近畿大学里山プロジェクトについて 鶴田 格(近畿大学農学部) 近畿大学といえば、大阪にある学校だというイメージをもっている人がおおいだろう。主要な学部はたしかに東大阪に集中しているが、じつは他にも広島や福岡、和歌山など日本各地にキャンパスが散らばっている。私が所属する農学部は、奈良市内の生駒よりの場所に位置している。矢田丘陵の中部にあり、自然ゆたかな地域だ。3万坪にもおよぶキャンパスの敷地の相当部分が山林となっていて、絶滅危惧種のカスミサンショウウオをはじめ多くの希少な動植物を観察することができる。キャンパス内には、そうした自然の生態系とともに、かつて人々が山林を利用していた痕跡が各所にみられる。たとえば水田やため池の跡である。 こうした事情は一部の教員や学生には知られていたが、これまでこのキャンパス内の貴重な「里山」が学生の教育や研究に本格的に利用されることはなかった。そこで2年ほど前から、「里山修復プロジェクト」と称して、山林や水田の整備を始めるとともに、学生の環境教育の一環として正式にカリキュラムに組込む試みがはじまった。学生によるなかば自主的な生態調査活動をはじめ、定期的におこなう除草、池にすむ外来魚の駆除、クヌギやコナラの植林、放棄された水田の復旧、里山観察のための道の整備、畑での野菜作りなど、さまざまな活動をこれまで行ってきた。 まだまだかつて人々に恒常的に利用されてきたような里山の復元には程遠いし、学生全体にどのような教育的効果があったのかは不明である。しかし、こうしたプロジェクトを始めたことで、学生にとって、それまで(授業で話をきくことはあっても)実際に経験することのなかった里山の自然にふれ、(実際にはたらきかけることを通して)自然と人間の関係をかんがえるための大きなきっかけをつくったことは確かである。今後は、「平群里山クラブ」のような近隣にある里山関係の団体とのネットワークをつくり、活動の内容をより豊かなものにしていきたいと考えている。皆さんもぜひいちど近大の里山に遊びにきてください。以下のホームページで、「里山連続講座」などの各種イベントの情報を得ることができます。 「近大里山プロジェクト」のホームページ 里山連続講座第2回 日時:2007年7月14日(土) 午後13時〜17時30分 会場:近畿大学農学部 211教室 戻る |
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