出て行ったわけでなく
帰れないのかもしれません
迷子になった猫を、誰か心優しい人が保護する可能性は、非常に薄いと言わざるを得ません。
野良猫が多過ぎて、社会問題の1つにもなっている現状や、長毛種などの洋猫も野良猫でいる現状を考えると、その可能性は非常に低い気がします。勿論、可能性はゼロでもありませんので、色んな可能性に期待をかける意味でも、諦めずに、根気良く下記の方法を実践することをお勧め致します。
猫のリード付け散歩については、迷子猫を作る1つの要因となりますので、お勧め出来ません。
猫の習性を考えれば、自由の拘束は、猫にストレス(体に害があります)を与えてしまい兼ねず、また、外へ出たい欲求から、飼い主が振り回されたり、猫が思い通りに外へ行けずに余計なストレスを溜め込んでしまったり、完全室内飼いが困難にもなったりしてしまいます。
猫は、完全室内飼いでも、何らストレスなく過ごせます。1度外を知った猫の場合、外を忘れるまでには、少し時間がかかりますが、自由を拘束されることによるストレス、外で何かがあった際の危険(交通事故など)を考えれば、飼い主さんが根負けせずに、猫が外へ出たがっても忍耐強く出さない様にすれば、猫を完全室内飼いにする事は充分可能です。
完全敷地内飼いの勧めも、是非ご参考になさってみて下さい。
外は猫にとっての危険が沢山あります。普段からの、完全室内飼い、完全敷地内飼い、をすることをお勧め致します。
帰りを待つ
猫がいつ自力で帰っても、自分から家へ入れる様に、飼い主が気付け易い様に、家のドアと窓に、常に隙間を開けて下さい。
隙間を開けた、ドアと窓の内外、家の周囲の数ヶ所には、匂いの強い食べ物、その子の大好物、慣れ親しんだ匂いの付いてるもの(猫砂や敷物)、を置いて下さい。
特に、猫が家の中から外へ出た、外の(いつもの)散歩コース内からいなくなった、場合は必ず実践して下さい。
猫は、いつ自力で家に戻ってくるか分かりません。
その時に、家には入れず、食べ物も無い、という状況が続けば、またそのままいなくなってしまう可能性があります。
特に、夜から深夜の静まった時間帯が、戻る可能性の高い時間帯です。
また、ドアと窓を少し開ける事で、飼い主さんが猫の存在に気付き易くもなります。
仮に、猫がすぐに自分から家へ入らなくても、家の周囲と他所を行き来することは可能になりますので、その内に家に入ったり、飼い主が気が付く可能性が高まります。
猫の性格や月齢による違いがある為、猫が見つかるまで、長期間実施して頂く事が理想です。尚、防犯対策も必ず実施して下さい。
匂いの強い食べ物などを、ドアや窓の内側(家の中、ドアや窓から見える位置に)に大量に置き、外側(家の外)にはそれよりも少量を置き、家の周囲には更に少量を置いて下さい。水も、家の外側の1ヶ所には置く様にして下さい。
窓が高い位置にある場合、猫用の踏み台を置いて下さい。
防犯対策を実施して下さい。留守や深夜の間は、ドアを閉めても、窓だけは閉めずに、隙間を開けて下さい。窓が大きく開かない様、市販の窓用補助鍵を利用しても良いでしょう。
匂いの強い食べ物や水、の他に、匂い付けとして、普段使用している猫砂や敷物を、家の外や周囲に置いても良いでしょう。
慣れ親しんでいる匂いが、猫に安心感を与え、家の所在を思い出させます。
探す
猫のいなくなった場所から、缶詰などの匂いの強い物を持ち歩きながら、音を出したり声を出したりして、探して下さい。
迷子になった猫は、心細さと不安から、飼い主が傍にいても、飼い主の声を聞いても、慣れ親しんだ匂いを嗅いても、返事をしない、気配をみせない、姿を見せない、可能性があります。1度通った道でも、諦めたりせずに、何度でも根気良く、探す様にして下さい。
仮に、今の家が長年住んでいる場所ではなく、引っ越してまだ間も無い(半年未満)なら、お家がまだ猫の縄張りになっていない為、猫が自力で家に戻れる期待が薄くなります。
その場合、以前の居住地方面に向けて、広範囲(Km単位)にビラの配布範囲を広げて下さい。尚、以前の場所に戻ろうとして、1週間で5Km以上移動した猫もいます。
猫の性格次第ですが、いなくなった場所の周辺に、数日間隠れていることがあります。
勿論、その日の人通りが無くなった夜から深夜にかけて、隠れている場所から少しずつ移動をする可能性もあります。猫は、おかれた状況下に多少慣れると、夜から深夜にかけて移動する可能性が高いので、早期の徹底した周辺での捜索が必要です。
猫を見つけても、すぐに近づいて来ない場合、または、近づこうとすると逃げようとする場合、深追いはしないで下さい。猫は、パニックの状態にある、不安と恐怖で、飼い主をも警戒している、かも知れません。美味しいご飯をゆっくりと近くに置き、優しい声をかけてあげて下さい。そして、時間をかけて、ゆっくりゆっくり猫に安心感を与える様にして下さい。
万が一、猫がその場から逃げても・・・、詳細は書けませんが、飼い主さんが諦めずに、粘り強く猫の不安を取り除く様にして下さい。
探す際には、猫が、誰かの軒下などの何処かに隠れていないかどうかも、確認をして頂いた方が良いかと思います。
猫が、致命的な怪我をして、身動きが取れずに、何処かに潜ってじっと回復を待つこともあれば、そのまま命を落とすこともあります。
他の猫とのケンカ、うるさいなどと人に追い払われるなどの結果、逃げる途中での交通事故に遭うこともあります。
仮に、酷い怪我をして、じーと回復を待っているなら、誰かの家の軒下などに隠れている可能性も否定出来ません。
連絡をしましょう
まず、管轄の保健所、動物管理センター、警察署、動物病院へそれぞれ連絡しましょう。各機関の連携はうまくできないことがあります。
【保健所、動物管理センター】
保健所やセンターは、保護したり見かけた人が通報したり、捕獲されている場合があります。事故でも持ち込まれる場合があります。猫の特徴(大きさ、体重、体型、毛色、毛の長さ、首輪の色、年齢や性格)を伝えてください。もし、その時に該当がなくても、後で連絡をいれてもらうために担当者の名前を聞いておくと良いです。担当者からの連絡が行き届いていなかったために、保護されていても出会えない、間に合わないというケースもありえます。電話は2,3日ごとにかけてみてください。
【警察署】
ペットは法律上は物(遺失物)であり拾得物となっています。迷子になったということは、紛失したということですから、遺失物として交番に届け出を出します。
また、保護した人は警察に届け出をする必要があり、勝手に自分のペットとするのは、法律違反となります。
警察署への届け出の方法は、名前・住所・電話番号などの連絡先や、ペットの種類や特徴を申告します。写真があるならば持っていくとよいでしょう。
【動物病院】
主治医はもちろん、電話帳で動物病院を調べて、連絡を入れます。後日ポスターを貼らせてもらえるようにもお願いしておきます。
ポスターを作りましょう
連絡が済んだらポスターを作りましょう。
【タイトル】
「探してます」「迷い猫」「○○ちゃんを探して!」などわかりやすく大きい文字で。
【写真】
できるだけ大きいものを。紙の2/3を閉めてもかまいません。
【文字】
パソコンがない方は、手書きにして、写真を貼る位置をあけておく。写真はコンビニのカラーコピーで引き伸ばします。貼るポスターは、下がちぎれるようになってい
ると便利。
【連絡先】
イタズラ電話も多いので仮名にします。その名前宛てにかかってきた方は、猫の情報だとすぐわかります。電話番号は携帯かPHSが無難。
【特徴】
名前、年齢、体重、毛色、不妊の有無、首輪の有無、いなくなった日時や場所、性格などを記入します。
【枚数】
多ければ多いほどいいです。目安はまずは500枚〜1000枚。
【紙の大きさ】
B5またはA4。一人で貼ったり配ったりするなら、B5の方が扱いやすいです。強風の日は、A4だとかなり大変です。
貼る場所・配る場所
次はポスター貼り、配りです。もし、仲間がたくさんいるならば、ありったけの知り合いを動員してください。ポスターを貼る場所や配る枚数は、多ければ多いほど良いのです。
【公園】
猫がいる公園、川沿いの通りなどもポスターを貼ります。また、その地域のボランティアの人を探してください。広場、公園などの猫に餌を与えたりしているボランティアの人たちがいます。普段見慣れない猫がいた場合、連絡してもらえるようにお願いします。
【公共の場所】
銀行、スーパーマーケット、郵便局、交番、お風呂屋さんなど、お願いするとポスターを貼らせてもらえる場所がたくさんあります。
【動物病院】
主治医はもちろん、広い範囲の動物病院へお願いしてください。
その他の捜索方法
【地方紙掲載】
○○リビング、情報誌などの情報誌に迷子の掲載をします。早いものは翌週発行に間に合うものもあります。発行地域も選べるので、手早くたくさんの方からの情報を期待できます。ただし、文字情報のみ。
【新聞折込】
住んでいる地域の新聞屋さんにポスターを持ち込み、折込を依頼します。
【インターネット】
迷子情報を掲載してくれるHPへ依頼します。
【ペット探偵】
ペット専門の会社をはじめ、便利屋さんでも引き受けるところがあります。
連絡を待つ
できる限りのことをしたら、連絡を待ちます。連絡があったら、相手の名前と電話番号、見かけた日、時間、場所、猫の特徴(毛色、様子、首輪の有無)を聞きます。連絡があった地域からの連絡がおおければ、方向を絞って、再度、ポスターを貼ります。
避妊・去勢をしておく
いなくなった猫が、生後半年過ぎ、オス、未去勢手術の場合、急にサカリが付いて、メスを追いかけての放浪を、始めてしまった可能性が、一番強いかも知れません。
もしこの場合でしたら、相当遠くまで行く事もあります。期待を込めて、5Kmを目安にその前後で探した方が良い様に感じます。去勢をしておくと行動範囲は狭くなります。
猫には、縄張りへの他所からの侵入猫を追い払う習性があります。また、メスを巡っての、去勢手術をしていない、オス同士での激しいケンカもします。
その結果として、エイズや白血病などの不治の病に感染することがあります。
ケンかによって猫が、致命的な怪我をして、身動きが取れずに、何処かに潜ってじっと回復を待つこともあれば、そのまま命を落とすこともあります。
他の猫とのケンカ、うるさいなどと人に追い払われるなどの結果、逃げる途中での交通事故に遭うこともあります。