<ボランティア倶楽部の思い出 '05.05.27 k君>
いい男や綺麗な女性を羨ましいって思うことありますよね。
「あの人たちには苦労なんてないんだろうな」ーって思ったことありませんか?(笑)
けれど学生時代に「そんなこともないのかな」っていうエピソードがありました。
学生時代、僕はボランティア倶楽部に所属していて、
学校の講義に参加するより福祉施設に出入する時間のほうが
ずっと長いような生活を送ってました。
そんな倶楽部でも所属を希望する学生は結構いて、
僕が3年生になったときにもたくさんの新入部員が入部、
そのなかにS君という子がいたんです。
S君は少し小柄だけどすごく綺麗な顔立ちをしていて、
例えるなら『タッキー』をもっと中性的にした感じ。
頭の回転も非常に速い子でした。
それでいてすごく社交的で、ボランティアのときも
女子大生ボランティアの女の子に大人気でした。
僕にとってはある意味ナマイキで妬ましい(?)存在でしたが、
倶楽部の飲み会のときなんかは妙に話も合って可愛い後輩でした。
彼が好きだったのが『議論』で、
よく僕と「親切と偽善の違い」とか「愛は与えるものか受けるものか」とか、
そんな答えのない問題で『あ〜でもない、こ〜でもない』と
朝まで話し合ったりしてました。
S君が自殺したと聞いたのは僕が4年生になって倶楽部も引退し、
割といいかげんに就職活動をしていたころです。
「えー!!」って驚く気持ちと共に、
「彼ならばそんなこともあり得るのかも」っていう思いもありました。
彼は僕が心の底から羨むような立場にありながら、
繊細で回転の早い頭で僕よりずっと深くて重い悩みを抱えていたのででしょう。
僕は身内が亡くなった時も中学時代に同級生が亡くなった時も
悲しみを引きずることはなかったんですが、
彼の死はいつまでも心に残っていて、今でもふっと思い出したりします。
今は自分から見てどんなに恵まれた人に会っても、
「この人にも自分と同じように悩みがあるんだろうな」って思えるようになってます(^−^)
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