230 2015-11-1更新

輸入行事

index230

 

 10月16日、古民家も並ぶ旧街道を歩いていると、一軒の家に派手さはないがハロウイーンの飾りつけがしてあった。
ハロウイーンは確か10月末だったと記憶していたが、さてさて。
 ハロウイーンとは「欧州中西部で紀元前に栄えた古代ケルト人が、秋の収穫を祝い悪霊を追い出すために行っていた祭りが起源とされている。それがキリスト教の聖人や殉教者を記念する≪万聖節≫の前日の10月31日に行われている」と毎日新聞「余録」に。
 米国に渡ったハロウイーンはお化けや魔女に仮装した子供たちが、家々を回って≪お菓子をくれないと悪戯するぞ≫と言って廻りお菓子をもらう習慣となった。
ここ数年これらは若者が中心となり各地で仮装イベントとして盛り上がっているようだ。
 一方日本においては「…特に西日本では≪亥の子≫、東日本では≪十日夜(とうかんや)≫と言う行事があった。どちらも子供たちが縄に結んだ石や、ワラ鉄砲と呼ばれたワラの棒を持ち、家々を廻りながら地面を叩いて囃し立てた。

≪亥の子の晩に祝わん者は鬼生め、蛇生め…≫と言うのが亥の子の囃子言葉。
そして家の人から餅や菓子を貰ったら≪繁盛せい、繁盛せい≫、もらえなかった家に対しては≪貧乏せい、貧乏せい≫と合唱する(余録より抜粋)」
 日本の収穫祭は各地の神社で、大人主導の神輿などを引き回す行事だけと思っていたが、ハロウイーンに似た子供の祭りが日本各地にもあったのだ。 
 しかし先出の「余録」にあったが、ハロウイーンやバレンタインデー、クリスマスなどは「輸入行事」と言うそうだ。その輸入行事の中でもハロウイーンのカボチャは今や、クリスマスケーキやチョコレートを追い抜き、関連商品の売り上げをグングン伸ばしていると話。
 日本の古くからある子供たちの「亥の子」や「十日夜」などの国産行事が、輸入行事に駆逐されている。

 


《河童》の旅メモ

KCNホームページ

奈良市埋蔵文化調査センター

NIPPON−Net ホームページ(地方自冶体)

写真家・佐藤尚のブログ

 海野和男のデジタル昆虫記(昆虫写真家)

リビングインケアンズ オーストラリア・ケアンズ情報)

大和の祭り日記


《河童》の覗いたファインダー since1996/10