(3)珍品・奇品・絶品 「コレクション」とは「がらくたを集めて喜んでいること」と誰かが書いていた。「モノを集める」のはヒトの本能みたいで、およそ収集の対象にならないものはない。たとえば、大は自動車から、小は葉っぱについている微小ダニまで、それぞれの「専門家」がおり、そういう目でみると世の中は収集狂に満ちている。 動物にもそれはある。リスの食いだめは、生存がかかっているとは言え、収集の一変形かもしれない。カササギ(Magpie)はキラキラ光るものが好きで、ガラス玉や金属片の収納庫を作る、という。こちらは生存には無関係なので、全くの趣味である。 モノを集めれば、それぞれの特徴にしたがった区分け(分類)が必要になる。その基準には「喰えるものと喰えないもの」「大きいものと小さいもの」「動くものと動かないもの」など千差万別だが、コレクターとしては「手に入るものと入りにくいもの」が重要なポイントになる。 入手が困難になるほど欲しくなるのは人情で、オードリー・ヘップバーン主演の「シャレード」は、世界に数枚しかない切手をめぐってのミステリーだった。虫集めも然り。虫屋さんたちは寄ると触ると「珍品を採った、絶品を手に入れた」と自慢話に花を咲かす。なんとか大学の偉い(本当は偉くない)教授先生なんかが嬉々として興じているなど、子供じみているが、本人が満足しているならいいんでしょうね。 我がカチカチ山にも「珍品・絶品・奇品」はいる。まず、言葉の定義から。珍品はめったに採れないムシ、絶品は極上つまりきれいなムシ、奇品はヘンなムシ、ということにしましょう。 2006年の珍品はイシガケチョウ。ベージュ地に網目デザインのタテハチョウ科の南方系蝶で、九州南部、四国南部、紀伊半島には生息するが、奈良県では稀種。カチカチピーク(263 m)横を越えて、沢に下りる途中の林縁に咲いていたヒメジオンに訪花(5月6日)。付近には食草になるイヌビワがあるので、今年も注意していれば採れるかもしれない。そうなると、カチカチ山土着種ということになって、一財産です。 絶品としてはオオムラサキとタマムシだが、これは次回で。 それにしても、カチカチ山周辺の詳細地図と地名(勝手に命名可)があれば、ムシ採りも「採集地分類」ができて便利になります. (佐野 浩) イシガケチョウの標本をご覧になりたい方は、星野までお知ら せ下さい。 戻る |
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