多発性骨髄腫 Multiple Myeloma(MM)
研究ノート


■16. 血液検査

生化学検査

記号 項目名 基準値 単位 臨床的意義
TP 総蛋白
(total protein)
6.7〜8.3 g/dl 栄養状態と肝・腎機能の指標。肝硬変やネフローゼによる低蛋白血症で低下し、脱水や多発性骨髄腫で上昇。
Alb アルブミン
(albumin)
3.8〜5.3 g/dl 肝臓で合成される血中の主たる輸送体蛋白。栄養状態の悪化や肝障害の程度を反映して低下する。
A/G アルブミン/グロブリン比 1.1〜2.0 - 血中のアルブミン(A)とグロブリン総量(G)の比を算出したもの。重症肝疾患やM蛋白血症で低下、無ガンマグロブリン血症で上昇。
T-BIL 総ビリルビン
(total bilirubin )
0.2〜1.1 mg/dl ヘモグロビンやポルフィリン体の分解産物。総ビリルビンとその分画は、肝疾患の診断、黄疸の鑑別に有用。
AST(GOT) asparate aminotransferase
(glutamic oxaloacetic transaminase)
10〜40 IU/l/37℃ 代表的な肝機能の指標。肝細胞障害で血中に逸脱するが、骨格筋、心筋、赤血球などの破壊でも上昇をみる。
ALT(GPT) alanine aminotransferase
(glutamic pyruvate transaminase)
5〜45 IU/l/37℃ 肝細胞の破壊に伴い血中に逸脱する酵素。AST(GOT)よりも肝に特異性が高く、肝炎の病勢指標に用いられる。
ALP アルカリフォスファターゼ
(alkaline phosphatase)
100〜325 IU/l/37℃ 肝障害、胆汁うっ滞や骨疾患、妊娠等で上昇を示す酵素。血液型がB型、O型の人はやや高め。
γ-GTP ガンマ・グルタミル・トランス・ペプチダーゼ
(Glutamyltranspeptidase)
M 80 以下
F 30 以下
IU/l/37℃ 肝・胆道系障害のスクリーニングに用いられる検査。肝ミクロゾームでの薬物代謝に関与する酵素で、胆汁うっ滞や、アルコール性、薬剤性肝障害で上昇する。
LDH 乳酸脱水素酵素
(lactate dehydrogenase)
120〜240 IU/l/37℃ ほとんどの組織や臓器に分布する酵素。貧血、炎症、腫瘍など汎用的なスクリーニング検査として用いられる。
BUN 尿素窒素
(blood urea nitrogen)
8〜23 mg/dl 血液中に含まれる尿素窒素。腎機能の指標として広く利用され、腎不全、熱傷、消化管出血や高蛋白食摂取で上昇。
CRE クレアチニン
(creatinine)
M 0.61〜1.04
F 0.47〜0.79
mg/dl 筋肉内でクレアチンから産生される非蛋白性の窒素化合物。食事など外的因子の影響を受けない腎機能の優れた指標。
CRP C反応性蛋白
(C-reactive protein)
0.5 以下 mg/dl 代表的な急性相反応物質。炎症性疾患や体内組織の崩壊がある場合に血中で増加し、炎症マーカーとして用いられる。
IgA IgA
immunoglobulin A
110〜410 mg/dl IgGに次ぎ高濃度で血中に存在する免疫グロブリン。2つのサブクラスに分類され、二量体の分泌型IgAは局所免疫を担う。
IgD IgD
immunoglobulin D
11.5 以下 mg/dl Bリンパ球の膜表面に多く存在する免疫グロブリン。血中濃度はIgEに次いで少なく、その役割には不明な点も多い。
IgE IgE(非特異的)
immunoglobulin E
170 以下 IU/ml I 型アレルギーに関与する免疫グロブリン。アレルギー体質の診断、経過観察の目的でIgEの総量が測定される。
IgG IgG
immunoglobulin G
870〜1,700 mg/dl 最も多量に存在する免疫グロブリンで4つのサブクラスに分類。唯一胎盤透過性をもち、慢性炎症性疾患などで増加する。
IgM IgM
immunoglobulin M
M 33〜190
F 46〜260
mg/dl 免疫グロブリン中、最大の分子量をもち、感染症で最も早期に増加する抗体。
β2B β2マイクログロブリン 〈血清〉
β2-microglobulin
1.2〜2.2 mg/l 糸球体濾過または尿細管再吸収機能の低下により、それぞれ血中・尿中で増加する低分子血漿蛋白。
         

血液学検査

記号 項目名 基準値 単位 臨床的意義
WBC 白血球数
white blood cell counts (leukocyte counts)
3,300〜9,000 /μl 白血病などの血液疾患や炎症性疾患の診断・経過観察に用いられるスクリーニング検査。
RBC 赤血球数
red blood cell counts (erythrocyte counts)
M 430〜570
F 380〜500
×104/μl 貧血、多血症の診断に用いられる基本的な検査。
HGB(Hb) ヘモグロビン
hemoglobin
M 13.5〜17.5
F 11.5〜15.0
g/dl 血液中の血色素であるヘモグロビン量を測定する検査。貧血等の血液疾患のスクリーニング検査として用いられる。
HCT(Ht) ヘマトクリット
hematocrit
M 39.7〜52.4
F 34.8〜45.0
% 血液中に占める赤血球の全容積をパーセント表示した値。貧血等の血液疾患のスクリーニングに用いられる。
MCV 平均赤血球容積
Mean Corpuscular Volume
85〜102 fl 貧血、多血症の診断に用いられる基本的な検査。
MCH 平均赤血球血色素量
Mean Corpuscular Hemoglobin
28.0〜34.0 pg 貧血、多血症の診断に用いられる基本的な検査。
MCHC 平均赤血球血色素濃度
Mean Corpuscular Hemoglobin Concentration
30.2〜35.1 % 貧血、多血症の診断に用いられる基本的な検査。
PLT 血小板数
platelet count
14.0〜34.0 ×104/μl 止血機構の中心を担う血球成分。自己抗体やDICなどによる消費の亢進、骨髄疾患や肝硬変で減少をみる。