当日、12月21日(木)演奏会当日、京都コンサートホール
2:00PM ホールの楽屋入口へ。
3:30PM〜全員集合して、並ぶ順番を決める。女性は事前に申告を受けた身長のデータで作成したオーダー表で並ぶ。男性はパート毎に、背丈の順に並んでもらいその場で決める。結局女声161人、男声42人の合計203人の大合唱団で本番ステージに立つことになった。
4:30PM〜ホールのステージに並び、京響のオーケストラと4人のソリストで、第4楽章だけ一緒に練習する。ゲネプロの調子がよくないらしく、指揮者の阪さんの顔色がさえないのが気になる。
5:30PM〜着替えと食事。この本番前の時間は、何とも言えない至福の時間である。
7:20PM 客席のざわめきを感じながら合唱団の席に並ぶ。阪さんの指揮でヴァイオリンがが鳴り始めいよいよ第九が始まる。速いテンポである。かなり速い。つい眠くなる第3楽章もオーケストラの楽器の動きを追っかけて聞きほれてしまう。いよいよ第4楽章で合唱団も立ち上がり、大声で歌う。かなり速いテンポである。あっと言う間に終曲、そして拍手。合唱指導の田末さんもステージ上で笑顔の阪さんと握手を交わすのを見て、ああ、うまく歌えたんだ、と安心する。何度もカーテンコールに応える阪さんの若々しい姿に、すっかりとりこになる。
9:00PM 合唱指導の田末さんが、帰る合唱団員一人一人に笑顔を送っておられたのが嬉しかった。
9:20PM 打上げ会場でのビールのうまさは、これは、格別である。第九の歌詞ではないが、あの味は、神からの賜りものかもしれない。
嬉しかったエピソードを一つ。ゲネプロの後で、もう一度入退場の練習をやっているとき、アルトの女声団員の方が、私に、「咳が出て、皆さんにご迷惑なので、本番は降りさせてください」、とおっしゃる。私は、即答を避けて、ちょっと待ってください、と言って少し間をとってから、「本番まではまだ2時間もあるので、とにかく出るつもりにしておいて下さい」と言ってから、ちょうど持ち合わせていたビックスドロップを彼女に渡して、そのことを忘れていた。ところが、演奏会も終わって出演者の出口で彼女を見かけたところ、「ちゃんと歌えました、咳も出ませんでした、どうも有難うございました」と笑顔で応えてもらった。いや、私も嬉しかった。
2回前、12月18日(月)6:30PM〜8:30PM ウイングス京都 イベントホール
田末先生の発声練習の後、阪さんの指導で練習。高音のアルトがうまく出来ない個所を何度も繰り返し。何度やっても音程が下がる。聞いていて気の毒なほど音程がとれない。そしてソプラノもうまくいかない。でも、同じ個所を1時間もやると、最後は皆で合唱するとうまくいった。先生曰く、「下手な人を切り捨てるのは簡単だが、それより、全員が、集中し、熱意をもってやれば素晴らしい演奏ができる、私はそれを手助けするのが役目だ」、と。
練習が終わって外へ出ると小雨の中、数人で居酒屋へ立ち寄り、指揮者の感心すること、しきり。
3回前、12月17日(日)1:00PM〜5:00PM 京都会館別館
指揮者・阪哲朗さんの練習である。合唱の指揮者ではなくオーケストラの指揮者である。いきなり、まず、バスの一番高音で難しい個所から練習が始まった。ちゃんと歌えていない。何度もやるが、出来ない。つぎはテノール。第九の高音は半端じゃない。いきなり歌っても音は出ない。高音は、勢いがつかないととても出ない。かまわず練習が続く。音程のはずれた人を見つけると、その人の自尊心を傷つけない範囲で、うまく直していくそのやりかたは、さすがである。
阪さんの、印象に残った語録
1、コーラスは、オーケストラをリードするくらいに早めがよい。遅れると下手に聞こえる。
2、歌う時は、埴輪(はにわ)のような自然な笑顔がよい。
3、演奏はナマでやるものだから、テンポや強弱などは毎回違う。昨日食べた刺身が今日もうまいとは限らない。
4、楽器も合唱も、演奏する人が不安にならないように合図するのが指揮者の役割である。
5、声がでないときは、無理をして出さないほうがいい。
しかし、彼の、第九のテンポは速い。かな速い。
4回前、12月14日(木)6:30PM〜8:30PM ウイングス京都 イベントホール
この1週間で、第九に関連したことは、
まず、1回目に出演された大先輩のUさんに、今回、参加していただけないか連絡したところ、翌日、返事の電話があり、合唱できるほどの声が出ないので、好きな謡も休んでいるとのことで、残念であった。しかし、演奏会は客席で聴いていただけるとのこと。
毎日のように、第九のCDの第4楽章ばかり何度も聞いたので、2度目の練習では、曲の流れはつかめたが、まだ、音符が正確でないところもある。ドイツ語の発音はまだまだである。
歌詞はシラーの詩であることは知っていたが、今までドイツ語の単語の意味はほとんど知らないままだった。
楽譜の裏表紙を見ると、発音記号つきのドイツ語の歌詞と、丁寧な日本語が書いてある。発音しながら意味をたどっていくと、今更ながら、歓喜のうたといわれる所以がわかった。
合唱で歌うところだけでも、直訳ではと、次のようになる。
5回前、12月7日(木)6:30PM〜8:30PM ウイングス京都イベントホールの受付で、担当のYさんが笑顔で迎えてくれた。練習会場は女声100人男声30人が参加。合唱指揮の田末先生の指導がうまい。アマチュア相手の第九の合唱指導としては、タイミングもフィーリングも素晴らしい方である。
私は、10年前に使った楽譜を広げながら声を出していると、結構ついていけそうなので、ホットした。歌詞はカタカナで暗記しているとはいうものの、ドイツ語の発音は全くダメなので、しっかり練習しなければならない。
帰りにTさん達とビールを飲みながら、当日客席を一杯にすること、昔歌ったOBに出演依頼をすること、打上げ会場を探すことなど話し合う。そして、デビッドシャロンさんが突然亡くなったとの新聞の訃報を見た。
この第九演奏会も今回が13回目ということになるそうだが、1回目の京都市交響楽団の指揮者はデビッドシャロンさんだった。演奏会の前夜、関係者数人で会食した時、「アマチュアの合唱団とやるのは楽しい、皆に熱意が伝わるから」と激励されたことを思い出す。その通り、演奏会は盛りあがり、毎年12月に開催することになった。あの、ヒゲのよく似合ったシャロンさんの笑顔は忘れない。