167.「TEXT」

主なキャスト:ラーメンズ(小林賢太郎・片桐仁)
作・演出:小林賢太郎
公演記録:2007.2.20〜28@新神戸オリエンタル劇場(兵庫)
思えば「アリス」(観劇日記No.98参照)以来になるので2年振りってことですかー。間に「ポツネン」もあったし小林(賢太郎)さんプロデュース公演もあったし(でもすけじうるが合わなくてどれも観に行けなかったので残念…。黙)片桐(仁)さんも客演でいろんなお芝居に出てたりしたのでそんなに久々だとは思ってなかったんだけど。つか「アリス」で味を占めたのでまんまと今回もチケ取りに挑んでみました。最近MacのCMで出てたりもするし片桐さんもちょくちょくドラマで出てたりもするのでこのままメジャーになっちゃったり(今がマイナーってわけではないんだけど…)するのかなぁ?と寂しくもなったりしつつ。(だからそんなに昔からのファンってわけじゃないだろうがよ、自分)「ラー公演はチケット入手が困難だっ!」と巷では言われてますが…。(おぶおぶ)が。なにげに電子ぴあリザーブシートで当たりまくってたにも関わらず「TEXT」もまんまと当たっちゃったよ…。すげ。席はM列 32番。普通の劇場(は?)だと後ろの方の席だーと思われるかもしれませんが新神戸のこの劇場は確かQ列が一番前で最後尾がA列になってる変則の並びなので(「鈍獣」(観劇日記No.78参照)でそうだったので)前から4列目っ!(驚)マジすげぇー。当日行ってみたらちょっと端っこの方の席だったのでビミョーに見切れそうかな?とも思ったんですけどそれほどでもなかったでつ。(ほっ)パンフはないので「TEXT」特製?新聞ってのにちょっと惹かれそうになったんですけど前に並んでたラーファンなお嬢が「●●ちゃんが勢いで買ったら失敗したって言ってたよ」とか言ってたので今回はスルーで。(爆)限定って書いてたしこういうのは心底ファンな人が買った方がいいと思うの。(言い訳)えーっと…でも新聞ってのはこれも全部最後の「銀河鉄道の夜」への複線だったんですかねい?(おぶおぶ)そう考えるとやっぱりすげぇ。(感心)まず最初は50音図。(正しいタイトルじゃないので便宜上だけでつ)入学前だかにひらがな表みたいなのを買ったりするあれを作る会社内でのお話。「そろばんとか田んぼとか今時の小学生にはなじみがなくなって来たから何かいいのがあったら変えてくれ」との部長命令。それを受けてフロアマネージャーみたいな人とバイトくんとのシチュエーションコント。まずフロアマネージャーは考えた。「たは端末ってのはどうだ?(ふふん、どうだ?参ったか?的な感じ。ホントは部長の案なんだけど…。苦笑)」バイトくんに言わせると「何かビミョーっすね(苦笑)」とのこと。ちょい凹む。「じゃ他にいいのないのかよ?」ってことでバイトくんは「じゃーそはソリューションズとかどうですか?」だって。フロアマネージャーもとい小林さんは素でソリューションズが分からなかったらしく(笑)「…え?いいねー。でそれってどういう意味なの?(おぶおぶ)」って聞いて片桐さんがすらすらと説明してそれもよく分からなかったらしくて「それは…ホントにそういう意味なの?それともホントは違うんだけどーみたいなものなの?」としどろもどろ。(苦笑)そのお困りっぷりが超絶かわゆすvホントにうろたえまくってたYOっ!でもっと斬新なのはないのか?ってので「全部同じ語尾(?)を付けてみる」ってのがバイトくんから提案される。「あんこ、いんこ、うんこ…えんこ…」「や、まずいだろ?それは」「じゃま行で行ってみますか?(にやり)」「ダメだってー!」と却下。続いてあいうえお作文だったか…。(もうウロ。黙)ドラマチックシチュエーションってことで「転校生がやって来た」シリーズ。(は?)「転校生?ふーん…ま、俺は興味ないけど?」的な態度を取ってた男子生徒が自転車通学途中にその件の転校生とばったり会って「お前が転校生?…じゃ後ろ乗ってく?」みたいな青春ドラマを繰り広げる展開に仕上がってましたねい。あと何だっけ?「を」を使って「蛾を掴む」。(は?)「みんなで輪になって蛾を掴む」しか覚えてないYOっ!(もう謎だな…。苦笑)でそんなこんながあったんだけど結局社長が「今まで通りで行けばいいだろ」みたいに言い出してそこへ社鬼(しゃき)登場ー。「バイトたちの案を採用せよ。さもなくばお前の会社は倒産するぞ?」みたいなお告げをば。無視する社長。「ぅおーいっ!聞けぇーっ!」ってので「バイトたちの案を採用して部長とフロアマネージャーとバイトにボーナスを出せ」と要求する社鬼。で社長がやっと聞き入れてくれてバイトくんたちにボーナスが出る。とそれを聞いて喜ぶバイト…がぢつは社鬼でしたっつーお話。(や、社鬼を演じてたのはバイトでしたってのが正解)続いて売り言葉に買い言葉。(意味は…ちょっと違うかなー?おぶおぶ)小林さんと片桐さんが全然別々の設定で誰かと喋ってるのを重なり合わせながら繋げて行く展開。アンジャッシュのコントにも近い…けどあーいうのではなく。(あれはほら、顔合わせて喋りながら言葉を取り違えて行くって設定だけどラーのはホントに全然同じ場所にいない2人のドラマになってたから)もうどれがどんなだったか?ってのをことごとく忘れてしまったので(もてない君と爆弾犯を追う定年間際の刑事さんってのもあったなー。「臭う…。臭うなー」って言葉で足の臭さが原因ですっかりもてない男子っぷりと犯人として「臭う」ってのを掛けてたり)最後のカレーパーティー(小林さん)と同僚の相談を受けるサラリーマン(片桐さん)の設定で。言葉の帳尻を合わすためにカレーに白身魚を入れる展開になってくのが何ともグロテスクでしたが。(苦笑)片桐「…え?今日?今?会社の会議…?それって俺、出てなくちゃいけないやつだよね?(おぶおぶ)」小林「…まずいよ…」ですとんと落ちるとことか納得。間に「あ、目からウロコだ(魚を捌いてたら顔のとこに何かついてるよ?と他の人から言われて「え?何?」みたいになる)」(小林)とか随分「普段そんなの言わないでしょ?」なのもあったりしたけどなんとか。最初から重なり合わせて見せてくれるのもあればカレーパーティーのは別々に見せといて最後重なり合ってくのを演じて「おぉーっ!」と思わすようになってたのもあったりとかでよかったでつ。

続いて透明人間はホントにいるか?ホント小林さんの流暢な喋りっつか論戦にまんまと乗っかってしまいそうになりましたことよ。信号の話なんかすごーい。「赤でも渡れになるんだよ」「ウソだー」「じゃお前が信号渡りかけてたら青から赤になって向こうから車が走って来たらどうする?止まるのか?」「急いで渡るよ?」「ほらな」「ホントだー」みたいな感じで透明人間はじゃぁいるか?って話になって「じゃお前は透明人間なんていないって言うんだな?」「いるわけないだろ?」「じゃお前は何だ?不透明人間か?」「そうだな。見えてるんだから不透明人間ってことになるな」「じゃ不透明って何だよ?透明もいるってことになるんじゃないか?」「そうは言ってない!」「じゃお前は透明人間なのか?」「じゃ俺は透明人間だよ!」「じゃいるんじゃないか」「え?どこどこ?透明人間いるの?」「お前なんだろ?」「あー。俺って透明人間だったのかー。すげぇなー」「違うだろ」「え?違うのか?」みたいにどんどん畳み掛けられて行って小林さんって頭いいなーって思ったり。でその話の展開の中で「じゃ今お前、ここでハリウッド条例とか出たら従うのかよ?」とか「ミュージカル条例は?」とか「短歌条例」とか「うやうや条例(うやうやしく喋り合うらしい…)」とか「言葉禁止条例」とか次々出てくるなーと思ってたら次に出て来たのがその条例の数々。元ネタは小学生男子のアンケート調査とペットショップにいる手乗りサイズのキリン強奪計画。最初はオーソドックスに、次に「条例が出た」っていうアナウンスとともにハリウッド条例では外国映画の日本語吹替え版ちっくな喋り口調で語られたりミュージカル条例ではホントにベタな(爆)大仰な身振りとダンサブルな踊りと歌で「こういうのってアリだよね」と素直に思わせられたり。うやうや条例はあまりに雅な言葉ばっかり繰り出そうとし過ぎて後半ぐだぐだな展開になってましたが。(苦笑)言葉禁止条例はパントマイムちっくな顔芸と身振り手振りで何とか伝えようとしてる様子が素敵。で次がダービー。出走直前なのに走るのを拒否して引き籠っちゃった馬とそれを必死で走らせようとするジョッキーのやり取り。小林さんが馬で片桐さんがジョッキーなんだけど小林さんはここでは全然喋りません。片桐さんの独り相撲。(笑)もう怒涛のやうに喋り慌てふためきなだめたりすかしたり怒ったり泣いたり大忙し。ジョッキーテレフォン?で「16連単?そんなの無理だよっ!」とかここはその場で見てないとこの勢いは伝わらないし分からないですねい。あんなに爆笑しまくってたのに何がどうだったか?なんてすっかり忘れちゃったし。(爆)なので何かDVDとかシアテレなぞで観る機会があればそっちでよりちくです。(おい)で最後が「銀河鉄道の夜」。最初金村(片桐さん)と常盤(小林さん)が会社のフロアですれ違って「今日は祭りがあるから早く帰るわ」(金村)「おう。気をつけてな」(常盤)な流れとかでは全然気が付かなかった…。常盤がどうやら活版印刷所で働いてるらしい…つか文字を拾い出さなくちゃいけないのだみたいな仕事についての説明みたいなのとかを聞いてで家に帰って「牛乳は?今日来てないの?お母さんっ!」ってなったところでやっと「あ。銀河鉄道の夜かー」って分かりました。(遅)つかこの時の常盤の髪型が最高可愛かったー。(は?)あたし、銀河鉄道の夜大好きなんですよー。最初に観た映画だし。(たぶん)あの切ない手触り感っつかそういうのが好きで。でも泣きにまでは持ってってなかったと思います。お母さんを片桐さんが演じてていきなりぬっと襖を開けて(おそらく。苦笑)立ってたり「おいおい。びっくりするだろうがよ!」みたいなのとかもあって笑わせてたし。でも何かの事情で金村はもうこの世にはいないらしくてそれで金村の乗ってる電車に常盤が乗ってくることになって。金村は常盤の周りをくるくる付き纏い「お前の持ってる切符と俺の持ってる切符と違うな?見せてみろよ?どこまで行くんだ?」とか話し掛けるんだけどそれにまともに返って来る答えはなく。「俺さー今日馬券買ったんだよー。これ、絶対大当たりしてるぜ?」でそっと金村は自分の持ってる馬券を常盤のシャツの胸ポケットに滑り込ませてやったり。で2人してしりとりを始めて…でも終わる語尾は相手のと一緒。常盤は「ひとりでしりとりしても面白くねぇなー」なんて言って「1人じゃないだろ?俺がいるだろ?」つって金村は常盤の背中にとんと腰掛けてもたれようとしたり。でふっと金村は常盤の前から姿を消してしまいます。そこへ電車に乗り込んだところに戻った常盤が1人。「あれ?俺、切符どこやったっけ?」と胸ポケットを探ったら出て来たのが馬券。「あれ?俺、馬券なんて買ったっけ?つかこれ、当たってねぇじゃんっ!かすってもねぇじゃねぇかよーっ!」ってぽぉーいっと捨ててしまったり。(苦笑)持ってる新聞には「言葉禁止条例で暴動起きる」なぞの記事があったりとかさりげにリンクさせてあります。(笑)でも1人しりとりの下りになって1人でいる常盤の背中が金村の窪みにふっと押されたりして「1人でこんなことやってもつまんねぇよ」とぽつんと常盤がつぶやく台詞が今となってはきゅんと来ます。あの時はその流れで窓を開けて「にしてもっ!牛乳屋遠いなー。どこまで行くんだよっ!」なーんてな常盤の言葉で笑ったりして気が付かなかったけど…。(黙)片桐さんが演じる金村に「俺たち、いつまでもずーっと一緒に行こうな?」と言わせてしまうのも小林さんなりのロマンチックの表れなんでしょうか?そこまで読んだら深読みし過ぎ?(苦笑)とあたしが行った回は神戸楽日ってこともあってカテコに5回ぐらい出て来てくれたでしょうか?拍手がホントに鳴り止まなくて小林さんが「ホントにホントに楽しかったー!何が楽しいってこんなにコントばっかりの空間があってこんなにお客さんがいるなんてっ!」ってホントに嬉しそうに言ってくれてマジ堕ちしてしまいましたことよ。(おい)3回目ぐらいでは小林さんが馬のかぶりもので出て来てくれたりもしてー。で最後は階ごとに向けての挨拶をば。「3階の人ー。ずーっと立ち見しててくれてありがとね。こんな長い時間ね。この後1階のお客さん帰ったら椅子座って帰ってね。ホントふかふかだから。座り心地いいよー」つってました。「2階の人ー。ありがとね。2階の人はね、そこからは見えないと思うけど3階のお客さんは全裸で観てるからね。…ってウソだよっ!1階の人も振り向いてわざわざ見るなよっ!分かるだろー」とかって面白がってましたねい。ホントにホントに楽しくて面白くて最高でした。次勢いでまたしても「ツグノフの森」も取っちゃったし(おい)楽しみでつ。