地震と、大山での結婚式の話

平成12年秋、姪の結婚式の3日前に、鳥取に大地震が起きた。

姪の結婚式(10月9日・大山のホテル)の招待を受けたのは、8月、夏休みに帰省した時のことだった。

さて、その3日前の10月6日(金)13:30

大阪・日本橋のビル4階の事務所が突然揺れる。ラジオの第1報で、「震源地は鳥取県西部で震度6強」。まもなくテレビで震度の表示を見ると、神戸の時より大規模である。これは大変。鳥取の実家に電話しても、携帯もPHSも回線はまったく通じない。

10月6日(金)夜

帰宅してからも08地域へは電話かからず。公衆電話でようやくつながり、何の被害もないことを確認。結婚式も予定通りであることにやれやれ。しかし、公衆電話回線の空きがわかったのは大発見。

10月7日(土)

8日から1泊で予約していた大山のホテルにTELすると、震源地に近いわりに被害も無く通常営業とのこと。夜には、米子自動車道も開通したとの情報。

10月8日(日)朝9:00 家族3人でドライブ出発、

翌日(祝)の結婚式に出席するため、大山まで4時間のドライブ。中国縦貫道を走り米子自動車動(震災点検のため50キロ制限になっていた)を蒜山インターで降り、大山そばの昼食。そして道の駅で安くて新鮮な野菜や果物を買いトランクへ。それから紅葉の始まる前の大山の山並みを抜けて、植田正治写真美術館へ。大山を借景にしたモダンな建物と数々の写真は、何度訪れても感激。何度も見た写真でも、その美術館のホールで見るとまったく生き生きとして見えるから不思議である。

山道の途中の喫茶店に立寄ると、地震で壊れたグラスをマスターが惜しそうに見せてくれた。

夜はホテルでバーベキュー。聞けば、宿泊のキャンセルが相次いだそうだ。

今回の地震は南北の揺れだったので、東西の向きに置いてあった棚などは倒れたそうである。夜また、震度3程度の地震があった。

10月9日(祝)結婚式当日

大山を見上げる湖のそばのきれいなホテルの庭で、可愛い姪の結婚式。新郎さんは長身で2枚目。湖畔の芝生なかのバージンロードで花びらを浴びたカップルの幸せそうな顔は、出席した友人・家族・親戚の記憶に残り、消えることのないカメラ映像にもおさまった。披露宴で私は「静かな湖畔の森の影で、、、、、、」を歌い、皆に「カッコー、カッコー」を合唱してもらった。こんな時かける言葉は、おめでとう以外ない。

かくして、大山での結婚式と地震の話は無事おさまり、めでたしめでたし。