多発性骨髄腫 Multiple Myeloma(MM)
研究ノート


■6. MMの診断基準と類似疾患

● 診断基準

● MM分類

● 類似疾患


● 診断基準

診断基準には、NCI慢性白血病-骨髄腫タスク・フォース基準(Committee of Chronic Leukemia-Myeloma Task Force)[21], SWOG[22], 今村[23]などの基準があるが、SWOGの基準がよく使用されている。最近国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)が新しい診断基準を提案している[6]。

●SWOGの診断基準

多発性骨髄腫の診断基準
1. major criteria
  T.組織生検にて形質細胞を認める
  U.骨髄中の形質細胞の割合が>30%である
  V.血清の電気泳動でモノクローナルのグロブリンspikeが、IgGでは>3.5g/dl、IgAでは>2.0g/dlのピークを示すか、
     24時間 尿に排泄されるκあるいはλ light chainが電気泳動で≧1.0g認められる(アミロイドーシスを合併しない場合)
2. minor criteria
  a.骨髄中の形質細胞が10〜30%
  b.モノクローナルのグロブリンspikeを認めるが、上記III.以下
  c.骨融解像が認められる(2個以上)
  d.正常免疫グロブリンが、IgGでは<600mg/dl、IgAでは<100mg/dl、
    IgMでは<50mg/dlに減少
 診断
  多発性骨髄腫の診断は、major criteriaとminor criteriaの組み合わせで
  診断する。明らかな進行性の病変とともに臨床症状を有する患者において
  、下記のa)〜d)のいずれかの場合に多発性骨髄腫と診断する。
   a) T+b、T+c、T+d
   b) U+b、U+c、U+d
   c) V+a、V+c、V+d
   d) a+b+c、a+b+d
無痛性型、くすぶり型の診断基準
 ・無痛性型(indolent myeloma)
  上記の骨髄腫の診断を満たす症例のうち、以下のすべての条件にあてはまるものをいう。
   A.骨病変がないか、あっても3個以下で圧迫骨折を認めない
   B.M蛋白がIgGでは<7.0g/dl、IgAでは<5.0g/dl
   C.無症状あるいは合併症がない
     a) PS>70%
     b) Hb>10g/dl
     c) 血清Ca値正常
     d) 血清クレアチニン<2.0mg/dl
     e) 感染症がない
 ・くすぶり型(smoldering myeloma)
  無痛性型のうち下記の条件にあてはまるもの
   A.明らかな骨病変がない
   B.骨髄中の形質細胞が≦30%
 ・活動型(active myeloma)
  上記骨髄腫の診断を満たす多発性骨髄腫のうち、無痛性型/くすぶり型を
  除いたものを活動型とする。
MGUSの診断基準
 A.モノクローナルのグロブリン血症を認める
 B.M蛋白が、IgGでは≦3.5g/dl、IgAでは≦2.0g/dl、BJPでは≦1.0g/24hr
 C.骨髄中の形質細胞<10%
 D.骨病変が認められない
 E.無症状

[21] Proposed guidelines for protocol studies. II. Plasma cell myeloma. Prepared by a Committee of the Chronic Leukemia--Myeloma Task Force, National Cancer Institute. Cancer Chemother Rep 3. 1968 Dec;1(1):17-39. [PubMed]

[22] Durie BG. Staging and kinetics of multiple myeloma. Semin Oncol. 1986 Sep;13(3):300-9. Review. No abstract available. [PubMed]

[23] 今村幸雄: 形質細胞腫. 日本臨床 48: 1104-1109, 1990.

●国際骨髄腫作業グループ(IMWG)による分類基準

分類 診断基準
多発性骨髄腫
Multiple myeloma
(Symptomatic)
次の1〜3すべてに該当すること。

1. 骨髄中に単クローン性形質細胞が10%以上あるか、生検による形質細胞腫の確認。

2. 血清中又は尿中に単クローン性蛋白を検出。

3. 臓器障害が存在。

MGUS
(Monoclonal Gammopathy of Undetermined Significance)
次の1〜4すべてに該当すること。

1. 血清または尿中に単クローン性蛋白があったとしても数値が低い[a]

2. 骨髄の単クローン性形質細胞の比率が10%未満。

3. 他のB細胞増殖性疾患が否定されること。

4. 臓器障害が無い。

[a] 「低い」の定義:血清IgG<3.0 g/dL;血清IgA<2.0 g/dL;尿中の単クローン性L鎖(κ型またはλ型)<1.0 g/24時間。

無症候性骨髄腫
(くすぶり型多発性骨髄腫)
Asymptomatic myeloma(Smoldering multiple myeloma)
次の1〜3すべてに該当すること。

1. 単クローン性蛋白質が血清中および/または尿中に存在。

2. 骨髄の単クローン性形質細胞の比率が10%以上。

3. 臓器障害が無い。

非分泌型骨髄腫
Nonsecretory Myeloma
次の1〜3すべてに該当すること。

1. 血清中および尿中に単クローン性蛋白質を(免疫固定法により)検出しない。

2. 骨髄の単クローン性形質細胞の比率が10%以上または形質細胞腫の存在。

3. 臓器障害が存在。

骨の孤立性形質細胞腫瘍
Solitary Plasmacytoma of Bone
次の1〜3すべてに該当すること。

1. 一か所だけの単クローン性形質細胞腫が生検で確認される。X線検査とMRIおよび/またはFDG PET画像診断法(実施したのであれば)では、原発部位以外が陰性でなければならない。原発病変に伴い血清や尿中にM成分がみられたとしても、数値が低い[a]

2. 骨髄中単クローン性形質細胞濃度が10%未満。

3. 形質細胞腫以外に骨髄腫関連臓器機能不全がない。

[a] 「低い」の定義:血清IgG<3.5 g/dL;血清IgA<2.0 g/dL;尿中の単クローン性L鎖(κ型またはλ型)<1.0 g/24時間。

髄外性形質細胞腫
Extramedullary Plasmacytoma
次の1〜3すべてに該当すること。

1. 血清中および尿中に単クローン性蛋白を検出しない(少量検出される場合がある)。

2. 単クローン性形質細胞による髄外腫瘤。

3. 骨髄正常。

4. 正常な全身骨所見。

5. 臓器障害が無い。

形質細胞白血病
Plasma Cell Leukemia
次の1〜2すべてに該当すること。

1. 末梢血中に2,000/mm3を越える形質細胞を検出。

2. 白血球分画中の形質細胞比率が20%以上。

*臓器障害
Related organ or tissue impairment (end organ damage)
[C] 高カルシウム血症(血清カルシウム値>11mg/dLまたは基準値より1mg/dLを越える上昇)

[R] 腎不全(血清クレアチニン値>2 mg/dL)

[A] 貧血(ヘモグロビン10g/dL未満または基準値より2g//dL以上低下)

[B] 骨病変(溶解性骨病変または圧迫骨折を伴なう骨粗鬆症(MRI,CT)

その他、過粘稠度症候群、アミロイドーシス、年2回を越える細菌感染

[6] Kyle RA, et al. Criteria for the classification of monoclonal gammopathies,multiple myeloma,and related disorders:a report of the International Myeloma Working Group.Br J Haematol 2003;121: 749-757.[PubMed]

 

●日本の診断基準(日本骨髄腫研究会)

次の項目の2つあるいはそれ以上を満たすもの。
  1. 骨髄穿刺液または骨髄生検で形質細胞(骨髄腫細胞)が有核細胞の10%あるいはそれ以上認められ、反応性形質細胞増加を惹起しうる疾患が併存しないもの。
  2. 組織生検(髄外腫瘍、骨髄)で形質細胞の腫瘍性増殖増が認められるもの。
  3. 末梢血に500/mm3以上の形質細胞が認められるもの。
  4. 血清中に多量のM蛋白が認められるもの。
  • IgG型 M成分 >2.0g/dl
  • IgA型 M成分 >1.0g/dl
  • IgD型 M成分 >0.2g/dl
  • IgE型 M成分 >0.2g/dl
  1. 尿中に多量の(2.0g/日)のBence Jones(ベンスジョーンス)蛋白が認められるもの。
  2. 他に原因となる疾患がなく、血清正常免疫グロブリンがすべて明らかに減少しているもの。
  3. 原因不明で、骨再生像を伴わない骨粗鬆症、骨融解像あるいは病的骨折が認められるもの。

MMの分類

●M蛋白の種類による分類

Mクラス分類 1992年調査* 一般的比率 備考
IgG型 61.3% 50〜60%  
IgA型 22.4% 15〜20%  
IgD型 3.9% 2〜5%  
IgE型 0.1% <1%  
BJP型 11.6% 15〜20%  
非分泌型 0.7% 1〜3%  
複M成分型   <1%  

*日本骨髄腫研究会調査(1992年,1102症例)

●MM細胞形態による分類

細胞形態分類 患者数(名) 平均生存(月) 備考
Marschalko type 363 50  
small cell type 69 49  
cleaved type 50 21  
polymorphous type 54 27  
asynchronous type 61 21  
blastic type 20 9  

Bartl R,et al. Histologic classification and staging of multiple myeloma. A retrospective and prospective study of 674 cases.
Am J Clin Pathol. 1987 Mar;87(3):342-55.
[PubMed]

Bartl R,et al. Bone marrow histology in myeloma: its importance in diagnosis, prognosis, classification and staging.
Br J Haematol. 1982 Jul;51(3):361-75.
[PubMed]

細胞形態分類 患者数(名) 50%生存(月) 備考
mature 28 35  
intermediate 38 35  
immature 19 35  
plasmablastic 15 10  

Murakami H, et al. Prognostic relevance of morphological classification in multiple myeloma.
Acta Haematol. 1992;87(3):113-7.
[PubMed]
122例をGreipp基準で4分類、immature型とplasmablastic型が予後不良と報告。

形態分類 (Greipp's criteria)

Greipp PR, et al. Multiple myeloma: significance of plasmablastic subtype in morphological classification.
Blood. 1985 Feb;65(2):305-10.
[PubMed]

A. Criteria for myeloma cell typing
Mature myeloma cells
  • Dens chromatin clumping
  • Nucleru < 8μm
  • Nucleolus <1μm
  • Cytoplasm well developed
  • Nucleus eccentrically placed with a prominent hof
Intermediate myeloma cells
  • Not fulfiling criteria for other types
Immature myeloma cells
  • Diffuse chromatin pattern
  • Nucleus >10μm or nucleolus >2μm
  • Abundant cytoplasm
  • Nucleus eccentrically placed with an hof
Plasmablastic myeloma cells
  • Same as immature, but cytoplasm less abundant
  • Nucleus concentrically placed with little or no hof

*A.の基準に従い、骨髄腫細胞200個数え、それぞれのTypeの骨髄腫細胞の比率を求め、次にB.の基準に従い骨髄腫を4型に分類する。

B. Criteria for Myeloma Classification
Mature myeloma
  • >10% mature myeloma cells
  • <2% plasmablastic myeloma cells
  • <13% immature myeloma cells
Intermediate myeloma
  • Not fulfiling criteria for other types
Immature myeloma
  • >12% immatre myeloma cells
  • <2% plasmablastic myeloma cells
  • <10% mature myeloma cells
Plasmablastic myeloma
  • ≧2% plasmablastic myeloma cells

 

●細胞膜抗原による分類(MOMP/POMP分類)

 POMP(多クローン性) 骨髄中の形質細胞はすべてCD19+,CD56-(polyclonal)である。
 MOMP(単クローン性)  MOMP-1 CD19+,CD56-(polyclonal)形質細胞は、0.5%以上、
CD19-,CD56+(monoclonal)形質細胞は、10% 以下である。
   MOMP-1a MPC-1-,CD49e-未熟形質細胞<10%(形質細胞中の)
   MOMP-1b MPC-1-,CD49e-未熟形質細胞≧10%
 MOMP-2 CD19+,CD56-(polyclonal)形質細胞は、0.5%以下である。
CD19-,CD56+(monoclonal)形質細胞は、10% 以上で、
  MPC-1-,CD49e-未熟形質細胞<20% である。
 MOMP-3 CD19-,CD56+(monoclonal)形質細胞は、10% 以上で、
  20%≦ MPC-1-,CD49e-未熟形質細胞≦80% である。
 MOMP-4 CD19-,CD56+(monoclonal)形質細胞は、10% 以上で、
    MPC-1-,CD49e-未熟形質細胞>80%である。

POMP(polyclonal marrow plasmacytosis)、MOMP(monoclonal marrow plasmacytosis)
MOMP/POMP分類を診断時に限らず経過中にも適用して骨髄中の骨髄腫細胞亜群の動態を把握。

Kawano MM, et al. A new phenotypic classification of bone marrow plasmacytosis.
Int J Hematol. 1995 Jun;61(4):179-88.
[PubMed]


類似疾患

● MGUSとSMM

Kyleらによると[24]、1960年から35年間にMGUSと診断された1,384症例のうち、115例(8.3%)が多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病、原発性マクログロブリン血症、原発性アミロイドーシスに進行したと報告している。MGUSからの進行リスクは年1%で、累積リスクは10年で12%、20年で25%、25年で30%であった。危険因子には、M蛋白量大、非IgG、骨髄形質細胞比率大、M蛋白以外のIg低下があった[25]。

[24] Kyle RA, et al. A long-term study of prognosis in monoclonal gammopathy of undetermined significance. N Engl J Med. 2002 Feb 21;346(8):564-9. [PubMed]

SMMは臓器障害が無いだけで、本来は骨髄腫と考えるべき状態であるが、治療の適応とはならない。中央値2年で骨髄腫に進展する。進行危険因子には、M蛋白量大、IgA型、骨髄形質細胞比率大、Bence Jones 蛋白尿、MRI所見などがある[25]。

● 原発性マクログロブリン血症(Macroglobulinemia)

A.概念

Waldenstromにより初めて報告されたlymphoproliferative disorder。IgM産生腫瘍(形質細胞様細胞、形質細胞)が骨髄やリンパ節に浸潤する。骨髄腫の約1/10の発生頻度。50?70歳に多い。

B.症状および検査所見

全身倦怠感、出血症状、リンパ節腫大、肝脾腫が多い。神経精神症状も見られる。hyperviscosity synd.の頻度は骨髄腫よりも高い。

血清IgMのmonoclonalな増加を認める。κ型がλ型の2?5倍多い。cryoglobulinやpyroglobulinの性状を有するM蛋白もある。

骨髄腫と違い、通常骨破壊は認められず、腎障害もほとんどない。

C.診断と治療

a.診断

末梢血または骨髄にIgM 産生細胞が認められ、IgMが1 g/dl以上あれば、本症と診断して良い。

b.治療

単剤療法が良いか多剤併用療法が良いかは、症例数の多い比較試験がないため不明。

多くはアルキル化剤(cyclophosphamide, melphalan, chlorambucil)の少量連日投与が用いられている。

D.予後

平均3-5年とされる。

● Heavy chain disease

A.概念

血清および尿中に、免疫グロブリンのH鎖のFc部分がmonoclonalにみられ、この産生細胞の腫瘍性増殖がみられる疾患。

B.病型

a.γ鎖病

50歳以降に好発。リンパ節腫大、肝脾腫、貧血を認める。リンパ腫に似た病像を呈する。他のHeavy chain diseaseよりは血清中にM peakが見られることが多い。骨髄では形質細胞やリンパ球の増加あり。予後は様々。急激な経過で死亡する症例あり。

b.α鎖病

小腸全域およびその所属リンパ節腫脹のため、malabsorption synd.をおこす。北アフリカ、中東出身者に多く、また30歳代の患者が多い。約半数の症例で、血清蛋白電気泳動上α2からβグロブリン領域にかけ幅広いバンドを認める。最終的には悪性リンパ腫の病像をとる。予後は様々。

c.μ鎖病

40歳以降に好発。肝脾腫が認められ、リンパ節腫大は認められないことが多い。CLLと似た病像で、貧血、リンパ球増加、骨髄におけるリンパ球、形質細胞増加を認める。血清蛋白電気泳動では、低γグロブリン血症以外異常を認めないことが多い。

d.δ鎖病

非常に稀な疾患。骨髄腫の病像を呈する。

● Crow-Fukase syndrome

A.同義語

POEMS(polyneuropathy, organomegaly, endocrinopathy, M-protein, skin change), 高月病

B.症候

形質細胞腫またはM-proteinの存在、全身の色素沈着、臓器腫大(肝脾腫)、内分泌異常(剛毛、女性化乳房、下腿浮腫、骨硬化像

C.特徴

ほとんどがIgGかIgAのλ, 男性に多い, 平均年齢40歳と骨髄腫より発症年齢が若い。

● 原発性アミロイドーシス(Amyloidosis)

A.概念

アミロイドamyloidが細胞間隙に沈着し、そお組織・臓器の障害をきたす疾患。アミロイドという名称は1853年Virchowにより”デンプンに似たもの”という意味で命名された。

現在アミロイドは蛋白ないしは糖蛋白と考えられているが、その成因は不明である。HE染色するとエオジン好性の均一無構造硝子様物質として認められ、Congo Red染色により橙赤色に染まり、偏光顕微鏡下でエメラルドグリーンないしapple greenと表現される緑色を呈することより他の物質と識別される。

B.病型分類

amyloid型 分類 主たる構成蛋白
AL 原発性amyloidosis Ig-VL
AL 骨髄腫に伴う amyloidosis Ig-VL
AA 続発性 amyloidosis アミロイドA蛋白(AA)
AL 限局性 amyloidosis Ig-VL

AF
AF
家族性 amyloidosis
家族性neuropathy
家族性地中海熱

TTR
AA

AS
IAA
老人性 amyloidosis
 老人性心 amyloid
 isolated arterial amyloidosis
TTR

AE
AE
内分泌性 amyloidosis
 甲状腺髄様癌
 insulinoma

カルシトニン
islet amyloid polypeptide (IAPP)
透析に伴う amyloidosis β2-microglobulin

(付)続発性amyloidosisの原因

感染症 結核、気管支拡張症、骨髄炎、梅毒、レプラ、cystic fibrosis
慢性疾患 慢性関節リウマチ、Crohn病、潰瘍性大腸炎
悪性腫瘍 Hodgin病、マクログロブリン血症、胃癌、乳癌、子宮癌、甲状腺癌
その他 Behcet病、Gaucher病、Niemann-Pick病、高安病、血友病

C.症状および検査所見

全身倦怠感、体重減少などの不定な症状とアミロイド沈着部位およびその程度により様々な症状を呈する。沈着部位と症状を示す。

浸潤部位 症状・所見
尿蛋白陽性、ネフローゼ症候群、腎不全
心肥大、心不全、心電図異常、心停止
消化管 巨舌、食欲不振、悪心・嘔吐、便秘、下痢
皮膚 色素沈着、皮疹、硬化、皮下出血
末梢神経 知覚異常、起立性低血圧、無汗、失禁、か声、陰萎、
骨格、筋等 手根管症候群、破壊性関節症、骨cystic変化
臓器腫大 肝、脾、リンパ節

*アミロイドの沈着は、原発性および骨髄腫に伴うmyloidosisでは間質系(舌、心、消化管、神経)に、続発性では実質臓器(肝、腎、脾、副腎)に強い傾向があると言われている。

D.診断

病変部位ないしアミロイド陽性率の高い組織(直腸、胃、骨髄、皮膚、歯肉)を生検し、Congo Red染色をする。

E.予後と治療

Kyleらの168 例の患者の解析では、平均生存期間12ヶ月、うっ血性心不全をもつ患者では4ヶ月と報告されている。(Kyle RA et al. Primary systemic amyloidosis: Multivariate analysis for prognostic factors in 168 cases. Blood 68, 220-224, 1986.)

治療法は、有効なものがないと言って過言ではない。AL amyloidosisには骨髄腫と同様にアルキル化剤が有効との報告があり、MP療法やCP療法が昔から行われているが効果は乏しい。近年、VAD療法が有用との報告(Sezer O et al. New therapeutic approaches in primary sustemic AL amyloidosis. Ann Hematol, 79, 1-6, 2000)もあるが、自験例では心不全の悪化を招いたのみであった。

この他、コルヒチン、ジメチルスルホキシド(DMSO)なども試みられているが、さほど効果は期待できない。