1、<首里城の中に書いてあった「琉球処分」という言葉が気になった>
首里城に行くと、琉球王国の歴史が展示説明されている。琉球には独自の文化・伝統があり王国としての歴史・文化・伝統がある。なのに、そこには、450年続いた琉球王国を、明治政府が「処分」したと書かれている。
それはもしや、それは侵略とか併合ではないのか。他の国では問題にされているのに、何故ここではとりあげられないのか気になった。(例の教科書を読んでもこのことは曖昧である)
2、<ひめゆりと米軍基地が、時間を超えて同じようなイメージで錯覚してしまう>
那覇空港でレンタカーで南下して30分で、ひめゆりの塔へ。ハイビスカスも混ざって、置いて帰るのがおしいほどきれいな献花200円、日焼けしたオバアさんに丁寧なお礼を言われてこちらも低頭。正面の記念碑に名前を刻まれた乙女たち、その写真や文章が、そばの平和記念資料館に。同じくらいの歳のミニスカート姿の修学旅行生たちも、ここではさすがに無言で見つめている。
20数万の人が戦死したという摩文仁の丘はきれいに整備され、戦死者全員の名前を刻んだ碑が行儀良く並んでいる。いまだに本名を明かせない人の為にスペースがそのまま空けてあった。
そして、去年オープンしたという沖縄県平和祈念資料館は、アメリカに持ち帰られていたなまなましい戦争の記録が公開されていた。それにしても建物の素晴らしさには圧倒される。時の流れの賜物であろうか、魚雷もここではみごとに錆びてアートに見えてしまうのが悲しい。
沖縄の地図に米軍基地は載っていない。が、レンタカーのカーナビでカーキ色が見えてくると米軍基地である。
北谷町・嘉手納町・読谷村にはいるとカーキ色が増える。国道の左右が何分間もカーキ色だけの所を運転していると、初めての者はドキドキしてしまう。
この写真は、読谷村の小高い丘の座喜味城跡から、東シナ海に沈む夕日を撮った。この城跡は、日本の城跡と全く違って、まるで中世のヨーロッパの城を連想さすロマンチックなデザインである。首里城と同じような、初めて見る者には異国情緒の城跡である。
あとで見たら、なんと「像のオリ」が写っていた。
3、<リゾートホテルは満点、申し分なし>
ホテル(ホテル日航アリビラ)はロケーションの良さ・スケールの大きさ・ショップやレストランの質・部屋のレイアウト・海岸やプールや木々のレイアウト・それに従業員の方のサービスマインドも充分。リゾートホテルとしては申し分なし。気に入ったものを一つ、シャンデリアやランプなど照明器具のセンスの良さにデジカメでパチリ。
4、<ホテルの近くで出あったオジイさんのこと>
ホテル前の海岸を左側に5分も歩くと砂浜の先に岩の丘があり、この写真を撮った直後に、突然、一人のオジイさんが私を見て会釈してくれた。言葉がわかりにくかったが、半時間くらい話をした。
・この辺で「10月10日は爆撃がすごく、皆で国頭(北のほう)に夜どうし走って逃げた。すごい爆撃だった」、と。それは、昭和19年ですか、聞くと、「ああそうかな」と。そして、「この辺り(読谷村・残波岬)は艦砲射撃があった、そこの残波岬もすごかった」、と。
・この辺で魚は釣れないんでしょうか、と聞くと、「この辺はさんご礁の死骸でいっぱいだから魚はおらん」、と。
・前の晩、近くのフィッシャーマンワーフというレストランでミーバイと言う魚を刺身で食べたが、沖縄の人は好きですか、と聞くと、「あれは刺身では食べない、煮るのがいい」、とのこと。
・さとうきび畑のそばに電球をつるした畑があったので、聞いてみると、菊の栽培だとのこと、「菊は寝かしたら成長せんから電気をつけとる」、と。
・前日行った名護のパインアップル畑のことをオジイに話すと、「あそこは値段が高すぎるから地元の者は買わない」と。(しかし、たくさんの観光客を受け入れるキャパがあり、パイナップルの栽培についてよくわかった。試食したパイナップルも試飲したワインも、産地ならではの若く熟成の途中の味がした)。オジイは、サトウキビやイモについていろいろ教えてくれた。
・この辺は米軍基地が多いところですね、と聞いても、笑って、いいとも悪いとも何も言わない。私の言葉が通じなかったのか、それとも米軍基地なんていまさら何にもいう事なんかないと無関心なのか、、、、。
5、<やちむん(焼き物)の里の窯元、島袋常秀さんにお会いした>
ホテルから近くのはずが、カーナビも地図もうまく役に立たず、さがして訪ねたかいがあった。
前もってお聞きしていた通り、並べられた作品も、そしてご本人の先生のお話・お人柄もすっかり気に入ってしまい、茶碗など何点か買わせていただいた。
広い工房の屋根瓦の色が、右の展示場の瓦(赤い)と違うので尋ねたら、何と、いずれ工房を建てる時の為にと、何年もかかって古いものを集められた、とのこと。
6、<小渕さんの銅像と、沖縄サミット会場>
名護市のブセナテラスなど、沖縄サミット会場がオープンに一般公開されている。正面に小淵さんが真面目な顔で迎えてくれる。
そのそばの無数の優雅なコテージは、例の外務省がおさえていたとのこと。ロケーションも雰囲気もいいが、何故か泊まりたいとは思えないスポットである。
7、<東村の方は、慶佐次のマングローブなど自然のままが残っている>
人も家も少ない、車も観光客も少ない。お店の人も人なつっこいのが嬉しい。
マングローブ林で鳴くセミの声の太く低く大きいこと、ハクセンシオマネキなんていう巨大なハサミをもったカニがそこらじゅう穴を掘っている。
沖縄も北東の太平洋側は景色が違う。次回の沖縄なら、離島に行くか、さもなくばこちらか。
8、<うまかったのは>
ひめゆりの塔の向かいの「雪花采」というそばやさんの、ゴーヤーチャンプルとソーキそば(豚のアバラ肉入り)。意外なことに薄味で、みごとにおいしい名物。
ホテルの中華料理「金紗沙」の料理と「永昌源」という紹興酒の組み合わせはグー。あとで酒屋さんで探したが残念ながら見つからなかった。
フィッシャーマンワーフで飲んだオリオンビールの生はこれまたグー。海ぶどうもたこライスもいいけど、やっぱりお酒は現地で飲むのが一番。残念ながら、期待していたおいしい泡盛には会えなかったが、このビールで満足。