半世紀ほど前,静嘉堂文庫を訪ねて敬宇の自筆稿本を閲覧した。時日も限られていたので文稿と日記は複写を依頼し,後日お送りいただいた。さらに『中村敬宇の研究』を上梓されていた荻原隆氏から『自由之理』の原稿などの貴重な史料をご恵与たまわった中に,敬宇の日記も含まれていた。
生活環境が全く変わったこともあり,文稿も日記も荻原氏からいただいた史料もほとんど手つかずのままになっていた。
そのうち気を取り直し,国立国会国会図書館,大阪府立図書館襲蔵本を中心に敬宇の文章を集め始め,日記もまた当時のワードプロセッサを使って読本を入力していった。休日と夜間しか時間を割けず,作業は遅々たるものだったが。(この間,ワードプロセッサの世界は衰退し,ワープロソフトに変わっていった)
―― こうしてようやく「敬宇日記」をまとめることができた。それが以下である。(ある意味では,ここに蔵めたファイルすべてに通じることだが)