嵯峨御流の紹介
嵯峨御流いけばな はクラシックなものからモダンなものまで、軽快
なものから荘重なものまでと、あらゆる様式を備えています。これを
大別すると(1)生花(2)盛花・瓶花(3)荘厳華(4)心粧華にわかれます。
(1)生花
格花、流儀花とも呼ばれ儀式的な家庭の花として、床の間に
飾られてきた花です。 最も基本的なもので冠婚葬祭には欠かせ
ない様式です。 天、地、人の三つの枝を当てはめた花態は、
地味ですが、きわめて単純で格調の高い美しさを持っています。
(2)盛花・瓶花
様式のねらいは、嵯峨の美しい風景を規範として、伝統の香り
高い美を作り出そうとした物です。これは床の間に限らず、洋間
にも、棚や食卓にも、簡素な床の上にも自由に飾る事が出来ます。
盛花 ; 水盤など比較的平たい花器に盛り上げる様にいけるもの。
瓶花 ; 長い花瓶に少ない花材で、すっきりと単純な姿で、風流に
いけるものです。
(3)荘厳花
供華の精神を基として作り出された様式で、色彩的にも構成的
にも重厚多彩なもので神事、仏事、婚礼、宴席などの荘重な場を
飾るのにふさわしい様式です。
(4)心粧華
上記各様式花の理念を基とし、それぞれの植物が持つ、固有の
生態や形状、色彩などの本質的な美しさを充分に見つめ、それら
を尊重しながら、新鮮な感性で、未来感覚あふれる花としていける
様式です。