神武天皇で名高い奈良県橿原市に自宅を開放し手作りの八木保育園を開園いたしました。私が36年間の職場保育所勤務中、様々な理由で保育園に入園できず、お母さんが働き続ける事を断念される辛い場面に何度か遭遇し、いつの日か私が保育所を作り皆様のお役にたちたい、と、長年想い続けてきました。
皆様のご要望とご期待に励まされ様々な困難の経験を教訓にして今年、平成6年4月橿原市役所横に開園する事が出来、嬉しいかぎりです。
気力に限界なしと自分自身を励ましつつ、小さな力ではありますが、一人でも何かを始めなければ長年の夢が夢のまま終わって仕舞うと思いました。
幸いなことに、私の意見に賛同し、お手伝いしてくださる経験豊かな保母さん達にも恵まれ、一緒に働ける事に感謝しております。
今までの経験を生かしながら、今の時代を生きるお母さんや子供たちの幸せを考えた暖かい温もりのある家庭的な保育園を作っていきたいと思います。
そんな願いを胸に平成5年3月に退職し、地域保育園や認可外保育園を見学して回り、色々と勉強させて頂きました。
子供たちが生活しやすいように、なおかつ、家庭的な雰囲気を壊さないようにと自宅の改造も行い、駐車場・保育室・幼児専用沐浴室なども作りました。
退職と同時に私を信頼し、大切なお子さんを託して下さる保育依頼が相次ぎ、中でも印象深い子供さんがいます。その子供さんは、0歳児の頃より地域の大きな保育園に通われていたのですが、色々なストレスから緊張感が高まり体に変調をきたす体質でした。l歳8カ月から八木保育園に通園されるようになってから3歳の今まで、そのような症状はなく、心からのびのびと育ってくれている事を感じています。このことから、如何に3歳未満児達には、一人一人の心を大切にする家庭的な暖かさが重要な保育要因であるという私の想いが実証されました。
基本的な生活習慣(食事・排泄・睡眠・着脱・清潔)の自立と遊びを通しての体力作りを行い、協調性思考力を養い、友達を大切に思う心と何事にも挫けずやる気を起こさせ力一杯自分を表現できる子どもに育てる。
4月 園庭でのお花見会 5月 子供の日 7月 七タ祭り・プール開き 9月 お月見会 12月 クリスマス会 2月 豆まき 3月 ひな祭り随時、新しいお友達を迎える会を致します。
給食献立配布(月初め) お誕生日会(手作りカード) 身体測定給食およびおやつ
9時30分 市販のおやつ 牛乳100cc 10時50分 離乳食(手作り) 11時15分 昼食(手作り) 15時 手作りおやつ又は季節のくだもの 牛乳100cc 17時 パン類のおやつ 牛乳100cc
夏は麦茶。春秋冬はほうじ茶。消化器系の体調の悪いときは、都度お粥など用意いたします。おやつは質を吟味し、生活協同組合(生協)より購入しています。スナック類は止めています。
保育者との信頼関係を作り、生活環境や生活を把握し、月齢に応じた生活リズムの確立と全面発達を促していく。
人として育つ大切な基礎づくりとしてハイハイや床から一人立ちまでの発達保障をし生活と行動範囲を広げ言葉にならない感情や要求を受けとめ話しかけ・呼びかけ・歌いかけをする。
一人一人の興味を大切にし、大人と一対一の関係を基礎にじっくり遊べるよう配慮する。言葉と対象活動にかかわらせ、意志表現の出来る事を大切にする。全面発達を目指し、散歩、野外遊びで四肢を鍛え生活体験を広げる。
自分でしようとする気持ちを大切にしながら、模倣活勤、言語活動を促し、また、まわりの環境や友達との関係を拡げ表現活動の芽生えを育てる。集中して観察させ視野や知識を拡げ運動機能をのばし友達への関心を深め、いたわりの気持ちを育てる。
自主的に行動し、基本的生活習慣の自立を図る。
自他の立場を認め、順番、交替、などの自分の要求や拒否を言葉で相手に伝え、役割行動を理解し責任感を育てる。
散歩を通じて交通ルールを守り、四季の自然現象に触れ親しむ。
第一反抗期なので子供の気持ちを重視、要求を理解した上で言葉で納得の行くよう現場を捕らえて成り行きを理解できるよう説明する。
私自身の共働きの経験から、共働きのお母さんを応援する目的で念願の保育園を開園いたしましたが、思っていた以上に臨時保育を必要とされる方が多いのに驚きました。
出産、家族の急な病気、冠婚葬祭、お母さん自身の自己啓発の為、と、理由は様々ですが、「いざというときにすぐ安心して預けられる保育園」として利用してくださったお母さま方に喜ばれ、私どもとしても喜びを新たにしております。
これからは、子どもたちを取り巻く環境を考えていくことはもとより、お母さん方が実家に帰ったような気持ちになれる場所作りができればいいなと思っています。<子育てイコール共育ち>と考え、皆さんが集い、話し、情報交換できる地域に根ざした開かれた保育園に発展させたいと考えています。
産休明け保育、長時間保育、夜間保育、臨時保育は今の保育行政に欠けている分野で、ボランティア的な人達の情熱でカバーしている現状です。私ども、八木保育園も経営としては、行政機関などからの補助金などは一切なく、私財を投入しつつ、運営している次第です。
しかし、八木保育園を利用してくださる保護者と子どもたちが満足し、喜んだお顔で帰られるのが私達の何よりの励みと頑張っております。
初めてお母さんになられる方に、赤ちゃんの温もりを感じてもらえるような、お年寄りの方にも気軽に子どもたちとの交流を楽しんで貰えるような、家庭的で暖かい保育園を将来つくりたいと希望は大きくもっています。
お近くの方は、是非一度お越しください。
〒634−0078
奈良県橿原市八木町
1丁目1−25
(橿原市役所横)
0744−22−6819
上記の文章は、「くらむぽん VOL.2」(平成6年)に掲載されたものを、転載させていただきました。