長い長いブランクだった合唱を、突然やり始めるチャンスがやってきました。 私達の学生時代のコーラスと違って、後輩達は、毎年、全日本合唱コンクールで上位入賞の常連になっているようです。 彼らと一緒にこの7月のステージにむけて10回の練習を経て、素晴らしいステージを体験しました。京都コンサートホール満席のステージで感激のコーラスでした。そのエピソードをを記録しておきます。
そして3月7日(日)、OB総会で正式に決まったのが、 「 同志社混声合唱団こまくさ、創立30周年記念コンサート、7月3日(土)、京都コンサートホール 」、その第1と第2ステージは現役で、第3ステージをOBと現役の合同ステージにしようという企画です。
3月28日(日)大学のキャンパスの中にある練習会場で1回目の練習。 ひな壇からはみ出すほど沢山の仲間達が集まってきました、色々な年代の。準備された楽譜でいきなり練習。いや、いい雰囲気でした。現役の渉外担当の学生さんとプログラムの広告枠の話をしたりしていると、タイムカプセルに乗っているみたいでした。
あと9回の練習、そして7月3日(土)の本番ステージまで、エピソードを書こうと思うのですが、さて、、、。
4月11日(日)晴れ。二回目の練習日。同期のIさんが、福井からわざわざ来られました。 彼女は現役時代も技術的にすぐれた人でしたが、今でもコーラスを続けておられるとのこと、何年ぶりかの再会は嬉しいじゃないですか。それにしても、練習会場で指揮をしてくれるNさんの指揮ぶりはすごい。技術や耳がいいからではなく、人を集中さす話術がすごい。彼はいずれ、日本の合唱界で名をなすこと、間違いなしです。
4月25日(日)晴れ。OBだけの三回目の練習日。少し人数が減っていました。 でも、3時間の練習は、私には結構楽しい時間です。歌詞も音符もまだまだちゃんとできません。曲想なんてまだまだ。
4月29日(祝)晴れ。現役の大学生との合同練習。練習会場のひな壇のステージが一杯。 今年入学したばかりの新入団員たちの初々しさ。30何年前にはあんなだったかと、感慨無量。練習終了後、すぐ隣の公園で、皆で缶ビールパーティー。会費300円也。
5月5日(祝)晴れ。5回目の練習。出席者やや少なし。空気が乾燥しているせいか、声の出が悪い。 「そーらん節」も「母なるヴォルガを下りて」も難しい曲である。
5月16日(日)晴れ。6回目。キャンパス内のいつもの練習会場で午後1時から3時間の練習。 最初の一時間は皆で、次の一時間は各パートを三組に分けた組み合わせで3つの合唱団?をつくって練習し、 あとでその出来具合を聞きあうというアイディア。そして最後にまた全員の練習。
5月22日(土)晴れ。夕方5時からの練習だったので、早めに会社を出ても着いたのは7時前。 それでも、ネクタイをしたまま8時半まで練習。通算7回目。
6月6日(日)快晴。指揮者の鈴木捺香子先生の情熱的な指導。やはり、優秀な指揮者ってすごいと思う。 音楽的技術的なことは勿論大事だが、それより、思い入れや情念を伝えることの出来る魅力的なキャラクターであることが最も大事。 いや、よかった、素晴らしい指揮者で。
6月20日(日)快晴。9回目で、いよいよ浅井敬壱先生の登場。こまくさとは18年間のおつきあいらしいが、 今や、日本の合唱界をリードする指揮者である。エネルギッシュな表情で指揮棒が踊ると、合唱団は、 まるで魔法にかかったようにいい音色を出す。もちろん歌う人はいい気持ちになる。多分聞いている人も同じである。
6月27日(日)10回目、最後の練習日。初めて小雨。蝶ネクタイの調達や、動員予想の確認や、集合時間のこと、2次会のことなど、関係者と話し合っていると、いよいよ演奏会も80%のところまで来た感じがする。当日、現役80人OBも80人、合計160人の合同ステージになりそう。楽しみ。
朝から雨の中、 10 時 20 分、コンサートホールの出演者控え室へ着。現役の学生は早くも 10 時半から、大ホールの残響音のなかで発声練習。今回の演奏会の印刷物はすべて3回生S君の編集、プログラムの色使いもレイアウトも素人ばなれしている。全曲の歌詞も別刷りで準備。聞いてみると、こまくさのホームページの制作もすべてS君とのこと、つまり、彼がこまくさのイメージをつくっているのだ。育ちのいい好青年である。入場者用パンフレットは2千部準備とのこと、充分。
午後1時、OB も全員集合。ステージでの最後の厳しい練習も、会場の響きの良さで自信に変わる。記念撮影や並び方の調整していると、早くも開場時間の4時半。控え室でワイワイガヤガヤ着替え。
OB受付で懐かしい顔を見つけて2次会への勧誘も。
美談を一つ。遠来の OB のベースマンで、練習には参加できなかったので当日歌うつもりのなかったAさんを、指揮者の了解を得て、急きょ衣装と楽譜を準備し、ステージにたってもらった。皆にせがまれて急に歌うことになったA さんは果報者である。
雨はやみ、お客様がどんどん入場される。
午後5時半、開演。第1ステージは新入生を除く学生40人ほどので「花に寄せて」の繊細な演奏。第2ステージはこまくさお得意のハーモニーのきれいなミサ。楽屋でモニターテレビを見るが、後輩たちの歌声よりも、前の2列が空席なのが気になる。
いよいよ第3ステージ、現役もOB もそれぞれ80数名ずつ、合計160名余の大合唱団の出番である。5列でステージに出る。何と、客席はぎっしり満員ではないか。(正確には1359人だったそうである)。やったー、と思った。
鈴木先生の指揮で、「ソーラン節」・「サリーマライズ」・「リツルイノセントラム」・「母なるヴォルガを下りて」。1曲ごとに客席に礼をして曲想を変えるタイミングは、さすが鈴木さんである。
そして最後の指揮者浅井さんの登場。こっちを向いて大きな小声で「よう入ってまんなー、よう入ってまっせ」、とニコニコ顔で歌う前の緊張をほぐしてくれる。抜群の浅井効果である。「なぎさ歩めば」・「聞こえる」・「大地讃頌」。浅井さんの魔法の指揮にみんな乗りに乗った。音程や発声のことなどわすれて懸命に歌った。
アンコールの「見上げてごらん夜の星を」も良かった、「カレッジソング」も最高だった。
楽屋では思わず握手。N さんにもMさんにも T さんにも学生のT 君・S 君・ K 君にも、ほんとに有難う。
その後、8時過ぎから、余韻そのまま160人の打ち上げパーティーが盛り上がらぬはずが無い。私が出演者のなかの最年長だったからか、突然浅井先生から名指しされ、会場の女性全員を並べた前で、「夏の想い出」を指揮することになった。私は、中学のブラスバンド以来、指揮などやったことがなかったのに、私の合図で大合唱が始まったではないか。一番で終わる前にとっさに思いついて、後ろの男性群のほうを振り向き。「はい、二番は男性も一緒に」と言いながら指揮をすると、会場全体の大合唱になった。
10時半ごろ抜け出して、出演しなかった同窓生が10人ほど集まっている3次会の会場に行き、昔懐かしい時間をもてた。
7月3日(土)は、この演奏会には、音楽好きのお知りあいの方々にも沢山おいで頂き、ほんとに、最高の一日であった。
この余韻をこれからどうこなしていこうか、楽しみである。
参考に、平成14年11月23日、全日本合唱コンクールでの、こまくさのことを、、、