週刊サンガタウン
2011/06/15(水)vs 京都サンガU-18
練習試合(vs.京都サンガF.C.U-18)の結果について
■日 時
2011年6月15日(水)16:30キックオフ
■会 場
京都サンガF.C.東城陽グラウンド
■対戦相手
京都サンガF.C.U-18
■形式
45分×2本
■試合結果
1−2(1本目1−1/2本目0−1)
■得点経過※トップチームのみ表記
3分(ディエゴ)
■出場メンバー
【1本目】
児玉剛、内野貴志、下畠翔吾、福村貴幸、チョン ウヨン、山田俊毅、中村太亮、ディエゴ、駒井善成、上里琢文、金成勇
【2本目】
児玉剛、内野貴志、下畠翔吾、福村貴幸、チョン ウヨン、鈴木慎吾、中村太亮、ディエゴ、伊藤優汰、久保裕也※、ハウバートダン
※2種登録選手(京都サンガF.C.U-18所属)
(上記リンクより引用)
「プロがこれじゃアカンやろ。学校で勉強してからチャリで来てんねんで、この子ら。」
私の隣にいた子連れ主婦のこの一言が、今日の練習試合を全て物語っていました。
トップにとってはヒドイ試合でしたが、ユースにとっては最高の試合でしたね。
梅雨の中休みになった晴れの日。16:30に試合開始。
1本目。1分、試合開始早々駒井がシュート。左へ外れるものの立ち上がりはトップが支配する。
3分、左サイドで駒井が山田に早い縦パス。山田がこれをセンタリングし、ディエゴがなんとヘディングで決める(1-0)。
「ディエゴのヘディング、初めて見た・・・」と、客席がどよめく。(笑)
立ち上がりのユースはプレスが甘く、トップが好きなようにボールを支配していました。
しかし終わってから振り返ると、この立ち上がり数分だけがトップのピークで、後は落ちていく一方なのでした。(汗)
落ち着いてきたユースは守備を固め始めました。トップが後ろでボールを回しても取りに来ません。
しっかり守ってボールを奪取。奪ったらすぐ前線に長いパスを入れるというのがユースの攻撃でした。
トップのディフェンス陣もまだしっかりと対応が出来ており、追い込んだ後苦しいシュートを打たせるといった
うまい守備も見せていました。
11分、駒井がディエゴに短いパスをつなげ、シュート。14分、右サイドの中村太亮から中央の山田にクロス。ミドルシュート。
いずれもディエゴが前線に張り付いており、随所にいい動きを見せて攻撃の良いアクセントとなっていました。
18分、短いパスをつながれて左サイドを突破される。そこからセンタリング。中央のユース選手(久永?)がフリーで待っており、決める(1-1)。
ちなみにこの時のフリーはただのフリーではなく、いわゆる「どフリー」でした。
ユースの見事な得点に沸く客席。このあたりから客席のテンションもおかしくなります。(笑)
この時間帯のトップはまだ主導権を持っていました。しかしユースの「しっかり守ってカウンター」攻撃に、しばしば押し込まれるようになります。
前線は駒井が走り回ってかき回していましたが、金成勇がまるでボールに絡めなくなります。
28分、ユースの22に中央を切り込まれ、右サイドに走り込んだ13が折り返し。10がフリーでシュート。
このシュートは外れるものの、ユースは緩急を付けた攻撃を見せるようになる。
29分、ユースの4に中央を切り込まれ、右サイドに走り込んだ11が折り返し。18がフリーでシュート。
先ほどと全く同じ攻撃でシュートを打たれる。
ユースは後ろでボールをつなぎながら中盤で急激にスピードアップするという、緩急を付けた攻撃を行い始めました。
ユースの13が裏へ走り出してクロスを上げるという攻撃です。
トップのディフェンスはこの攻撃にまるでついて行けなくなり、主導権を完全に失います。
35分のディエゴから山田のミドルシュートが精一杯で、ゴール前にも持ち込めません。
ユースの4バックは美しいラインを保ち、トップの選手をはえ取り紙に吸い付くハエのように次々と
オフサイドトラップに仕留めていきます。
トップはもはや敵陣にすら足を踏み入れられなくなりました。
最近見かけないはえ取り紙。おもしろいぐらいハエがくっつくのだが。(笑)
36分、中盤でボールを奪われ13、11がドリブルしシュート。中盤でボールを奪われるのもアレですが、
そこからそのままシュートまでもっていかれるのもかなりアレです。
37分、ユースの右コーナーを28、17とつながれる。これをいい動き出しをした11に合わせられ、シュート。
トップはユースの細かくて早いパス回しにキリキリ舞い。おまけに攻撃は前線の駒井に放り込むのが精一杯となる。
この辺りから客席の応援はトップからユースに切り替わる。(笑)
44分、ディエゴが下がり出す。ご存じの通り、これはサンガが負けパターンに入ったことを意味します。
それでも駒井がドリブル突破してディエゴがシュート、これをキーパーが弾くというシーンが見られる。
しかしそれが精一杯でタイムアップ。客席からは大きな拍手がユースの選手に送られました。
1本目は立ち上がりこそトップが優勢でしたが、ユースが落ち着くにつれ、トップは徐々に主導権を失っていきました。
ユースはボールを奪った後、誰がどう攻撃するかという意思の疎通が全員で図られていましたね。
しかし残念ながらトップからはそのような意思は感じられませんでした。
指揮官不在の毎度おなじみ「なんとなく攻撃」を繰り返し、バラバラに突撃してはユースに各個撃破され、
カウンターを食らうという繰り返しでした。
そのカウンターも、ゴールこそ一つで済んだものの、いずれもシュートまで持って行かれており、
プロとしてその守備はどうなのかという不満が客席のあちこちから漏れていました。(笑)
メンバーを変更しての2本目。伊藤、久保が入って今度こそという期待が高まります。ディエゴが前線に張り付いて
くれれば良いのですが・・・。
46分、ユースの4を倒してゴール前でフリーキック。キーパーが弾くものの、ユースは立ち上がりから
積極的に仕掛けてきます。
ユースは攻撃が失敗すれば一度ボールを後ろに戻し、組み立て直してから再攻撃を行っていました。
ボールを取られるまでバラバラで突撃しているトップとはえらい違いです。
サンガタウンマニア期待の星、伊藤もドリブルで頑張るものの、ユースの対応が非常に落ち着いていて、
なかなか突破できません。
49分、50分、連続して右サイド内野の裏のスペースを使われ、23に走られる。この攻撃はこの後少なくとも3回続きました。
いいかげん児玉が気づいて内野に指示を出すものの、内野は23を全く止めることが出来ませんでした。
50分、ユース左コーナーキック。外れるものの、フリーでシュートを打たれる。
51分、左サイドを突破され、ミドルシュートを打たれる。キーパーが弾いて防ぐが、もはや完全にユース応援団となった
客席は大いに沸く。(笑)トップは右サイドの裏を23に何度も突破されていたのですが、この辺りからは左サイドの裏も
取られるようになります。
53分、ユースは10->4->10と細かいパスをつないでゴール前まで持って行き、17がシュート。
トップが標榜する「パスサッカー」を、ユースが代わりに見せてくれました。
トップは自陣ゴール前で奪ったボールを大きく蹴り込み、伊藤を走らせるという攻撃を行うものの、
なかなか主導権を握れず。
57分、内野が攻撃参加し、伊藤、ディエゴの三人で攻める。トップはようやく細かいパスがつながり初め、
優勢に立つ。ただほとんどの人は「見てるだけ」。
見てるだけ〜
59分、トップがやぶれかぶれのファウルでユースを倒し、自陣ゴール前でフリーキック。このボールをユースとキーパーが激しく競り合う。
61分、トップが中盤でコネコネしていたボールをユースにかっさらわれ、危ない目に遭う。この辺りからディエゴがボールに絡めなくなり、
トップは組織的な攻撃が出来なくなる。
62分、ユースの23にまた右サイドの裏を取られる。もう何回目かわからない。(笑)
65分、伊藤が一対一でも負けはじめ、沈黙。ダンにもボールが渡らず沈黙。ユースはウォームアップのような余裕を持って
いいようにボールを回し始める。
66分、ユースは自陣でボールを奪って素早く11へ。また右サイドの裏を取られるが、これはコーナーキックへ。
ここで久保の姿を見かける。「あ、ごめん、まだいたの?」という空気みたいな存在感。
69分、トップの選手はイライラし始めるが、ユースはディフェンスを中心に冷静に声を掛け合っている。
トップはボールをキープすることすら難しくなってしまい、完全に受け身になる。
たまにボールを取ってもディエゴが中盤でコネコネするという悪癖も抜けず。
71分〜86分、ユースはボールを奪ってから10、11、31が有機的に連動し、攻撃を仕掛ける。
これに左サイド4の攻撃参加も加わって、手が付けられなくなる。
トップは前線とバックラインが大きく乖離し、そのスペースにボールを蹴られてあっという間にピンチを招く。
79分には右サイドの10がドリブル突破し、ミドルシュート。(1-2)。
児玉が「点取りに行くぞ!点取りに行くぞ!」と吠えても、ユースの練習みたいなワンツーパスが
簡単に決まる。
トップは細かいパスをつないで時間をかけながらじりじり前進するものの、中村太亮のミドルが精一杯。
全く関係ないが、冒頭に出てきた子連れ主婦の子供(4〜5才ぐらい?)がここでぐずりだす。
「おとなよわいよわい、よわいんですよ。よわっちいことしんといてー!」
87分、ユース13が左サイドを突破。そのまま左コーナーへ一直線。屈辱の「時間稼ぎ」を出す。(笑)
88分、トップがユースゴール前でフリーキックを得るが、キーパーに弾かれる。そのまま何も出来ずに試合終了。
「プロがこれじゃアカンやろ。学校で勉強してからチャリで来てんねんで、この子ら。」
冒頭のこの言葉が全てを物語っています。
ユースは運動量も豊富で攻守の切り替えも早く、意図を持った攻撃が出来ていました。
一方のトップはおなじみの「なんとなく攻撃」。
ディエゴが良かったのは最初だけで、後ろでコネコネを始めると、駒井、伊藤の個人技でしか
攻撃できませんでした。
守備にも課題があります。バックラインの裏に蹴られたボールにまるで対応できていません。
特に内野の後ろはおもしろいぐらいやられていて、ビデオのリプレイを見ているように、
何度も何度も突破されていました。
前回もっと強い相手と練習試合を行った方がよいと書きましたが、こんな身近に強い相手が居ました。(笑)
今回の練習試合でオフェンスはゲームの組み立て、ディフェンスは裏へのボールの対処という
明確な修正点が出てきたと思います。
このように修正点を出してこその練習試合です。
今までは公式戦で負けて修正点を出し、練習試合で勝って修正点を修正していました。
しかし今回は練習試合で修正点を出せたので、これを試合までに修復し、今度は公式戦で勝って欲しいと思います。
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