186.「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」

主なキャスト:萩原聖人・加賀まりこ・石田ひかり・林隆三・千葉雅子・三上市朗・八十田勇一・新谷真弓・津村知与支
原作:リリー・フランキー 脚本:蓬莱竜太 演出:G2 舞台監督:榎太郎
公演記録:2007.7.20〜22@シアター・ドラマシティ(大阪)
あらすじ>>“ボク”は北九州の田舎町で育った。“オカン”は“ボク”をいっぱいの愛情をもって育ててくれた。今は別々に暮らす“オトン”は酒ぐせが悪く無茶苦茶で、たまにやってきてはひと暴れするのだが、ぶっきらぼうな中にも“ボク”への、そして“オカン”への愛情が垣間見える人だった。やがて“ボク”は成長し、上京してイラストレーターになることを夢見る。だが仕事はほとんどなく、家賃も払えず日々の食費にすら困る毎日。“オカン”に仕送りをせがんでは、行く道に迷いながら悶々とした日々を過ごしていた。ある日、故郷の“オカン”が癌に侵されていることを聞かされる。ひとりで暮らすと言う“オカン”に“ボク”は「東京に来るね?」と言うのだった。そして“オカン”が上京し新しい生活が始まった。“ボク”をとりまく人たちの暮らしの中に“オカン”は自然と溶け込んでいった。訪れる人すべてを温かく迎える“オカン”。“オカン”を囲んでの明るく賑やかな日々。そんな中、“ボク”のイラストレーター、エッセイストとしての仕事も評判をよび、徐々に軌道にのりはじめていくのだった。しかし、このまま続くかと思っていた“オカン”との東京での生活にも終わりの日が訪れることになる………。

「東京タワー」はあらゆる媒体(2時間ドラマ、連続ドラマ、映画)の全部を観たんでもういいだろ?って感じだったんですけど舞台版になるって聞いたらそれも外せず。(苦笑)とか言いながら原作読んでない体たらく…。(爆)なのでどのエピソードを生かしてどのエピソードを削って来るのか?ってのにはそれほど思い入れもなくどれもこれもすんなり観れてしまうので(おい)結局骨子になる物語はどんな感じになっててどういう登場人物がいるのかもよく知らないままだったり。(苦笑)ま、とりあえずボクとオカンとオトンが出て来るんだろうことは分かってる(当たり前)んだけど彼女との出会いのエピソードを切り取ってみてもどれもこれも違ってるし(2時間ドラマは東京タワーの案内嬢だったし連続ドラマは大学の同級生だったし映画はたまたまバーで隣り合わせに座ったのが縁で始まったし)その時々で名前も違ってたりしたので要は脚本家の切り取り方になるんでしょうねい。ま、今までの中でやっぱり一番しっくり来るっつか気に入ってるのは松尾ちゃん(松尾スズキ)脚本の映画版だったりするんですけどそれはどうやっても思い入れっつか贔屓目になってしまうんでしょうねい。(苦笑)それに松尾ちゃんはリリーさんと同郷の出身だったり年も結構近かったりで切り取るエピソードもそういう自分の中にもある思い出みたいなのを中心にしてるんじゃないのかなー?と思ったりもするのでなんとなーく一番原作に近いのかなー?と思ったりもするんですけれど。蓬莱(竜太)くんの脚本も結構好きな感じなのでどうなるのかなー?と楽しみだったりしたんですが。が、ですよ。当日らりらり〜♪と出掛けたのはよかったんですが途中バーゲンセールの吊り広告にまんまと引き寄せられスカート買いーの、終わったらお昼ご飯でもゆっくり食べてから行ったら間に合うだろ?と思ってすっかり落ち着いてたんですが。レストランの中で「チケットでも出しておくかー」ってので取り出してみたらば。「13時開演」って書いてあるー。つかもうすでに今13時15分なんですけど…?(爆)…ずがーん。やってもたー。すっかり14時開演だと思い込んでてまだまだ全然時間あるし超余裕ーとか思ってたのが間違ってたYOっ!もうここはふてくされてまたーりゆっくりご飯でも食べて行くの辞めるか?とも思ったんだけどそうはいかないので。だってチケットが2列 35番なんだも。その前の「ツグノフの森」(観劇日記No,176参照)でG2先行が携帯から申し込めなくて(つか自分がアドレスを携帯に送ってなかったのがいけないんだけど。爆)焦ったので今回は携帯にアドレスも送って10時開始きっかりに申し込み完了したしそれなりにいい席が届くだろうとは思ってたんですけど2列目ってー。どんだけ気合い入っとんすか?!(え?)つかなにげにあんまり人気なかったとか…?(おぶおぶ)っておーいっ!そんなこんなで2列目の席をふいにするわけにもいかず。(もったいない!)セットのアイスティーだけがぶ飲みして「ごめんなさいっ!用事思い出しちゃったんでごめんなさいー」ってのでレジへ。レジのおねいさんも「…え?一口も食べてないですけどいいですか?」って恐縮しまくっちゃって「割引になるかどうか聞いて来ますっ!」とかって奥に行っちゃうしー。そんな時間はないでげすー。(おい)なんつーか支配人?っぽい女の人が出て来たんだけどやっぱり無理っぽそうで(当たり前だ)「ごめんなさいねー。またゆっくり食べに来てくださいねー」と言われつつ全額払って激走ー。つか遅れて入るのこれが初めてだYOっ!今までも思い込みで開演時間間違ってたりしたことはあったけど途中で何とか気が付いてぎりで(え?)間に合ってたんだよねー。(苦笑)今回はバーゲンのトラップにまんまと引っかかったのがいけない。(おい)で20分遅れぐらいで到着したのはいいんだけど席が通路側じゃなくて2、3席奥なのねん。ごめんなさびー。とんだ迷惑野郎で…。(黙)いつも遅れて入って来る人に「ったくよー」と心の中で呟いてたんですが(え?)自分がそっち側の人間になろうとは…。すいません。今日から心入れ替えます。(は?)なので冒頭どういう感じで始まったか分かんないでつ。(爆)あたしが観始めたのは九州の子供時代でおばあちゃんの行商する荷台に腰掛けていつも一緒だったっつーとこあたりから。このドラマって今のボクと九州の子供の時のボクが行ったり来たりすることでお話が進んで行くのでどうやって子供時代とかやるんだろ?やっぱり子役の子が出たりするのかなー?なんて思ってたんですけど萩原(聖人)くんがボク人形を操ることで子供時代も一緒に演じることになってるのね。ま、どうしてもボクを演じないといけない時は新谷(真弓)さんがボク役で登場したりもしてたけど。(苦笑)あたしはそのぉー…ボクがどうこうって言うよりもまず加賀まりこさんがオカンだって聞いた時に「全然癌とかで患ったりしなさそうないめいじなんですけど…?(勝手なあたしのいめいじなので放っておいてくだせぇ)」ってのと果たして加賀さんがあのひょっとこ踊り(お面付けて踊ったりするシーン)をやったりするのか?ってのが心配だったりしたんですが。(おい)や、全然問題なかったでつ。むしろ加賀さんがオカンを演じて行くうちにどんどんこういい感じになって来て途中から出て来るだけでその健気さっつかオカンっぷりに泣けて来ちゃってさすが大御所っつか場数踏んでる人の演技は違うなーなんて思ったりなんかして。(分かってるのかい?)むかーし「ハムレット」(Play4参照)でハムレットの母役を演じられた時はあんまりそこまでお母さんらしい感じじゃなくて。ま、あれはお母さん役って言うよりは1人の女性としてどうか?って言う話だと思うのでそんなにまで母性を前面に出さなくてもいいのかもしれませんが。(自分の旦那だった王が死んだ後すぐにその弟と結婚するって言う人だったから)でも「1人じゃ生きて行けないのよぉー」なさめざめとした弱々しい感じとかじゃない感じだったので(だから勝手ないめいじで。苦笑)あれから失礼ながら年も重ねられて心境の変化もあったのかなー?と若輩者が思ってみたりした次第。

今回ボク(萩原聖人くんの役どころ)とオカン(加賀まりこさんの役どころ)とオトン(林隆三さんの役どころ)と彼女(石田ひかりさんの役どころ)は押さえたまま他の人たちはいろんな役を何役もやって出て来なくちゃいけない感じだったので三上やん(三上市朗さん)も九州でのシーンでは近所の気のいいおじさんだったりとかボクが運び込まれる病院の先生だったりとかボクの同級生のお兄ちゃんでゼントだったりとか(笑)今現在のシーンではボクの編集さんだったりとかで大忙しですた。編集さんの役は確かにやーな感じで口先ばっかりなへらっとした人だったりで「これは好きになれないかも…」と思ったりしたんだけど最後のシーンでそういうやーな役回りをしなくちゃいけないことの説明台詞もあったりしてどうしようもないやーな感じじゃなくて救われまちた。お母さんが亡くなったってことは分かってる。確かにそれは不幸だしそれまでだって病院に看病に行ったり付き添いもあったりで時間が取れなかっただろうことも分かる。だけど締め切りは待ってはくれないし1人が締め切りを守らないことでたくさんの人たちに迷惑がかかるだろうことも事実だし。それを借金の取立て屋のやうかもしれないけれど「締め切りなんで描いてください」って頼むことがこの人の仕事でそれだって「今日は気分じゃないから仕事したくない」って言ったらそれまでで「じゃあ明日からずーっと仕事しなくていいから」って首切られたってしょうがないことだったりするのだから。好きで嫌な役回りをやってるわけじゃないけどたまたまそういう巡り合わせになっちゃったんだから仕方がない。ボクのイラストだって趣味でやってる分には「今日は描きたくないから」で済ませられるけどそれが一旦仕事になっちゃったんだから「今日はどうしても描けない」って時であったって無理してでも描かなくちゃいけない瞬間がどうしたってある。だってそれが仕事ってものなんだから。ま、あたしは基本てれんてれんした奴なので無理言われたら「じゃもういいですー。辞めますー」ってすぐ言っちゃうと思うんだけど。(根気のないことと言ったら…。黙)映画版では確か岩松了さんが電話の声でだけで登場したりしてたのでホントにフォローも何もなく(苦笑)普通にやな奴で終わっちゃったんですけど。うさぎの“ぶどう”も結局どうするのかなー?と思ってたら新谷(真弓)さんが演じられてて。しかも等身大着ぐるみで。(笑)つか可愛いもーん。ま、考えてみればうさぎに演技を強いるのは難しいかもしんまい。ましてやちっちゃいから舞台から観て客席の後ろの方の人とか全然見えないだろうしかなり無理があるかと…。それだからって等身大でやっちゃうとは思わなかったけどこれがまたかなりいい感じ。うさぎって寂しくて死んじゃうのーなきゅぅーてぃーさを醸し出しつつ。ホントにオカンの世話やなんやかやで全然構ってやれなくてひっそりと部屋の片隅で誰にも気付かれることなく冷たく硬くなって死んじゃってたぶどうのちっちゃい体なんかを見てたらぐっと来ちゃったしねー。人間が演じることの存在感なのかな?あたしもうさぎは飼ってたことあるけど鳴かないし(当たり前)可愛がっても懐くっていうモノじゃなかったので(ちょっと失敗して庭に放したりなんかした日にゃぁもう1日中ぴょんぴょん跳んで逃げ回って全然疲れる気配なく追い回すこっちの方が先に疲れ果ててもう知らんわーって気分になるんだな、これが)途中から飽きちゃって飼ってたことすら忘れてた感じ(爆)だったのでふいっと死んじゃった時もそーんなに悲しくなることはなかったけど(非情)ぶどうは可愛かったな。千葉(雅子)さんはブーブおばちゃんの役が一番印象に残ったんだけどあれってオカンの妹役とかそういう感じだったのよねぇ?(おぶおぶ)ドラマとか映画とかはそうだった気がするんですけれど。でもドラマとか映画とかの中で出て来るおばさんはオカンが全然怒らない分ボクに対して多少厳しいことも言いますよな感じの人でもう1人のお母さんみたいな人って感じだったりしたんだけど今回のおばさんはそこまで押しが強くないっつか全部自分の中で一段落着けちゃってるのね。(苦笑)「これ食べるね?いらんね?そうね。いらんね」ってえー?!いやいや。まだ全然答え出してないんですけどぉー?みたいなさ。(苦笑)ある意味うっとうしいのかもしれないけどこう「言われなくても分かってるわー」ってことを全然言わないおばさんとしては近すぎず遠すぎない親戚って感じで適度な距離感だったかと。元々蓬莱くんの脚本って家族の切り取り方が絶妙っつか家族のそれぞれが持ってる温度感ってのが上手いんだなーと思ってたので(「時には父のない子のように」(観劇日記No.105参照))今回のエピソードの切り取り方も割と好きな感じだったやも。質感が松尾ちゃんのと似てる気がするー。それってやっぱり舞台をやってる人同士ってのがあったりするのかなー?分かんないけど。ま、そりゃG2さんの思い入れの強いとこもあったりするわけでそこもなんとなーく戯曲を書いたことがある人って言う視点があるだろうから似てるのかなー?と。あたしは結局観てはないんだけど「おじいちゃんの夏休み」もG2さん演出だったし(脚本もでしたっけ?ウロですいません。ぺこり)そういうテイストに似てるのかなー?と思わないでもない。結構最後の方はぼろんちょで泣いてますた。(苦笑)最後カテコがどうにもこうにも三上やんの激近くで緊張したったらない。(は?)最後が編集さんのスーツ姿でしかも七三分けだったから萌えスタイルではなかったんですが(おい)笑顔が超素敵でよかったでつ。しかも新谷さんのぶどうのお隣で2人して何だか仲よさげに話してたりなんかして可愛いったらない。(え?)顔上げれんー。(心配しなくてもお前なんか見ちゃいねぇから)次これまたやっちゃった感のある(え?)M.O.P.も1列目だったりするので萌え死んだらどうしましょ?(は?)とりあえずちらしだけで萌え炸裂だったので期待大で。(おい)