200 2013-5-1更新

石大工

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 日本最古の石燈籠は飛鳥寺金堂前にあったが、風化が激しくいまは埋め戻され見ることは出来ない。
石燈籠は灯明を灯す為に、神仏に献じられた燈である。
「貧者の一灯、長者の万燈」と比喩があるように、仏典に献灯することによって受ける功徳の大きいことを説いており、また灯明器具として、道標などの役割もある。石燈籠は奉納者から製作依頼を受けて、石大工が石を加工し奉納されたものである。
 春日大社の境内には約2000基の石燈籠があり、2月の節分と8月14日にはこれらの石燈籠にも火が入り観光客で大変賑わう。当然のことだが、これらの石燈籠も石大工がコツコツと石ノミを振って造ったものである。そして出来上がった石燈籠には意匠を表すために、石燈籠の下部など目立たぬところに銘を彫っているものがある。
 奈良一円に多くの石大工が出現したのは江戸時代で峠庄次郎、和泉屋権兵衛、下御門嘉助等、10名あまり居たことが知られている。それらの多くは「石工庄次郎」「石工権兵衛」と明らかに「名前」を彫っている。しかし「石工 嗽楽」、「石工 雲朴」となると名前ではないことがわかる。「なぜ彼らは自分の名前を使わなかったのか?」これについて調べるうち、嗽楽(そうらく)と読み、京都府相楽郡の出身で、「語呂合わせつもりで使ったのではないか」との資料に突き当たった。名前も草書体で彫られており、他の石大工とはちょっと異なり洒落っ気もあり興味がわいてきた。
京都府木津川市の石燈籠の調査を皮切りに、いま奈良市にある「石工嗽楽」の作品を探している。

(画像は東大寺中門前の六角円柱の石燈籠)                        

 


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