アンサンブル・カノンの素顔
六甲山の麓にある当団の創設者 久保慶子氏の自宅サロンを拠点に生まれたアンサンブル・カノン。「芸術を深く愛し、謙虚な気持ちで音楽に精進する」という氏のモットーに共鳴する仲間が集い、練習は真剣に、ティータイムには美味しい手料理とお茶を頂きながら、充実した年月を重ねて参りました。
久保氏が天上に旅立たれた後も、私たちはその志を忘れることなく、氏のご家族とも温かい交流を続けながら、新たな地に拠点を移して今日に至っております。メンバーはそれぞれ他の団体にも所属し活動しておりますが、共に音を奏でるひとときとご縁を大切に思い、演奏においては切磋琢磨しつつ、互いの音が融合して起こる化学反応を心から楽しんでおります。
指揮・指導:柴田高明先生のご紹介
- 経歴: ドイツ・カッセル音楽院器楽教育課程マンドリン科にて学ぶ。
日本やドイツのマンドリン独奏コンクールに数多く入賞。リサイタルを国内各地で開催し、CDはこれまでに日本国内盤「麗しき薔薇を知る者」、「クロニクル~マンドリン音楽の300年」、「冬のエレジー~マンドリンと弦楽トリオの為の現代邦人作品集」を、またドイツにて「sky blue flower」を発売。レパートリーは幅広く、現代音楽の分野でもロゼッタ(音楽アンサンブル/アートコレクティブ)のメンバーとしての活動の他、多くの新作初演を行なっている。ソリスト・講演者として、ヨーロッパやアメリカの国際音楽祭、国際シンポジウムに招待参加。マンドリン専門誌「奏でる!マンドリン」では,2008年の創刊当初より2021年までマンドリンの歴史や奏法などに関する記事を連載するなど、演奏・研究両面で広く活躍している。
マンドリンオーケストラの分野でも、マンドリンオーケストラ・ギルドを主宰、またフィラルモニカ・マンドリーニ・アルバ・サッポロのゲストコンサートマスターの他、宇治マンドリンアンサンブルフローラ、京都大学マンドリンオーケストラ各技術顧問、ジャパン・スーパーユース・マンドリンオーケストラ講師。2024年よりアンサンブル・カノンの指導を務める。
大阪音楽大学ギター・マンドリン専攻非常勤講師。日本マンドリン独奏コンクール、並びに全国高等学校ギター・マンドリン音楽コンクール各審査員。
木下正紀、G.ワイホーフェン、S.トレッケルの各氏に師事。
アンサンブルの名前「カノン」の由来
音楽用語で「カノン」とは、複数の声部が同じ旋律を追いかけるように演奏する様式で、ポリフォニーの一種です。
ひとつの旋律を互いに受け渡し、それぞれの楽器が異なる音を奏でながらも、そこに生まれた美しい和声が連綿と繋がっていく…。
その響きは、人と人との関わりの理想形を表すようにも思えます。それぞれのメンバーは個でありながら、音楽を愛する気持ちで繋がり、
そこに生まれた人の輪が美しくあるように、そんな願いを込めて、私共のアンサンブルは「カノン」と名付けられました。
当団の創設者であった故 久保慶子氏の長女で画家の久保田友恵氏によるイラストです。ご厚意で団に寄贈して下さって以降、チラシやプログラムに必ず登場するアンサンブル・カノンのシンボル的な音楽の女神です。
当団創設者 故 久保慶子氏と仲間たち
久保邸でのガーデンパーティー