72.「はたらくおとこ」

主なキャスト:池田成志・中村まこと・松村武・中山祐一朗・伊達暁・長塚圭史
作・演出:長塚圭史 舞台監督:福澤諭志
公演記録:2004.5.3〜4@大阪厚生年金会館芸術ホール(大阪)
あらすじ>>北の小さな村に建つ小さな工場。とっくに潰れているにもかかわらず未だ出入りする工員たちがいた。理想を求め脱サラして挑んだりんご栽培に失敗し、さらにりんごを包むスチロール、いわゆるりんごパッキン(工員通称)の工場にも失敗した工員たち。しかし未だ諦め切れず、何をしていいかもわからず、彼らはずうっっっとそこにいた。そんな中、一人の消えた工員がとってきた小仕事。トラックの積荷をどこかに捨てるだけで大金が手に入るのだという仕事だった。しかし、積荷には思いも寄らない代物が積まれていて…。

えーっとぉー。あたし血まみれのグロとかは平気なんですけれど。(え?)げぼはダメなんです、げぼは。(黙)朝から歯磨きしただけで二日酔いでもないのに空えづきするぐらいだし(おい)下手したらさっき食べた物がぴゅーっと戻って来ちゃったりとか。(おやめなさい)あ、胃まで行ってないので水分取り過ぎだろうよってだけなのかもしれませんが。(苦笑)で目の前で人が吐いたりなんかした日にゃぁもう絶対移るんですよねー。(おい)あのぉーバスとかに酔った子の隣に座ってただけで酔っちゃったみたいな?(苦笑)これでも病院勤務(って言っても看護師さんとかじゃ全然なくて。ただの事務員なだけなんですけれど)なんですが。感染性胃腸炎の時期なんか勘弁してくださいー(哀願)って感じで。(黙)今回吐き気までもよおすってことはさすがになかったですが。(理性でなんとか押し留めた。苦笑)頭でどうにかこうにか「これは演技なんだから」って言い聞かせても無理。あぁー酔っちゃうー。(え?)それ以外だったら頭がぱっくり割れてようが(は?)腹に包丁がぶっ刺さってようが大丈夫なんですが。(それもどうか?)サリンよりやばいものより何より中山(祐一朗)さんの状態がやば過ぎです。(どよん)ぐえ。口から吹いちゃってるよ、なんか分かんないけどー。(泣)でもホントに最初はちょっとは笑いも出てすこーしは明るい空間だったのが視覚的にも嗅覚的にも(臭わないはずなのに)どんどん突き刺さってくるっていうか。目も鼻もぴりぴりするー、みたいな?臭い嗅いだだけで体中腐ってきちゃうような代物なのにそれを食べて処理しようとするあたりがもう痛い。救いようのない世の中で唯一の救済策かもしれないけど痛い。ごえごえ言いながらそれでもなお飲み下そうとするおじさま方2人を観てるともうぎゅぅーっ!とくる。自己犠牲と自己満足は表裏一体の物でしかないのかもしれないけどこの光景は心底美しい、と。今まで劇薬に近い農薬も使って来たし決して誉められることばかりの人生でなかったけどこの瞬間だけは光り輝いてる、と。ものすんごいやばいものでしかありえないはずなのにその中で輝くりんごがなんてグロテスクでそれでもそっと手を伸ばしてかりっ!と歯を立ててみたい衝動に駆られるっていうか。それは間違いなく美味しいはずだ。渋い、この世の中でありえないぐらいに渋いりんごかもしれないけどそれでも食べてみたい。そもそものりんごはとても食べられたもんじゃないぐらい渋いものらしいし。(そんなこと言ったら興ざめだ)だってワシントンのりんごは食べられないってトリビアでも言ってたし。(念押しするな)そうなんだ。アダムとイヴだってりんごを食べてしまったがゆえに地上に堕ちて行くしかなかったんだから。そして女は目が見えないという。だからそれが理由で男に捨てられてしまうかもしれないからとどんな男とでも寝ると言う。でもその彼氏も「絶対それは間違ってる」と言えるだけの倫理観も持ち合わせていなければ別れるのが辛いから、振られてもこんな男だから仕方がないよなと思い込むために風俗に通って浮気する。みんなみんなどうしようもないのだ。生きて行くことは恥の積み重ねだと誰かが言ってた気がする。太宰治だったかしらん?みんな1人で生きてかなきゃいけないんだけど1人で生きて行くなんて所詮無理なことなのだ。この世に生まれ落ちた瞬間から「庇護してくれ」と泣き喚くしかないのだから。大人だからみんな泣いたりしないだけでね。(苦笑)根本的にはそうなんだと思う。少なくともあたしは。(笑)自分1人の足で立ってきっぱり生きて行くなんて出来ないし。(おい)そうでなくちゃいけないんだろなーとかはちょっと焦って思ったりしないでもないけどね。まぁこのダメダメっぷり満開のはたらきたいけどはたらけないおとこたち観てると「ま、いいかなー?」とか思っちゃったりして。(ダメじゃんっ!)なーんか今回でも(長塚)圭史くんが出て来ても「やっぱり自分で書いて演出して出ていいとこ全部持ってっちゃってるよねー」な感じではなかったかと。ま、観てる回数少ないから偉そうなこと言えないですが「十字架」(観劇日記No.24参照)とか「みつばち」(観劇日記No.50参照)なんかもうちょろっとしか出てないのになんだかもうめちゃくちゃかっちょいいじゃーんっ!な役だったりしてさー。特に木海なんかもうあたし的には絶対惚れてるもんよ。(え?)えってぃだけど。(爆)死にそうになってるのにでも体張って助けに来てくれる王子様的体質(体質って?)な人に弱いのよねぇ。(苦笑)なのに今回。出て来たと思ったら頭殴られて崩壊だもん。「ま、農薬飲んだら死ぬよ。あったりまえじゃん?」な普通ーに突き放してるし。今までは出てるからにはこの場を締めなきゃみたいな気負い?みたいなもんがあったのかもしれないけど今回は通りすがりに出てみましたなテイストっていうか。その方がいいのかもねー。つかあたしが圭史くん好きなもんだからわくわくし過ぎってのもあるよな。(苦笑)とほー。

で。今回席はI列 40番。(ちなみに1階)でもなーんか雨も風もびうびうすごかったしGWの中日の割には満席じゃなかったし。(黙)もったいねぇー。(叫)にしても池鉄さん(池田鉄洋氏)今回変な人じゃないよ。(え?)いつも「うあー。お近づきにはなりたくねぇなー。でも観たいけど。(は?)」な人な感じだったけど今回はいてもおかしくない人?(でも目幅で血の涙流してるあたりで普通ではないんだけどさ。苦笑。それに「咳は止まったからいいよ」とかってそれ農薬飲んだメリットじゃないから)お兄ちゃん役の松村(武)さんは存在感の塊って感じでしょうか?すごいねー。あたしの家は農家ではないですが自分たちが食べる分ぐらいは無農薬でーなパパンのおかげで家庭菜園よりはもちょっと豪華な畑があったりします。賃貸だけど。(あ。土地借りてるって意味ね。笑)でも偏食大魔王で野菜嫌いなあたしとしては食べるものと言えば苺とかじゃがいもとかトマトとかほぉーんのぽっちりなんだけど。(苦笑)しかもお外で食べるサラダの方が美味しいし。(爆)不健康な味が好きなのです。(おい)お家だともうドレッシングとかも「体に悪い」とかの理由で買ったものはなかったりするんですけど。あたし、味の素な味がいいのー。(あぁ)ま、こんなことしてたら長生きとは縁ないでしょうけどね。(黙)つかいつかどろどろに腐って中山さんみたくなったらどうしよう?(おぶおぶ)いやー、それは嫌ー。(滅)つかなんか中山さんっていつもどろぬちゃ系だよねぇ?(おぶおぶ)かぶとむしだったり顔中火傷してたり。(黙)なんかでもそのもじもじっぷりが観れて好きだー。(え?)富岡(晃一郎)さんは最初「…誰?」キャラだったし。(苦笑)肉襦袢差し引いても太った…よねぇ?顔とか丸いもん。デブ男だもん。(おい)あたしだったら絶対その選択肢はないね。(爆)って…(港)カヲルだったらいいとか言うくせに。(ここで比べ合いに出す地点でカヲルも貶めてないか?)で池田さんと中村(まこと)さんコンビっすよー。なんかもうすごい超えて凄まじいね。壮絶。そして悶絶。(韻踏むな)なんかその交通事故の被害者家族と加害者ってのは火サスばりの設定だけどさー。でも結局最後その夏目(池田成志さんの役どころ)の言葉は茅ヶ崎(中村まことさんの役どころ)に届くことはなかったんだなー、と。観終わってすぐは夢オチ?だったかのやうな最後のシーンがあってどうにかこうにか救われたなとか思ってたんだけど。よく考えたら全然救われてないよね。トラックにぶつかってつかの間見た悪夢の中ではちゃんと茅ヶ崎に「俺が渋いりんご作らす元凶だった」って言えたのに。なのにもう死んでしまった(そうなんだよね?)茅ヶ崎には一生「赦される」ことはないんだなーって。一番聞きたかった、自分が聞きたかった「赦すっ!」って言葉が聞けなかった。お兄ちゃんも運転手も世界中のみんなが赦されても自分だけは取り残されたままだ。死んだ方はラクになるかもだけど残された方は今まで背負ってきた罪に加えて言えなかった罪も背負い込むことになるし。これは物凄いしんどい。しんどいだけじゃ済まされない。「お前なんか絶対赦さないっ!」でもなんでもよかったから茅ヶ崎の口から聞きたかっただろう。これからはもうその悪夢から抜け出す方法は絶対ない。ずーっと暗闇のままだ。「あぁよかった。夢だったんだー」なんてほっとする瞬間が訪れることはない。これは滅入るよ。それだったら悪夢の中での状況の方がずっとましだ。だって分かり合えたんだから。同じ死ぬのでもそっちの方がいい。なんかそう思ったらちょっとの間でも「これでよかった」って思えた自分が恥ずかしかったなー。(苦笑)ま、これはあたしの解釈なんでもっと違う考え方の人もきっといっぱいいるんでしょうけど。で。次回「真昼のビッチ」ー。思いっきり「ガマ王子VSザリガニ魔人」と日程かぶってるんですけどー。(黙)でも絶対行く。(ってまだチケット取れてないくせに)あー忙しい忙しい。最近めっきり時間足りません。(黙)誰かあたしに余ってる時間ください。(無理)