232.「表と裏と、その向こう」
主なキャスト:浜田信也・盛隆二・岩本幸子・森下創・緒方健児・西牟田恵・内田慈・安井順平 作・演出:前川知大 舞台監督:谷澤拓巳・棚瀬巧 公演記録:2008.7.18〜20@HEP HALL(大阪) |
あらすじ>>今より少し未来。ユビキタス特区(地区全体が情報化されたモデル都市)としてゼロから開発された初の地区。生体情報を元にしたIDひとつで、すべての経済活動、健康状態から行動履歴まで管理されている、数値化された人間の住む町。 |
なかなかイキウメさんは大阪に公演に来てくれないんで観る機会も少ないんですけど前回Team申での「抜け穴の会議室」(観劇日記No.206参照)がものすっごく好きな感じだったんで本公演はどんな感じなんだろなー、と。ぴあのメルマガだかで公演があることを知ったのでちょっと出遅れ感があったんですけど(苦笑)何とかF列 3番っつー席をげっとー。HEPだったら前過ぎず後ろ過ぎずいい感じやも??客演の西牟田(恵)さんも内田(慈)さんも結構ハズレがないので期待大。これがまたどんぴしゃな大当たりで似たやうなこと考えてる人っているんだなーなんて。(は?)お話はあらすじでもちょこっと触れた通りの未来の話。なんだけど実際問題今でもちょっとずつこういうのって起こって来てるんじゃなかろうか?と。だってネットに溢れ返ってる個人情報をどっかに集めてひとまとめにしちゃえば誰がどんな趣味でどんな買い物をしててどんな仕事をしててどれだけ銀行なんかに預金残高があってどんな風に暮らしてていつ起きていつ寝て今日何を食べたか?みたいなことって分かりそうだしなにげにそれとなーく管理されてる気配はするよね。だって買い物サイトで登録してある履歴とか見れば「次のオススメはこれ!」とかってめいるを送ればいいことだし実際ア●ゾンとかではやってたりすることだし。ID化だって住民基本台帳で番号化されてるわけでしょ?自分で引き出したことないから分かんないけどそれで業者さんとかが上手に使えばその番号で個人を特定化して管理出来るわけだし。ま、年金が想像以上に破綻してるからまだまだ当分先のことにはなるんだろうけど(つかそもそも実現可能かどうかは計り知れないけど…)健康保険とかそういう社会保障みたいなのを全部1つの番号に乗り入れさせて管理しようとしてるわけじゃないですか?そうすればレセプトだってこれからデータ化が進んで行ってどこの病院も紙媒体じゃなくてFDとか電子媒体で提出するのを義務付けられるわけだしそうしたら今どういう病気が流行っててどういう対策を取ればいいのか?みたいなことまでやろうと思えば集積化出来るわけじゃないですか?そうなって来たら今よりちょっと未来だなんて言ってられないっすよー。もうすぐそこまで来てるって感じで。(苦笑)ま、そのことよりもあたしは「人間はいつか死ぬっていうこと」っていう命題?みたいなのにものすんごく共感出来たっつか。だってそうでしょ?お金持ちだったって貧乏だったって元気な人も病気の人もこの世に生まれ出た瞬間からずーっと死に続けてるわけでしょ?その人に決められた寿命はそりゃ分からないけど死なない人間なんていないわけだし。そりゃただ単純に死に続けてるわけじゃなくてそりゃ細胞レベルで言えば新しく再生されて生まれ変わって行ってるわけだからそうそう簡単に死ぬってわけじゃないけどさー。でも死なないわけじゃない。それはいつか終わる。細胞も新しく再生されなくなってホントの意味で死に続けて行く日がとにかく絶対来る。そうでなくても何かの事件に巻き込まれたり交通事故にあったりして突発的に死んだりすることだってある。そんなことを毎日毎日考えてたら生きてくなんて出来ないけど死ぬことを忘れることなんてあたしには出来ない。あたしは何かにつけて言っちゃう。「だってどうせ死ぬんでしょ?」。それは紛いようのない事実。まちゃ(河原雅彦氏)もブログでこないだ同じやうなこと言ってたも。「だってどうせ死ぬんでしょ?って思うことでものすっごい頑張れたりそんなことぐらいで死ぬわけないじゃーんっ!と思うことでいろんなことを言い訳出来たりどっちもが矛盾してるように思えるけどそれでも人間いつかは死ぬ」みたいに言ってたも。(趣旨は違ったかもしんない…)あたしも思うんだよねー。あたしは基本的に長生きとかは興味ないし人生は50歳ぐらいで終わってくれればいいと思うんだけどこればっかりは寿命だから「興味ないから」つってそこでちゃんと終われるかどうかは神のみぞ知るだ。仕方がない。「じゃ50にもなったことだし死ぬわ」ってことも自分では出来ないと思う。だって自分はいつかは死ぬとは思ってるけど自殺なんて無駄じゃないか。や、無駄ってのは言い過ぎかもしれないけど別に自分で自分の人生に無理くり決着着けなくたってほっといても死ぬんだも。そりゃ突き詰めて言えば自殺することもその人の中では決まってたことだったのかもしれない。運命って言うより宿命だわね。生まれた時に誰かに「何歳になったら自殺して終わる」ってお話を渡されてたのかもしれない。デジャヴュってあるじゃないですか?あれは脳の中でいつか昔に起きたことと今起こってることの似たところをリンクさせて「あれ?これって昔あったことじゃない?」ってやったこともないことをさもやったことがあるかのやうに勘違いしちゃうことだけどでも違うと思うんですよねー。前世とか来世とかは信じてないけど「あなたには人生でこんなことが起きますよ?」ってのをたぶん生まれて来る前に誰かから渡されてとりあえず一通り見せられてシュミレーションやって「これなら出来るかも?」って思ったところで今ある世界に放り出されるんじゃないかなー?って。だから「これ、やったことあるかも?」ってのはたぶん生まれて来る前に「やりますよ」って言われてたことだったのかもしれないなー、と。お芝居とか映画とか本だとかそりゃぁもうものすんげぇ数あって別にそのうちのどれを選択して観たり読んだりするかってのは個人の自由なわけだけどそのうち何本かはあたしだけなのかもしれないけど観るべくして観せられてる感じってのがあるんですよねー。「これはあたしに必要なお話だったんだ」ってのが。人間関係とかでは特別そういうのは思ったことがないので勝手な自分の趣味と言えばそうなんですけど(苦笑)出会うべくして出会った作品ってのは少なからずあるわけで今回のはそのうちの1つでかなりインパクトの強いパンチの効いた1つって感じかな? 山根(浜田信也さんの役どころ)はずーっとネットカフェで寝泊りしてて毎日に全然やる気がなくてIDのお金の管理に関しては全部親の銀行口座からの決済にしてて完全ニートで自宅じゃないけどネカフェで引きこもり。ほぼ死にながら生きてるって感じ。それが父親が死んだことで銀行からお金が引き出せなくなったことでIDの使用がストップになってその代わり?と言っちゃなんだけど他人のIDで引き続き生きるはめに。その続きを引き受けたIDの当の本人の浅野(緒方健児さんの役どころ)は寿命の一部をお金で売ることで実のお姉さん・房子(岩本幸子さんの役どころ)の病気の治療代に当ててるらすぃー。どうやら闇社会?ではIDを管理することでその人の寿命まで分かってしまうのだとか。そりゃまぁ買い物履歴だとか病院の通院履歴だとかである程度の寿命は推測出来るんだけどそれ以上に高い確率で寿命が分かるのはその人がいろんな局面で下した判断だとか考えたことまでリアルタイムに反映されて逐一情報に反映されてそのつど長生き出来ることになったりはたまた短命になったりするらすぃー。山根の父親も何かの偶然で(山根の父親の恋人・保住奈々子(西牟田恵さんの役どころ)の弟(安井順平さんの役どころ)がその稼業に一枚噛んでるせいでもあるんだけど…)自分の寿命を知ってしまってそのストレスがたたって最初はちょっとした胃潰瘍程度だったのがみるみるうちに胃癌に進行しちゃってそれを知らなければもっと生きれたかもしれないのに知ってしまったことで寿命を縮めてしまったんだけどあたしだったら寿命がいつまでか知りたいなー。(え?)そりゃまぁ「何時間後」とかだったらそりゃもうショックで何も出来ないかもしれないけど(つか「えー?!どうしようー?!」ってパニックになってる間にどーんっ!って後ろからトラックとかに追突されて死ぬなんつーお粗末な結末を迎えそうだけど…。黙)「ここまで」って決められてた方がある程度心の準備が出来そうではないかな、と。それもこうやって今元気でいるからのほほんと簡単にそんなことが言えちゃってるのかもしれないけどねー。病気にかかってたりしてお医者さんから「あなたはあと何年しか生きられません」みたく宣告されるのだったら嫌だもん。(爆)元気だったら即行動に移して「じゃぁ死ぬまでにこれとこれとこれはやっておこ」とか思えるかもだけど病気だったらいろいろ心の整理をするまでに時間的にロスしそうじゃないですか?それってもったいないし。(え?)でも「ここまで」って分かっててそれを引き伸ばす手立てはもうなくてじたばたしたって始まらない、だって死ぬんだもんって諦めちゃえば意外と簡単に次やることって決まりそうな気しません?(おぶおぶ)あー…でも現実味ないかなー?だけどあたしの行動の動機付けはそこなのね。「いつか死んじゃうんだったら今やっといた方がいい」ってのが前提としてある。ま、それをいろんなことの言い訳にしてるって言えばそうなのかもしれないけど「明日ぽっと死んじゃうかもしれないんだったらライヴ行っとこ」とか「お芝居観に行っとこ」とか思っちゃうんだよねー。そういう意味でもったいない主義なんだわ。つかもったいないってのとは違うのかなー?自分だけそれにあぶれるってのが悔しいだけなのかもしれない。死んじゃってそれに参加出来なくなるかもしれないなんて嫌でしょう?まだ生きてて次がある保障があれば別だけど次の時には死んでいないかもしれないじゃないですか?そんなのやだー!(は?)そんな世の中の裏側を知っちゃった山根に対して浅野としての最初の友達?な真理(内田慈さんの役どころ)は死神が見えるのだとおっさる。ずーっと昔に道端で1人でぶつぶつ誰かと喋ってる風な浮浪者と一緒になって小学生だった真理はその見えない誰かに対して相槌を打ってたんだけどある日その誰かってのの輪郭が見えてしまってその浮浪者の死んだ後その死神を引き受けてしまうことに。人間いつかは死ぬってことは真理(しんり)だ。それは変えられない。あ。そう言えば名前と一緒だね。(苦笑)そう、真理は真理を突き当ててる。それだから限られた生を濃く生きるために一瞬を長く長く感じる方法を見つけ出す。1秒の中にも映画のコマ送りみたく30の連続の動きで出来ててその30分の1秒を感じることで1秒を30倍に感じることが出来ると言う。そうすれば同じ1分でも1時間でも1年でもどんどん長くなるでしょう?と。そうやって生を渇望してるやうに見えながら死神が追いかけて来るっていう妄想なのかそれとも本当に見えてるのか分からないけれどそのことにどんどん取り憑かれて何だか自分で自分の寿命を短くしてるようにしか思えない真理の姿。そうして寿命が尽きると予言されたその時間に「お迎えが来た」って向こう側の世界に跳んでしまう真理。彼女の死因は自殺。これもまた決められた未来だったのか?変えようのない未来だったのか?その真理に「簡単に死ぬとか言わないで」って諭す房子。彼女にしてみれば自分のせいで今現在弟は死んでるわけだし自分自身も死ぬぎりぎりのところから戻って来たわけだからそれこそ死ぬってことを一番よく知ってる人間ってことになるんだろう。ま、浅野が売った寿命は時間に換算すれば4年間でそのことで浅野は大学生活をまるまる棒に振ることになる。それだから山根が浅野になることで大学生として生きた自分はとりあえず存在したことにはなってるんだけど自分の実体験としては残らない。どうやら寿命をお金に換算したら1分500円ぐらいのルートで取引されてるやうで。(苦笑)500円って…ビミョーだなー。ま、それも人によって寿命が違って来るからルートもちょっとずつ高くなったり安くなったりするんだけど平均は500円。でも1分と思ったら高い…のか?(おぶおぶ)そんな寿命の売買にたまたま巻き込まれた形の山根本人の知り合いである桜井(盛隆二さんの役どころ)はなんとなーくお金には困ってはいないんだけど話の成り行きで1万円分の寿命を売ることになってしまってそれも分割で(え?)処理したもんだから朝の4時から1分毎日死んでる。(爆)…んだけどそのことを調べてたらひょんなことから自分が売ってない分の寿命までもが死んでる(その…死んでる間は輪郭?とかが薄くぼやけて見えるみたいなんだけどそれをデジカメの動画で録画したら30分の1秒どうやら誰も彼もが死んでる時間が差し挟まれてることになることが分かったのだった)ことが分かってその30分の1秒はどこかの誰かに知らないうちに毟り取られてるってことになるんだけどそれを突き止める話はこのお芝居の中では解決しませんですた。(苦笑) あぁでも50歳から先っつかとりあえず60歳から先生きるんだとしたらその先の寿命は誰かものすんごく短命かもしれない人に売ってあげてもいいよ?(え?)いや、まぁ今すぐ清算して!って言われたら困るけどさー…。でもこんだけ夏も暑いとさ(は?)越えられないでしょ?その年になったら。(爆)今すでに「今年の夏はもう越せない…」って思ってるも。(え?)あたしがちっちゃかった時とか40度越えるとかなかったもーんっ!ぜってぇ無理っ!夏ぢう大きな業務用冷蔵庫の中とかで5℃ぐらいで過ごして外の温度が程よくなって来たら出るってことにしたい。本気で。(は?)でもまだまだ遣り残したことだらけなんで全然死ねないですけど。つか今交通事故なんかで死ぬやうなことがあったら毎晩その轢いた相手の夢枕に「まださーあれとあれとあれと行きたかったんだよね…。それにアワビの踊りとかも食べたかったし…」とかうざいぐらいに言いに行くと思うので覚悟してくだはい。(は?)あ。でも死んだ先のことはあたしも死んだことないから分かんないし死んだ方がいろいろ出入りしやすいって言う確証があるんだったらそっちでもいいけど。(爆)完全に死んでて5年ぐらいして帰って来た人がいるって言うんだったら話聞きたいでつ。(おい)…ってそれ、浅野さんじゃんっ!(爆)あーでもほんつイキウメの、っつか前川(知大)さんの書く話好きかも。もっと大阪でもどんどん公演打ってくだせぇ。(願) |