おはスタ感想ページ

2023/03/03(金)

出演:木村昴、NUWARA、サンシャイン池崎、ちゃおガール 泉沙和香、あの
おはガール:後藤花
スポンサー:小学館、BANDAI、映画ドラえもん のび太と空の理想郷、日清製粉グループ
おはスタ増刊号:こちら
今週のおはスタ!:なし

今回の見所

 理想郷などありえないと考えた点が見所でした。 今日は「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」のCMを放送。 人類はいくつかの理想郷を作ってきましたが、その全てが流血と共に失敗しており、理想郷などありえません。 2023/03/02放送の「奥森皐月の公私混同」を視聴。 今日のゲストはフランスでチーズを食べて、その美味しさに気づいたとの事。 これはその逆もあるはずで、日本で日本食を食べて、その美味しさに気づく人も多い事でしょう。 そうであるならば、毎日日本食を食べている我々は、なぜその美味しさに気づいていないのでしょうか?

・理想郷などありえない
・外よりも内を見直すべきではないか?


●理想郷などありえない

 理想郷などありえないと考えました。 今日は「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」のCMを放送し、「のび太さんもここで暮せばパーフェクト小学生になれます*1」との事。 このCMは恐ろしくて戦慄しました。 というのも、人類はいくつかの理想郷を作ってきましたが、その全てが失敗し、多くの血が流されたからです*2。 高い理想主義は抑圧と独善を生み、勝利した途端に腐敗と堕落が始まって、かつての敵と同じものができあがります*3。 横井小楠が言った堯舜(ぎょうしゅん)の世も*4、理想主義なら同じでしょう*5。 理想郷などあってはならず、アリストテレスの言う「中庸(そこそこ)*6」で勘弁して下さい。

*1 司馬遼太郎, 司馬遼太郎全集 47 人間の集団について 街道をゆく 1, 403, 理想が虚構であるほど民衆は興奮する。

*2 齋藤孝, 使う哲学, 66, 唯物史観:歴史とは階級闘争であり、奴隷が自由民を倒し、市民・農奴が王族・貴族を倒したように、次は労働者が資本家を倒して革命を起こし、社会主義、ひいては共産主義を実現する。しかしながら、ソビエト社会主義共和国連邦は1922年に成立したが、1991年に崩壊した。平等な世の中を目指すといいつつ、スターリンは多くの自国民を殺害している。輝かしい理想は掲げたが、実際は政治家や官僚が特権階級になり、庶民の自由を制限し、場合によっては殺すという平等社会の理想とはかけ離れた世の中になった。毛沢東が率いた中国やポル・ポトのカンボジアでも同様のことが起こった。

*3 ジョージ・オーウェル, 動物農場, 206, 革命、理想、信仰は、反対物を排除した瞬間から変質が始まる。ミルクを隠したという小さなきっかけから始まり、気がつくとかつて”敵”として命をかけて憎んだものとそっくりの体系がそびえ立っている。

*4 司馬遼太郎, 司馬遼太郎全集 67 この国のかたち 二 風麈抄, 311, 横井小楠は勝海舟にアメリカ大統領の制度について質問し勝は「四年に一度選挙によって選ばれる」と答え、小楠は「堯舜(ぎょうしゅん)の世ですな」と答えた(堯舜とは中国人が理想的政体としてきた神話時代の治世)。ワシントン家が徳川家のように世々世襲していると思っていた竜馬が勝海舟に聞いた。「ワシントン殿のご子孫はどうなされております」海舟は「子孫がどうしているか、アメリカ人の誰もが知らない」と聞いて竜馬は頓悟(とんご)した。また「アメリカ大統領というのは平素何を懸念しておられます」と聞いた時「たとえば下働き女達の給料の事を心配している」と答えた。これが竜馬の革命思想になった。明治維新を動かした思想の重要な因子は数人の者たちがかすかに見聞きしたアメリカだった。

*5 レーニン, 世界の大思想 22 レーニン 唯物論と経験批判論 資本主義の最高段階としての帝国主義, 446, 「・・・私の心からの理想は社会問題の解決である。すなわち、連合王国の4,000万の住民を血なまぐさい内乱から救うためには、我々植民政策家は、過剰人口の収容、工場や鉱山で生産される商品の新しい販売市場の獲得のために、新しい土地を領有しなければならない。わたしの常々言ってきた事だが、帝国とは胃の腑の問題である。諸君が内乱を欲しないならば、諸君は帝国主義者にならなければならない。」1895年セシル・ローズがステッドに語った言葉

*6 齋藤孝, 使う哲学, 95, アリストテレス「中庸」:ほどよい状態。極端に走らず、何事もほどよいバランスをとる。幸福に暮らすための倫理的徳。

*6 司馬遼太郎, 街道をゆく43 濃尾参州記, 76, 無謀は感情から出るが、勇気と中庸は理性から出る。ギリシャの哲学者


●外よりも内を見直すべきではないか?

 我々は外よりも内を見直すべきではないかと考えました。 2023/03/02放送の「奥森皐月の公私混同」を視聴。 今日のテーマはチーズであり、ゲストはフランスでチーズを食べて、チーズの美味しさに気づいたとの事でした。 これは逆もあるはずで、フランス人が日本で日本食を食べて、日本食の美味しさに気づいてもおかしくはありません。 そうであるならば、本場の日本食を毎日食べている我々は、なぜ日本食の美味しさに気づいていないのでしょうか? 宮沢賢治の言う「一日玄米四合と味噌と少しの野菜」とは、質素な食事ではなく、最も美味しい食事なのかも知れません。



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