47.「オイル」
主なキャスト:松たか子・藤原竜也・小林聡美・片桐はいり・山口紗弥加・野田秀樹 作・演出:野田秀樹 舞台監督:瀬崎将孝 公演記録:2003.5.30〜6.15@近鉄劇場(大阪) |
これはものすごーい深い。野田作品ってホントに言葉遊びっていうか「あぁこの言葉って実はそういう意味があったんだ」って気づくことが多くて。「キル」って作品も確か「着る」とひっかけてあったりとかしたでしょう?オイルもさりげに老いるとひっかけてあったりなんかして「あー!」って思ったりとか。でもなんかそういうのよりも何よりもこれは誰でも1回は観た方がいいんじゃないかなー?と思う。特に日本人だったらいろいろ考えた方がいい。7月にWOWOWで放送になるそうなので観れる環境にあるなら絶対観た方がいい。(あ、でも。お芝居はやっぱり生だなーと思うのでテレビになると全部伝わりきれるのかな?と思うといまいち不安な点もありますが)かめののおじいちゃん(父方の)は戦争で死にました。戦場でではないんだけどやっぱり戦争がなかったらもっと長生きしたんだろうし全然原因じゃないことはないと思う。歴史に「もし」は通用しないけどでもそうなんじゃないかなー?と思う。今有事法制とかも議論されててなんだかきな臭い感じがするんですが。しかも「愛国心」を教育に取り入れようだとか歴史は繰り返すってのはこのことなのかも。あんなに酷い目に合わされてるのにもうもしかしたら忘れちゃってるのかも。ホントに原爆の被害に合った人、身内が被害に合った人がまだ生きてるっていうのに。もっと日本は文句を言ってもよかったんじゃないかなーんて思ったりします。まぁ日本も他の国に物凄い酷いことをしたから自業自得ってことなのかもしれないけど。でもそれだったらその酷いことをした当事者だけを狙えばよかったのに。事はそんなに単純なことではないんだろうけど。あの原爆ドームは昔かめのが修学旅行に行った時も入ってすぐのディスプレイが悲惨なことになっててあれ見ただけで具合悪くなる人もいたぐらいで。今はもっともっと悲惨な展示になってるらしいとか。アメリカは結局のところ実験材料が欲しかっただけとも言われてる。それが証拠にリトルボーイとファットマンなんていうふざけた名前で原爆のことを呼んでいたとか。ただの見せしめだけだったら1種類で済んだはず。それを2種類試してみたんだからアメリカも戦争という名の元に随分なことをしてるとしか思えない。去年の夏だったか。伊島りすとさんの「飛行少女」って小説を読んだけどそれもかなりな衝撃的内容だった。まぁ現代の話になってるからこのお芝居と似てるってのとはまたちょっと違うんだけど。まず最初に「助けて。神様」っていう松たか子嬢演じる富士の叫びですでにぐらりと来てしまったかめのですが。(苦笑)なんていうのかなー?与謝野晶子さんの「君死に給うことなかれ」ですよね。あの時代そんなことを声高に言う人は非国民だったし下手したら共産主義者扱いで拷問に合わされたりしたはず。でも死ぬと分かってて兄弟を息子を父親を彼氏を旦那を戦場に笑って送り出せる人がいますか?(気持ちがないのならともかく)ホントなら「死なないで。生きて帰って来て」って思うよね。ヤマト(藤原竜也くんの役どころ)に富士が語って聞かせる「あなたのことなのよ?」ってのはずもーんときた。ヤマトってのはさやっぱり日本人を指す言葉なんだよね。日本人は普段昔に起こった戦争のことなんか考えたりしないしこれからも戦争なんか自分の国には関係ないことだと思ってる人が大半だと思う。でもちゃんと直視しなくちゃいけない時もあるってこと。2度目に聞く「助けて。神様」は同じ台詞でも全然違う。もうダメ。涙が止まらなかった。悔しいのか悲しいのか訳わかんないんだけどぎゅーっとされた。返せるもんなら返してよっ!って。あのみんなの服が抜け殻で残ってるのもかなりの衝撃だよねー。ホントの死体みたい。あの日何が起こったのかわからないまま溶けていったたくさんの人たち。ホントに影が残ってるんだよね。あれはすごーくぞっとする。その原爆を落とされた腹いせに9月に貿易センタービルを狙うという富士。目には目を歯には歯を。それがいいことかどうかはわからない。でもあの瞬間手を叩いて喜んでた人たちがいるってことは少なくともアメリカを心底憎んでる人がいるってことだ。それをアメリカはもっと考えた方がいいのかもしれない。邪魔するやつは叩き潰せではなくて。おせっかいなんだってことも自覚した方がいい。あの富士を支持して崇め奉った人たちだってやっぱりアメリカを憎いと思ってた人たちなんでしょう?まぁ実際神懸り的なものに日本は弱いところもあるけれど。日本だってそう。攻められた時はアメリカが助けてくれるって思ってる。でもおかしくないか?日本はアメリカに占領されてる国なんだ。いまだに軍が撤退してないってのはそういうことでしょう?なのに助けてくれるなんて虫が良すぎないか?どうして一緒になって叩かれても仕方がないと思わないのか。いつか日本はなんだかんだやってる間に地図にない国になるのかもしれない。あぁ。 とまぁ暴走に近いこと言ってきましたが。(苦笑)野田(秀樹)さんってすごいね。(またか)誰よりも走って飛び跳ねて喋って。あと映像作品のところは奥(秀太郎)くんなんだねー。なんかイカれた(おい)映像しか撮れないのかと思ってましたが。(失礼)普通にすごい人だったんですねい。(おい)とにかくもう作品自体に衝撃受けたーって感じで個々の演技がどうとかっていうよりお芝居全部がひっくるめてすごいな、と。もう語彙少ないけどそれしか言えない。(苦笑)もう今回もe+で押さえようと思ったら。当日全然繋がらなくて。(滅)10分もしないうちに全部売り切れてた。(黙)仕方がないのでオークション巡りね。(いつもの。笑)なんとかW列28番で手を打ち。や、でもやっぱりあれは体感しといた方がいいでしょう。(と↑でWOWOW観ろってのと元も子もないようなことを…。苦笑)でも今の人に特攻隊とかは無理なんじゃないですかねい?昔の人と今の人がどんだけ違うかわかんないですが。でも帰って来れる保証がないことを真剣に出来るもんですかねい?かと言って自殺する勇気もなさげな。(苦笑)そりゃぁ昔も醤油飲んだりして徴兵検査から脱落するように工作した人もいたみたいですけど。そんな人ばっかりだったらこれまた困るだろうしねぇ。でもいまさら韓国みたいに何歳から何歳までは絶対に軍に入らなくちゃいけないってのも無理っぽいよねー。今自衛隊に入ってる人だって別に戦争するために入ってるわけじゃないんだし。そりゃぁ訓練はそれなりにしてるんだろうけど実際問題やれるのか?となったら無理そうな気がする。(失礼)だって公務員だもん。(おい)9時5時の人だもん。(これ言ったら笑われるんだ)あぁまた社会批判的になってしまった。(苦笑)でも今この作品を観るからかなりタイムリーでこうやって戦争のことを考えるきっかけになって。またいろいろ日常を過ごしてる間に忘れちゃうのかもしれないけどさ。(黙)で今回拍手が鳴り止まなくて。もう出て来ないのかなー?って思う頃に出て来たりしてくれてすっごいよかったー。千秋楽とか観たかったなー。(遠い目)全然取れなかっただろうけど。オークションでもすんげぇ高かったし。(黙)ホントはね、藤原(竜也)くんってちょっと苦手なんだよね。(おい)なんとなーく。(苦笑)やっぱり苦手は苦手なんだけど富士のおかげで気にならなくてすみました。(笑)それだけ。(おーい) |