244 2017-8-1更新

はやり言葉

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 いわゆる「ら」抜き言葉である「出れる」「見れる」派は「出られる」「見られる」派を越えたと毎日新聞2017/5/31夕刊「時の過ぎ行くままに」にあった。「ら抜き言葉」を直接耳にしたときは、やはり「出られる」、「見られる」と訂正をしたいのが年輩諸氏だろう。
ところが困ったことに、「めちゃ」はまだよいが「はずい」「ほんそれ」等と耳にしたときは、何が省略されているかが分からず聞き流すより仕方がない。しかし、放置しておくと日本語がおかしくなるのではと心配をされる、ご年配諸氏は多いのではないだろうか。
 思い返してみると、かつて「アジャパー」とか「ナウイ」といった言葉が流行り、多くの若人達が普通に使っていた時代があった。それが今では耳にしなくなり、言われれば「そうだったなー」と記憶の頁を繰らなければならない若かりし頃の流行語だった。

だから、今の若者言葉に目くじらを立て「日本語がおかしくなる」と思い上がって訂正を要求しなくても心配いらないようにおもう。
 冒頭の「時の過ぎ行くままに」に、こうもあった。
「早乙女姿の高校生があでやかな緑の茶葉を… 」とあるが、「早乙女」とは、田植えをする女性のことを言う。
だから、緑の茶葉を摘む「早乙女」は間違いである。と言うことだ。
「変わりゆく言葉の大海から、今読む人が分かりやすい文章を編んでゆく。それはその時代の生きた日本語を記録に残す…」と結んでいる。
目くじら立てて、諸氏が「あーだ、こーだ」と心配することはない。知らないことも多いのだと言うことを自覚する必要があるのかも知れない。

(画像は春日大社・お田植祭)


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