250 2018-2-1更新

たった一人の…

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 この大きな地球のはて、南米・パタゴニアで1つの人類が消えようとしていることを、テレビ「世界不思議発見」で知った。
 ネアンデルター人の絶滅後、現世人類ホモ・サピエンスが30万年位い前に誕生し、約6万年前にアフリカを離れて、ヨーロッパに渡り、どのルートを辿って長い年月を経てこのパタゴニア最南端のナバリノ島にたどり着いたのか、その距離約5万キロと言う。そしてヤーガン族として今日まで生き残った。我々と同じモンゴロイドと言うのである。
そのヤーガン族は今たった1人の高齢者となってしまい、ヤーガン語を話す相手がいないと言う。
ヤーガン言語については純粋のヤーガン族ではないが、彼女の孫が引き継ぎ残ることになるが話し相手はどうするのか、記録として残す以外難しいと思われる。
 早晩、ヤーガン族はロウソクの灯が消えるがごとく、この地球上から居なくなり記録だけが残ることになるのだろう。
 なぜそのようになってしまったのかについては、色々な原因はあるようだが、その一つはヨーロッパ人が裸族であった彼らに衣服を着せたことによる生活環境変化だと言われている。

衣服を洗濯しないで不潔になっても着続けたため、ノミやダニ、細菌などから病気になり人口は急減したと言われている。
 話は変わるが先の大戦後、「肉を食え、パンを食え」と洗脳された日本人、結果、メタボや肥満と戦わなければならなくなった。
幸いなことに、医学が発達していたので、それが直接の原因となって命を落とすことは少ない。
もし「医療」と云うことを知らなかったら多くの犠牲者が出たかもしれない。
文明・文化がヤーガン族を絶滅へと追いやったように、何時の時代か新しい文化が、現生人を絶滅へと向かわせる時代が来るのではないだろうか。
 縄文文化が弥生文化にとってかわったとき、日本全土に居た縄文人が消えたことも弥生文化の取り込みと関係があるとする、前例もある。

 

画像はTBS「世界ふしぎ発見」より


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