112.「電車男」

主なキャスト:武田真治・鈴木一真・モロ師岡・佐伯新・脇知弘・千代将太・河原雅彦
原作:中野独人 脚本・演出:堤幸彦 共同演出:大根仁 脚本:三浦有為子 舞台監督:加藤高
公演記録:2005.8.29〜30@シアター・ドラマシティ(大阪)
あらすじ>>インターネットが普及して久しい。自分が誰なのか顔も本名も年齢も(時に性別すら)何も知られることのない者同士がコミュニケーションできるサイトが数多く存在する。その中の、巨大人気サイト・2ちゃんねる。ここには、政治、社会、文化…さまざまなテーマのスレッドが存在し、昼夜止まることなく、直接的な接触をしなくても済む気楽な会話が繰り広げられていた。独身のもてない男たち【毒男】が集うサイトもそのひとつ。ここをロムっていただけの青年【電車男】が、ある日、思い切って書き込みをした。電車の中で酔っぱらいに絡まれていた女性を助けた出来事をつぶさに書き込んだのだ。女性は、細身でとてもキレイなお姉さんタイプ。電車男は、すっかり彼女にひかれてしまった。でも、御礼をしたいからと住所を聞かれて動揺してしまう。彼は、秋葉系のオタクで、彼女いない歴=年齢。女性に対する免疫力がはげしく低い。この悶々とした思いを、サイトに書き込むしかなかった。数日後、女性から、ペアのティーカップが送られてきた。しかも、ブランドはエルメス!御礼の電話をするのか、手紙にするのか、これはチャンスだと、毒男たちは、電車男をはやし立てる。毒男たちの電車男への応援がはじまった。お姉さんの名前はカップにちなんで【エルメス】と呼ばれることになる。電車男は、逡巡した末に、エルメスを食事に誘うことに成功した。サイトの住人たちに、店、服、対応など、何かとアドバイスを求め、最初の出会いはなんとかクリア。以後、ロールプレイングゲームのレベルをどんどん上げていくように、電車男は男としてのスキルを身につけ、変わっていく。そして、徐々にエルメスとの距離は縮まっていった。エルメスは、電車男より年上で、家柄も年収も高そうだったが、彼女はそんなことを気にせず、電車男に優しく接してくれた。しかも、ちょっぴり天然なところがいい。エルメスにどんどん心ひかれていく電車男。はじめて手をつないだこと。連日の携帯メールのやりとり……。個人主義のはずだったサイトの住人たちも、いつのまにか一丸となって、電車男の動向を熱く見守っていた。問題は、いつ告白するかだ。電車男はもちろん、毒男たちの心も、大きく揺れる……。

電車男がどうこうよりもまず堤(幸彦)監督演出で(武田)真治主演ってのはもう外せないでしょ?!な組み合わせなわけで。でも最初発表になった時は東京公演だけかと思って激しく落ち込みかけたんですが。調べてみたら全国行脚(え?)公演らしく。大阪もあるー。(喜)真治の名前だけしか公表になってなかったので勝手に「1人芝居?!」とか思ってたんですが。後からまちゃ(河原雅彦ぴょん←おい)も出演ってことでもうこれは行くしかないでしょ?!な。もうお祭でしゅ。(え?)「流れ姉妹」(観劇日記No.104参照)公演日当日電話先行予約ってことで焦りに焦ったわけですが。なんとか15分以内に繋がりしかも引き換えに行ったら3列 13番って…なんていい席なんだーっ!(驚)もしかして…人気ない…とか。(爆)だってまだホントに「電車男」公演アリなだけの告知ちらしの段階だった時に普通に「武田…鉄也?」「んなわけないじゃんっ!」な会話をちらりと聞いたことありましたよ。(黙)ホントんなわけねぇじゃんっ!つか普通にこえぇよっ!いくらネットで年バレないからってそれやり過ぎでしょ?つかアキバ系の武田鉄也って嫌じゃんっ!(滅)そんな舞台観に行かないよ、誰もー。(爆)「真治っ!」って怒り突っ込みしたいぐらいだったけど我慢したよ、知らない人だし。(当たり前)でもまぁなんつーんでしょうか?ネットでこんなに話題になってる割には全然無知で。(苦笑)つか2ちゃんのスレってなんかあんまり覗きに行かないのよねぇ。(ため息)確かに情報は早いんだろうし不特定多数が出入りしてるだけあって賑わいはあるんだろうけどでもそれがちゃんと真実正しい情報かって言ったらそれはかなり疑問だし人数が多過ぎてなんかどの人にレスしてどの人のをスルーしたらいいのかあんまりよく分かんないっつか。(え?)もうほとんどチャット形式だったりするじゃないですか?よくもまぁあれだけたくさんの人がネットに上がってるよなーって話で。(感心)便利は便利なんだろうけどあんまり利用してないんですよねー。なのでホント普通にアナログなんですけどテレビなんかのマスコミで取り上げられるようになって初めて「へえー。こんなのあるんだ?」ぐらいに思ったっつか。なーんかちらっと小説版の方は見かけたことがあるんだけどやっぱりネットそのままログそのままでパソコン開けて流してる時には大して気にならないと思うんだけどあれが1冊の本になるってのはなんかちょっとやっぱり抵抗あるような。文章なんだけどそれを文章と思えないっつか認識出来ないんだよね。それは言葉の羅列でしか見えなくて。なので分かりやすーい映画ーとかドラマーとか先行で見たりなんかしてやっとなんとなく内容把握出来たって感じだったですかねい。でも基本的に電車男対エルメスが基本の物語なんじゃなくてやっぱりここは電車男対ネットの住人って言いますかそれがあってこその「電車男」なわけじゃないですか。その点この舞台版は一番シンプルで一番基本に沿った展開になってるんじゃないかなーと思われ。確かにこの話がホントにノンフィクションとして起きた話なのかどうかってのはこの際置いておいて。ものすごーくファンタジーじゃないですか?昔から手を替え品を替え語られて来た童話とほとんど変わりはないっつか。こう悪い魔女に魔法をかけられて醜い姿に変えられた王子様がある日お姫様と出会ってそのお姫様の愛を得ることで本当の姿を取り戻すーみたいな。それにこれはやっぱりお姫様側の物語じゃないじゃないですか?王子様がいかにして王子に戻って行くのかっていう過程の方の話であってエルメスたんは電車男が語る物語の中でしか存在してなくてそれが実際生きて存在してようが存在しなかろうがそんなことは関係ないような。(は?)電車男の脳内妄想だったとしてもそれはそれでいいような気がしたりとか。(え?)「セカチュー」だの「イマアイ」だのでは全然泣けない(おい)あたしだったけどなんか「電車男」は普通に泣けるのよねん。悔しいけど。(苦笑)なーんかみんな一度は思うんじゃないのかな?「いつか王子様がー」じゃないけどなんか劇的な出会いが訪れるんじゃなかろうか?的なさ。そのツボにどっぷりハマれるし。でもテレビのニュースもどんどん殺伐として行くし日常生活は完全に退屈で物語なんてもんと縁のないっつか程遠い毎日だったりで。だけどなんか「電車男」は「でも結構人って捨てたもんじゃないな」って思い直させてくれるっつか。顔を合わせてないから無責任なことが書けるんだとか実際会ってみたら幻滅するだろとかまぁいろいろあるのかもしれないけどそれでもなんだか放っておけない、目が離せない、24リアルタイムで進行中みたいなさ。(え?)実際問題あたしなんか「電車でお年寄りとか身体の不自由な方に席を譲りましょう」って言われたところでいざ前に立たれたら「あらあら、大変」なーんて席スマートに譲ったり出来ないですよ。(黙)何か「まだそんな年寄りとちゃうわーっ!」って怒られたり「次で降りますからいいです」とかって断られたりした日にゃぁそのまま乗り続けるのがとっても気まずくなるんじゃねぇの?(おぶおぶ)なんか考え出すともうダメね。それよりあたし、席譲られたことありますから。(恥)なんなんでしょう?体調悪そうに見えたんでしょうか?それともぽっこりお腹が妊婦に見えたとか?(実際よく言われるのですー。でもこれは妊婦じゃなくて胃下垂なんだよっ!失敬なっ!むう。特に食べてすぐなんかはてきめん妊娠初期って感じです。ちーん)だからたとえたどたどしくても迷惑被ってる人を100%下心あったとしても助けるなんてこと出来ないですもん。そぉーっと車両を移るか自分の降りる駅でもないのに止まったら速攻降りるか見て見ない振り満開ですってば。(おい)それがこないだ「トリビアの泉」でもやってましたけど「電車男みたいに男の人に絡まれてる女の子を助けるアキバ系男の確率」がその時は100人ちう69人って…なんと70%だったですよー。すげぇや。だってまだ多少普通に見えそうな(は?)男の子ならともかくコス(しかも男の人なのにセーラームーンだかぷりきゅあ系の制服コスだったりして。苦笑)な人でも「いやいや。ダメでしょ、こういうことって」なーんて止めに入ったりしてるんですよ?(驚)これが「電車男」の影響だけで終わらないでほしいものです、ハイ。って…舞台のこと語れっつのー。

で。舞台ですよ。(遅)3列目ってのもありそして真ん中に真治、そしてサイドに部屋セットなネット住人役者さんな設定もなんですけど。真ん中スクリーンに逐一ネット状況進行が映し出されてマジどこ見ていいのか分かんないよっ!な。(苦笑)しかもまちゃど真ん前。目線の高さ(ステージ上まちゃ)の先にあたしがいるの〜♪(歌うな)つか絶対何回か目合ってるよ。(勘違い)しかも進行役まちゃだし。こ、これは真治よりまちゃなのでは?!つかまちゃだよっ!食っちゃってるよっ!(爆)イケメンだよー。出来る男だよー。しかも嫌味だけどなんかとっても優しいよーん。そして生着替え。(え?)白い白い背中が白いー。(おい)あー、衛生兵ここにもくださーい。(え?)救護班もいち早くー。(だから)心停止寸前でつ。(黙)「頑張れって言葉が一番大嫌い」って最初にがつんっ!とやらかしてくれるまちゃなわけですが。確かにそれはある。日本人は往々にして頑張り過ぎるきらいがあるからね。頑張って頑張ってこんなに頑張ってるのにまだ「頑張れ!」って言われて何をどう頑張ったらいいのか分かんねぇよっ!って発狂寸前なーんてのは実際よくある話で。病人にでも「頑張ってっ!」ってのは禁句らしいですし。それでも「頑張ってっ!」が心にこんなに響いてくるってのはどうしたわけでしょうねい?告白する段階になって電車が怖気づいて「結局お前らは優越感に浸って俺の馬鹿さ加減を笑ってただけだろ?!」みたいな爆弾発言の後ホントだったら「謝れよ!」とか「前言撤回しろよっ!」とか「あぁ…もうこんなやつに付き合ってられない」つってぶち切れて落ちるってのもあったかもしれないけどそれでも「お前の頑張りはお前本来のものなんだ」ってことに気づかせてくれた、「変わるのは怖いけど変わらないのはもっと怖い」って諭してくれた、これはもうネットだけの繋がりじゃない、本当に本当に心底心配して一緒になって一喜一憂して自分がそれをやったからってエルメスたんと付き合えるわけでもなんでもないのに必死になって考えてアドバイスして時間割いてなんて有り難い(ありがとうって言葉はあるのが難しいってのが語源なわけだし)んだろうってじーんって来ちゃったよ。映画も時間の都合上ネット住人の登場人数は限られてたし舞台もたったの6人なわけだしホントはもっともっと無数にいてただもうちらっと1回だけ通りすがりで吐き捨てるように毒吐いて去って行った人も実際いただろうし最初から電車男応援に傾いてたわけじゃなかっただろうとは思うんですよね。ドラマ版は回数が多くなった分ネット住人の数もそれこそ多いしなんかその多さがちょっとリアルだったりするじゃないですか?しかもそのいちいち発言される言葉にうるるっと来ちゃったりするんですよねー。(苦笑)電車男の動向よりも電車男を応援してた人たちの無数にある物語の方がなんでもありなネットの中でなんかあってもおかしくないんだけどでもこういうのって稀でだからこそ貴重で電車男がちょっと羨ましかったりとか。(笑)にしても真治のアキバ系はちょっと…綾小路きみまろ風味な。(爆)パニックに陥ってわたわたになってぐちゃまらになった時の顔と頭(おい)の真治を見てのまちゃの一言。「なんか…頭おかしくなってない?」(にやり)まちゃはいつどんな舞台でどんな役をやってもやっぱりまちゃで役に沿ってるって言われれば実際「そうだなー」と思うんだけどでもその役以上に基本まちゃな感じがどうしてもするんですよね。(意味分かんない)役に成り切るとかじゃなくて基本自分が崩れてないっつか。それは誰しもそうなのかもしれないけどまちゃがあってそのずーっと先の延長線上に役があるって感じなんですよね。いくつもある表情とか性格とかその一部分としての役っつか。(ますます)まちゃはまちゃでしかない。あたしにとってはいつもそんな風に見えるんですよね。それがトラブル?があったらてきめんにそう思うわけですよ。揚げ足取るとかそういうことじゃなくて「あー。もうこのチャンスをどうやって生かそう?(わくわく)」みたいな感じなんですよねー。このままいじらないで放置するなんて出来ないーみたいな。(は?)だからって全部が全部アドリブに見えるってわけでもないし。でもまちゃが発する言葉はまちゃのものでしかなくて役を通してこうなんだって風に思ったことはないような気がする。(え?)それに。「電話しろ」「手紙にしろ」の論争?が巻き起こる時に電車がパニックになって机の上をわぁーっ!って振り払った時にこの日は偶然ティーカップが入ってる箱にぶち当たっちゃって。それであろうことか箱ごと落ちて「ぱりーんっ!」なんて静かなとっても聴いちゃいけない音が舞台の上でしたんですよ。(苦笑)えー?!い、今それ、割れたのぉー?!みたいな。一瞬ネット住人たちもフリーズしたかのやうに見えましたがまちゃだけは「だぁーいじょぉーぶぅ〜?」なんつってちょっと楽しげに見えたりなんかして。それを合図にしたかのやうに「そうだ。俺たちは何もお前のことを助けてはやれないけど何とかしろ!」だの発言し出してそれはそれでリアル電車男って感じでした。(おい)真治もすぐ立ち直ってたしね。お茶目に「はいっ!」ってソーサーの割れた部分手で隠してなかったことにしてたし。(え?)なんかこの生物な感じを一番体現してるのがまちゃって感じがするんですよねー。って…どれだけ語っても分かんないですよね。(苦笑)にしてもカーテンコールでみんなが客席降りてお客さんとハイタッチしてるのにまちゃ1人だけ「俺はいい、いい」みたいな感じでステージに残ってみんなが帰って来るの待ってる姿なんかいつも通りな。(苦笑)なんかカーテンコールってのがこっぱずかしくて仕方がないっつかもう舞台終わったんだったらさっさと捌けて帰ろうぜ的な。でも普段普通に会ったりするととんでもなく低姿勢でとんでもなく優しくてちゃんと目見て「ありがとうございますー(にっこし)」なんて笑ってくれたりしていい人っぷりを前面に押し出してるまちゃだったりするわけですが。(笑)でもこう斜め見ーな感じで「俺はこの集団には加わらないよ?絶対」なーんて感じだったのに「エルメス」が分かんないイケてない(苦笑)人たちの悩んでる様を見て思わず「…エルメスだよっ!」って突っ込んじゃうのはすっごい分かる気がするー。(笑)ネットに書き込む瞬間ってそんな些細なことがきっかけになったりするんですよね。まともに「はじめましてー」から始めるのもアリだけど思わず手が勝手にーみたいなさ。そこから先はどっぷり浸かり込んじゃったりするんだよねー。(遠い目)あたしももうネット上がってなかった頃のことなんか思い出せないけどさ。(苦笑)だけどあたしも「レポ期待してるよ」とか「レビュー見て映画(お芝居)観てみようと思った」とかさりげない他の人から見たら大したことないかもしれないけどあたし的にはものすごーく喜んでます。(笑)もう小躍りどころかリンボーダンス踊りだしそうな勢いです。(は?)誉められて伸びるタイプなので。(おい)そうなんですー。この子、やれば出来る子なんですー。(違)これからもよりちくですーん。(ぺこり)って…ここでアピるなよっ!