犬 四 手 カ バ ノ キ 科 カチカチ山の竹藪を切り開きはじめて間もないころだ。仕事手を休めて一息ついていたら、下の方でアカシデが見つかったぞ、という声に思わずとんで見に行った。見上げるような大きい木。 樹齢は何年ぐらいかわからないが、斜面に枝を豊に広げ、樹肌に白い筋がうねるように走る。とても印象深い木だ。 シデは落葉高木。この木はアカシデだと思われていたが、秋の紅葉が赤くなく、黄色だったので、イヌシデだと分かった。シデという名は果穂が神社の四手に似ているからで、他に「アカ」「クマ」「サワ」と4種ある。雌雄同株で、4月なかば頃、葉に先駆 けて花穂が房状にぶらさがる。 イヌシデの新芽は柔らかい毛で覆われ、ブナの葉と見間違うこともある。今は、ぶらさがっていた花穂は落ちてしまって、目のさめるような新緑で覆いつくされている。このあたりをシデ原というが、イヌシデなんかがたくさん生えていたのだろうか? 古名はソロと言って、いまでもソロと呼ぶ所もあるらしい。カチカチ山にきたら、ぜひこの山の古老の話を訊いてほしい。 戻る |
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