<趣旨>
小売業はどこでも“お客様第一”とお題目を唱える。
しかし、会社や仕事のことを思い、売上増や経費節減などに熱心になればなるほど、組織のどこかでお客様第一の視点を忘れがちになる。特に店頭の現場での商品やサービスなどについて、お客様に必ずしも良いとは言えない応対を強いてしまうことがある。接客した販売員は「会社の方針でこうなりました、こういうシステムになっています」と言って、お客様に抗弁することになる。好ましくない特定顧客の対応のことではない、大多数の善良な物言わぬ顧客に対して、ご愛顧が目減りしないような、はっきりとした対策をたてる時期が来ていると思う。
<会社内のサービス監視チームは>
役割;商品の売り方や広告などを決定する場面に立会って、お客様の視点から異議があれば、自由に率直に意見を述べる。その疑議や対案は、広い意味のコストパーフォーマンスの点から再検討するという過程を経る。
メンバー; 現状の組織を優先して、教育やサービス担当に任すのでなく、新規に数名選定する。(うるさい人がよい)。
<備考>
会議は少ない方が良い、無駄な人件費や新しい組織(チーム)は増やしたくない。しかし、課題の達成には投資が要る。お客様第一を企業理念とし"お客様の視点"をお題目ではなくアクションプランに採り入れていくことが課題であるなら、新規投資すべきである。
小売店の生産性(販売力や商圏の拡大)と顧客サービスが両立しなくなったのはいつ頃からであろうか。今は、「会社のため」が「お客様のため」にならないことが多い、というジレンマに、店頭で直接接客している人達は大きなストレスを感じている。
お客様のご愛顧を得て、店内の風土を明るくするためにも、チームの設置が望まれる。お客様を大事にすることを、管理者やスタッフに体得さすには、こういうチームが社内に要る(ムダとしたら必要なムダである)。この投資は今やビジネスチャンスである。