323.「プランクトンの踊り場」

主なキャスト:浜田信也・盛隆二・岩本幸子・伊勢佳世・森下創・窪田道聡・緒方健児・安井順平・大窪人護・加茂杏子
作・演出:前川知大 舞台監督:棚瀬巧・谷澤拓巳
公演記録:2010.5.26〜30@HEP HALL(大阪)
あらすじ>>東京から特急で1時間ほどの場所にある、金輪町(こんりんちょう)。東要は夫に嫌気がさして、実家のある金輪町に戻り、一ヶ月が経つ。離婚しか考えていなかった要だが、夫の滋が一向に会いに来ない事に腹を立てていた。ある日、要は町で滋らしき男の後姿を見つけ、後を追う。そこで再会したのは荷物も財布も何も持たず、自分の住所すら知らない滋だった…。

前回イキウメ公演(「見えざるモノの生き残り」(観劇日記No.305参照))で次回も大阪公演があるっつーので楽しみにしてた次第。DM先行が使えたのでいそいそと申し込んだらば大阪楽日A列 14番っつーほぼ前回と変わらない位置の席がっ!(苦笑)今回も最初は気付かなかったけど(え?)物販で戯曲本だのDVDを手売りしておられる前川(知大)さんの姿がー…、と。パンフだったら買うんだけど戯曲本にそこまで触手の動かないあたしだったり…。(黙)うん、でも今回もどんぴしゃ!っつかイキウメのー…と言うか前川さんの書く話はすとんと腑に落ちる気がするのだ。何っつーのかなぁ??「あぁ、分かる分かるvv」とかじゃなくて…思い至る箇所が確かにあるのだ。今回はタイトルからはちょっと想像も付かなかったけどどうやら場の魔力…っつかその場所の持つ「気」みたいなのがキーワードのやうで。(え?)最初盛(隆二)さんと安井(順平)さんと伊勢(佳世)さんの3人が出て来てどうやらビルが取り壊されただか何だかして更地になった土地に清めのモニュメント…っつか盛さんが建設現場から持って来たなーんの有り難味もない大きな石にこれまた百均だか何だかで買って来た注連縄を括り付けて「何でもこういうの(注連縄)付けたらそれっぽく見えるもんだから」とか何とか言って「これでこの場所に何かを捨てるとかそういうの出来なくなるでしょ??」みたいに言ってて。安井さんは例え話??で自分が自転車止めとくと他にも何台もいーっぱい自転車は止めてあるのに自分のだけ出掛けて帰って来たら空缶だのゴミで籠がいっぱいになってる、と。新品のでもそうだとおっさる。盛さんに言わせると誰かが1人そこの籠に空缶をぽいっと放り込んだらそれはもう自転車の前籠じゃなくてゴミ箱にしか見えなくなるのだ、と。別に誰の自転車でもいいんだけどたまたま1人がきっかけを作ったらそれは連鎖を呼ぶ、と。それだからここも何の変哲もない石だとしても誰かが拝み始めたらそれは土地の神様っつーかそういうのとして後々残って行くことになるんだ、と。「こうやったらますますそれっぽくならない??」っつーので伊勢さんが石の上に1円玉とか5円玉とか並べておいたりなんかして「何でこういうのってお金置いてあったりするんだろな??」みたいな話になり出してちょっとして暗転。そこには不動産屋の江口(盛隆二さんの役どころ)が仲介して斡旋したビルの一室で今度レストランとしてオープン予定の店内…なんだけどまだ椅子だの机だの運び込まれただけでぜんっぜん開店する気配もなく。(黙)そこには借り手っつかレストランのオーナー??になる島(窪田道聡さんの役どころ)が途方に暮れていて…。っつーのも一緒にレストランを始める相方で料理人の藤枝(緒方健児さんの役どころ)がつい最近体調を壊して入院してしまってオープンの目処が立たなくなってしまったのだとか。元々曰くありげっつか近所の住人の噂でもその場所で料理屋さんでも何でもやり始めたはいいけど長続きしないらしくて「おいおい、今度はオープン前に頓挫ですか??!!」っつって冗談めかして言うんだけどそれも満更ではないやうで…。(滅)その悪い噂の原因っつか…ここのビルがマンションだった時にその部屋の1つでおじいさんが孤独死したとか何とかで…。事件性があったり自殺したりとかそういうのじゃなくてただ単なる餓死だからありふれた話みたいなもんなんだけど1人暮らしで死体の発見が遅れてしかも夏だったもんだから異臭騒ぎになって警察が乗り込んで来た時にはもうそれが人間の体として存在してなくて半分以上融けかかってたとかでそれが多少(?)グロテスクだっつーのでしばらくその部屋も借り手が付かなかったりでちょっとした怪談話っぽくもなってたりするんだけどそれだからっていちいち「ここは曰くのある物件ですよ??」っつってわざわざ借りる人に話して聞かせるのも何だし貸して廻して行かないと不動産屋としてもお荷物物件になっちゃうしで貸しに出してたわけだけど別に店が長続きしないのはそのおじいさんの呪いだとかそういうのでは全然ないしたまたまそうやって短い周期で店がころころよく変わるっつーのでますます「何かあるんじゃなかろうか??!!」な知ってる人にはそういうわるーい想像をかき立てる結果にもなってたり…。(苦笑)「ホテルだってそうでしょう?」と。見える人にはそういうあり得ないモノが見えちゃったり感じる人には感じちゃったりするのかもしれないけどなーんにも見えないし感じない人には他の部屋と何の変わりもない関係ない話で。「だって今の今まで気にしてなかったわけでしょう??」っつーんだけど気になるっちゃぁ気になることが1つ。(え?)っつーのも藤枝さんが体調崩してるっつーのも病気とかそういうのじゃなくてこの場所で自分のドッペルゲンガーを見ちゃった!ってのでどうやら発狂寸前…っつかすっかり滅入っちゃってて復帰出来そうにないらすぃー…。

…なーんてなことを話しておったらば伊勢さんもとい女の人が店に飛び込んで来る…。「まだオープンしてないんですけど…??」っつったらそれは別にいいんだけどここの店…だか部屋だかに知り合いが入って行くのを見たとおっさる。見たも何もいるのは江口さんと島さんの2人しかいないし隠れようたってそんな場所もないし大体忍び込むにしたって鍵がないと無理だろう、と。「知り合いっておっしゃいますけどどんな格好してたんですか??」っつって聞いたらばついさっき店に来た島さんと似たやうな格好…っつかそれって島さんと勘違いしたんじゃね??!!って言うんだけど「あの人の顔を見間違うとかそんなことあり得ないですっ!!!」みたいに怒ってて2人が匿ってるっつか隠してる風に疑われまくりで…。(苦笑)出て来ないつもりだったらそれでもいいしこっちだって会いたくない相手だから別に構わないんだけど「あたしに付き纏わないで!もうここには来ないで!…って伝えて下さい。じゃ」って帰ろうとしたらカウンターの下からふらっと湧いて出て来たみたいにして男がー???!!!「やっぱり隠してたんじゃないのっ!!!」っつーんだけど2人のぜんっぜん知らない人だし大体いつからそこにいたんですかっ??!!な話で…。しかもその出て来た男の人の言ってることも滅茶苦茶で荷物も携帯も財布もぜぇーんぶなくしただかどこかに置き忘れただかとにかく思い出せないしとにかくいろんなことを覚えてないっつーのですわっ?!記憶喪失かっ??!!な…。(黙)自分の名前とかその女の人のことは分かるんだけど自分がどうやってここに来たのかも分からないしどこに帰ればいいのかすらさっぱり…とおっさる。(滅)それがまた「じゃぁ…一緒に家帰ろうか??」っつー仲ではなく夫婦っちゃぁ夫婦なんだけど奥さん的には離婚も辞さない!な旦那なやうで…。(黙)もちろんそれがどうしてそういうことになってるのか全然覚えちゃいないんだけどとにかくまぁ携帯だったら落としたんだとしたら拾われてるか何かしてるかもしれないし自分の電話番号に掛けてみれば??っつーことになってしーかたがないから奥さんの携帯借りて電話を掛けてみるんだけど…そこに出た相手が拾ったも何もこの携帯は自分のだし大体そっちは誰なんだよっ??!!とか揉め出して何が何やらさっぱり…??そうしてこの奥さん・要(伊勢佳世さんの役どころ)の実家近くにいる旦那・滋(浜田信也さんの役どころ)とは別に東京には東京でしっかり仕事ちうの滋が存在するわけで…ってえー???!!!こっちにもドッペルゲンガー???!!!なそんなにドッペルゲンガーがうようよ生まれてどうするよっ??!!な。(苦笑)そうしてまぁ要ちゃんの物語はと言えばー…これがまたお兄ちゃん(安井順平さんの役どころ)が実家にはいるんだけど両親が資産家なもんでなーんにも働かなくても持ってる土地に建ってるマンションだとか諸々のお金が毎月ばっこばっこ入って来るからお家でぷらっぷらしてても全然平気〜♪要ちゃんの方も結婚して家賃だの何だのは要ちゃんの実家からぜぇーんぶ出てるし相当のお金が銀行に入ってるから生活資金にもなぁーんにも困ってない、と。…だったんだけどそのお金がどうにもこうにも目減りして行っておるなー??と思っておったらば旦那が浮気してる…とかじゃなくてキャバクラ行ったりして遊び放題にしててそれが300万ばかし(!)使い込まれてたのがバレてお金がどうこうの話とかじゃなくとにかくもうあたしがいながらそういうとこに行ってるっつーのが理解出来ない!バカぢゃね??!!っつーので我慢出来なくなっちゃって実家に帰らせていただきます作戦に出ているやう…。(え?)そうして実家に帰れば帰ったでお兄ちゃんの面倒見なきゃなんじゃねいのー??と思ったらそこは心配ないでつ。(は?)実家にはお手伝いさんがおりますので…っつーので由香里ちゃん(加茂杏子さんの役どころ)が掃除・洗濯・お料理全般こなしてくれてまつvvでも専門学校に通うことになりましたゆえおヒマを…ぢゃなくてちょっとばかし来れる日が少なくなりますぅーな由香里ちゃんだったりもしまふ。(えー)お兄ちゃんの方はと言えばー…「学校なんか行かなくてもいいぢゃんっ!つか俺と結婚しちゃえばいいんじゃなーい??」なノリ(は?)なんだけど由香里ちゃんは彼氏がおりますゆえ…。(どーんっ!)そうしてお兄ちゃんは働きもせず一体家で何をしておるのか??と言えばネット通販ー!!!(爆)クリック1つでアマゾンからばんばん品物届きまーすっ!!!(しゅたっ!)要ちゃんは「ちょ…っ!男ってみんなそうなの??バカなの??あたし、そんなのわかんなーい!」っつってさめざめと泣き始めるしでお兄ちゃん、困った…。「うん、部屋はいっぱい余ってるから…しばらくこっち、いれば??」っつーことになって荷物もぜぇーんぶこっち送ったからそうするってなるんだけど…「ぴんぽーん♪」「…あ。あたしの荷物かも…」「いいよ、俺出るから」って戻って来たら…またアマゾンぢゃんっ!(爆)いたたまれねぇー!

そうして今や要ちゃんもすっかり怠惰な生活を送っておるわけで。「お前が働けよvv」「お前も働けよvv」って…責任逃れまくりっつか擦り付け合い??(苦笑)そーんな実家に記憶喪失の方の滋(おい)がやって来る。…っつかマンションは要ちゃんが解約しちゃってるから住めないし(大体家賃払ってたのは要ちゃんの実家なわけだから滋に分はない。黙)いくとこもないし分かってるとこと言えばここぐらいしかないから。(えー)お兄ちゃんに事情を話したらば「ちょっ…vvドッペルゲンガーとか面白くねっ??!!」なんっつってすっかり盛り上がっちゃって(え?)「どうせ部屋余ってるんだしお前もここにいれば??」って…どうしてそうなる??!!ま、要ちゃんの元旦那っつっても最早離婚は確実なので他人同然だし住むっつっても扱いは奴隷で。(え?)要ちゃんとも極力動線のかぶらない地下室だか何だかに閉じ込められちゃってそこから出るな、と。由香里ちゃんが案内しようとするんだけど「あの…こっちです…」ってまぁお客さんだしそれっぽい扱いしてたら「そいつ、奴隷だからさ。由香里ちゃんも別に気遣わなくていいよ??」っつーので「あ…じゃぁ…こっち来い」って…あう。(黙)ドッペルゲンガーっつーことはもう1人あいつ(=滋)がいるわけでそ??っつーのでまたしても東京の滋に電話を掛け始めちゃうお兄ちゃん。…が。こないだの電話も相当気持ち悪かったしそーんな頻繁に喧嘩別れしちゃってる奥さんから電話あるっつーのも怖いからー!っつーので滋の方には電話に出るつもりがなく。ここは上司(岩本幸子さんの役どころ)に「すいませんけど出てもらえますか?俺の代わりに…」っつーので出て貰うんだけどそれはそれで超シュールな状況に…。「そこに滋くんいますか??」「はぁ…いますけど??」「本人ですか??」「…え、そうですけど…??」「そっくりの別人ってことはないですよねぇ??」「本人です!…よ??」って拉致開かないし!(爆)お兄ちゃんじゃ声分かんないからっつーので要ちゃんに声聞かせるんだけど電話じゃよく分かんないとおっさる。(ごもっとも)しーかたがないので上司の人に頼んで今から言うアドレスに滋の写メを送ってくれ、と。(え?)ポーズはそう…酔拳でvv(は?)そこに写ってるのは間違いなく滋で家にいる滋も間違いなく一歩も外には出てない、と。「お前、あいつとどこで会ったって??」っつー話になってその店に向かうことに…。お店はお店でちょっとしたパニックがー!(は?)っつーのはお店に荷物運び入れるのに作業員さんで脇坂さん(森下創さんの役どころ)って人が来てくれてたんだけどその人が厨房で倒れててしかも脱水症状で病院に運び込まれることに…。でも。脇坂さんの言うことには大好きなお酒もあったしおつまみ??に牛スジの煮込みとかも鍋にかかってたし戸棚に置いてあった缶詰だの何だのもいろいろ食べちゃって申し訳ない!って…。もちろんオープンしてもないのでお店には食材関係なんかなーんにもないし島くんは料理とか出来ないから作り置きしたりなんかもしてない、と。そう言えばー…言われてみれば藤枝さんと2人で開店準備してる時にも「これ、試食してみてよ??」っつーので「これ、何??」って聞いたらば「プリンだよ」っつーから「ホント!美味しいプリンだねーvv」っつってたら「冗談だよ!茶碗蒸しだよ!」って藤枝さんが言うんだけど島くんは「ウソでしょ??だってプリンでしょう?!」っつって藤枝さんにも食べさせたら作った本人は茶碗蒸しだってのに食べてみたらプリンだった、と。他にもいろいろあるはずのものがなかったりないはずのものがあったり不思議な現象は起こってたって。そうやってる間に藤枝さんも自分が作ったモノに自信が持てなくなって来ちゃったりして「もう俺、料理止めるわ…」「何でそんなこと言うの?!」みたく喧嘩になっちゃって…。そうやって出て行った藤枝さんを追い掛けて行った島くんだったんだけど見つからなくてお店に戻って来てみたら…トイレに電気が点いてるもんだからやっぱり藤枝さん、帰って来てたんだ!と思って「あのさ…さっきいろいろ言っちゃったけどごめん。いるんだったらそこで聞いてくれる?」っつーので思ってたことぜぇーんぶ吐き出して喋ってたらぷらっと最後そこから藤枝さんが出て来て「何か…俺もごめん…」とかなった、と。…なんだけどどうにも藤枝さんにはどこをどうやってその店に戻って来たのかとか覚えてなくて記憶喪失っぽいとこがあったって。まぁでもそれもいろいろあって疲れてるからってだけでそのうち全部思い出すこともあるだろうと思ってそのままにしてたんだけどある日本当の藤枝さんがお店を訪ねて来て…っつか当の藤枝さんは出て行ったっきり途中で交通事故にあったみたいでそれで自分のこともあんまりよく分かってなくてでもどこに行ったら自分のことを知ってる人がいるか訪ね歩いてたらこの店に行けば島くんって人が一緒にレストランしようって話になってたからきっといろいろ教えてくれるはずだからって聞いて来たんだ、と。「何があったんですか??俺のこと、教えて下さい!」って切実だし島くんには何のことやらさっぱり…だしで大体藤枝さんはさっき食材を買いに出て行ったんじゃなかったっけ??と思ってたらその藤枝さんが「ただいまー」って帰って来たもんだから「こっち来ちゃダメだっ!!!」って玄関の方に向かって呼び掛けたのに本当の藤枝さんの方が「え??誰ですか??誰なんですかっ??!!」っつって島くんに押し戻されながら見た先には…自分と同じ藤枝さんがいた、と。その瞬間玄関先にいた方の藤枝さんは消えてなくなっちゃって本当の藤枝さんの方には記憶がぜぇーんぶ流れ込んで来てそれはもう何だかめくるめく体験だったそうなんだけどでも2つに分かれてた記憶が重なり合った瞬間ものすんごく気持ち悪くなったのも事実でげぇげぇ吐きまくって「今の…何だったんだよっ???!!!」みたくなっちゃってそのまま入院、と。

そうしてお店に訪ねて来たお兄ちゃん・輝夫と江口さんは中学だかの同級生だったみたいで。(苦笑)「え??何調べてんの??」っつー話になって家にもドッペルゲンガーがいる、と。だけどいろいろ話聞いてたらそれってドッペルゲンガーじゃないんじゃねぇの??ってことになって。もしかしたら…ここの場所っつーのはあるものがなかったりないものがあったりするってことは…自分が思い描いて願ったモノが現実になって生まれ出ちゃう場所なんじゃねいのー??と。もちろんそれには実験が必要っつーので島くんが「あぁじゃぁ喉乾いたでしょ??きんっきんに冷えたサイダーがあるんでどうぞvv」っつってカウンターの下から出してくれて。もちろん要ちゃんと輝夫が飲めばそれはきんっきんに冷えたサイダーだったんだけど…ぢつはそれは冷えてるわけがない。まだお店が開いてもいないんだからここには電気も引いてないしで冷蔵庫に入っててもそれはぬるいまま。それを知ってる江口さんと島くんには冷えてなくて知らなくて島くんの言葉通りに信じ込んで思い込んで飲んだ要ちゃんと輝夫には冷えてた、と。…ってことは要ちゃんもここの店に滋が入って行ったと思い込んで飛び込んでみたらばそれは背格好のよく似た島くんだった、と。だけど要ちゃんは絶対にここに滋がいる!と信じ込んじゃってたからそれはそこに現れた、と。島くんのケースもそう。トイレに灯りが点いてたからそこに藤枝さんがいると思い込んでたから出て来ちゃったんだって。じゃぁ次は本当にないモノを出してみようか??っつーことでビルのご近所さんの大河原くん(大窪人衛くんの役どころ)を使って大実験ー!!!(え?)「あのさ…ここにシュークリームがあるからさ。君、食べるといいよv」っつってホントはシュークリームなんか入ってない空のケーキ箱を差し出す輝夫と江口。「…え??あの、いいんですか??僕、食べて…??」「どうぞどうぞvv」「あぁ…じゃぁお言葉に甘えて…いただきまーす…ってあれ???」って開けてみたらばやっぱりそこには空の箱…。(黙)「あー!!!ごめんごめん!こっちじゃなかったわ。ちょっともう一遍店入って来るとこからやり直してくれる??」っつーので訳も分からず従う大河原くん。(苦笑)「これってどういうこと??」ってなる江口なんだけど輝夫の説によればこの箱は空だって知ってる人の人数の方が多かったから思い込みがそっちに引き摺られちゃって上手くモノとして現れなかったんだろう、と。純粋にないモノをある!と思ってる人しかいなかったらそれはちゃんと出て来るはずだ、と。っつーので大河原くんをまた呼び込んで「あのじゃぁさ。ちょっと俺たち、島くん呼んで来るからさ。待ってる間にカウンターの下にコーラが冷えてるから4人分出しといてくれる??あとあの箱にはちゃんとシュークリーム入ってるからさ。さっき間違っちゃったけど。(苦笑)適当に食べといてくれていいからvv」っつーのでぽつんと1人残される大河原くん。(えー…)「えっとー…あの…じゃぁいただきまぁーす…」っつって今度はシュークリーム出て来たおっ!!!で「あ。コーラだ、コーラ」っつってカウンターの下からコーラを用意してたらそこに帰って来る(?)3人。「あー!!!コーラ用意してくれたんだー!!!」って事の外喜びまくりで「あー!!!君の思うコーラってこれかー!!!」っつってペプシだおっvv(わーきゃー←ちょっとラルクはんがペプシのCM出てるからって…)「シュークリームも!!!出たねー!!!」っつって相変わらず大河原くんだけ訳分かんないんですけどぉー!!!(笑)「うん!じゃぁ帰っていいからvv」って大河原くんってば実験終了ー。やっぱりこの場所には思い込めばその通りのモノが出て来る力があるらすぃー。だけど。実際問題それは本当に存在するモノではないから食べても身に付くモノじゃないからこりは体のいいダイエット!(え?)それだから脇坂さんのケースもその前のマンションで餓死しちゃったおじいさんのケースもきっとその人たちには思い描いた通りの食べ物が出現してたはずなんだけど当然食べてはいるけど霞を喰ってるやうなもんだから脱水症状になったり死んじゃったりしたんだろう、と。だったらここで本物の滋とドッペルゲンガーもとい要ちゃんの呼び出した滋とを合体させたらいいんじゃねぇか??…だけど合体させるにしても要ちゃんの呼び出した滋には少なくとも新しい記憶が何日分かあるわけでそこんところの処理を上手くしないと藤枝さんみたく軌道修正が出来なくなっちゃうじゃないか??っつーのでもう1人生み出されてから全く新しく滋と知り合った人物の記憶から引き出したモノと繋ぎ合せれば完璧ぢゃね??!!っつーので由香里ちゃんにも来て貰ってもう1人の滋を作り出すはめに…。(え?)それは藤枝さんのケースに習ってトイレに灯りを点けておいてそこに滋が閉じ籠もっちゃった!っつー設定でもって由香里ちゃんに呼びかけて出て来て貰うのを装って由香里ちゃんの思い描く滋を出そうっつー話で。そうしてすっかり信じ込んじゃった由香里ちゃんの手によって(え?)作り出された滋はトイレから出て来た瞬間頭に袋かぶせられて体ぢう縛られて監禁状態に…。(黙)そうして本物の滋はここの店で要ちゃんの作り出した滋と出会って混乱して吐きまくってそれでも記憶がすっかり全部戻ってすっきり爽快!!!になって帰って行く。だけど。最後にやらなくちゃいけないことは空白の記憶を持った滋をこの世から消すこと。「これは人間なんかじゃない!ただの記憶を入れたモノでしかない!そんなのメモリーディスクだのCD-Rと変わらないって!殺すっつっても殺人なんかじゃない!モノを壊すってだけだ!」って説得して要ちゃんに滋を殺させようとするんだけど「そんなの…出来ないよ!!!」っつーもんだから「要が出来ないんだったらお兄ちゃんがやってやる!だってモノだろ??簡単だよ!!」っつって向かって行くんだけど…要ちゃんが縛られた滋を庇って「止めて!!!」って泣き叫んで…「だってモノじゃないよね??もう怖くないから。大丈夫だから。安心して??」っつって縛られた滋を宥めてしっかり抱き締める要…。「あたしが滋のことをしっかり忘れられたらちゃんと消えるはずだから。忘れる…!あたし、忘れるから…!」この最後のシーンのお兄ちゃんはかんなり評価が高かったんだけど(え?)それまでのお兄ちゃんがもう…。(は?)風貌がやっしー(八嶋智人氏)に似てるっつか見た目それっぽいんだけどそれがー…やっしーのいやーな感じを濃縮500%で抽出してみますたっ!って感じで。(え?)うん、やっしーも劇団ではそこまでいやーな役はやらないからアレなんだけどドラマとかでやってる「こんちくしょぉっ!」ないめいじを最大限出してみますたっ!なほんつ分かりやすいいやーな役でそれはそれでものすんごい素敵にこのお芝居にしっくり来てるんだけど安井さんのいめいじがこのまま悪いままで定着しませんやう…。(おい)

そうして冒頭シーンに戻って…ってことは3人目の滋も消えて亡くなったってことかー…。要ちゃんは上手く滋のことが忘れられたのかな??(おぶおぶ)だけどさ。思い込んだモノを生み出せるってことは…要ちゃんが生み出した滋は要ちゃんの思う滋ってことでそ??(は?)ま、その間本当の滋の中では奥さん…っつか要ちゃんとのことだけが空白になってて要ちゃんの生み出した滋には要ちゃんとのことしか記憶されてなかった…。あたしはあたしだしそれは間違いようもない事実だし当たり前なのだけどでもあたしと関り合ってる人たちの中で存在するあたしはきっとべみょうに違ってるはず。「こういう風に見られたい」と思ってるあたしと「こういう印象」で形成されてるあたしとが混ざり合ってあたしになってる。「あたしらしい」っつーのは本来自分が決めるモノではなくて誰かが思う自分っつーのがそこに入ってるってことでしょう??いめいじっつかさ。こないだ阿佐スパ公演(「アンチクロックワイズ・ワンダーランド」(観劇日記No.310参照))の時にも思ったんだけどあの時も作家の物語で読者が作家の作風を決め付けて「あなたはそんなもんじゃないでしょう??!!」と評する。だけどそれだって勝手な言い分なのであって受け取り手によっていろんな考え方があるしその人にとっては「こんなの違う!」と思えたとしても違う誰かにとっては「これこそが求めてたモノだ!」と思うかも。要ちゃんの思い描いた滋はきっと要ちゃんにとってはとっても都合のいい滋だったはず。あまり分かり合える時間もなかったかもしれないけれど。要ちゃんだけの思い出だけで形成されていて要ちゃんだけを見てくれて「悪いことをしてしまった。すまなかった」って謝ってくれて…って言う理想形を抽出した滋像っつかさ。(苦笑)あたしはどんなあたしで形成されてるんだろう??あたしがもう覚えてもいない言葉で傷付けられたって人もいるはずだしちょっとでも気持ちがラクになったって人もいるかもしれない。あたしの中にもあたしと関り合ってる人たちのいろんないめいじが存在していてそれを1人1人呼び出してみればきっと本当のその人自身とは少しずつ違ってたりするんだろう。そうして他の人が思い描くその人とも…。それが合ってるとか間違ってるとかじゃなくそれも含めてその人なんだろうしあたしなんだってこと。ドッペルゲンガーを見ると死ぬっつーのはそれは確か火事だとか地震だとかでもう助かるすべもないってことに追い込まれた時にそれでも生き延びたくて火の中を飼い猫を抱えて助け出して逃げてく自分だとか急に瓦礫が軽くなってそれを持ち上げて逃げ出す自分だとかあり得ない理想の姿を死ぬ間際に見て安心して本当の自分は死んじゃうとかそういうのじゃなかったっけ??ドッペルゲンガーは自分が思い描く自分の理想形だとしたらこの場に現れたのは他人が思い描く理想形のその人自身だ、と。それもちょっと…深いね。(え?)役者さんとかってその最たるモノっつか…。ドラマで悪役をすれば「この人って普段もこんな超わるーい人なんじゃね??」って思われちゃったり反対にものすんごく善人役とかしたら「普通に会ってもきっと超ーいい人なはずっ!」とか思われちゃって忙しくしてる時に「握手して下さいっ!」っつって「あ…すいません、今急いでるんで…」とかって断った日にゃぁ「いめいじと違う!!!」とかって怒られたりして必要以上に人気を下げちゃったり…。(苦笑)その人のことなんか詳しく知らないくせに勝手に盛り上がっちゃったり盛り下がったりする痛々しいファンな自分…。(黙)それもいめいじ先行だもんねー…。(苦笑)むうーん。なーんとなく考えてたことがこうやって形になって提示されたりして分かったつもりになってるけどもしかしたら前川さんの思うところが全く別のところにあるのかもしれなくてそれはそれでみんな違ってみんないいのかもね。(え?)と。そうして次回公演は図書館的シリーズ第三弾ですかー…。前2回分が東京公演のみだったから観てないけど分かる…かな??(おぶおぶ)でもまぁ楽しみは楽しみなのでチケ取れますやうにー。(念←今から!)