多発性骨髄腫 Multiple Myeloma(MM)
研究ノート


■3. MMの疫学(Epidemiology)

● MMの発症率(罹患率)

日本の罹患率は、人口10万人あたり約2人と推定され、全悪性腫瘍の約1%、全造血器腫瘍の約10%を占める。(がんの統計'01)

悪性新生物罹患数、罹患率および年齢階級別罹患率(平成8年 <平成7年〜9年値>)

http://www.ncc.go.jp/jp/statistics/2001/tables/t07_j.html

年齢階層 合計
23〜29歳 0 0.2 0.2
30〜39歳 0.4 0.2 0.6
40〜49歳 1.3 0.6 1.9
50〜59歳 3.6 3.2 6.8
60〜69歳 13.5 9.8 23.3
70〜79歳 29.5 19.2 48.7
80〜89歳 46.5 31.0 77.5
罹患者 1,470 1,419 3
租罹患率 2.4 2.2 4.8
年齢調整罹患率 2.0 1.4 3.4

● 死亡率

1970年の死亡率は人口10万人あたり0.5人であったが、2002年では2.76に増加し、実死亡者数は3,477名である。

1999年統計では、造血器腫瘍別死亡率の内訳は、骨髄腫18%、白血病38%、悪性リンパ腫44%であった。

年齢別に比較すると65歳以下の死亡率は横ばいであるが75歳以上の死亡率が激増している。

悪性新生物死亡数・死亡割合、部位別(平成11年)

http://www.ncc.go.jp/jp/statistics/2001/tables/t03_j.html

死因 合計
悪性新生物 175,817 114,739 290,556
多発性骨髄腫 1,594 1,614 3,208
割合 0.91% 1.41% 1.1%

 

● 発症年齢

日本骨髄腫研究会の資料では発症年齢中央値は男性65歳、女性67歳である。

年齢階層 合計 割合
23〜29歳 1 0 1 0.1%
30〜39歳 9 2 11 1.0%
40〜49歳 53 28 81 7.2%
50〜59歳 129 108 237 21.0%
60〜69歳 235 182 417 37.0%
70〜79歳 142 163 305 27.1%
80〜89歳 29 42 71 6.3%
90〜99歳 2 1 3 0.3%
総計 600(53.3%) 526(46.7%) 1126  
中央値 65歳 67歳 66歳  

病因子

 多発性骨髄腫の病因論に関しては、種々の報告がある。人種差による発症頻度の違い、家族内発症例、特定のマウス系統に形質細胞腫ができ易いことなどによる遺伝説、原爆被曝者や放射線技師に高率に見られる例から放射能説、特定地域に多発した例からウイルス感染説、骨髄炎や胆嚢炎などの炎症性疾患や自己免疫疾患に続発して起こる例から慢性刺激説などがあるが、現在のところいずれも骨髄腫の病因としては確定されていない。加齢-M蛋白出現-骨髄腫発症の因果関係が想定されている。


疫学(Epidemiology)、病因子(Etiologic factors)