「リストラ」は、誰のため?

  H.11.2.3. 

リストラの話を聞いていると、いったい、「誰が、誰の為に、何をどのようにしようとしているのか」、わかりにくいことが多い。
よく考えれば話はもっと単純だと思うのだが。

1、 リストラをしなければならなくなった会社や組織は、顧客の支持が得られなくなったことが原因である。顧客の期待や満足をかなえるパワーや魅力が減って、お金が回ってこなくなったことがリストラの直接の原因である。

2、「経費の無駄使いや効果のない投資」を中止させたとか、無駄な人件費を節約して会社の利益を確保した、などというのは経営責任を回避したビジネスの失敗談かジョーク以外のなにものでもない。

3、「敗軍の将は兵のことを語らない」ほうがいい。 業績が上がらないのは現場の従業員の対応がよくないからだ、というように一般に思われている。それもある。しかし、要員や経費の投資配分を再び間違えないためには、現場の努力不足のせいにしないで、間違った意思決定のメカニズムを公開するのがいいのだが、それは期待できない。

4、 にもかかわらず、リストラの目的は、お客様の支持を回復させる為に、というふうにでなく、社内の財務体質の強化する為にやるという議論がある。筋道が間違っていると思う。

<結論>

会社の業績不振は、お客様が離れていったからである。
 

リストラは、お客様の支持を回復さすことを唯一の目的とすべきである。つまり、お客様のためにリストラをやるのである。会社の原資(社員の労働力や資金)をそちらに向けることのできなかった管理職や経営者が、まず、責任をとってやめることが肝要なはずである。
 

経費節減ありきではなく、経営采配の失敗を認めることである。それから、お客様第一に回帰する為のコストパーフォーマンスの視点で、人と経費の配分を見直すことがリストラである。

(以上)