滑舌
早口言葉集。
T
- さ〜さ〜、させさせ、ズンズンさせ。騒々しいぞ、シズシズさせ、図々しいぞ。
- 周囲の諸情勢を参照し,終始、草案再審査の実際の衝(しょう)に専心せられし秀才諸氏の意志を重視し、小生は、誠心誠意、本成案即時実施に賛成する。
- 信州信濃渋井村、新家(しんけ)の重さんの尻に虱(しらみ)が四匹(しひき)しがみついて死んでいた。
- 浅草寺の千手観音専念千日千遍拝んで千束町(せんぞくちょう)で煎餅買って千たべた。
- 梨の芯と茄子の芯は、茄子の芯と梨の芯だけ違い、茄子の芯と梨の芯は梨の芯と茄子の芯だけ違う。
- トテチテタ、トテチテ、トテチテ、トテチテタ、おっと踊った、とっとと踊った。トンツツ、トンツツ、トトントン、どんたく踊りを踊ろうぞ。
- 田どじょう、畦(あぜ)どじょう、畦どじょう、田どじょう。
- とどまらばとどめてましをとどめてもとまらぬ年を如何でとどめん。
- 南無釈迦ぢゃ娑婆(しゃば)ぢゃ地獄ぢゃ苦ぢゃ楽ぢゃどぢゃこうぢゃと言うが愚ぢゃ。
- でん出られんけん出られんけん、出んけん来んけん、こん来られんけん、こられては(ワ)ようか。
- イライラするから笑われる。テレるからからかわれる。ダラダラするからあなどられる。
- 老練な理論家だけに理路整然と論理的に議論をする。
- とろろ芋をとる苦労より、とろろ芋からとろっとするとろろ汁をとる苦労。
- 猪(しし)料理、鶴料理、熊料理、虎料理、獏(ばく)料理、雁(かり)料理、鹿料理、ノロ料理、イルカ料理、鳥料理、色々料理、より取り料理。
- 瓜売りが瓜売りに出て瓜売れず売り売り帰る瓜売りの声。
U
- 今日、午後、学校で剣劇ごっこ。キッカケ聞く子がごく利かん気で、キッカケ聞く気か聞かん気か、お小言喰い喰いキッカケを聞く。
- 海軍機関学校、機械科、今学期学課課目、各教官協議の結果、下記の如く確定、科学、幾何学、機械学、国語、語学、絵画、国家学、撃剣。
- 書きかけ書こうか、駆けっこか、買い食いか、危険、危険、今日が期限だ、書きかけ書こう。
- 特許許可局、農商務省特許局、日本銀行国庫局。
- 神田鍛冶町の、角の乾物屋で買った勝栗買ったが、固くて噛めない、返しに行ったら、勘兵衛の内儀(かみ)さんが帰って来て、癇癪(かんしゃく)起こして、カリカリ噛んだらカリカリ噛めた。
- 家(うち)の潜(くぐ)り戸は栗の木の潜り戸、潜り良い潜り戸、隣の潜り戸は栗の木の潜り戸、潜りにくい潜り戸、潜りつければ、潜り良い潜り戸。
- 巣鴨駒込、駒込巣鴨、親鴨子鴨、大鴨小鴨。
- 書写山の沙猩々(しゃしょうじょう)、上方(かみがた)僧、書写山、社僧の総名代、今日の奏者は書写じゃぞ書写じゃぞ。
- 美濃の蛇池(じゃいけ)に蛇(じゃ)がいるげじゃが、牡蛇(おんじゃ)か牝蛇(めんじゃ)か何じゃか判らんじゃ。
- 何の因果なの、あんなに何年もあんな苦い因果な目に会うのは。
- あのアイヌの女の縫う布の名は何、あの布は名のない布なの。
- あの女、何年居ないの、二年いないのあの女、いないのに何を言うの。
- 長持ちの上に、生米、生麦、生卵、なた豆七粒生米七粒、七粒なた豆、七粒生米。
- 長町の長眉毛。長町の七曲がり長い七曲がり、曲がってみれば曲がりやすい七曲がり。
- 母の頬にホホ笑みを見、速男はホッとした。母の皮肉な微笑み、母は母なりの豊富や批判を持って居るのだ。
- 髭の端に火がついて、吹いても吹いても火が消えない、お冷やだ、お冷やだ、お冷やをくれ。
- 伝染病予防病院予防病室、伝染病予防法。
- 蛙ひょこひょこ三ひょこひょこ、四(し)ひょこ五(いつ)ひょこ 六(む)ひょこ、七(なな)ひょこ八(や)ひょこ九(く)ひょこ十(と)ひょこ。
- 脈絡のない経文、妙味も無い、脈々と続く、みょうもん、無明、妙案、明年、明星。
- 天の川のお宮の前の飴屋に、按摩と尼が雨宿り、雨やむまで按摩ももうと按摩が申す、按摩尼も揉み、尼按摩揉む、按摩うまいか尼うまいか、按摩も尼も皆(みな)うまい、按摩もお揉みやれ、尼もお揉みやれ、雨宿り。
- ドシャ降りで道路はドロドロだ、道理で廊下は泥棒の泥足で泥だらけ。
- 踊り踊るなら、踊りの道理をならって、踊りの道理どおりに踊りを踊れ。
仮想劇団くじら座