないからね。誰にも嫉妬しない人生なんて難しい…。隣の芝生はいつだって青く見えるし広く見えるもんなんだし。「自分、最高っ!」って自信を持って言える何かを持ってればいいのかもしれないけどお金だって今よりいっぱい欲しいし物欲だって溢れ返ってる。あたしって何てさもしいのかしらん?(黙)と思うことばっかりだよ。とほ。

と。なるっちは女の子…って言うよりぎゃるーな感じで。(え?)「オーランドーでらかわゆす」とか普通に言ってそうな感じ。(おい)しかも恋に突っ走りまくりだし。(苦笑)シーリアが「ちょっと…みっともないわよ?はしたないからおやめなさい」って思わず眉を顰めそうな。ま、あれだけ恋愛筋肉ぱっつんぱっつんなのも羨ましいけど。(苦笑)小栗くんはホントかっちょよしー。こちらは無駄に…じゃなくて普通にいい体つきれす。(は?)っつか今回通路側2番目ぐらいだったのですぐ横をばんばん役者さんたちが通って行くしシーリアが出て行って公爵が従者たちに怒り狂って探させるとこなんてすぐ後ろで公爵ががんがん台詞言ってたりで唾かかりそうな勢いれす。(爆)と。幕開けてしょっぱなオーランドーのお家の馬小屋?みたいなシーンだったんですけど。お馬さん白・黒2頭が中に人が入ってるのでまず「宝塚BOYS」(観劇日記No,183参照)を思い出してしまったりとか。(え?)馬の気持ちになっておられるのか(は?)かんなり馬っぽい仕草でありましたことよ。すげー。途中白の馬が黒の馬の方に行って鼻ズラこすり合わせるとことかめちゃくちゃそれっぽいー。いつか日の目を見るやうな役者さんになるかも?(って…他の役も普通に演じられてるのかもしれませんが。苦笑)でお兄ちゃんに殺されるかも?!ってので森に逃げ込むオーランドーなんですが。一緒に使用人だったお爺ちゃん(岡田正さんの役どころ)も付いて行くんだけど途中「もう歩けませんー」ってなってオーランドーが「おぶってやるから」みたく言っておんぶしてあげたりしてて微笑まー。ますますいい男っぷりをあげてるよ、この人はー。でロザリンド側?の道化のタッチストーンを田山涼成さんが演じてたんですが。これまたおバカさんっぷりを全面アピールで顔は白塗りだし「朧の森に棲む鬼」(観劇日記No.165参照)のオオキミを彷彿とさせたりとか。(おい)あぁーきっとものすんごくいい人なんだろなー。(そこで?)で注目株が羊の坂本メイちゃん。(え?)パンフにもちゃんと顔写真入りで紹介されてるんですが。これがホントに羊さんで(当たり前)ちゃんと鳴いたり暴れたりもすることなく大人しく演技?してるのねー。お隣さんはパンフに羊の顔が載ってたのを見て「顔とか表に出せない人が写真変えてこうやってるのかと思ってた」とかおっさってましたが。(苦笑)ホント普通に羊さんなのれす。でもうホント可愛くて(でも腰から下にかけて毛が生え変わりなのかもっさくれてけもけもになっててちょっと…)抱っこされて正面とか向いたら顔笑ってるのよー。(見た目なんだけど)それがあたし的にものすんごくツボで笑いを堪えるのに必死…。なんせ席が真正面ど真ん中なもんで羊さんとまともに目が合いそうな。(は?)で田山さんったら言っちゃいました。「出て来るたびに笑いを取れるお前が羨ましい」って…ごめんなさい、だってホント笑えるんで。(おい)でも羊飼いさんの肩掛けカバンに餌が入ってるんだろねー。途中でそれをくれることが分かってるんでもうカバン注目しまくり。なかなか出してくれないもんだから体当たり演技ですよ。(違)坂本メイさん、大活躍れす。(だから)にしてもちゃんと苗字までついてる羊さんって…どうなの?(え?)きっと坂本さんも大満足ですよ。(は?)「うちのメイは成宮くんとか小栗くんと共演したんだから」って自慢してください。(おい)で人間の方(おい)の注目株な高橋洋さんれす。またしても脇役ではあるんだけど長台詞いっぱいだしー。前公爵について森に来てはいるんだけどちょっと斜めってるっつか斜に構えた感じで。自然は素晴らしいって言いながら鹿狩りをする人たちを随分と冷めた目で眺めてみたり。そうは言いながらも結局は生きていくために鹿も食べちゃったりするんだろうけどでもなんとなく「可哀想」っつか同情しちゃうジェイクイズ。でもさー奈良公園にいる鹿なんかもうホントふてぶてしいよ?(一緒にするな)鹿せんべいだけじゃ飽き足らずお腹が空いて来たら自分で生ゴミとか漁りに行ってるし(爆)そのおかげで観光客とかのお弁当も勝手に食べちゃったりするしー。でも奈良公園の鹿は条例とかそういうので絶対殺したりしちゃいけないもんだから(当たり前)むやみなことは出来ないしー。あれを見てたら鹿に涙差しぐむなんか考えられないっす。(おい)でもジェイクイズも結構いいこと言ってるんだよねー。「人生は芝居である」みたいなこととかさ。あの台詞はかなり好きだな。結局みんなは森を出て宮廷に戻るんだけど1人残る宣言をするジェイクイズ。現代だってそう変わりはないのかもしれない。「年取ったらやっぱり田舎暮らしだよねー」なんて会社を定年したら田舎に引っ越したりする人も増えてるみたいだけど所詮今まで都会で暮らして来たんだから便利さに慣れ切っちゃっててどうにも上手く行かない人がいたりするそうで。それに年取ったら病気もするだろうし歩くのもしんどくなってくるわけでそうなったらスーパーとかコンビニとかが近くにあるとこの方がずーっといいだろうし病院だってすぐ見てもらえる場所にあった方がいいし…なんて言ってたら田舎暮らしなんか向かないと思うんですけども。(苦笑)慣れないことはするもんじゃないってことでしょうか?(違)それでも森に残るんだから権力争いとかそういう俗っぽいことを離れて本気で静かに暮らしてみたくなったのかも。幕引きは森の中なんですかねい?(え?)そう言えば最後になるっちも「芝居と思って楽しんで頂けたなら幸いです」みたいな「真夏の夜の夢」の妖精パックの台詞っぽいことを言って締め括ってたりでこれってシェークスピアの初期の方の作品になるのかなぁ?(よくは知らないけど。爆)なんかいろんなのの下敷きになってそうな感じで。で「恋の骨折り損」はハッピーエンドにはならなかったけどこっちのお話は大団円で終わるのね。ま、フィービー(山下禎啓さんの役どころ)は可哀想だとは思うけど男装してるだけだしねぇ…。(苦笑)「どうしてあなたを好きになっちゃいけないのっ?!」って結構切実な台詞だよね。で今回も思ったんですけどそんなフィービーに恋してるシルヴィアスの役をやってらっさった大石継太さんって声とかホントまちゃ(河原雅彦さん)に似てる気がー。演技の身振りとかも結構似てる気がするー。顔とか全然違うんだけど。(当たり前)骨格が似てるのかなぁ?(は?)で最後上手く行ったカップル同士で踊るってのも「間違いの喜劇」と同じやうな終わり方だしー。これって台本通りなのか演出なのか分かんないけどなるっちの台詞もあるぐらいだしシェークスピアの原作にあるのかな?カテコも大盛り上がりで結構な回数出て来てくれてましたことよ。最後なるっちはウエディングドレスのスカートがばっ!とめくっておパンツ公開もあったりとか。(え?)CKの白のボクサーパンツだったかと。(見過ぎ)また12月に小栗くん×蜷川(今度はシェークスピアじゃないけど)もあるみたいで。次もあんまり苦労せずにチケットげっと出来ますようにー。(念)