246 2017-10-1更新

機械なのにっ

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 付き合って10年余りの歳月が過ぎた。高速、ある時には細い村道を走り、天気の良い日はもちろんのこと、風の日、雨の日そして2月の雪の降る中。走りに走った21.000`余りは赤道の1/4の距離にあたる。
目的地までの地図を頭に入れ、そのルートをクリアーして行くアナログの世界がそれなりに楽しかった。
 機嫌よく付き合ってくれたのはバイクのヤマハ・ドラッグスターDS250だ。彼はまだ機嫌よくこちらの言う通り動いてくれるのだが、車体重量160`は歳を重ねた自分の体力が衰えて来たいま、上手くコントロールすることに自信がなくなってきた。
 転倒でもして自分は元より彼にも傷をつけては可哀そうな気もしてきた昨今である。
思い切って「彼」に第二の人生を与えることを決意した。
しかしその途端、今までの彼と走ったことが走馬灯のように頭を駆け巡る。
入念に綺麗に洗車をし、最終走行をして別れを告げ、決意したはずなのに、また決心がぐらついた。
DS250という「機械」に感情移入している自分がいる。


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