ごあいさつ
                      
                           奈良県高等学校国際教育研究協議会
                           会 長  藤 村 安 造

 近年、急速に国際化が進み、国々の相互依存関係が深まっています。しかし、世界各地での紛争等に見られる現実は、誰もが望む平和で豊かな世界とはまだまだ裏腹な状況にあります。それだけに私たちは、世界の平和や様々な立場の人たちとの共生を基本理念とした生き方を広め深める取組を進めなければなりません。とりわけ、次代を担う高校生に対し、平和について考え共生の態度を育むよう取り組む必要があります。
 本会では、これまで「青少年に広く国際的視野を培うと共に、海外に対する正しい理解と知識の普及を図ることを目的」として、国際教育の研究実践に営為取り組んできました。
 本年も、県内各高等学校のご協力に加え、県教育委員会、なら・シルクロード博記念国際交流財団、国際協力機構(JICA)大阪国際センター等の方々のご支援により、本会の活動目的に基づいた種々の事業を実施することができました。ここに改めて、ご支援ご協力くださいました皆様方にお礼申し上げます。
 さて、本年度の活動を振り返りますと、7月に開催した総会が活動のスタートとなります。総会の後、ブリティッシュ・カウンシルの河合千尋さんによる英国の学校と日本の学校との交流状況に関する報告を拝聴し、「学校間交流」についての研修もできました。
 10月の国際交流セミナーでは、南アフリカからの留学生として奈良女子大学大学院で学んでおられるネリサ・ムロニエニさんから南アフリカを紹介していただき、参加した高校生と交流する機会ももちました。異文化理解を深めるよい機会になりました。
 12月には、外国から奈良県の学校等に来ている留学生・研修生の体験発表会を実施しました。発表してくれた皆さんの流暢な日本語に感心させられると共に、日本人自身が案外気付かない日本の特徴について教えられることも多くあり、一味違った面からの異文化体験によって互いの理解を深めることに役立ったと感じています。これからもこうした取組をとおして、さらに国際教育の進展を図ってまいりたいと思っています。
 最後になりましたが、この冊子を発行するに当たり、県教育委員会や各会員の皆様方にご協力いただきましたことに感謝を申し上げ、今後とも本会の活動になお一層のご理解ご協力くださいますようお願いしてごあいさつとします。