・犬フィラリアについて

・ノミ
について

・マダニについて

愛犬、愛猫の健康を守るため、
病気の原因を知り、
正しい予防対策をしましょう!



 犬フィラリアについて
1.犬フィラリアとは

 犬フィラリアは、成長すると
20〜30cmにもなる糸状の寄生虫で、心臓や肺動脈に寄生します。そのため血液の流れが悪くなって、元気や食欲がなくなる、咳をする、おなかが膨らむ、などの症状が現れるようになります。
 犬フィラリアと言いますので、犬だけの病気と考えがちですが、
猫にも感染し、犬よりも症状がひどくなる場合が多いため、猫も予防することをおすすめします。

2.犬フィラリアの生態
 犬フィラリアは
に刺されることによって伝播します。
 犬フィラリアがすでに寄生している犬の血液中には犬フィラリアの仔虫が一緒に流れており、その血液を吸った蚊の体内で犬フィラリアの仔虫は感染仔虫へと成長し、この感染仔虫が他の動物の血液を吸血するときに蚊の唾液とともに皮膚へと刺入されます。刺入された仔虫は徐々に体内へと移動し、脱皮をくり返し最終的に心臓や肺動脈で成虫となり、オスとメスの成虫がいれば仔虫を生み始めます。


3.犬フィラリアの予防対策
 犬フィラリアは蚊に刺されなければ寄生することはありません。しかし完全に蚊に刺されないようにすることは困難です。そこで蚊に刺されても、体内に侵入した犬フィラリアが心臓に到達して成虫になる前に駆除します。駆除する方法は犬フィラリアの感染時期(地域、気温によって異なります。)に
薬を投与します。この毎月1回の薬は犬フィラリアの仔虫が皮膚の表層にいる間は薬が効かなく、皮膚から体内へ移動してからでないと駆除できません、また仔虫が体内に入ってから2ヵ月程過ぎると仔虫が大きくなりすぎて薬が効かなくなってしまいます。従って蚊に刺されてから1ヵ月から2ヵ月の間に薬を投与するのが効果的と考えられます。以上のことからフィラリアの予防は蚊の発生した次の月から蚊が見られなくなった次の月まで毎月薬を投与することで予防できます。薬は毎月1回の飲み薬(錠剤、粉剤、フードタイプ)、スポット(滴下式)、持続性の注射薬などがあります。



ノミについて

1.ノミの生態

 ノミは
約2.5mmの小さな暗褐色の虫で、動物の血を吸って生きています。
 ノミの寿命は4ヵ月ほどですが、その間に雌ノミは2千個におよぶ卵を産むことがあります。
この卵は動物の体から落ちて、屋外では地面、屋内では家具の隙間、カーペットの中に入り込みます。その後10日間で卵から幼ノミがかえります。幼ノミはその場にあるゴミを食べ、やがてサナギになります。その状態で、数日から数ヵ月過ごした後、孵化した成ノミは2週間で動物の体に飛び移り血を吸い始めます。
 ノミの繁殖できる条件は温度と湿度が高いことです。つまり屋外では
春から秋にかけてノミは活発に繁殖を繰り返します。しかしノミの生活環が家の中で出来上ってしまうと、冬でも温度と湿度が高いのでノミが繁殖してしまうことになります。

2.ノミの病害
 ノミが寄生するとまず激しい
痒みが発生します。ノミの唾液でアレルギー性皮膚炎を発症したり、条虫(サナダ虫)を媒介したり、多数寄生すると貧血を引き起こすこともあります。

3.ノミの予防対策
 ノミを家の中まで持ち込まないようにするためには、ノミが
屋外でつかないようにすることです。また、もうすでに家の中にノミの生活環が出来上ってしまっている場合では、この生活環を断ち切ってやれば良いわけです。それには、まず成ノミを駆除します。駆除剤として、スポット(滴下式)、スプレー、散剤、ムース、シャンプーなどを用います。また成ノミ駆除だけでなく、卵の孵化も阻害する薬もあります。予防効果の持続期間は薬の種類やシャンプーの回数にもよりますので獣医師と相談して定期的につけるようにしてください。こうした薬を活用するとともに、屋内の掃除をこまめにしたり、換気と室内の乾燥に心がけるなどの環境対策も大事です。



マダニについて

1.マダニの生態

 マダニは幼ダニ、若ダニ、成ダニの3段階の形態で草むらなどに生息しています。これらのダニは草に登り、葉の先端で動物が通過するのを待ちます。そして動物から発する熱、振動、二酸化炭素を検出する感覚器官で動物を感知し寄生します。幼ダニと若ダニは3〜5日間ほど動物の血を吸った後、地上に落ちそれぞれ若ダニ、成ダニへと脱皮します。、成ダニも1週間ほど動物の血を吸い、交尾をして地上に降ります。雌ダニは何千個もの卵を産みます。

2.マダニの病害
 マダニが引き起こす問題として、直接的な病害としては大量に寄生を受けた場合の貧血、刺し傷からの皮膚の細菌感染症、唾液によるアレルギー性皮膚炎などがあります。しかしこのような直接的な問題よりも、
犬バベシア症、ライム病、その他(エールリッヒア症、犬ヘパトゾーン症、Q熱、ヘモバルトネラ症、野兎病、日本紅斑熱、ダニ媒介性脳炎など)多くの病原体をマダニが吸血する際に媒介することの方が深刻な問題と言えるでしょう。これらの病原体はマダニが吸血する時の分泌物とともに媒介されます。一般にこの分泌物の放出はマダニの吸血開始から48時間以降に活発になります。従って、マダニからの病害を予防するためには、マダニが付かないようにするか、ついても48時間以内に除去することです。

3.マダニの予防対策
 マダニが寄生しやすい場所(森林、川原、草むら、公園など)から帰ってきたら、毎回動物にマダニがついていないか注意深く調べます。もし寄生が見られたら、すぐに取ろうとしないでください。
手で無理に取ろうとすると病原体を動物の体内に押し出してしまう可能性があります。マダニの頭だけをつまんで取り除くか、マダニ駆除剤などをつけてください。マダニ駆除剤として、スポット(滴下式)、スプレー、散剤、首輪などがあります。予防対策としてはダニの発生時期(春から秋、地域やマダニの種類によって異なります)に薬を投与しダニがつかないようにします。但し薬の予防効果の持続期間は種類やシャンプーの回数にもよりますので獣医師と相談して定期的につけるようにしてください


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