郷ひろみさんの“アルバム曲感想集”〜20代半〜
(ベスト盤・ライブ盤・サントラ盤を除きます)

16.How many いい顔    1981年(昭和56年)1月発売 〜25才〜

1

How many いい顔 もう、酒井さん!って、当時すごく腹が立ちました。60年〜70年代の歌手の
アルバムってヒットしたシングル曲をオリジナルアルバムに何度も入れちゃう安易
さがあったんですけど、ひろみさんだけは、そういう重複ってなかったんですよね。
でもこの曲は前のアルバムにも収録されてたじゃないですか。このアルバムは
この曲がメインコンセプトの曲だったし、だったら「MAGIC」に入れるなよ!って
本気で怒ってました、僕。

2

聖少女 比較的アコースティックな感じのするアレンジが素敵です。軽くって、安心して
聴ける曲ですよね。『アポロンの恋人』を最後に京平先生から離れて『「アスファルト
ヒーロー』まで、ニューミュージックよりのかっこいい作品が続きます。歌も非常
にうまいし作品の重みも感じさせるわけですけど、歌い込みすぎてて彼の魅力の
ひとつである軽さ・カジュアル加減が少ないかなって思ってました。このアルバム
は酒井さんらしいコンセプトアルバムになっていて、笑顔のひろみさんの魅力を
感じます。

3

Nazo Nazo 夏の砂浜での、あるカップルを描いたような可愛い曲。伴奏がポヤポヤしてるの
が、気持ちよくて聞いてるとなんだか眠くなってくる…(笑)

4

ペルソナ(仮面) 曲もかっこいいけど、題名がなんとも意味ありげ。この頃、ひろみさんは
音楽評論家に”郷君は何があっても鉄の仮面をかぶっていて本性を見せない”と
言われていた。本当は寂しくても寂しいと言わない、疲れていても疲れたと言わな
いそんな毎日を送る中での、次々と歌わなくてはいけない歌の中に何を感じていた
んだろう。この曲を聴くたびにふとそんなことを考える。

5

ポーカー・フェイス いいよなぁ、この曲。文句なしにイイよなぁ。秋の夜長にピッタシの名曲でしょ。
軽くって、気張らず歌ってくれてるひろみさん、ありがとう。でも、今のひろみさんの
方が、この曲を歌うのにピッタシやと思うな。

出だしのポーカーフェイスで〜♪の”ポ”がきれいにそして、けだるい感じで
出ているのが、なんとも言えずに好き。
こうやって力を抜いて歌える歌がひろみさんに合って来た頃。

6

Hold Me これも、かっこいいな〜。大人の男の本音みたいなものが見え隠れして
妖しい夜を想像しちゃいます。これもシングルなら良かったのになぁ。

7

Ready For You ひろみさんのこの声(発声)はとても珍しいと思います。
ちょっと怪しげ?に歌ってる。

すごく丁寧に優しく歌ってて、サビなんてすごく大切に歌ってるかも。
目立たないけど、どこかファンタジックで可愛い曲。

8

魔女裁判 若さのカタスシスのレコードを貸して、とクラスの友達に言われて貸して
あげたら、B面であるこの曲を”どうしてこんな曲を歌うわけ?”とけなされた。
そういわれても、ひろみさんが自分で決めるわけじゃないしそんなこと言われる
ような曲でもないけれど…なんだかそれがずっと頭に残ってる曲です。
メロディーは好きだけど、確かにもっと違う歌詞がついたら、違った印象になって
いたのかなぁ。

9

Don't Want To Say goodnight 語りかけるような歌声が、優しい感じでとてもいい雰囲気です。

このアルバム、How manyいい顔なんて平凡な題名にしないでもうちょっと
気の効いた題名にしてほしかったな。優しい曲が多いのだから女性の心に響く
ような。アルバムタイトルなんとかしてほしいって思ってた時期でした。
この曲もほとんどをアカペラで歌うようなしゃれた一曲なのだから。

10

若さのカタルシス これも、アレンジしないでシングルのままが一番いいです。イントロのなんとも
言えない落ち葉を感じさせる音色がいいのです。2番の歌詞
赤いルージュに染まった…残りの紅茶ほろにがい味…♪のこのあたりは、
たまらなくしびれます。 

11

Empty Pages タキシード姿のひろみさんの熱い視線を受けてエスコートされる素敵な女性は…?
ひろみさんのやさしいまなざしとあふれる愛情を感じる曲です。

これこそ、今のひろみさんに歌って欲しい。タキシード着て、ビシッと決めて
素敵に歌って欲しい。目立たないアルバムの最後にひっそりと入ってるなんて、
許せないというか、もったいない。

 

17.PLASTIC GENERATION   1981年(昭和56年)5月発売 〜25才〜

1

禁句S 禁句SのSってやっぱS○XのSなんですよね?僕がひろみさんだったら、
酒井さんに聞いちゃいますよ。でもひろみさんは聞かないだろうなぁ。
そんで、わかってんだかわかってないんんだか、平気な顔して歌っちゃうんですよ
ね。これじゃ女の子も巻き込まれちゃうわ。

この曲のイントロは、新生郷ひろみを感じさせてくれた。いい曲です。
何年たって聴いても。このアルバムの歌い方にしっとりした色気があって、
ひろみさんは本当は日本人じゃないって真面目に感じた一枚でした(笑)
また近いうちに、どこかで歌って欲しいな。

2

パピリオ 禁句Sの曲の終わりに、CAN YOU BELIEVE ME?と問いかけがあって、
すぐにイントロが始まるこの繋がりがなんとも憎いというか、すごいというか…
で、またこの曲がいいんだな。最高です。このアルバム。ひろみさんは本当に
蝶のように、どこまでも高く飛んでいく…そんな予感をさせてくれました。

3

P-GENERATION これも名曲ですね…。歌いだしの青い雫は揺れて…♪なんて最初から
危なげな雰囲気で…島武実さんの詞が冴え渡ってます。近田春夫さんがひろみ
さんの声をプラスチックだと言ったのは島武実さんの歌詞を歌い始めた頃だったと
思うのだけど、この二人の融合がプラスチックを生み出したのではないかしら…。
この曲に特に私は、なんともいえないプラスチックを感じます。

4

モノクロームGIRL これまた、かっこいいわ…黒人並みのリズム感って言われただけあって、
危ないSATURDAY NIGHTのカフェバーをスリリングに歌ってます。

5

10YEARS AFTER セイヤングのエンディングで、よくかかっていたと記憶していますが、
放送の中で、恋人宣言をした後に流れた時にはせつなかったなー。

この題名が好きなんだな…。素敵な響きがあって、せつないバラードは今の
ひろみさんに是非歌って欲しい一曲。実はオフィシャルで歌ってほしい曲を募集
したときに、これを入れてしまった。だって今から10年後のひろみさんも、楽しみ
でたまらないから。最後の
10Years after♪と、何度も繰り返す最後の一言が
すごく優しくて、はかなくて好き。

6

STARDUST HOTEL 当時19才だった私、19の君が〜♪ってフレーズが大好きでした。まるで自分の
ことを言われてるようで(笑) 数あるアルバムの中で一番好きなものです。

もうこれは、どうしてシングルじゃなかったのでしょう!!!絶対にファン以外でも、
この曲はかっこいいと思ってもらえたと思う。出だしの波の音、光るような
サウンド、歌詞から想像できるどこかの古いホテル…完璧に女心捉えてる。
サビなんて、うっとりしちゃう。この躍動感、たまらないですぅ〜!

7

ONLY ONE IS NUMBER ONE この時期の三浦徳子さんの詞は、すごくひろみさんの内面を如実に表して
くれていると思う。ちょっとかっこつけて、それでもどこか自信がなくて、一生懸命
自分をアピールしている…最終的には優しい男性だってことがわかるんですよね。
タバコにはライター インクにはペン 2つで一つ…♪という歌詞が、とっても
印象的。こんな歌詞、もう二度と出てこないでしょう。

8

LONELY DANCER これは、なんと表現したらいいのだろう。最後までずっとこのリズムだったら
どうしようって不安は、見事にサビで打ち消してくれたけど、萩田光雄さんに
しては、珍しい音作りだと思った。それだけに、サビできれいなメロディーが来ると、
すごく安心できたけど。

9

お嫁サンバ この曲が新曲だと知ったのは、当時ひろみさんが担当していた日曜夜10時
からのニッポン放送のラジオ番組であった。どうしてこうなるの?って一言…
そして曲が流れたので何かあるなって思ったけど、すごいインパクトだった。
ひろみさんにしか歌えない曲。この曲を歌った潔さは本当にすごいと思う。
今となってはコンサートでなくてはならない曲。
1・2・3バ♪

10

スターダスト・メロディー この曲聴いてると、トロトロに溶けてしまいそうになるんです〜
甘い甘いバラード大好き。これも、今の声で歌って、と声を大にして言いたい。
林哲司さん、この頃いい曲ばかり書いてましたね。確か当時オリコンの
インタビューでひろみさんのアルバムを書いて、と言われて、3曲もかけて
しまった自分に驚いた、とあったけど、それだけ想像力を掻き立ててくれる
逸材だったのでしょうね。ひろみさんが。
 

18.アスファルト・ヒーロー   1981年(昭和56年)12月発売 〜26才〜

1

哀愁ヒーローPart1・Part2 この曲のひろみさんのボーカル、すっごくいいですよね。
高音なんて最高に伸びているし、かっこいいサウンドに声が負けてないから、
これだけドラマチックな歌謡曲が出来上がるんですよね。
マニアにしかわからない曲かもしれないけど、もっと評価されてほしかった。

2

恋愛特許 タブーの作詞をしてくれた浅野裕子さん、お嫁サンバを作曲した小杉保夫さん
ルビーの指輪でおなじみの井上艦さんの編曲、いい陣営揃えてますよね。
浅野さんの作詞って、男にこうあってほしいみたいな気持ちが入っていてその詞を
うまく小杉さんがリズミカルにしていて、井上さんのアレンジがまた怪しげに光って
ます。このアルバムも名曲ぞろいですね。

3

ポケットの春 - 11Fのマリア - 手拍子の入るリズムがすごく心地よくて、イントロからすごくいい感じでちょっと
荒削りなひろみさんの歌い方が余計にこの曲を盛り上げてる気がする。
冷たい春だよ、ポケットのバーボン♪という歌詞に、この曲の題名のヒントがあるの
かな?副題の11Fのマリアというのは、どういう意味があるのだろう。

4

I’m Sorry コンサートでも歌ってくれた曲ですが、このアルバム好きなファンって多いんじゃな
い?現在のHIROMI GOに直結してる楽曲群だと思うな。
アルバム自体素敵だったのに、この時期のコンサートではこのアルバムの曲って
半分も歌われてないよね。惜しいな。この曲はひろみの鼻高々なイメージにピッタ
シで、大のお気に入りナンバーです。

この頃からひろみさん、キーが上がったのか…高音が前より無理せず出ている
みたい。サビが高音続きだけど、それがまた聴いていて気持ちいい。
サウンドもノリノリ。最後のファルセット
Baby a sorry♪の繰り返しはたまらなく魅力的。

5

Vivid Girl 一転して大人っぽい曲、ひろみさんの好きそうなリズムだなぁ〜!これが、
後のビタードリームや、大人達のFour seasonsに繋がっていったんじゃない
だろうか、って勝手な想像してます。これも井上艦さんの編曲が効きまくってます。

6

存分Lady '70年代末から'80年代初頭の歌謡曲のアルバムってジュリーとひろみのおかげ
で絶対ニューミュージックに勝ってたと思います。僕も当時、佐野元春や山下達郎
も聴いてましたけど、自分で曲書いてんのはスゴイけど、やっぱ作品にするとひろみやジュリーのがカッコイイよなぁ、なんて思ってました。「裏方でいなよって!」
感じ。この曲はテレビでも歌ってましたけど、郷ひろみ自信満々って雰囲気で、
ファンとしては気持ち良かったっすね。うん。

これまた、いい題名だなぁ〜!シングルにしてほしかった〜!これをシングルで
歌うとしたら、どんな衣装でどんな風に歌ったんだろうってずっと考えてました。
サビの
存分悩めLADY♪ってところのレディーをレデーとあえて発音してるところが
いいんですよね。これ、レディーって歌ったら、何にもおもしろくないし響いてこない。
あえてそういう発音する潔さみたいなもの、好きです。マイレディーもそうですよね。
それにしても、いい声してます。

7

口紅嫉妬 これで、くちべにジェラシーと読ませるんですよね。サビが印象的だから
それこそ化粧品のCMソングなんかにしたら、結構マッチしていたかも。
僕の身体はベッタリ 君の指紋だけ♪なんて…サラッと歌ってしまうのは
郷ひろみらしさでしょうね。たまりません…。

8

もういちど思春期 イントロや間奏で、井上艦さんのアレンジが冴え渡ってますがそれと歌謡曲が
合わさったことに違和感を感じないのは、全体的によくまとまっているからなの
でしょうね。この頃のシングルって本当にいい曲歌ってます。
最後にズボンのすそをあげて、色つきの靴下チラッと見せるなんてそんなこと、
思いつく人ひろみさんだけですよね。

9

狙撃者 これも、漢字で書いていながらスナイパーと読ませて味があります。火曜サス
ペンス劇場の主題歌になったら、ぴったりなのにぃ〜って聴くたびに思ってます。
最後犯人がわかって、一人ボートにのって湖の上で…なんてシーンにぴったり
でしょう(テレビの見すぎ?)こういうドラマチック歌謡曲、大好きです。

10

アスファルト・ヒーロー アルバムの最後はこうでなくちゃ、という甘いバラード。この頃、ひろみさんの
描く、アスファルトの夢とは一体なんだったんだろう…。
幻想的な歌詞が、色んな事を想像させてくれます。夜に一人で聴き入りたい。
 

19.哀愁のカサブランカ   1982年(昭和57年)9月発売 〜26才〜

1

哀愁のカサブランカ ストリングスの長〜い前奏があって抱きしめーるとー…♪すばらしく響くひろみさん
の歌声に感動でした。シングルよりはるかに進歩したアルバムバージョンです。
このアルバムはどの曲もすばらしい秀作で、ひろみさんの声も最高です。

オリコンのアルバムチャートで初登場2位だったんですよね、このアルバム。
それほど注目されていたのでしょう、このカサブランカのヒットが。AORの雰囲気
満載で、一気に大人っぽくなったひろみさんが私には嬉しくてたまらなかった。
ニッポン放送で公募された一般の方の作詞も好きだったので、書き直されて
しまったのがちょっと残念ですがここまでのヒット曲になったので、結果として
良かったのだと思います。

2

時にはきみが、時には僕が 初めて聴いたフリオの曲、甘くて切ないフリオの世界をみごとに歌っていて、
私もはまってしまいました。ひろみさん、「TAILORED SONG」で完結させるま
で、フリオの曲をたくさん歌いましたよね。何か予感を感じさせる最初の曲でした。

フリオの歌の中では、軽快な曲でなじみやすくて好き。
これは、ひろみさんの年齢にあっていて良かったと思う。
ひろみさんの曲は、君と僕が主流だから、なんだかしっくりくるんですよね。

3

ロマンス シングルカットするなら、もっと長いスタンスで歌って欲しかったのでちょっと
中途半端だったような…シングルジャケットとってもいいのでもったいないですよね。
金色のひまわり達が〜♪という出だしの歌詞なんて一気に聴く人の心をつかむか
ら、曲としてはすごくいいんですけどね。

4

終着駅の女 ひろみさん自身が好きで、よく歌ってましたね。マイナーコードで悲しいバラード
は私は苦手だったけど、近年の”忘れられない人”は歌がうまくなったのに加えて
彼自身の人生経験もあって、聴く人の心に響く歌になってました。
”終着駅の女”も、今歌われたら泣けてしまうかも。

5

GOOD BYE DAY 来生たかおさんの有名な曲。本当にいい曲です。このアルバムの中では
若さのまま歌い上げてますが、後に歌いなおしているものの方が進化しているし、
聞きやすいかな。ひろみさんがコンサートのラストで必ず歌っていました。
久しぶりにまた、歌って欲しいな。

6

STREET DOLL 軽快なリズムに響きわたるひろみさんの高音が冴えてますね。

もう、待ってましたって感じで…静かな曲ばかりではなく、こういうリズム
歌って〜って思っていた心をくすぐります。今聴いても、充分かっこいい。
こういうかっこいい曲のシングル、もっとほしかった気がします。

7

さよならロンリー・ラブ 高音が辛そうだけど、こういう綺麗なメロディーを半音上げて歌うとひろみさんの
声ってすっごく素敵になる。これも訳詞がすごくいい。9月になると頭をよぎる曲です。

8

若草の萌える頃 「男の子女の子」〜「洪水の前」』を第T期、「帰郷/お化けのロック」〜「女であれ
男であれ」までを第U期と考えると、このアルバムあたりから郷ひろみ第V期って
ことになると思うんだけど、酒井さんも方向性を模索してたんだろうね。
このアルバムは国内外を問わず全曲カバーの作品になっています。
当時、ソニー所属のシンガーソングライターだった谷口雅洋のこの作品はまるでひ
ろみさんのために書かれたような曲ですね。14年後の「罪の景色」でも、このテーマ焼き直ししちゃってます。名曲だよね。

何故か、私のこのアルバムの中のベスト1なのです。こういうなんでもない曲を
歌わせると、ひろみさんてすごく自然体になる。シングルはどうしても癖のあるもの
が多かったので、是非こんな曲を一般の人に聴いてもらいたかった。

9

LAZY MOON この曲にもファンが多いだろうなぁ。”STREET DOLL”よりさらに進化していて
超かっこいい♪ くちなしの香りのする部屋というのが、ちょっと渋い…(笑)

10

長雨 来生さんの作る曲は本当に、優しくて人間味がある。雨が降り続く…♪歌詞の
とおり、シトシトと雨がずっと降っているような、静かな曲です。
ラストの
虹が見たい〜♪の歌詞が印象的。
 

20.愛の神話         1982年(昭和57年)12月発売 〜27才〜

1

さすらい夢人 これは、ひろみさんに合っていると思う。当時は”哀しみの黒い瞳”よりこっちを
シングルにすればよかったのに、なんて思ったけど月日を経て、”哀しみ…”が
どんなにいい曲なのかわかったくらいだから当時私なんて本当の曲の良し悪しなん
てわかってなかったのかもしれない。

2

愛の神話 いいメロディーなのに、この愛の神話っていう題名がこの曲には合っていない
ような気がする。木枯らしの或る日、ドライシェリーを飲みながらバーで一人、
物思いにふける男がそのまま、飲みかけを置いて店を出て行く歌詞は孤独が
にじみ出ていて、憂いがある。

3

哀しみの黒い瞳 「愛とは美しく裏切り合うことなのか…」アルバムでは、最後にセリフ入りでした。
こんなセリフもピタリと決まるんですよね〜。

98年のツアーでこの曲を生で聴いた時、なんとも言えない切なさとものすごい
説得力を感じた。この一曲だけにコンサート代金を出しても無駄ではないと思える
くらい、郷ひろみツアーの歴史に残る熱唱だったのではないだろうか。
人からオーバーだと言われても私はそう、評価したい。歌うのが早すぎただけで、
こんなにいい曲だったのか、と。これからどんどんそういう曲が出てくるかもしれない。

4

狂おしきマドリー うぅ〜ん…いい曲なのに何故こんなに軽い仕上がりにしてしまったのでしょうか。
女性コーラスに問題があるのかなぁ…。原曲には近いんですけどね。
ひろみさんの
帰れ〜♪って声を全部にかぶせた方が重みが出ていいんじゃない
かしら…。いずれにしても、これも歌うには声が若すぎたのかもしれないですね。

5

白い伝説 途中から、走れトロイカ〜♪と歌いたくなるのは私だけ?
昭和のよき時代の歌謡曲という感じです。

6

愛と青春の旅立ち 日本語の訳詞が素晴らしいと思う。休業する寸前にミュージックフェアでこれを
歌う彼を見たとき、一段と上手にせつなく歌う彼に感動した。
日本語の訳詞が古臭くなくて、それがまた郷ひろみの生き方を象徴するような
内容で、偶然なのか必然なのか、このカバーはしてくれて良かったと思う。

7

悲しい悪魔 いいメロディーだなぁって聞くたびに思う。でも、このアルバムって無理にフリオ
イグレシアスを意識してるから、背伸びしすぎてもう一つって言うところ。
クラシック調のアレンジに変えて、今のひろみさんの声でアルバムごと歌いなおした
ら、すごく価値が変わると思う。

8

愛の場面 このアルバムと前のアルバムって別々にしないで2枚組でリリースしても良かった
って思いません?郷ひろみタキシード路線も極まれりって感じですよね。
この曲はひろみさん自作なんすけど。確か、車のワイパーの音(メトロノームみたいな)がリズムのヒントになってと、当時なにかで読んだ気がします。違ってたら
ゴメンなさい。それにしてもこのジャケット!こんなに美しい人間っています!?

確かひろみさんが作った曲でしたよね…まだちょっと曲作りが中途半端かも?
でも、要所要所でいいところがあるんですよね。サビがありすぎる気がするから、
いいメロディー一つにしぼると、全体が引き締まるような気がしますが…
素人が何いってんだよって言われちゃうかな(笑)

9

BABY,IT’S YOU 甘い甘いバラード、このアルバムの中でダントツ好きです。
このくらい「ため」がある、ゆっくりしたバラード、ひろみさん得意ですよね。
沸かしたままで忘れていたコーヒーは コロンビアさ 君の好きな香り♪
囁くように歌ってくれます。ラストにかかる間奏部分もすごく好き。

10

さらば わが愛 アダルト路線を追いすぎて、この頃のひろみさんには似合ってないかな。
50代の男性くらいになると歌いこなせるのかも。いずれにしても、ひろみさんには
歌うには早すぎた良い曲がたくさんあるんですよね。これからなんらかの形で
生まれ変わっていくといいな。
 

21.比呂魅卿の犯罪     1983年(昭和58年)4月発売 〜27才〜

1

比呂魅卿の犯罪 これは曲が龍一さん?うん?京平先生か?まっ、どっちだってイイや。
すごいドラマチックな曲で初めて聴いた時、驚きました。きっとこれを聴く時、
ファンの女の子は少女漫画のヒロインになっちゃうんでしょうね。バラの棘で背中の
破れたブラウス「ダメ…、ここへ来ては。」肩越しに、恐る恐る振り返ると、そこには
月の影に照らし出された王子様が…。

このアルバムはタイトルといい、アルバムジャケットといい、私の中では珠玉の
作品。当時オリコンで絶賛されていて、確かチャートは初登場6位だった。
ドラマチックな最初のこの曲は、美しく生まれてしまった男の悲哀と運命に翻弄され
ながらも、それに従っていく姿が描かれているように思う。
最初に針を落した時から、私はこのアルバムの虜になった。

2

君の名はサイコ この曲のラジオスポット(確かFMの新譜紹介か何か)を初めて耳にした時の衝撃!
ちょうどラジオをつけたままうたた寝をしていた時で、これ夢?って感じで耳を
疑いました。だって、「サイコ」の「サ」の音がどうしても「セ」に聞こえてしまう!
ね、みんなそうじゃなかった?「ひろみ、ちょっとこれ・…(汗)」なんて感じでした。
だからレコードを買うまでこの曲のタイトルは「君の名は○イコ」だと思ってました。

妖しげな世界にひろみさんを誘い込んでる作家陣の力量がよくわかる曲。
夢と現の境目で抱いた〜♪というフレーズは、それこそそれがテーマで作られた
のではないだろうか。サイコという名前は、ヒッチコックの映画から取ったのかな?

3

愛の空中ブランコ 声に変化をつけている部分と、レコーディングそのままの声を使ってる部分が
はっきり分かれていて、そこで夢から覚めたような現実の世界に戻ったような
不思議な感覚になる。よく高いところから落ちる夢を見ることがあるけれどまさに
そんなイメージの曲なのではないだろうか。

4

夢 中 君に夢中さ、夢中夢中夢中〜♪のヘビメタっぽい歌い方がなんとも言えず魅力的。
”大人の服を着る”というフレーズのほか、この曲には大人とBABYが何度も
登場する。ひろみさんはどっちの立場なのかわかりそうでわからない、そこが
いいんですよね。この詞の世界はすごいと思う。

5

独身貴族 これは名曲でしょう。このアルバムの中でダントツです。男から見た郷ひろみも、
こうであってほしいというような願望と遊びがあって素敵でちょっと寂しい姿が
描かれてます。
退屈だけど走っていたい 一人でいるから旅人〜♪は、
ひろみさんの中の永遠の少年が発している心の叫びにも受け取れる。

6

やさしさが罪 優しさが罪、というのは、ひろみさんそのものですね。当時のこの曲が
今聴いてもこんなにしっくりしてしまうのは、有る意味切ない気もする…。
さかさまの月を映してるだけ〜♪という湖の描写は、ひろみさんの心そのものかも
しれない。とっても深い曲だと思う。

7

美貌の都 セールス的には今ひとつだったけど、マニアにファンが多い曲。アンニュイな
ムードが、なんとなく演劇的で、こういう曲ってなかなか生まれないと思う。
さすが、中島みゆきさんです。詞を書いた相手がひろみさんだからこそ、
生まれた曲なのでしょうね。

8

褒められてタンゴ イントロのサウンドが最高にかっこいい。この曲も”やさしさが罪”同様ひろみさん
の内面をよく表していると思う。いつもすごいと思うのは歌手郷ひろみとしてよりも、
素のひろみさんを作家陣が見ていたかのように表現していること。
聞き流さないで、じっくり詞を聴いてほしい曲。

9

毎日僕を愛して うーん。古くは上原兼。ちょっと前だと田村正和?とにかく二枚目で相手の女性を
も輝かせる男っているじゃないですか。でも、郷ひろみは一人でいる姿が一番さま
になる男だって思うんですけど…。そうじゃなきゃ、めいっぱい変なパートナーじゃ
ないとだめです。この、坂本龍一の嫁は『まさこちゃん』つうか、顔を洗わずにお化
粧してるような、コギャルに通じる不潔感(ゴメン!)があったんすけど、ひろみさん
とのデユエットで素敵な女性になれましたよね。

矢野顕子さんがひろみさんと同じ年齢だということに当時びっくりした。
でも、この声の取り合わせってお互いにすごく特徴があるのに、しっくりしていて
すごくいい。矢野さんの声が最後のいい部分だけに限られているのが余計に
効果として表れているのかもしれない。おしゃれな曲。

10

だからスペクタクル 1曲1曲はすばらしいのにアルバムとしての統一感に欠けるなって当時から
思ってました(ゴメンね)。ひろみさん自作のこの曲も「別にどうってことないよな」
って感じです。キヨシローや教授は、それはそれで素晴らしけど、やっぱ70年代の
職業作家で築き上げられたひろみ像って極上なんですよね。酒井さんもそのへん
は十分分かっててひろみさんの希望にかなうようにやらせてあげたかったんでしょ
うね。こんなに素敵なタイトル(比呂魅卿の犯罪)ってもう2度とでてこないでしょ。
もったいないな。

このときのひろみさんが、何を残そうとしたのかわからないけど彼の中の表には
見えない心の叫びが聞えてきそうな曲。
月から船を呼んで〜このまま二人で銀河を渡り♪というフレーズは、もしかしたら、
そういう世界に逃げ出したい気持ちと、反対にノアの箱舟のように選ばれたもの
だけが乗れる船を意識したのかもしれない。
以前アルバムでSECRET SPACE2001という曲があったけれど、
これが未来予想図1なら、だからスペクタクルは2であって、将来3となる曲が
聴けるのかもしれない。歴史はめぐる。彼の作品の中でも好きな曲。

 

22.TAILORED SONG    1983年(昭和58年)11月発売 〜28才〜

1

マイアミ気分 このアルバムも、やっぱり他の歌手には作れない、郷ひろみの歌謡ポップスの
世界だと思います。とにかく久し振りに一曲一曲が短いのがいいよね。
ひろみの曲って、軽くって「えっ!もう終わっちゃうの…。」ってのが一番かっこ
エエ。この曲の外国みたいなのに○○ヘルスセンターでも聴けそうなチープな
雰囲気が大好きです。

2

TRAP-罠  

3

シャトレ・アモーナ・ホテル  

4

アカシアの夜  

5

暗闇のディーン J・ディーンをイメージしたこの曲が「流れ星佐吉」のエンディングになぜか
マッチしてたよね〜。
傷つきたい 嫌われたい ひとりになるよりは…♪って
フレーズが頭から離れません。

とにかく勝手に、一時期、僕のテーマソングでした。
男なら誰でもJIMMYに憧れる頃ってあるのかな?
僕自身の思い悩んだ日々と、当時の郷ひろみの頑ななまでの生き様と、
JIMMYのまなざしが重なりあって…、聞いてるとたまんない気持ちに、
今でもなります。サビの部分の力強い歌い方は郷ひろみ独特でしょう。

6

ヴァージン諸島  

7

月下美人  

8

悪く思うなよ 珍しい。ひろみさんが三角関係つうか男友達を登場させるなんて。
かの名作「街かどの神話」の『小さな友情』以来かな?とにかくこういう軽いサウ
ンド(やっぱマイアミサウンドつうのかな?)に対するノリは誰にも出せないでしょ。
AH!『ナイーブな男達』にも友達(?)登場してましたね。

9

ひと夏のMarianne  

10

そんな気がして さらりと歌ってるけど、こういうシチュエーションの詞をひろみさんが歌うと妙に
色っぽくて、胸がキュンとなりました。余韻の残る曲です。
 

23.ALLUSION         1984年(昭和59年)12月発売 〜29才〜

1

M.9 最初に聴いた時に、真面目に怖いって思った(笑)聴いてはいけないような
何かが出てきそうな…。でも、引き込まれる曲で言葉遊びが攻撃的でそれが
魅力的で、こういう冒険は大好きです。色々言われたアルバムではあるけれど、
音楽をもっと見て欲しいとずっと思ってました。

2

Charisma ヘンリー浜口とは、ひろみさんのことだけれど、この頃本当に彼の歌いたい曲、
書きたい曲を全部見せてくれた気がする。音楽的に迷っていた時期かもしれない
けど、自身のカリスマもこの頃は研ぎ澄まされていた。今よりもっと、鋭利な感じで
近寄りがたい部分もあったかもしれない。

3

どこまでアバンチュール 忘れもしない、この曲を初めて聴いたのはラジオのオールナイトニッポンだった。
なんて、かっちょいい曲〜って思って、手をたたいて喜んだのに世間的にはあまり
受け入れられなかったみたい。この曲をコンサートで歌うと、危険なパーティー的
妖しさがあってその瞬間がなんとも言えずに好きだった。日本人には衝撃が
強すぎるのかしら…・いい曲なのにな。

4

Escape ノリノリの軽快なナンバーや悪の陰りのあるような曲が続く中、この曲だけ
メロディーが落ち着いていて、当時、気になってしかたなかった記憶があります。
玉置浩二の作品なんですね。ふーん。

はじめの3曲が、ノリノリの激しいナンバーだったのに、一転して玉置浩二さん
の雰囲気あるバラード。サビの壮大さは、この頃のひろみさんの心の翳りを表して
いるかのよう。エスケイプという、どちらかというと不良的言葉を、曲に上品に
取り込んでいると思う。

5

Empty Pages この曲がリリースされた時、腹が立って仕方なかった。だってこのタイトルのひろみ
さんの曲ってすでにあるじゃん。歌謡曲の世界の安易さを感じずにはおれません。
そりゃ、前回の曲はカバーかもしれません。でも、エア・サプライのリードの人が
ひろみさんのために書いてくれた曲でしょ。酒井さんボケてきたんじゃないって
思っちゃいました。

すごくいい曲なのに、当時の彼を取り巻く状況に曲が翻弄されていい評価を
もらえなかった曲だと思う。のちに、愛のエンプティーページという題名にして
シングルカットもしたけれど、そのあたりにひろみさんのこだわりがあったのかも
しれない。バラードコレクションに入っているこの曲は、すごく力が抜けていて
すっきり歌えていると思う。

6

美音Language これまた、題名が素晴らしい。確か、ミュージックフェアでも一回だけ歌った
ような。この頃のひろみさんの線の細さは、このアルバムのイメージとぴったりで
彼の中で何かが、むしゃくしゃていている印象を受けていた。
だから余計にこういう曲の中で、はじけているのかもしれない。

7

I Feel My Love With You  バックのコーラスがひろみさんの声で何重にも重ねてあってすごくきれい。
このアルバム全体に言えることは、サウンドが軽めなのに、色んな小細工が
子供のいたずらのようにたくさん使われていること。ひろみさんの自分でアルバム
をプロデユースするこだわりが芽生えはじめた頃だったのでしょうね。

8

女してる? これもまた名曲ですね。”Doctor L・O・V・E”と同じような位置付けで、
日本人にはないリズムなのではないかって思ったり。夜ヒットで歌っていた光景が
目に焼き付いてます。最後をもっとスッキリ終わらせてくれたら、この曲もっと好き
になるんだけどな。

9

Careless Whisper シングルよりイントロが長めで、いい感じで哀愁がただよってます。当時ひろみ
さんのこの作詞がおかしい、とある音楽評論家が言っていたけれど自分でそういう
詞の書ける潔さをわからない人が言ってる事と思いました。好き嫌いはあるだろう
けど、それが郷ひろみらしさであり、無難な歌詞でおさまらない人間的魅力がある
のだと思う。一番最近のベストで英語で歌いなおしたこの曲も貴重。

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